190 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(62)オダギリヨシエ
小田切嘉恵(昭和1
医学博士 乙第988号平成元年2月17日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) ニワトリ固定血球を用いた赤痢アメーバ症の間接赤血球凝集反応に関する 研究 (主査)教授 白坂 龍雄 (副査)教授 内山 竹彦,教授 重田 帝子論 文 内 容 の 要 旨
目的 赤痢アメーバ(Eh)症の血清学的診断法は,その有 効性が報告されてはいるが,現在我国で実施が可能な 施設は限られている.著者は,実施が容易で,広く臨 床に応用できる血清学的診断法を検討する目的で, Glutaraldehyde固定ニワトリ血球を用いたEh症の 間接赤血球凝集反応(IHA)について研究した. 方法 1)IHA:Eh抗原は, HM4株を使用した. IHA試 薬の作製は,Jacobsら(1957)の方法に準じ,術式お よび判定基準は,梅毒血球凝集反応(マイクロTPHA 試験)に従った.血清希釈液は,健康家兎血清(NRS) 5~0.075%と高圧滅菌NRS 1~0.015%について検 討した. 2)タンニン酸および抗原の至適濃度の検討:3mg/ dl,1.5mg/dl,0.75mg/d1のタンニン酸で処理した血 球を80~10,240倍の抗原液で各々感作し,陽性血清と の間でBox titrationを実施した.作製後のIHA試薬 は凍結乾燥保存し,成績の安定性についても検討した. 3)被検血清に対するIHAの反応性:人血清(Eh 症患老25例,健康妊婦100例等)および免疫家兎血清に ついて検討した. 結果 1)血清希釈液は,0.25%高圧滅菌NRSが適してい た, 2)IHA試薬作製の至適タンニン酸濃度は1.51ng/ d1,抗原濃度は220倍で,4℃で7日保存することによ り反応性は安定した.凍結乾燥保存したIHA試薬は 成績の再現性は良好で,被検血清の非二化操作も不要, かつ判定は2時間で完了した.又,溶解後の試薬は4℃ 2日保存では成績の低下は認められなかった.3)IHA試薬による抗体検出率(陽性限界は1:
80≦)は,対照の健康妊婦100例では0%であったが, Eh症25例では全例1:320≦の抗体価を示し陽性と判 定された.免疫家兎血清におけるIHAの反応性は免 疫初期ではIgM抗体にも反応し,以後反応はIgG抗 体に移行した. 結論 以上の結果より,本IHA試薬はEh症に対して良好 な成績を示した.又,実施が容易かつ長期保存性も有 するので,本症の血清診断用試薬として一般に広く応 用でき『るものと思われる.論 文 審 査 の 要 旨
近年,輸入感染症として急激に増加している赤痢アメーバ症の診断は,血清学的診断法が優れているが,手 技の煩雑さから一般的ではない. 一1080一191 本研究は,本症の血清学的診断法の簡素化,成績の安定化を目的としたもので,その研究成果は目的の可能 性を十分満たしており,臨床上,学術上価値のあるものと判断する. 主論文公表誌 ニワトリ固定血球を用いた赤痢アメーバ症の間接赤 血球凝集反応に関する研究 東京女子医科大学雑誌 第58巻 第12号 1194~1208頁(昭和63年12月25日発行) 副論文公表誌 1)涙嚢炎の症例とその細菌学的検索成績 日眼会誌 77(7)644~648(1973) 2)朝顔症候群の症例について 眼科臨床医報 69(4)483~487(1975) 3)小児におけるルーチン胸部レ線検査の有効性に ついて 小児外科内科 7(9)998~999(1985) 4)未熟児網膜症について 眼科臨床医報 70(2)105~108(1976) 5)輸入寄生虫病としての赤痢アメーバとその臨床 検査法 メディヤサークル 33(3)89~97(1988) 一1081