19. 1
分散型意思決定モデルと分散DSS
(意思決定支援:システム)
オブジェクト指向シミュレーション,ゲームの理論にもとつく分散DSSの開発一
斉 藤 邦 彦
はじめに 情報基盤(コンピュータとネットワーク)の充実により,情報資源の共有, データの分散管理といった情報システムの高度な利用が可能となっている。本 論文ではコンピュータネットワークを用いた分散型の意思決定支援システム (以下DSS)を設計し,複数のメンバーによる経営分析モデルの共同設計技法 やグループ意思決定モデルを考察する。 分散DSSの実現にはクライアント・サーバ方式,分散データベース,ユーザ 間のデータ通信といった手法を用いる。分散モデリングでは複数のユーーザがモ デルサーバやデータ通信(電子メール,電子会議)を用いて,統計解析や計量 経済分析モデルの設計をおこなう。グループDSSは複数のメンバーによる意 思決定を支援し,代替案の作成,評価,選択プロセスを効率化する。またメン バー相互の意見をネゴシエーションやゲーミングといった手法で調整する。 分散型意思決定モデルにもとづいて分散DSSの基本仕様を設計し,オブジ ェクト指向シミュレーション,ゲームの理論の方法論を用いた特定用途向けの 分散DSSを作成した。開発にはワークステーションをネットワーク(LAN)で 結合した環境を用いた。LANの伝送媒体にはイーサネット,プロトコルには TCP/IP,ウインドウシステム, GUI(グラフィカルユーザインタフェース)にはXウインドウ OPENLOOKを用いた。
1 分散DSSの構成
分散DSSを分散データベース,ネットワーク上のデータ通信,プログラム問 通信といった機能を用いて作成する。ユーザ間の通信の方法には電子メール, 電子掲示板,電子会議があり,ネットワーク上の共同作業(グループウエア) が実現できる。 分散モデリング環境はクライアント・サーバ方式を用いて作成する。クライ アント・サーバ方式はネットワーク上で各種のサービスを利用する方法である。 サービスを提供する側をサーバ,受ける側をクライアントと呼び,複数のユー ザが同じサービスを利用するときに用いる。 グループDSSは複数のメンバーで意思決定のために代替案を作成する。メ ンバー間の意見調整プロセスをモデル化するためにネゴシエーション,多数決, ゲーミングという手法を用いる。本論文では意思決定作業の共同化,電子化を 実現し,意見集約を自動化するといった点からグループによる意思決定モデル を考察する。2 基本DSSの仕様
分散DSSをDSSの基本部分とネットワーク部分に分けて設計する。基本
DSSはデータベース,モデルシステム,対話管理システムの3つのサブシステ ムから構成される。 [基本DSS] DSS={DB, MB, UI} DB :MB:
UI : データベース モデルシステム 対話管理システム 2.1DB:データベース データベースDBは情報をデータベースとして管理し,ユーザの要求に応じ193 て情報を検索し提供する。外部のデータベースシステムを利用しデータの検索 をおこなう。分散型のデータベースを利用してネットワーク上で複数のデータ ソースから検索することもできる。データベースDBは外部データベースとの インタフェースであり,SQL命令の処理系により実現する。 SQLプログラムでデータを検索する。ベクトル,行列,集合,アレイ,表と いったデータ型が利用可能であり,対話的にデータをエントリーできる(SET 文)。SQL文で検索されたデータは表として実現される。表はデータ処理のテン プレートとなる。表をファイルに保存することもできる(永続化)。 [DB: データ定義仕様]
データ定義文:=SET変数名ONデータ定義
データ定義 :=データ(ベクトルやリストなどの値) SQL文 変数名 :=ベクトル名1行列名【集合名1配列名1表名 2.2 MB:モデルシステム モデルシステムMBはデータベースから得られた情報を加工してユーザに 提供する。意思決定モデルにもとづいてデータを加工し,代替案を作成,評価 する。モデルは組込みのモデル(データ)ベースを利用する。ユーザがモデル を作成することもできる。 モデルにはシミュレーションモデル,時系列分析,統計分析,数値計算とい った基礎モデルや計量経済モデル,在庫モデルといった問題指向モデルがある。 分散DSSでは複数のメンバーによるモデル設計(共同モデリング)やグループ 意思決定モデルの設計ができる。 モデルベースはデータ解析の手続き(モデル)をサブルーチンの集合として データベース化したものである。ユーザがモデルを設計するためのプログラミ ング環境も用意されている。一般的に,DSSを設計するための開発環境をDSS ジェネレータと呼び,実際に利用するDSSを特定DSSという。本研究のモデルシステムの処理系はDSSジェネレータとみなすことができる。特定DSSは 記述されたモデルにもとづいて作成する。 [MBl モデル = 早モアル = 複合モデル:= モデル記述:= モデル定義仕様] クラス記述:= 単モデル1複合モデル
