78 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(3) ナカ ガミ ユ リ コ中神百合子(昭和1
医学博士 謙虚157号昭和61年3月20日
学位規則第5条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者)ラット視床下部からのCRF分泌に及ぼすサイプロヘプタジンの影響
(主査)教授 鎮目 和夫 (副査)教授 平田 幸正,教授 野本 照子論 文 内 容 の 要 旨
目的 サイプロヘプタジンはクッシング病およびネルソン 症候群の内科的治療薬としてその有効性が報告されている.本研究では,ラット視床下部からのCor-
ticotropin-Releasing Factor(CRF)分泌に及ぼすサ イプロヘプタジンの影響を腕〃廓0および勿漉0で 検討した. 対象及び方法 1.Wister系雄iラット(250~300g)を,薬物投与を 行わない正常ラット群と,処置ラット群に分けた.処 置ラット群を,サイプロヘプタジン群と対照群にわけ, 前者にはサイプロヘプタジン0.4mg/kg/日を,後者に は生理食塩水をそれぞれ3週間,経口投与した. 2.Perifusion Study:正常群,サイプロヘプタジン 群,対照群各4匹ずつを断頭屠殺してえた視床下部, 下垂体前葉を用いてPerifusion studyを行ない,採取したmedi㎜中のCRFおよびACTH濃度をRIAで
測定した.正常群については,セロトニンおよびKCl を添加した場合のCRF濃度も測定し, CRF分泌の機 序に関する検討をあわせて行なった. 3.勿〃勿。実験:残りの処置ラット群を断頭屠殺 し,視床下部,下垂体前葉,正中隆起の各組織および血漿中のCRF・ACTH濃度をRIAで測定した.
結果 1.劾加如実験:1)正常ラットの視床下部を用い たPerifusion実験で, CRFの基礎分泌は平均9pg/視 床下部/分であったが,サイプロヘプタジン添加によ り,この基礎分泌は40%前後に抑制された.サイプロ ヘプタジンによるCRF分泌の抑制は10-9~10-7Mの 間で濃度依存性であった.2)セロトニン10-6M添加 により,CRF分泌は基礎値の約140%に増加したが,サ イプロヘプタジン10-8M添加により,この増加は有意 に抑制された.3)さらにKCI 50mM添加による1- CRF分泌上昇もサイプロヘプタジン10-8M添加によ り完全に抑制された.4)下垂体前葉からのACTH基礎分泌とCRFによるACTH分泌は,サイプロヘプタ
ジン添加により抑制された. 2.加θ勿。実験:サイプロヘプタジンをラットに慢 性投与した勿伽0の実験では,サイプロヘプタジン 群の1-ACTHレベルは,対照生食群に比べて有意では ないが,下垂体前葉で増加傾向,血漿中では低下傾向 を示した.一方,LCRFレベルは,視床下部で低下傾 向,正中隆起で増加傾向を示した. 結語 1.サイプロヘプタジソは,勿毎蜘において,下垂 体前葉に加え,視床下部にも直接作用して1-CRF分泌 を濃度依存性に抑制することが示された。 2.サイプロヘプタジソのCRF分泌抑制機i序とし て,抗セロトニン作用のほか,脱分極依存性の細胞内 および神経終末へのカルシウム流入抑制作用が示唆さ れた. 一700一79
論 文 審 査 の 要 旨
本論文は,ラット視床下部からのCRF分泌に及ぼすサイプロヘプタジンの影響を,勿罐”,およ
び珈θ勿。で検討し,まず勿〃2〃。の実験でCRFは視床下部に直接作用して,濃度依存性にその分泌 を抑制することを示し,ついでサイプロヘプタジンのCRF分泌抑制機序を研究し,それは抗セロトニ ン作用のほか,脱分極依存性の細胞内及び神経終末へのカルシウム流入抑制作用によることを示唆し たもので,学術上価値のある論文と認める. 主論文公表誌 ラット視床下部からのCRF分泌に及ぼすサイプロ ヘプタジソの影響 東京女子医科大学雑誌 第56巻 第1号 21~27頁(昭和61年1月25日発行) 副論文公表誌 1)熱射病のbackgroundに血管運動神経調節不全 が認められた1例 自律神経 22(5)444~448(1985)2)Immunoreactive corticotropin-releasing fac-
tor in human plasma(ヒト血漿中のCRF免
疫活性)
JCiin Invest 76 (5) 2026~2029 (1985)
3) Inhibitory effect of adrenocorticotropin on corticotropin-releasing factor release from
rat hypothalamus勿〃廓。(加碗γoにおけ
るラット視床下部からのCRF放出に及ぼす
ACTHの抑制作用)
Endocrinol 118 (1)459~461(1986)