別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲 第 3127 号 氏 名 百々 悠介
論文審査担当者
主査 宮崎 章 教授
副査 砂川 正隆 教授
副査 小野 賢二郎 教授
(論文審査の要旨)
髄鞘はグリア細胞の一種で神経細胞に巻き付くように局在し、神経伝達や神経新生に関連す ることから、組織の修復に重要な役割をもつと予想さ れているが、生体内における髄鞘の動態 は詳しくわかっておらず、髄鞘が神経細胞にどのように分布し、局在を変化させるのかわかっ ていない。今回、組織が半透明であるメダカにお いて、髄鞘で特異的に発現する mpz (myelin protein zero)遺伝子の Promoter 下流で GFP(緑色蛍光タンパク質)を発現する遺伝子改変 メダカを作製し、脳、脊髄、側線、末梢神経で発現する個体が得られた。組織修復における髄 鞘の動態を調べるために骨折損傷を行うと、mpz陽性細胞は骨折近位部に集積し、アセチル化 チューブリン陽性の神経に沿って骨折周囲を移動していることがわかった。また、骨折時にお ける骨芽細胞とmpz陽性細胞の集積を観察したところ、mTOR 阻害薬であるラパマイシンによ って骨芽細胞と mpz 陽性細胞の集積の両方が抑制されたため、mTOR シグナルの骨折修復への 関与が示唆されました。以上より骨修復における髄鞘動態が明らかになり、その機能解明が今 後期待される。
論文題名:Myelination during fracture healing in vivo in myelin protein zero (p0) transgenic medaka line.
(Myelin Protein Zero(P0)遺伝子改変メダカを用いたin vivo での骨折治癒過程における 髄鞘の機能解明)
掲載雑誌名:Bone,Vol.133,115225,2020 年
(主査が記載、500字以内)