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インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)における尿中微量アルブミンと動脈硬化の関連

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(1)

原 著 〔書女医蘇、鵠63巻平面癖鴛〕

インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)における

尿中微量アルブミンと動脈硬化の関連

東京女子医科大学 第三内科学教室(主任        シバ    タ     ナオ    ミ        柴  田  尚 美 大森安恵教授) (受付平成5年3月19日) Relationship between Microalb服m量nu㎡a and Arteriosclerosis in          Non InsuHn・dependent Diabetes Melht顧s        Naomi smBATA Department of Medicine III(Director:Prof. Yasue OMORI)         Tokyo Women’s Medical College    We determined serum lipid and lipoprotein(a)(Lp(a))levels, as well as the pulse wave vel㏄ity (PWV), and then invest三gated the relationship between microalbuminuria and arteriosclerosis in non insulin・dependent diabetes mellitus(NIDDM). Serum lipid and hpoprotein concentrations were measured in 412 NIDDM men,30−65 years old, with normal serum creatinine levels. The patients were divided into three groups according to their Urinary albumin excretion:proteinuria(n=128),. microalbum孟nuria(n=139), and normoalbuminuria(n=145).    The results were as follows;    1) Total cholestero1(TC), tr孟glyceride(TG),10w density lipoprotein cholestero1(LDL−C), and apolipoprotein(apo)Blevels, atherogenic index(AI), LDL・C/high density lipoprotein cholesterol(HDL C)ratio, and apo B/apo A−I ratio were sign量ficantly higher in the microalbuminuria group than in the normoalbuminuria group, while HDLC concentrations were lower.    2>Lp(a)levels increased significantly as the urinary albumin concentration increased(p<0.005).    3)The PW was signlficantly higher in the microalbuminuria and proteinuria群oups than in normoalbuminuria group(p<0.001)    4)There was a signlficant positive correlation between Lp(a)and PW.    5)There was a significant relationship between serum lipid and Lp(a)1evels and the urinary albumin concentratlon.    We conclude that abnormalities of serum lipids, Lp(a), and PWV appear in NIDDM patients with microalbuminuria. Our results indicate a relationship between microalbuminuria and the develop− ment of arteriosclerosis.       緒  言  動脈硬化に関与する危険因子は数多く指摘され ているが,動脈硬化症の発症を早期に発見する手 段や予防については,未だ明らかにされていない. 糖尿病では肥満,高脂血症,高血圧などの危険因 子が重複して動脈硬化が進展し易く,特に糖尿病 性腎症を合併すると,大血管症(macroangiopath一 y)による死亡率が増大することが報告されてい る1).インスリン依存型糖尿病(IDDM)では,糖 尿病性早期腎症の診断に微量アルブミン尿が用い られるようになった.1990年,Niskanenら2)はイ ンスリン非依存型糖尿病(NIDDM)においては, 微量アルブミン尿がmacroangiopathyのpredic− torになりうると報告した.

(2)

 本研究は,日本人糖尿病の大部分を占める

NIDDMにおいて,早期腎症で微量アルブミン尿 の時期に動脈硬化の進展が始まっているか否かを 知ることを目的とした.        対象および方法  1.対象  当センターに通院中のNIDDM男性412名で, 年齢30∼65歳,血清クレアチニン1.3mg/dl以下 のものを対象として選んだ,明らかな家族性高脂 血症,尿中アルブミン排泄量が増加する腎疾患を 合併する症例および抗脂血剤使用症例は除外し た.また,動脈硬化性疾患として虚血性心疾患, 脳梗塞,下肢動脈硬化症を既往に有する症例も除 外した.糖尿病の治療は食事療法172名,経口血糖 降下薬190名,インスリン療法50名である.  全例を尿蛋白排泄量により次の3群に分けた. すなわち,毎月1回のalbustix testを用いた尿検 査で,尿蛋白持続陽性をproteinuria(P群)128名 とした.尿蛋白陰性者には早朝尿を持参させ,尿 中アルブミン排泄量を免疫比濁法Micro−U・Alb

Fuiimoto Kitで測定した.微量アルブミン

1.8∼18mg/d1(AER 20∼200μg/minに相当3))を microalbuminuria(M群)139名とし,微:量アル ブミン1.8mg/d1以下をnormoalbuminuria(N 群)145名とした.この3丁目検査時平均年齢は, N群50.1歳,M群51.8歳, P群54.0歳であった.  2.方法  動脈硬化進展を知るパラメーターとして血中脂 質,1ipoprotein(a)(Lp(a)),大動脈脈波伝導速 度(PWV)を用いた.血中脂質については,全例 に早朝空腹時採血を行い,総コレステロール(TC) と中性脂肪(TG)は酵素法, HDLコレステロー ル(HDLC)はヘパリンマンガン沈澱法,アポ蛋 白(A−1,B)は一元免疫拡散法(第一化学社)で

