確率論
I2005/12/07
西岡 國雄
11
確率空間
1.1
確率空間の定義
1 1.2確率空間の例
2 1.3条件付き確率
32
確率変数
43
平均
,分散
,相関係数
3.1
平均と分散
5 3.2共分散と相関係数
84
大数の法則
91
確率空間
現代の確率論では
,まず適当な確率空間
(Ω,F)を定義する という方法をとる
.1.1
確率空間の定義
ここで
Ωは空でない集合であり
,標本空間
2sample spaceと呼ばれ
,その元
w∈Ωは 標本
sampleと呼ばれる
.P
は 確率測度
probability measureであり
,ある集合族
F3上の集合関数で
0≤P[A]≤1, P[Ω] = 1, P[∅] = 0,i6=k
なら
Aj∩Ak =∅ ⇒ P[[n k=1
Ak] = Xn k=1
P[Ak] (1.1)
をみたすものである
(つまり確率
Pは予め与えられており
,観測などから演繹されるもので はない
).事象
A, Bにたいし
,P[A∩B] =P[A]·P[B]
が成立しているとき
, Aと
Bは独立
independentという
.1 2号館11階38号室,オフィスアワー=水曜4限, [email protected], Tel = 0426-74-3639
2 しばしば, 事象空間”とも呼ばれる.
3 この講義では,Fとしては,常の巾集合族を考えるので,気にしなくて良い.
問題
1.1.確率空間
(Ω,P)において
,次のことを確かめよ
.(i) P[Ac] = 1−P[A], (ii) A⊂B ⇒ P[A]≤P[B]
(iii) A∩B =∅ ⇒ P[A∪B] =P[A] +P[B]. ]
1.2
確率空間の例
例題
1.2.サイコロを
1回投げる
.起こり得る事象は
w1≡ {1
の目がでる
}, w2≡ {2の目がでる
},· · ·, w6≡ {6の目がでる
}の
6通りであり
,標本空間は
Ω ={w1,· · · , w6}. Fは
Ωの巾集合族
F ≡ {∅,Ω, w1,· · ·, w6, w1∪w2,· · ·, w5∪w6, w1∪w2∪w3,· · · }
で
26= 64個の集合から成っている
.また
,このサイコロが公正なものとすると
,確率測度
Pは
P[w1] = 16, P[w2] = 1
6, · · · ,P[w6] = 1 6
となる
. ¦問題
1.3.例題
1.2の確率空間
(Ω,P)で
,A≡
サイコロの目が奇数
={w1, w3, w5}, B≡サイコロの目が
4以上
={w4, w5, w6}とおく
.次の確率を計算せよ
.(i) P[A∩B], (ii) P[A∪B], (iii) P[A] +P[B]−P[A∩B]. ]
例題
1.4.コインを
2回投げる
.起こり得る事象は
w1≡ {1
回目
=表
, 2回目
=表
}, w2≡ {1回目
=裏
, 2回目
=表
}, w3≡ {1回目
=表
, 2回目
=裏
}, w4≡ {1回目
=裏
, 2回目
=裏
},の
4通りであり
,標本空間は
Ω ={w1,· · · , w4}. Fは
Ωのべき集合族
F ≡ {∅,Ω, w1,· · ·, w4, w1∪w2,· · ·, w3∪w4, w1∪w2∪w3,· · ·, w2∪w3∪w4}
で
24= 16個の集合から成っている
.また
(1.2)
投げたコインは必ずしも公正ではなく
,表がでる確率が
p, 0< p <1,なら
,確率測度
Pは
P[w1] =p2, P[w2] =P[w3] =p(1−p), P[w4] = (1−p)2
となる.
