193 (68) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
タ ナカ タミ ヤ 田 中 民 弥 (昭和29 医学博士 早耳1067号平成2年1月19日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出老)PSK局所投与による局所リンパ節免疫能の増強
(主査)教授 羽生富±:夫 (副査)教授 小幡 裕,野本 照子論 文 内 容 の 要 旨
目的 担癌生体の局所免疫能力を賦活させることを意図し て,免疫賦活剤であるPSK(クレスチン)を局所投与 し,その有用性につき検討した. 方法 胃癌72症例(リンパ節276個)を検討対象とし,内40 例(リンパ節183個)に対し術前内視鏡下で5%PSK溶 液を癌周囲に局所注入し,4例(リンパ節18個)には 生理食塩水を局所注入した。また,対照として,胃良 性疾患2症例,同リンパ節9個を用いた. 切除された肉眼的転移陰性所属リンパ節を単個細胞 浮遊液とした後,リンパ球幼若化反応のstimulation index(S.1.)を求め,またモノクローナル抗体を用い 各種リンパ球subsetの測定を行った. 結果 1)良性疾患より胃癌で,局所リンパ節S.1値の低下 がみられた. 2)PSK置注により,S.1.値が上昇したが,その値に は大ぎな変動があった.統計解析により,各症例のリ ンパ節転移の有無と主癌病巣の組織形(管状腺癌と低 分化腺癌に分類)が変動の原因と思われた.S.1.値は, リンパ節転移のある低分化腺癌で顕著に上昇した.他 の症例でも上昇したがPSKの術前投与時期が影響す るのもあった.だがリンパ節転移のある管状腺癌では 上昇はあまりなかった. 3)PSK局注により誘導されるリンパ球はLeu7+, Leu2a-15+を主体としていた.しかし一部Leu3a+, Leu2a+7÷も認められた. 考察 癌所属リンパ節免疫能に影響する因子としてリンパ 節転移の有無および主癌病巣の組織球が考えられた. PSKの抗腫瘍効果の機序に関しては, SJ.値の上昇に より癌局所の免疫抑制因子に対してPSKが拮抗的に 作用したことが示唆され,Leu7+, Leu2a-15+の上昇に よりNKの関与も考えられ,またLeu2a+7+の上昇に より,cytotoxic T lymphocyte(CTL)の誘導も考え られた.なおLeu3a+のhelper/inducer系細胞も一部 関与しているものと思われた. 結語 1.PSK局所投与により,癌所属リンパ節のS.1.値 の上昇を認めたが,リンパ節転移の有無および主癌 病巣の組織形によって,反応形態に大きな差がでた. 2.PSK局所投与により誘導されるリンパ球は主と して,NKの一群であり,一部, CTL, helper/inducer 系も示唆された. 一795一194
論 文 審 査 の 要 旨
本研究は,胃癌所属リンパ節において,PHAリンパ球幼若化反応,各種リンパ球subsetの測定により,免 疫能が低下していることを示し,また術前内視鏡下で癌周囲にPSK(クレスチン)を局所投与することにより, 所属リンパ節免疫能が賦活されること,これにはNKが関与していることを明らかにした.学術上価値あるも のと認める. 主論文公表誌 PSK局所投与による局所リンパ節免疫能の増強 東京女子医科大学雑誌 第59巻 第8号 898-910頁(平成元年8月25日発行) 副論文公表誌1)Intersitication of local lymphnodal im- munological competence by topical injec-
tion of PSK(PSK局所投与による局所リン パ節免疫能の増強)