168 (23) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
サワ タニ オサム澤谷 修(昭和28
博士(医学) 二二1268号平成4年4月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
エポキシ化合物処理豚大動脈弁の基礎的研究 一とくにグルタールアルデハイド処理弁との比較において一 (主査)教授 小柳 仁 (副査)教授 内山 竹彦,新田 澄郎論 文 内 容 の 要 旨
目的 エポキシ化合物処理豚大動脈弁を用い,その生化学 的,物理学的特徴を明らかにすると共に石灰化抑制能 および異種生体内における弁機能を評価することを目 的とした. 対象及び方法 種々のエポキシ化合物(EX)のうち5種,7化合物 を選択し濃度,溶媒,pHを変え,新鮮豚大動脈弁を処 理し,細菌性コラーゲナーゼによるコラーゲンの溶解 率を測定した.比較対照として燐酸緩衝液にてpH 7.4 に調整した0.625%グルタールアルデ・・イド(GA)を 使用した.これら新鮮無処理弁,EX処理弁, GA処理 弁を用い最大荷重試験,収縮温度,水分含有率等の物 理学的検討,ラット背側腹部皮下植え込み試験による 石灰化抑制能評価,およびEX処理弁を異種生体内に 植え込み急性期の血行動態評価を行った. 結果及び考察 細菌性コラーゲナーゼによるコラーゲンの溶解率は glycerol polyglycidyl etherに属するEX-313, EX-314 が低溶解率を示した.EX処理弁の物性面での水分含 有率はGA処理弁に比較し劣っていたが,収縮温度及 び破断強度の面では優れていた.石灰化抑制能の面で, EX処理弁は移植経過月数に関係なく肉眼的にも不透 明度に変化はなかった.原子吸光法にて測定すると, 1ヵ月,2ヵ月,3ヵ月後のカルシウム量は各々0.6± 0.1μg/mg tissue(n=7),0.9±0.2μg/mg tissue(n= 9),1.2±0.5μg/mg tissue(n篇10)と低値で,移植後 3ヵ月でのGA処理弁の約142分の1、であり石灰化抑 制能の面で優れた効果を示した.EX処理弁と人工血 管又は同種上行大動脈を用いた弁付きグラフトによる 開室一肺動脈短絡術及び左室心尖一下行大動脈短絡術 の急性実験では薬物負荷においても弁較差はほとんど なく心拍数,血圧の上昇に対しEX処理弁はその対応 能に優れていた.また1ヵ月後,2ヵ月後の慢性実験 においても上県,野饗に軟線撮影上石灰化を認めず, 異種生体内でもその石灰化抑制能は優れたものと判定 された. 結語EX処理弁の物理化学的面ではGA処理弁に比し遜
色はなく,石灰化抑制の点で特に優れた効果を示した. 一802一169