¦=======================
[上級]
例題1.5. 今度は(1.2)のコインをn回投げる. 起こり得る事象は
w1≡ {1回目=表, 2回目=表, 3回目=表,· · · ,n回目=表}, w2≡ {1回目=裏, 2回目=表, 3回目=表,· · · ,n回目=表}, w3≡ {1回目=表, 2回目=裏, 3回目=表,· · ·,n回目=表},
...
wN ≡ {1回目=裏, 2回目=裏, 3回目=裏,· · ·,n回目=裏}, (1.3)
のN = 2n 通りであり,標本空間はΩ ={w1,· · ·, wN}. F はΩのべき集合族で2N= 22n 個の集合 から成っている.
このように極めて多数の元からなるΩを扱う場合には, (1.3)を次のように書き直した方が分かり易 くなる.
別の表記法: 1が表, 0が裏を表すとして,
w∈Ωにたいし w= (w(1), w(2),· · ·, w(2)) ここでw(k) = 1もしくは0.
この表記法を使うと, (1.3)は
w1= (1,1,· · ·,1), w2= (0,1,· · ·1), w3 = (1,0,1,· · ·,1),· · ·, wN= (0,0,· · ·,0) となる. すると確率測度Pは
w∈Ωにたいし P[w] =p|w|(1−p)n−|w|,
ここで|w| ≡w(1)+w(2)+· · ·+w(n)=表がでた回数 (1.4)
となる. ¦
=======================
1.3
条件付き確率
確率空間
(Ω,F,P)を与える
. A, B ∈ Fにたいし
,条件付き確率
conditional probability P[A/B]を
Bが起こったとして
,Aが起こる確率
4とする
.すると
(1.5) P[A/B]≡ P[A∩B]
P[B] (Bayes
の公式
)が成立している.
例題
1.6 (王に姉妹はいるか?).先王には子供が二人おり, その内の一人が新たに王として即 位した
.新王に姉妹がいる確率を求めよ
.ただし
,男女の比率は
1 : 1とする
. ¦解答
. B ≡子供が男
, G≡子供が女 という記号を使う
.左側は年長者を表すとして
,確 率空間は
(1.6) Ω≡©
(B, B), (B, G), (G, B), (G, G)ª
となる
.U ≡
子供の一人が男
, V ≡子供の一人が女
4 P[B]6= 0とする.P[B] = 0も許す場合は,状況が大変複雑になる.
という記号を使う
. (1.6)を考慮して
P[
王に姉妹がいる
] =P[V /U] =P[V ∩U] P[U] =2/43/4 =2 3. 2
問題
1.7. (Ω,P)を 例題
1.2の確率空間とする
.(i)
事象
A≡偶数の目がでる を
w1,· · ·, w6を使って表せ.
(ii)
条件付き確率
P[w2/A]を計算せよ
. ]問題
1.8. 6枚は赤
, 4枚は黒の印を裏側に付けたカードがある
.その
10枚のカードを表側を 上にして並べ
,その中からランダムに選んだ3枚のカードを順に裏返す
.A≡ {
最初に裏返したカードが赤印
}, B ≡ {2番目に裏返したカードが黒印
}, C≡ {3番目に裏返したカードが赤印
},とおくとき
,次の確率を計算せよ
.(i) P[A∩B], (ii) P[B], (iii) P[B∩C], (iv) P[C]. ]
2
確率変数
関数
X: Ω→Rを確率変数
random varibaleと呼ぶ
.確率変数
X(w)は
a1, a2,· · ·, anの値
,確率変数
Y(w)は
b1, b2,· · ·, bmの値をとる
. X(w)と
Y(w)が 独立
independentとは
,すべての
1≤j≤n, 1≤k≤mにたいし
(2.1) P[X(w) =aj, Y(w) =bk] =P[X(w) =aj]·P[Y(w) =bk]
が成立することである
.例題
