Title
Relationship between Serum Albumin Level and Aging in
Community-Dwelling Self-Supported Elderly Population( 内容の
要旨(Summary) )
Author(s)
五味, 郁子
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第695号
Issue Date
2007-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23075
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氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 五 味 郁 子(神奈川県) 博 士(医学) 甲第 695 号 平成19 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当 RelationshipbetYreenSerumAlbuminLevelandAginginCommunity-Dwel=ng Self-Supported Elderly Population
審査委員 (主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 大 塚 貴 教授 恵 良 聖 一 論文内容の要旨 血清アルブミン値はタンパク質栄養状態の指標として広く活用され,その低下は死亡率の増大,日常生 活動作や身体機能の低下と関連することが報告されている。また,血清アルブミン値の低下は,主として 入院高齢者や施設入所高齢者など特定の集団を対象として議論されているが,地域在住高齢者における意 義は明確にされていない。一方,血清アルブミン値が加齢とともに低下するかについては,研究によって 血清アルブミン値に影響する年齢以外の要因の調整が異なり,一致した見解は得られていない。本研究は, 地域在住自立高齢者を対象に実施した健診結果をもとに,横断的かつ5年間縦断的に血清アルブミン値と 年齢の関係を検討した。 方法 (1)対象 対象は1999年から2003年に節目健診(岐阜市医師会)を受診した65歳以上の一般高齢者,男性22,705 名(平均年齢74.2±5.8歳),女性40,149名(平均年齢74.8±6.2歳),計62,854名である。1999 年の対象者のうち3,438名(39.3%)は2003年まで毎年計5回フォローアップされ,縦断的に検討され た。 (2)血清アルブミン値 血液検査は岐阜市医師会臨床検査センターにおいて実施し,血清アルブミン値はプロム・クレゾー ル・グリーン(BCG)法によって測定した。 (3)解析方法 ①性別および年齢別(65-69歳,70-74歳,75-79歳,80-84歳,85-89歳,90歳以上)に血清アルブ ミン値の5,10,25,50,75,90,95パーセンタイル値を算出した。5,50,95パーセンタイル値 の各ベストフィットカーブは1歳毎のパーセンタイル値をもとに算出した。 ②性・年齢別の低アルブミン血症(3.5g/dl以下)の頻度はズ2検定により比較した。 ③個々人の5年間の経年変化は対応あるt一検定によって,また年齢グループ間の変化率は皿0VAによ って比較した。 ④個々人の5年間の変化を1999年時の年齢別に平均し,回帰分析によって血清アルブミン値と年 齢の関係を検討した。
ー`35-結果 ① 血清アルブミン値の5,10,25,50,75,90,95パーセンタイル値は,年齢グループが高くなると ともに低値になる傾向を示した。中央値は,男性で65-69歳4.3g/dl,70-74歳4.2g/dl,75-79 歳4.2g/dl,80-84歳4.1g/dl,85-89歳4.Og/dl,90歳以上3.9g/dl,女性で65-69 歳4.3g/dl,70-74歳4.3g/dl,75-79歳4.2g/dl,80-84歳4.2g/dl,85-89歳4.1g/ dl,90歳以上4.Og/dlであった。 5,50,95パーセンタイル値のベストフィットカーブは高い適合度を示した(男性r2=0.931,0.910, 0.864,女性r2=0.942,0.913,0.850)。 ② 低アルブミン血症(3.5g/dl以下)の頻度は,男性で65-69歳1.2%,70-74歳1.4%,75-79歳2.4%, 80-84歳3.7%,85-89歳6.6%,90歳以上17.0%,女性は同じ順に0.6%,0.7%,0.9%,2.4%,4.1%, 13.8%であり,80歳代までの各年齢グループで男性の頻度は女性に比べて有意に高値であった。 ③ 男性では65∼85歳未満,女性では全年齢グループにおいて,血清アルブミン値は縦断5年で有意 に低下した。血清アルブミン値の5年変化率は,男性の90歳未満の年齢グループでは-2%前後で 一定していたが,女性では年齢グループが高くなるとともに減少率は大きくなり,85-89歳の変化 率(-3.1%)は65-69歳(-1.2%),70-74歳(-1.3%)と比べて統計的に有意に大きかった。 ④ 縦断的データをもとにした血清アルブミン値と年齢の回帰分析によって,血清アルブミン値は1歳 ごとに男性で0.015g/dl(r=-0.716,β=-0.015,SE=0.001,pく0.001),女性では0.012g/dl(r= -0.794,β=-0.012,SE=0.001,pく0.001)低下することが示された。 考察・結語 本研究は,大規模な地域在住自立生活高齢者集団において横断的および縦断的に血清アルブミン値が加 齢とともに低下することを示した。血清アルブミン値には,感染症,外傷,外科的ストレス,肝疾患や腎 疾患などによる疾患関連低栄養(disease-relatedmalnutrition),加齢に伴う代謝,食事摂取,身体活動, 体組成の変化などが影響することが知られているが,全ての要因を加齢と切り離して血清アルブミン値と 年齢の関係を検討することは困難であり,また実際,高齢者の栄養管理に応用するうえでも活用しづらい。 そこで本研究では,大規模な地域在住自立生活高齢者を一般高齢者とし,多くの高齢者に参照できるよう 血清アルブミン値の年齢別パーセンタイルを示した。 高齢者が個々にさまざまな疾患,健康状態,生活習慣をもって生活しながらも,入院や要介護状態を予 防し,地域で自立した日常生活を営むためには,加齢による血清アルブミン値の慢性的な低下を予防する ことが重要であり,臨床的なカットオフ値(3.5g/dl)とは別に,低栄養状態を予防する観点からl血清ア ルブミン値の年齢別基準値の必要性が示唆された。 論文審査の結果の要旨 申請者 五味郁子は,地域在住自立高齢者集団において,血清アルブミン値が加齢とともに低下するこ とを証明し,その速度ならびに低アルブミン血症の年齢別頻度を明らかにした。この成果は栄養科学,臨 床栄養学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 【主論文公表誌】