測定した.LDLコレステロール(LDL−C)は

Friedewaldの式より求めた.動脈硬化指数

atherogenic index(AI)にをま,

   TC一(HDLC) LDL−C  アポB

 AI=      HDL−C  ’HDL−C’ アポA・1 の3者を用いた. Lp(a)とPWVの測定は412例中93例において, 血中脂質の測定とほぼ同時期に行った.この93例 の平均年齢は,N群51.6歳, M群51.8歳, P群53.8 歳であった.Lp(a)は,酵素免疫測定法(ELISA 法:Tint Elize Lp(a), Biopool社)を用いて測 定した.PWVは大動脈脈波速度計PWV−200(フ クダ電子)を用いて測定した.  血糖コントロールを示す空腹時血糖,HbA、cは, 1ヵ月1回血中脂質採血と同時に測定した.また, 食事療法と経口血糖降下薬使用者ではインスリン を,インスリン使用老ではCペプチドを,1年に 1回食事負荷試験で測定し,空腹時と食後2時間 の値で示した.網膜症の有無は,血中脂質採血時 より半年以内に当センター所属の眼科専門医によ り判定された.  3.統計学的検討  統計学的検討は,一元配置分散分析,Tukey test,多変量解析を用い,割合の検定はκ2−testを 用いた.p<0.05を統計的に有意とした.          結  果  1.臨床的背景  N群,M群, P群の臨床像を表1に示した.3 群間で年齢とbody Inass index(BMI)は有意の 差がなかった.推定罹病期間は,N群に比してM 群,P群で有意に長かった.飲酒率は3群で差を認

めないが,喫煙率はN群,M群に比しP群で多

かった(p<0.05).また増殖性網膜症を有する頻 度はN群,M群, P群の順に高率であった(各々 p<0.001).降圧剤を使用している症例は,N群19 名(13.1%),M群37名(26.6%), P群57名 (44.5%)で,N群, M群, P群の順た高率であっ た(各々p〈0.001).糖尿病の治療は,N群に比し M群,P群で経口血糖降下薬とインスリン使用者 が多かった.  表2は3群における血糖,インスリン,血圧を 示したものである.空腹時血糖,}lbAl。はN群に 比して,M群, P群で高値であった(p<0.001). インスリンまたはCペプチドは,空腹時の値も食 後2時間値も3群間で差を認めなかった.血圧は, 収縮期血圧も拡張期血圧も共にN群,M群, P群

の順に高値となり,M群およびP群は各々N群

に対して有意の差がみられた(p<0.001).

(3)

表1 臨床的背景

Normoalbuminuria Microalbuminuria Proteinuria 人数       (人) 145 139 128 年目       (歳) 50.1±9.7 51.8±8.1 54.0±8.0 BMI         (kg/m2) 22.5±3.0 23.9±3.3 23.3±3.6 推定罹病記聞       (年) 7.6±5.5 8.8±6.3*象 10.9±6.2拳*++ 飲酒率      (%) 90(62.1) 87(62.6) 86(67.2) 喫煙率      (%) 88(60.3) 89(64.0) 96(75.0)料 網膜症有症率        (%) 31(21.4) 116(83.4)*串 100(78.0)*串 増殖性網膜症有症率     (%) 9(6.2) 20(13.7)料 35(27.3)零寧++ 降圧剤使用率        (%) 19(13.1) 37(26.6)料 57(44.5)傘象++ 治療  (食事/経口剤/インスリン) 77/59/9 59/68/12 36/63/29 数値はmean±SDを示す.率(%)は該当する人数を数値で示し,()内はその割合を示す. BMI:body mass index,有意差*p<0.05,榊p〈0.001 vs. normoalbuminuria,        +p<0.05,++pく0.001vs. microalbuminuria. 表2 血糖コントロール,血中インスリン,血圧