2.1.例題
1.4の確率空間
(Ω,P)で 確率変数
Xk(w), w∈Ω, k= 1,2,を次のように定義 する
:(2.2) Xk(w)≡
(
1 k
回目のコイントスが表
−1 k
回目のコイントスが裏 すると
,P[X1(w) = 1] =P[w1∪w3] =P[w1] +P[w3] =p2+p(1−p) =p,
P[X1(w) =−1] =P[w2∪w4] =P[w2] +P[w4] =p(1−p) + (1−p)2= 1−p, P[X2(w) = 1] =P[w1∪w2] =P[w1] +P[w2] =p2+p(1−p) =p,
P[X2(w) =−1] =P[w3∪w4] =P[w3] +P[w4] =p(1−p) + (1−p)2= 1−p
となる
. ¦問題
2.2.上の
(2.2)で述べた確率変数
X1(w), X2(w)は独立である
.実際に
P[X1(w) = 1, X2(w) = 1], P[X1(w) = 1, X2(w) =−1]などを計算し
,独立であることを確かめよ
. ]問題
2.3.例題
1.4で述べたコインを2回投げ
,(2.3) Y(w)≡
出た表の数
×100円
だけ賞金がもらえる
.この確率変数
Y(w)を
(2.2)の
Xk(w), k= 1,2,を使って表せ
.また次の確率を計算せよ
.(i) P[Y(w) = 200], (ii) P[Y(w) = 100], (iii) P[Y(w) = 0]. ]
=======================
[上級]
例題2.4. つぎに,例題1.5の確率空間(Ω,P)で,確率変数Xk(w), w∈Ω, k= 1,2,· · ·, n,を(2.2)と 同じもので定義する.
(2.4) Xk(w)≡
¡ 1 k回目のコイントスが表
−1 k回目のコイントスが裏 この場合にP[Xk(w) =±1]の確率を計算してみよう: 数学的帰納法を使えば
P[Xk(w) = 1] =P[{w∈Ω :w(k)= 1}] = X
w∈Ω,w(k)=1
P[w] =p
P[Xk(w) =−1] =P[{w∈Ω :w(k)= 0}] = X
w∈Ω,w(k)=0
P[w] = 1−p
が簡単に証明できる. ¦
例題2.5. (2.4)の確率変数Xk(w), k= 1,2,· · ·, nにたいし,新しい確率変数を
(2.5) Sk(w)≡
¡ 0 k= 0 X1(w) +· · ·+Xk(w) 1≤k≤n
この確率変数は標準ランダム・ウォークrandom walkと呼ばれ,応用上,重要なものである. ¦ 問題2.6 (2項分布). (2.5)のSk(w), k= 0,1,· · ·, n,にたいし,
P[Sk(w) =j] =kC(k+j)/2 p(k+j)/2 (1−p)(k−j)/2, ここで −k≤j≤k かつk+jは偶数 (2.6)
となることを示せ. ( (2.6)の右辺は2項分布binomial distributionと呼ばれる. ) ]
=======================
3
平均
,分散
,相関係数
確率変数を特徴づける数値として, 平均と 分散 が重要である. また 確率変数の独立性の 度合い を量る量として
,相関係数 がある
.3.1
平均と分散
定義
3.1. (i) a0, a1,· · · , anの値をとる確率変数
X(w)にたいして,
E[X(w)]≡Xn
k=0
ak P[X(w) =ak]³
=m
とおく
´を
X(w)の平均
5meanと呼ぶ
.一方
, V[X]≡E[¡X(w)−m¢2 ] =
Xn
k=0
¡ak−m¢2
P[X(w) =ak]
を
X(w)の分散
varianceと呼ぶ
. ¦注意
3.2.次の
2種類の確率変数
X(w)と
Y(w)を考えてみよう
. P[X(w) = 1] = 12 =P[X(w) =−1], P[Y(w) = 100] = 1
2 =P[Y(w) =−100].
