55
(東女医大誌第55巻 第7
号
)
頁
613-618
昭和
6
0
年
7
月
[ 学 会 ]
東 京 女 子 医 科 大 学 学 会 第
5
1
回総会プログラム
日 時
会 場
昭和
6
0
年
9
月
2
8
日(土)
1
3
:
0
0
-17 :
0
0
東 京 女 子 医 科 大 学 第
1
臨床講堂
開会の辞 小幡 裕 副 会 長
第
5
1
回総会
03:
00-13 :
1
5
)
挨拶...・H ・...・H ・...・H ・..…...・H ・...・H ・…H ・H ・-…....・H ・-….,.・H ・-…H ・H ・...…H ・H ・..吉岡守正会長
庶務会計報告
特別講演 03:15-14
・
0
0
)
( 司 会 〉 吉 岡 守 正 会 長
「腎移植における最近の進歩とその展望」……
… … 東 京 女 子 医 大 腎 セ ン タ ー 外 科 教 授 太 田 和 夫
シンポジウム
(
1
4
:00-16 :
0
0
)
r
Aging
と疾病」………...・H ・.. (司会〉教授
。生化学の立場から………...・H ・..………・………教授
の 小 児 科 か ら 見 た
Aging
……...・H ・..……...・H ・..…...・H ・..……教授
3
)
Aging
と免疫………...・H・..……...・H・..……助教授
4
)
R
a
d
i
a
t
i
o
n
O
n
c
o
l
o
g
i
s
t
の立場から…………・…...・H ・....・H ・-教授
5) 経年変化から見た心疾患………・H ・H ・...・H ・..…...・H・...……教授
6
)
中枢神経系の
Aging
…………...・H ・..………….,.・H ・..………教授
く追 加 発言 >
老化と胃病変……...・H ・..…...・H ・H ・H ・...・H ・-…...・H・...・H ・-…・・・・教 授
教育講演 (
1
6
:00-17 :
0
0
)
広沢弘七郎〔循環器内科〉
降矢 焚(生
ヒ
イ
学〉
横 田 和 子 ( 小 児 科)
内 山 竹 彦 〔 微 生 物〉
池 田 道 雄 ( 放 射 線 科 〉
関口 守衛(循環器内科〉
丸 山 勝 一 ( 神 経 内 科 〕
森 治樹(第二病院内科〕
rCT
,超音波診断の要点」…...・H ・H ・H ・...・H ・...・H ・.. ( 司 会 〉 教 授 重 田 帝 子 ( 放 射 線 科 〉
1.頭部
CT
・H ・H ・.,………...・H ・H ・H ・..……...・H ・..………教授小林直紀(神経放射線科〉
2
.
腹 部
CT
……….,.・H ・...・H ・...…………講師河野 敦 ( 放 射 線 科 〉
3
.
消化器超音波……...・H ・..……….,.・H ・..…...・H ・...・H ・...・H・ 講 師 秋 本 伸(消化器外科〉
閉会の辞 小幡 裕 副 会 長
-613-56
東 京 女 子 医 科 大 学 学 会 第
5
1
回総会演説抄録
〔特別講演〕
腎移植における最近の進歩とその展望
(腎臓病総合医療センター外科〕太田 和夫
ここ十数年間壁につき当ってしまったように成績向
上がえられなかった腎移植も, ここ数年間,輸血効果
の利用,サイクロスポリンの登場によって新しい転機
を迎えている.このような時期に腎移植について概説
し,新しい進歩について触れるのは意義あることと考
えられる.
1.輸血の効果
従来は輸血により感作がおきる可能性があるため,
移植予定患者に輸血をしないというのが原則であった
が, 1973年に輸血をした例の方が生着率が高いことが
判明したため1970年代の後半よりは積極的な輸血が行
なわれるようになった.さらに1980年代に入ると提供
者よりの輸血 (donor specific blood transfusion:
DST)
が著効を奏することが明らかにされたため,生
体腎では
DST
が,また死体腎では不特定の人からの
輸血(ランダム輸血〉が行なわれるようになってきて
いる.これらの輸血をめぐる問題について紹介する.
2
,サイクロスポリンの登場
サイクロスポリンは抗生剤であり, 1978年に公開さ
れた.本剤の免疫抑制効果発現の主要な機序はヘル
パーT細胞に働き,インターロイキン2の産生を抑制
することによりサイトトキシック
T
細胞の分化を抑
えることにあるとされている.
本剤の免疫抑制力は従来用いられているアザチオプ
リンと比べて著しく強力であり,ステロイドの使用量
を減少できるという利点はあるが,一方腎毒性などそ
の他の副作用も問題となっている.われわれは本剤を
使用して約180例の腎移植を行なったが,その経験を紹
介する.
3
,感染症の治療
われわれの施設では最近感染症による死士が大幅に
減少してきたが, これはインタフエロンをはじめとす
る各種の抗ウイルス剤が開発されてきたためと考えら
れる.これらの実状についても紹介する.
4,脳死のコンセンサスと将来の展望
最後に現在基準作りが進行している脳死とその他の
臓器移植を含めて将来を展望してみたい.
Agingと疾病
(序言)
〔シンポジウム〕
(循環器内科〕広沢弘七郎
今 か ら
4
0
年 ば か り 前 , 私 が 医 局 に 入 り た て の 頃
Myodegeneratio cordisという病名があった.その前
後にかけてchronischeMyokarditisというのもあっ
た.例えば弁膜症のように分り切った原因疾患がない
のに,心臓が大きくて,脈も乱れている事が多く,さ
りとて心不全は必ずしも伴っていない病気だった様に
思う.多くはお年寄であったように思う,当時の本を
見ればその定義など出ているのであろうが,見直した
事もなく,次第に内容を忘れてしまった.
比較的最近の用語の中にischemic heart disease
without painというのがある.冠動脈硬化に原因した
冠不全により心筋に異常を来たし,狭心症状はないが,
心不全,不整脈,心電図異常等を起こして来るものと
定義されている.文献をよく調べたわけではないが,
冠不全の効果すなわち虚血が心筋のどの部分に{動いて
このような異常を起こすかについて,正面切っての証
拠はないのではなかろうか.
私が専門とする心臓病学の領域でも,疾患の成立ち
に中心的役割を演ずる心筋異常が,血行力学的負荷,
明らかな冠不全などはっきりした原因がないのに起
こって来るものがあり,その中には老化の機序が要因
となっているものもかなりあるのではないかと疑われ
る.他の臨床医学の領域でも似た様なことはそれぞれ
の特徴を持ちながらも,共通した問題としてあるに違
いない.更に,基礎医学的に,あるいは生物学的に
agingの問題を論ずるならば,それぞれの分野でかな
り広く,深く論じられる.そして,基礎的なアプロー
チが個々の臨床の領域の問題の解明の基盤となってい
くはずである.
今回のシンポジウムも小規模ながらこのような限で
考丸組み上げてみたいと思っている.
1.生化学の立場から
(生化学〉降矢 焚
Aging,老化,の定義としては『加齢に伴う生理的機
能の減退
J
が科学的であろうと思われる.時聞は過去
から現在,未来へと向いたベクトルであり逆行するこ
とはない.この時間の経過を測定するための時計とし