Normoalbuminuria Microa}buminuria Proteinuria

人数 (人) 145 139 128 空腹時血糖 (mg/d1) 136.9±31.3 145.4±37.2* 148.2±37.9* HbA正。 (%) 7.3±L2 7.9±1.4零 8.2±1.3* インスリン空腹時 (μu/ml) 7.8±4.4 n=113 7.9±4,5 n=118 8.2±3.5 n=84 食後2時間 (μU/ml) 28.9±163 n皿113 25.9±16.2 n=118 26,4±16.8 n=84 Cペプチド空腹時 (ng/mD 0.9±0.6 n;7 ユ.3±0.9 n二10 1.2±1.1 n=17 食後2時間 (ng/m1) 2,2±1,2 n=7 3.0±2.2 n=10 2,6±2.0 n=17 収縮期血圧 (mmHg) 123.7±15.7 128.8±16.5ホ 138.6±17.1*+ 拡張期血圧 (mmHg) 76.6±12.6 80,6±10.6* 83.4±10.6*+ 数値はmean±SD, nは測定した人数を示す。 有意差*p<0.001vs. normoalbuminuria,+p<0.001 vs. microalbuminuria.  2.3群間における血中脂質の検討  1)全例での比較  血中脂質,アポ蛋白,動脈硬化指数を3群間で 比較した(表3).M群はN群に比しTC, TG, LDL−C,アポB,動脈硬化指数(AI, LDL−C/ HDL・C比,アポB/アポA・1比)がいずれも有意 に高値であった(すべてp<0.001).またM群と P群を比較すると,P群ではTC, TG(いずれも p<0.01),LDLC,アポB(いずれもp<0.001) は有意に高値,AIも有意に高値(p<0.01)であっ た.以上よりアルブミン排泄量の増加に伴いN 群,M群, P群の順に血中脂質,アポ蛋白,動脈 硬化指数は増加した.  2)年齢別にみた比較  年齢を30∼49歳の若年層と50∼65歳の高年層の 2群に牙け,3群間での血中脂質を比較した(図 1).若年層でも高年層でも,N群, M群, P群の 順にTC, TG, LDL−C,アポBの高値, HDLC の二値,AI, LDL−C/HDL−C比,アポB/アポA−1 比の高値がみられた.以上より,血中脂質とアポ 蛋白がアルブミン排泄量の増加と共に増加する が,加齢の影響はないことが認められた.  3)血糖コントロール別にみた比較  血糖コントロールをHbA、。7%未満と7%以

(4)

表3 血中脂質,アポ蛋白,動脈硬化指数

Normoalbuminuria Microalbuminuria Proteinuria 人数       (人) 145 139 128 総コレステロール    (mg/dl) 180.3±2.0 210,9±2.9* 223.1±3.6料 中性脂肪         (mg/dl) 96.8±3.7 197.4±9.6* 254,3±10.5*+ LDLコレステロール   (mg/dl) 107.2±1.9 122.4±3.0象 134.9±3.8*++ HDLコレステロール   (mg/dl) 53.7±1.2 48.9±1.1 47.3±1.3* アポ蛋白A−1      (mg/dl) 128.9±2.1 128,7±1,7 132.1±2.6 アポ蛋白B         (mg/dl) 82.7±1.5 92.7±1.8* 101.4±2.0ホ++ AI=TC一(HDL・C)/HDL・C 2.57±0.08 3.61±0.12零 4.04±0.13料 LDL・C/HDL.C 2.正6±0.07 2.68±0.09零 2,84±0.11* アポB/アポA−1 0.74±0.02* 0.79±0.02ホ 数値はmean±SEを示す. AI:atherogenic index(TC一(HDLC)/HDL・C), 有意差象p〈0.001vs. normoalbum量nuria,   +p<0.01,++p<0.001vs. microalbuminuria, 上に分け,3群間で血中脂質を比較した(図2). HbA、。7%未満で血糖コントロールが比較的良好 なもので検討しても,M群, P群ではN群に比較 してTC, TG, LDL−C,アポBが高値, HDL・C が低値,AI, LDLC/HDLC比,アポB/アポA・1 比が有意に高値であった.   、

 3.3町回におけるLp(a)濃度およびPWVの

検討  1)Lp(a)濃度の比較  N群30名,M群39名, P群24名,計93名におけ るLp(a)濃度を3群間で比較した(表4). N群 132±7.4mg/dl(mean±SD), M群24。7±17.4 mg/dl, P群37.1±23.2mg/dlの順セこ有意に高値 となった.ちなみに当センタ.一における健常人Lp (a)濃度の平均は16.5±20.6mg/d},糖尿病患者 22.9±20.6mg/d1であった4).図3は単二におけ るLp(a)濃度の分布を示したものである. M群 の分布は高値のものが増加し,P群ではさらにそ の傾向が強かった.また,Lp(a)30mg/d1以上の 高値を示した者は,N群なし,M群9名(23.1%), P群12名(50%)で,順に高率となった(各々p〈 0.0001).

 2)PWVの比較

 PWVは, N群7.7±1.1m/sec, M群8.9±1.2 日差sec, P群9.1±1.5m/secで, N群に比しM群 とP群はそれぞれ有意に高値であった(いずれも p<0.001)(図4).PWVは加齢で増加すること5) が知られているので,30∼45歳,46∼55歳,56∼65 歳に分けて観察した.加齢によるPWVの増加は みられたが,一方,各年齢層においてはいずれも

N群に比しM,P平群のPWVは有意に高値で

あった.即ち年齢を考慮にいれても,アルブミン

排泄量の増加した群ではPWVは有意に高値と

なった.