どちらの確率変数も
E[X(w)] = 1·1 2−1·1
2 = 0, E[Y(w)] = 100·1
2 −100·1 2 = 0,
と平均は
0である
.ところが分散を比べると
V[X] =E[¡ X(w)¢2
] = 12·1
2 + (−1)2·1 2 = 1 V[Y] =E[¡
Y(w)¢2
] = (100)2· 1
2+ (−100)2·1
2 = 10000
となり大きく異なる
. X(w)は出入り
1円
,Y(w)は出入り
100円の公平な賭と考えると
,分 散が大きい賭は
,ハイリスク・ハイリターン と解釈できる
6. ¦一般に
,平均や分散の計算は易しくない
.その計算を少しでも容易にするために
,次の補題 がある
.補題
3.3. X(w), Y(w)を確率変数
,a, bを定数とする
. (i) E£a X(w) +b, Y(w)] =aE[X(w)] +bE[Y(w)].
(ii)
定数
aにたいしては
,E[a] =a.(iii) X(w)
と
Y(w)が独立なら
E[X(w)·Y(w)] =E[X(w)]·E[Y(w)]. ¦補題
3.4. X(w), Y(w)を確率変数
,a, bを定数とする
.(i) V[aX(w) +b] =a2 V[X(w)].
(ii) V[a] = 0.
逆に分散
V[X(w)] = 0となる 確率変数
X(w)は定数である
. (iii) V[X(w)] =E[¡X(w)¢2 ]−¡
E[X(w)]¢2 . (iv) X(w)
と
Y(w)が独立なら
V[X(w) +Y(w)] =V[X(w)] +V[Y(w)]. ¦
問題
3.5. (2.2)で与えられた 確率変数
X1(w)および
X2(w)の平均と分散をもとめよ
. ]5 しばしば,期待値expectationとも呼ばれる.
6株式市場では,分散は ボラタりティー と呼ばれ,相場変動の大きさをボラタりティーの大きさで判定している.
例題
3.6.成功と失敗の2つの結果しかない試行を ベルヌイ試行 と呼ぶ
.今
,成功確率
pのベルヌイ試行を成功するまで繰り返す
.成功するまでに要する回数
Y(w)の平均と分散を求めよ
. ¦解答
q≡1−pとおくと
,P[Y(w) = 1] =p, P[Y(w) = 2] =q p, P[Y(w) = 3] =q2p,
· · · P[Y(w) =k] =qk−1p, · · ·
となるので
,E[Y(w)] = 1·p+ 2·q p+ 3·q2p+· · ·+k·qk−1p+· · ·
= p¡
1 + 2q+ 3q2+· · ·+kqk−1+· · ·¢
= p
(1−q)2 = 1 p.
つぎに 補題
3.4 (iii)から
V[Y(w)] = E[¡
Y(w)¢2 ]−¡
E[Y(w)]¢2
=
³
12·p+ 22·q p+ 32·q2p+· · ·+k2·qk−1p+· · ·
´
−
³1 p
´2
= p¡
12+ 22q+ 32q2+· · ·+k2qk−1+· · ·¢
− 1 p2
= p(1 +q) (1−q)3 − 1
p2 = q p2 = 1
p
¡1 p−1¢
.
注
:次の数列計算を確かめる事
(「基礎数学
I」
):1 + 2q+ 3q2+· · ·+kqk−1· · ·= 1 (1−q)2, 12+ 22q+ 32q2+· · ·+k2 qk−1+· · ·= 1 +q
(1−q)3. 2
例題
3.7.ガムの景品にカードを付ける
.カードは4種類あり
,すべての種類を揃えると
,別の 景品と交換できる
. Z(w)個のガムを買うと
, 4種類のカードがすべて揃ったとする
.確率変数
Z(w)の平均と分散をもとめよ
. ¦解答
(i)まずガムを
1個買うと
,ある種類
aのカードが手に入る
.(ii)
つぎにガムを買ったとき
, a以外のカードを手に入れる確率は
p= 3/4.つまり 成功確率
3/4のベルヌイ試行 を成功するまで繰り返すことになる. その試行の回数を
Y1(w)とする.