3)Lp(a)とPWVの相関

Lp(a)とPWVの相関をみると, r=0.47(p< 0.001)で有意な正相関を示した(図5).この両 者の相関を3二上にみると,M群r=0.34, P群 r=0.44で正相関を認めた(各々p〈0.05).また年 齢別にみると,46∼55歳でr=0.33(p<0。05), 56∼65歳でr=0.48(p<0.01)と高年層でより強 い正相関を認めた(表5).  4.動脈硬化進展因子の統計学的検討  血中脂質,アポ蛋白,動脈硬化指数,Lp(a), PWVを目的変数とし,説明変数にアルブミン排 泄量と各種臨床的因子をおいて多変量解析を行っ た(表6).アルブミン排泄量は,総コレステロー ル,中性脂肪,LDLコレステロール,アポ蛋白B,

(5)

mg/d1 240 (⊃ 220 200 180 30−49y 50−65y *十 * * *

 NMP  NMP

n;=656955  807073 mg/d1 300   ←200 100 30−49y 50−65y *十 *十 * *

 NMP  NMP

n=656955  807073 mg/d1 140 ♀ 目 日120 100 30−49y * * 50−65y * *

 NMP  NMP

n;656955   807073 mg/d1  70 ㌣ 目 寓50 30 30−49y   50−65y * *

 NMP  NMP

n=656955  807073 mg/d玉 120 め 婆100 80 30−49y * *十 50−65y * *十 5  4   <3 2 1 30−49y 50−65y *十 *十 * * :r ÷

 NMP

n=656955 NMP         NMP 807073      n;656955       図1 normoalbuminuria(N)群,

NMP

807073 ? 目4 モ ㌣3 目 日 2 1 30−49y *  * 50−65y * *

 NMP  NMP

n=656955  807073 ∵ く 塾0,9 転 塁。・8 卜0,7 0,6 30−49y * * 50−65y * *

 NMP  NMP

n二656955   807073        年齢別にみた血中脂質,アポ蛋白,動脈硬化指数 □:       晒:microalbuminuria(M)群,彪:proteinuria(P)群を 30∼49歳,50∼65歳の年齢に分け,グループ毎に各群の数値をmean±SEで棒グラフに表し有意差 を示した.n:症例数, TC:総コレステロール, TG:中性脂肪, LDL−C:LDLコレステロール, HDLC:HDLコレステロール,AI:atherogenic index,有意差*p〈0.001 vs. normoalbuminuria,. +pく0.01vs. microalbuminuria. AI, LDL−C/HDLC比,アポB/アポA−1比(すべ てp=0.0001),Lp(a)(p=0.003), HDLコレス テロール(p=0.028)の項目と,それぞれ関連を 有していた.しかし,PWVとは関連を有さなかっ た.          考  察  糖尿病患者の死因別全国集計調査表6)によれ ぽ,糖尿病治療の進歩に伴いmacroangiopathy の合併が生命予後を大きく左右するようになって いる.一方,糖尿病性腎症の合併とくに持続性蛋 白尿出現では,脂質代謝異常が出現し虚血性心疾 患を中心とした強い動脈硬化がもたらされると報 告されている7).著者らはすでに,NIDDMの男女 95名を用いて微量アルブミン三期における脂質代 謝異常について報告した8}.すなわち,microal− buminuria群ではnormoalbuminuria群ンこ比し て,血清脂質とアポ蛋白の高値を認め,これらの 関係は30∼49歳の男性と50∼65歳の閉経後の女性 で特に明らかであった.本研究では対象を男性の みとしたが,その理由は,糖尿病女性では尿路感 染症を合併し易く,尿中微量アルブミンの増加を 糖尿病性腎症と診断することが難しいこと,閉経

(6)

u

卜 9/dl HbAlc<7% HbAlc≧7% 240 *十 220 * * * :: 岸 ::: :・: :; ・:・ 200 :: F; iii :: ;i: ・:: :・: ・:・ ::i ::: .:: :・: ::: 二:二 ・:・ 180 iii :== F:= ::: ::: i:i i=i

 NMP  NMP

n二827460  636568 mg/d1 300

0200

ト 100 HbAlc<7% HbAlc≧7% *十 牢 * ・=・ :・: * ::; ・:・ :・: ・:・ i:i i:i iii

 NMP  NMP

n=827460  636568 mg/d玉 140 ? 冒 目120 100 HbAlcく7% HbAlc≧7% 玉 0 *十. * * ・:・ * 0 iii :i: :・: :i= 0 :iii ・::

 NMP  NMP

n;827460  636568 mg/d1 ㌣ 冒 HbAlc〈7% HbAlc≧7% /d1 70 50 * * 30 i:i= :i: :・:

 NMP  NMP

n=827460  636568 ト 9/d1 P20 HbAlc〈7% HbAlc≧7% ユ00 * * * *十 80 iii iii 4 H 3 <  2 1 HbAlc<7% HbAiC≧7% * *十. * * :・= ・;・ :・: ;・:・ ・:・ 苔・ 畢・ 弓, 1 HbAlc〈7% HbAlc≧7% * * * * iiii iii , ・ 暴… 岳・・8 託・・7 0,6 HbAlc〈7% HbAlc≧7% 9 *十 8 * * ・:・: 7 :::: 堰Fi: 奄奄 6 ノ ::: Fi:

 NMP NMP .   NMP NMP     NMP NMP     NMP NMP

n二827460  636568         n=827460  636568         n=827460  636568         n=827460  636568       図2 血糖コントロール別にみた血中脂質,アポ蛋白,動脈硬化指数    □:normoalbuminuria(N)群,腿:microalbuminuria(M)群,協:proteinuria(P)群を    HbA、、7%未満とHbA、c 7%以上の2つのグループに分け,呂調の数値をmean±SEで棒グラフに    表し,有意差を示した.n:症例数, TC:総コレステロール, TG:中性脂肪, LDL−C:LDLコレ    ステロール,HDLC:HDLコレステロール, AI:atherogenic index,有意差*p〈0.001 vs.    nomloalbuminuria,+p<0.01 vs. microalbuminuria, 表4 Lipoprotein(a)濃度の比較

Normoalbuminuria Microalbuminuria Proteinuria

人数    (入) 30 39 24 年齢    (歳) 51.6±9.4 51,8±8.8 53.8±9.0 Lp(a) (mg/dl) 13.2±7.4 24.7±17.4* 37.1±23.2零*+ 数値はmean±SDを示す.当院の正常値は16,5±20.6mg/dlである。 有意差象p<0,005,**p〈0.001vs. normoalbuminuria,   +p<0.05vs. microalbuminur圭a. 前後で脂質代謝が異なることなどからである.今 回は,動脈硬化の進展を知るマーカーとして血清 脂質のほかにLp(a)とPWVを加えて検討した.  その結果,血中脂質に関しては,microal− buminuria群では, normoalbuminuria群に比し て,TC, TG, LDLC,アポBがより高値, HDL−C がより低値,動脈硬化指数がより高値という結果

を得た.これは,microalbuminuriaを有する

NIDDM患者で, Tkacら9)はTC, LDL・C,アポ

Bの高値を,Kodamaらlo)もHDLCの低回を報

(7)

人 14 12 10 8 6 4 2 0 NQrmoalbuminuria(n二30) 人 14 m/sec 12.5 12 10 10 20 30 8 6 4 2 0 Microalbuminuria(n=39) 人 14 12 10 8 6 4 2 mg/dl ≧ 山. 10.0 7.5 10  20  30  40  50  60  70  80  90 Proteirluria(n鑑24) mg/dl **     ホホ ●

ξ

8

8

0 璽

9

5

‘ 年 齢 別 5.0 Normoalbuminuria Microalbuminuria Proteinuria 30∼45歳 46∼55歳 56∼65歳 (n=30) 7.2±0.8m/sec  (n;8) 7,7±1.1  (n器11) 8.2±0.8  (n=11) (n=39) 8.3±0.9* (n=9) 8.9±1.3** (n二18) 9.4±ユ.5** (n二12) ユ0  20  30  40  50  60  70  80  90  mg/d1      図3 Lipoprotein(a)濃度の分布図 norm.oalbuminuria群,.microalbuminuria群, proteinuria群のLp(a)濃度分布を10mg/dl毎に示し た.n:症例数,協:Lp(a)≧30mg/dl. (n−24) 8.8±0.7** (n=4) 9.0±1.2** (n=6) 9.7±1.2** (n碍14)      図4 大動脈脈波速度(PWV)の比較 normoalbumihuria群, microalbuminuri』a群, proteinuria群のPWVを各群毎にプロットし,有意 差を示した.壬はmean±SDを示す. n:症例数, PWV:pulse wave velocity大動脈脈波速度(m/sec), 有意差*p<0.05,**p〈0.01vs. no㎝oalbuminuria. 表5 Lp(a)とPWVの相関係数 人数(人) r P Normoalbuminuria群 30 0.26 N,S. Microalbuminuria群 39 0.34 〈0.05 Proteinuria群 24 0.44 .<0..05 30∼45歳 21 0.38 N.S. 46∼55歳 35 0.33 く0.05 56∼65歳 37 0.48 <0.01 N。S.;not significant. mg/dl  100  

5

α  50 0 n二93 r=0.47 p<0.001 ● ● ● ● ● ・§ ヒ ● ● ● ● ●      ●           ●  ● ●  ●      ●        ・● 怐恷

ハぞ・観・

● ● ● ● ● ● ● ● 5,0 7.5

PWV

10,0 図5 Lp(a)とPWVの相関 12.5 m/sec n 症例数.