(iii) 3
種類目のカードを手に入れるには
,成功確率
2/4のベルヌイ試行 を成功するまで繰
り返すことになる
.その回数を
Y2(w)とする
.(iv) 4
種類目のカードを手に入れるには
,成功確率
1/4のベルヌイ試行 を成功するまで繰
り返すことになる
.その回数を
Y3(w)とする
.(v)
結局
1 +Y1(w) +Y2(w) +Y3(w)個のガムを買うと
, 4種類すべてのカードが揃う
.ここ で 例題
3.6を使うと
,Yk(w)の平均が計算できるので
,E[Z(w)] = E[1 +Y1(w) +· · ·+Y3(w)] = 1 +E[Y1(w)] +· · ·+E[Y3(w)]
= 1 + 1 3/4 + 1
2/4 + 1 1/4 =25
3 .
Y1(w),· · · , Y3(w)
は互いに独立なので
,補題
3.4 (i), (iv), (iii)と例題
3.6から
V[Z(w)] =V[Y1(w)] +· · ·+V[Y3(w)] = 1/4(3/4)2+ 2/4
(2/4)2 + 3/4 (1/4)2 = 2
9 + 14. 2
=======================
[上級]
命題3.8. 確率変数X1(w), X2(w),· · ·, Xn(w)はそれぞれ独立である. 各Xk(w)の分散が存在し, E[Xk(w)] =mk, V[Xk] =ck, k= 1,2,· · ·, n
とかく. このとき
E[X1(w) +X2(w) +· · ·+Xn(w)] = m1+m2· · ·+mn, V[X1+X2+· · ·+Xn] = c1+c2+· · ·+cn
である. ¦
問題3.9. 命題3.8を証明せよ. ]
=======================
3.2
共分散と相関係数
2
つの確率変数
X(w)と
Y(w)が独立ということは
, (2.1)で定義した
.これより
X(w)と
Y(w)が独立
⇒ E[X(w)Y(w)] =E[X(w)]·E[Y(w)]である
.一方
,独立でない確率変数
X(w)と
Y(w)の関係の程度を数値化する手段として
,相関係数 がある
.定義
3.10.平均がそれぞれ
mX, mYである確率変数
X(w),Y(w)にたいし
, Cov[X, Y]≡E£¡X(w)−mX
¢·¡
Y(w)−mY
¢¤,
ρ[X, Y]≡ Cov[X, Y] pV[X]V[Y] (3.1)
とおく
. Cov[X, Y]は 共分散
covariance, ρ[X, Y]は 相関係数
correlation coefficientと呼ば れる
. ¦補題
3.11. X(w), Y(w), Z(w)を確率変数
,a, bを定数とする
. (i) Cov[X, X] =V[X].(ii) Cov[aX+bY, Z] =a Cov[X, Z] +b Cov[Y, Z].
(iii) V[X(w) +Y(w)] =V[X(w)] + 2Cov[X, Y] +V[Y(w)].
(iv) X(w)
と
Y(w)が独立なら
, Cov[X, Y] = 0. ¦補題
3.12. (i)分散が存在するすべての確率変数
X(w), Y(w)にたいし
, ¯¯ρ[X, Y]¯
¯≤1.
(ii) X(w)
と
Y(w)が独立なら
, ρ[X, Y] = 0. (ただし
,ρ[X, Y] = 0でも独立とは限らな い
7.)(iii)
ある定数
a, bがあり
, Y(w) =aX(w) +bならば
, ¯¯ρ[X, Y]¯
¯= 1.