(8)

表6 血中脂質とアルブミン排泄量,臨床的因子との関連(多変量:解析を用いて)       説明変数 D目的変数 アルブミン排泄量 BMI HbAlc 年齢 推定罹病期間 平均血圧 総コレステロール 6,791 i0.0001) (N.S.) (N.S.)‘ (N.S.) (NS.) (N.S.) 中性脂肪 20,147 i0.0001) 4,277 i0.0001) 7,221 i0.007) (N.S.) (N.S.) (NS.) LDLコレステロール「 3,404 i0.0001) (N.S.) (N.S.) (NS.) (N.S.) (N.S.) HDLコレステロール 一〇.641 i0.028) 一1.361 i0.0001) 一1.445 i0.027) (N,S.) (NS.) (N.S.) アポ蛋白.B 2,714 i0.OPO1) 1,023 i9・008) (N,S.) (N.S.) (N.S.) (N,S.)   .TC一(HDL−C)AI= @    HDLC 0,204 i0.oqo1) 0,111 i0.0001) (N.S.) (N.S.) (N.S,) (N.S.) LDL・C/HDL−C 0,102 i0.OOO1) 0,077 i0.0001) (N.S.) (NS,) (NS.) (N.S.) アポB/アポA−1 0,023 i0.0001) 0,016 i0.0003) (N.S.) (N.S.) (N.S.) (N.S.) Lp(a) 1,910 iQ.GO3) (NS.) (NS.) (N.S.) (NS.) (NS.)

PWV

(N.S.) (N.S.) (N.S.) 0,028 i0.042) i0.009)0,055 (N.S.) 上段に各変数に対する回帰係数を示し,下段の()内はP値を示す。 AI:atherogenic index, BMI:body mass index, N.S,:not s至gni丘cant, 回しており,これらの成績と一致した.またmi− croalbuminuria.

Qはnormoalbuminuria群に比

し,罹病期間が長く,血圧,HbA、。が高値であった. しかし,血糖コントロールの比較的良好な群にお

いても,M群とN群間で同様の結果が得られた

ことから,血糖コントロール不良による脂質代謝 異常ではないことが明らかになった.  従って,n土icroalbuminuriaの時期における脂 質代謝異常の原因について若干の考察を加える, ネフローゼ症候群や慢性腎不全で高脂血症を合併 することはよく知られているが,その発症機序は まだ解明されてはいない.LPL(リボ蛋白リパー ゼ),LCAT(レシチンコレステロール転移酵素) 両活性低下によるVLDL(超低比重リボ蛋白)の 処理障害,H−TGL(肝性トリグリセリドリパーゼ) 活性低下によるLDL(低比重リボ蛋白)異化障害, LPL阻害物質の存在などが推察されている11).さ らに,慢性腎不全患者においては血清中のMDA (過酸化脂質)の高値が報告されユ2),動脈硬化促進 因子として注目されている.microalbuminuria の時期においては,以上述べたような脂質代謝異 常が存在するか否かは不明であるが,あるいは各 種酵素異常が既に起こっている可能性も考えられ る.  一方,.Moorheadら13)は,血中脂質の上昇により 腎糸球体や尿細管間質の障害が促進されるという 仮説を提唱した.この説は,ラット14)やモルモッ ト15)を用いた実験でも支持され,臨床的にも LCAT欠損症で腎障害が認められる.Keaneら16) も,高脂血症がメサソギウム細胞を刺激増殖し係 蹄壁内皮細胞を障害して,糸球体障害が発症進展 すると報告している.以上より,腎障害で脂質代 謝障害が起こるが,高脂血症によりさらに腎症が 進展するという,相互の関与が推察される.従っ て,本研究におけるmicroalbuminuriaの時期の 脂質代謝異常についても,血糖コントロールが不 良なために起こるものではなく,各種酵素異常の 可能性やさまざまな代謝障害の関与が考えられ た.  次に,血中Lp(a)は1963年Bergによって最初

(9)