逆に
, ¯¯ρ[X, Y]¯
¯= 1
なら
,X(w)−E[X(w)]
pV[X] =Y(w)−E[Y(w)]
pV[Y] . ¦
例題
3.13.確率変数
X(w),Y(w)を
P[X(w) = 1] = 1
4, P[X(w) = 0] = 1
2, P[X(w) =−1] = 1 4, Y(w)≡¡
X(w)¢2
とする
.このとき
P[X(w) = 1]·P[Y(w) = 1] = 1 4 ·1
2 = 1 8, P[X(w) = 1, Y(w) = 1] =P[X(w) = 1] = 1
4
だから
,P[X(w) = 1]·P[Y(w) = 1]6=P[X(w) = 1, Y(w) = 1]となり
, X(w)と
Y(w)は独 立ではない
, cf. (2.1).一方
,E[X(w)] = 0, E[Y(w)] = 1/2だから
, Cov[X, Y] = E£X(w)·¡
Y(w)−1 2
¢¤=E[¡ X(w)¢3
]−1
2·E[X(w)]
= 13· 1
4+ 03·1
2+ (−1)3·1
4 −0 = 0.
また
V[X(w)] = 1/2, V[Y[w)] = 1/4となるので
, ρ[X, Y] = 0p1/2·p
1/4 = 0
となり
,X(w)と
Y(w)の共分散
,相関係数ともに
0である
. ¦問題
3.14.確率変数
X(w), Y(w)が
E[X(w)] = 0, V[X(w)] = 1, Y[Y(w)] = 1, V[Y(w)] = 1, Cov[X, Y] = 1
であるとする
.このとき
,次を計算せよ
.(i) E[2X(w) +Y(w)], (ii) V[X(w) +Y(w)], (iii) ρ[X, Y], (iv) Cov[X+Y,3X+Y], (v) ρ[X−1, X+ 2Y] ]
4
大数の法則
偶然事象を繰り返し観測したとき, 何らかの法則が現れることが多い. これらの法則は極限 定理と呼ばれる
.7 例題3.13を参照せよ.
極限定理で特に重要なものは
,大数の法則
law of large numbersと 中心極限定理
central limit theoremである
.大数の法則 のイメージ: 正しいサイコロを
n回振ったとき, 1 の目が出る回数を
n1とし よう
.すると
,nが十分大きいとき
,n1
n → 1 6
となることが経験
/直感で知られている
.この直感を数学として正当化することが
,大数の法 則である
.定理
4.1 (大数の法則
). X1(w), X2(w),· · · , Xn(w)は独立で同じ確率分布に従う確率変数で あり
,それぞれの平均と分散が存在する
:(4.1) E[X1(w)]≡m, V(X1) =E[¡
X1−m¢2 ]≡σ2.
このとき
,任意の
ε >0にたいし
,P[
¯¯
¯X1(w) +· · ·+Xn(w)
n −m
¯¯
¯> ε]→0, n→ ∞. ♦
注意
4.2.大数の法則は
,古くから研究されており
,定理
4.1で述べたことよりもっと強い結 果
8が知られている
.Kolmogorov
の大数の強法則
X1(w), X2(w),· · · , Xn(w)は独立な確率変数で
,ある定数
m,cにたいし
m=E[X1(w)] =E[X2(w)] =· · ·=E[Xn(w)], sup
k E[¡
Xk)2]≤c
が成立している
.このとき確率
1で
,X1(w) +· · ·+Xn(w)
n →m
³ n→ ∞
´ . ¦
問題
4.3.正しいサイコロを
n回振る
.確率変数
Xk(w), k= 1,2,· · · , n,を
Xk(w)≡
( 1 k
回目に振ったサイコロの目が
1か
2 0 k回目に振ったサイコロの目が
3以上 とする
.(i)
このとき
P[Xk(w) = 1]を計算せよ
. (ii) nが十分大きいとき
, X1(w) +· · ·+Xn(w)n
の値を理由を述べて予測せよ
. ]問題
4.4. Y(w)を 問題
2.3の
(2.3)式で定義した確率変数とする
.この
Y(w)を賞金とする ゲームの公平な参加料
( =主催者
/参加者ともに納得がいく額)を決定せよ
.またその決定理 由を述べよ
. ]8 こちらの方が直感に合致する.