に報告された17).Lp(a)は遺伝的に規制されてお り性,年齢,栄養,環境因子などの影響は殆ど受 けないとされ,動脈硬化の独立した危険因子の一 つと考えられている.Lp(a)の蛋白部分であるア ポ(a)のアミノ酸構造は,plasm至nogenと構造的 相同性を有することが判明した18).そして,Lp(a) が血管内皮細胞表面のplasminogen receptorや 茄rinに結合し,血栓形成を促進する可能性も報 告され19>,動脈硬化進展への関与が示唆される.日 本人のLp(a)濃:度の平均は諸家の報告により20)21) 健常人10.8∼18.6mg/dlで,糖尿病患者では 20.2∼28.8mg/dlと高値であり,当センターにお いても同様の成績4)であった.  本研究では尿中アルブミン排泄:量の増加に伴っ て,順に血中Lp(a)値が高値となることを認め た.これはJenkinsら22}の糖尿病性腎症の進展に 伴いLp(a)が上昇することを述べた報告に一致 した.他の動脈硬化因子との関連については,Lp (a)は血中脂質に影響されないとされており23),本 四でも,Lp(a)は年齢,肥満度(BMI),推定罹 病;期間,血圧,HbAlcの影響を受、けな:かった.  PWVについては,非観血的で簡便な検査法と して広く動脈硬化の診断に使用されている.長谷 川7),吉村ら24)は,生前の計測値と死後大動脈内膜 の所見を対比して粥状硬化や石灰化に正相関がみ られたと報告しており,PWV 7m/sec以下は動脈 硬化なし,9m/sec以上は硬化ありとした.また, 健常者の30歳代で6.7±0.5m/sec,70歳代で9.6± 0.9m/secと加齢により数値が増大すると報告し た.特に,糖尿病では健常人の2.6倍の速さで動脈 硬化が進行するとしている.  本論文でもPWVは加齢と共に増大し, mi−

croalbuminuriaの時期にはnormoalbuminuria

群との間に有意差がみられた.これは,森田らの 尿蛋白陰性,中等度,高度の順にPWVも高値を 示すという報告25)と一致した.  Mattockら26》は,141名のNIDDMにおいて4.3 年のprospective studyを行ったところ, microal− buminuriaは冠動脈硬化性疾患の予後を規定する 重要な独立した危険因子であったと述べている. 本研究においても,多変量解析を用いて検討した 結果,アルブミン排泄量は血中脂質,アポ蛋白, Lp(a)と有意な関連を有した.このことは,アル ブミン排泄:量が動脈硬化危険因子の一つとして, 臨床的意義が高いことを示唆している.従って,

NIDDMでmicroalbuminuriaを有する時期には

脂質代謝異常を是正することが大切で,これらに より,動脈硬化の発症を予防しうるものと推測さ れる.          結  論

 30∼65歳のNIDDM男性412名で,尿中微量ア

ルブミンと動脈硬化の関連について検討し次の結 論を得た.  (1)microalbuminuria群をまnormoalbuminur・ ia群に比して, TC, TG, LDL−C,アポ蛋白B, AI, LDLC/HDLC比,アポB/アポA・1比の高値 を各々有意に認めた.これらはproteinuria群で は一層高値であった.  (2)アルブミン排泄量の増加に伴い,Lp(a)と PWVはともに順に高値であった.  (3)Lp(a)とPWVは正相関を認めた.  (4)アルブミン排泄量は各種血中脂質,アポ蛋 白,動脈硬化指数,Lp(a)とそれぞれ関連を認め た.

 以上,NIDDMにおいて臨床的にInicroa1・

buminuriaを有する時期より脂質代謝異常が存在 し,動脈硬化の進展が示唆された.従って,この 時期より血中脂質の正常化に心がけることが大切 であると考えられた.  稿を終えるにあたり,御指導,御校閲を賜りました 大森安恵教授に深く感謝の意を表します.また終始御 指導,御教示頂きました河原玲子助教授に心より感謝 申し上げますとともに,Lp(a)の測定に御尽力を頂き ました戸谷理英子先生ならびに御協力頂きました教 室員各位に御礼申し上げます.          文  献  1)kannel WB,廻cGee DL:Diabetes and car・   diovascular risk factors:The Framingham   Study. Circulation 59:8−13, 1979  2)Niskanen L, Uusitupa M, Sarlund H et al:   Microa】buminuria predicts tぬe developlnent of   serum lipoprotein abnormalities favouring ath・

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   erogenesis in newly diagnosed type 2(non・    insulin・dependent) diabetic patients.    Diabetologia 33:237−243,1990 3)Kodama K, Tomioka M, Otani T et al:.The    range of albUmih concentrations in the single−    void丘rst moming urine of 1090 healthy young    children. Diabetes Res Clin Pract 9:55−58,1990 4)戸谷理英子,河原玲子,吉野正代ほか:糖尿病.性    最小血管症の重症度とLp(a)濃度の関連.動脈    硬化 20:364,1992 5)長谷川元治:検査一2.大動脈脈波速度検査法    (PWV法),「動脈硬化症診療ニューガイド」(八杉    忠男,中村治雄i編),bp146−156,金原出版,東京    (.1989) 6)坂本.信夫,佐藤祐造:糖尿病と血管障害一その問    題点一.最:新医学 37:65−73,1982 7)Jensen T, Johnsen KB, Enevoldsen AK et a1:    Coronary.heart disease in young tyPe 1    (insu正in・dependent)diabetic patients with and    w童thout diabetic nephropathy:incidence and    risk factors. Diabetologia 30:144−148,1987 8)柴田尚美,河原.玲子,雨宮禎子ほか:インスリン    非依存型糖尿病におけるMicroalbuminuriaと血    清脂質の関連.動脈硬化 18:1173−1178,1990 9)Tk読1, Molc6nyiov廷A, Tk6乙ov盃Ret al:    Levels of cardiovascular r三sk factors in type 2    diabetes mellitus are dependent on the stage of   .proteihuria。 J Int Med 231:1097113,1992 10)Koda無a T, Tomiyama T, Ishizaki T et al:   Vascular risk factors in Japanese non・insulin曽   dependent diabetic patients with microa1−   buminuria. J.Diabetic. Coπ1plications 6:70−76,    1992 11)酒井聡一,山本祐康.,横山.啓太郎ほか:腎炎,ネ    フローゼ症候群における脂質代謝異常とその対   策.腎と透析 30:365−370,1991. 12)湯川 進,完 正敏,後藤哲也ほか:腎不全時の   MDA.リッチLDLと腎病態.腎不全 1:49−55,    1989 13)1耀oorhead JF, Chan MK, Nahas ME et al:   Lipid nephrotoxicity in chronic progressive \   glomerular and tubulo・interstitial disease. Lan・   cet 1「1 :1309−1311, 1982 14)Kasiske BL,0,Donnen MP, Schmitz PG et a璽:   Renal injury of diet・induced hypercholester・   olemia in rats. Kidney Int 37:880−89.1,1990 15)S}且ebeb TA, Frohlich J, Magil AB:Glomer・    ular disease in hypercholesterolemic guinea    pigs;Apathogenetic. study. Kidney Int 33:    498−507, 1988 16)Keane WF, Kasiske BL,0,Donnell MP:    Lipids and progressive glomerulosclerosis. A獅    JNephrol 8:261−271,1988 17)Berg Kl:Anew serum type system in man    −The Lp(a)system。 Acta Pathol MicrobioI    Scand 59:369二382, 1963 18)Eaton肌, Fless GM, Kohr WJ et al:Partial    amino acid sequence of apolipoprotein(a)    shows that it is hemol.ogous to plasminogen.    Proc Natl Acad Sci USA 84:3224−3228,1987 19) MBewu AI), 1)uHington PN:    Lipoprotein(a):structure, properties and pos・    sible involvement in thrombogenesis and.ath−    erogenesis。 Atherosclerosis 85:}14,1990. 20)牧野和彦,前田悟.司,.安.部 彰ほか:II型糖尿病    におけるLp(a)リボ蛋白の臨床的意義について。    動脈硬化 17:310,1989 21)中田宏志,関脇雅友,森川秋月ほか:NID DM患    老に蔚.ける血中Lipoprotein(a)濃度の上昇と血    糖コントロールの関連性.糖尿病34:    1047−1053, 1991 22)Jenkins AJ, Steele JS, Janus.ED et a藍:    Plasma apolipoprotein(a)is increased in type 2    (non・insulin−dependent)diabetic patiとnts with    micr6albuminuria. Dia.betologia 35:    1055−1059, 1992 23)BOyer H, Ge皿nes JI」, Tru仔ert J et al: Lp(a)    1evels in different types of dyslipidemia in the    French population. Atherosclerosis 85:61−69,    1990 24)吉村正蔵,長谷川元治,中山 淑ほか:動脈硬化    に関する研究一脈波速度法による大動脈硬化の定    量的評価と病態について一.脈管学18:    863−870, 1978 25)森田直樹:大動脈脈波速度(PWV)の.動脈硬化症    非観血的.診断法としての臨床的意義に関する研    究.広島医学 35:563−586,1987 .26)Matto¢k MB, Morrisb NJ, Viberti G et al:    Prospective study of. microalbu.minuria as pre.    dictor of mortality in NIDDM. Diabetes.41:    736−741, 1992

参照

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