DEF MODELモデル名 モデル記述
DEF MODELモデル名 OF モデルリストモデル記述
STRUCTUREモデル構造
クラス記述 classクラス名 : [オブジェクト名(継承)] { 属性名リスト; メソッドリスト; ︸ メソッドの定義 (メソッド等の定義は利用する処理系に依存する。C++の構文など) 2.3UI:対話管理システム 対話管理システムはコンピュータとユーザのインタフェースである。ユーザ はデータ検索や加工,モデル作成といった作業を,対話管理システムを通じて おこなう。誰でも簡単にこれらのサービスを利用できるように,ユーザフレン ドリーな環境を用意する。例えば複数のウインドウを用いて操作性や作業効率 を向上させる。データ画面ではデータを表として実現し,表言語風に行・列の データ操作ができるようにする。 [UI:対話管理システム] インタフェース:= インタフェース名(データベース,モデルシステムなど) device デバイスリスト195 デバイス ウインドウ テキストウインドウ} グラフィックスウインドウ1 表ウインドウ コントロール(コールバックを含む) コンテクスト コントロールは各種メニュー,各種ボタン,スライダーの定義をおこなう。コ ールバックはそれらの動作を定義する。コンテクストはモデルの処理結果であ る。 3 分散DSS 各メンバーのDSSはデータベースDB,モデルシステムMB,対話管理シス テムUIから構成される基本DSSとネットワーク部分からなる。ネットワーク 部分はデータ通信部や,分散モデリング環境,グループ意思決定システムのイ ンタフェースである。 分散DSSはクライアント・サーバ方式を用いて実現されており,サーバ側の
DSSがDSSのサービスをクライアント側のDSSに提供する。サーバDSSは
データベースサーバとしての役割も持ち,データを各クライアントDSSに分 散配置する。サーバDSSのモデルシステムを特にモデルサーバと呼ぶ。 [分散DSS] 分散DSS :={LDSS, CDSS} LDSS: 基本DSS CDSS: DSSのネットワーク部分 CDSS := {COM, DMB, GDSS} COM:データ通信部 DMB:分散モデリング環境 GDSS:グループ意思決定システム3.1COM:データ通信部
ユーザはクライアントDSSの通信部を通して,データ検索やデータ加工の 処理をサーバDSSに要求し,サーバDSSは各種のサービスを提供する。モデ ルサーバは複数のメンバーによる分散モデリング環境やグループ意思決定を実 現する。サーバDSSはネットワーク上で,メンバーの意見の分布や状態の表示 をおこなう。電子メール,電子会議の集約機能も持ち,N対Nの通信を実現す る。3.2DBM:分散モデリング環境
分散モデリングでは複数のメンバーが共同でモデルの記述,代替案の策定を おこなう。メンバー(クライアント)は独自のモデルを全体のモデルの一部に 書き加える。モデルサーバが大域的なモデルを管理する。メンバーは固有の利 益,予測,データ等をモデルに記述する。モデルサーバは,新しいモデルをネ ットワーク上で作成する環境を用意し,既存の大域的なモデルを管理するモデ ルベースシステムの役割も持つ。 モデルA モデルA 全体のモデル モデルB モデルC モデルB モデルC 図1 例 複数の待行列を持つモデル197 構成メンバーA,B, Cは待行列を処理できるシステムである。待行列には x,yの2種類があり,この2つをx, yの順で通ることで1つの処理が行われ る。Aはxを処理できる待行列を1つもつ。 Cはyを処理できる待行列を2つ もつ。Bはxを処理できる待行列と, x, yどちらも処理できる待行列をもつ。 各クライアントは待行列のトポロジー,処理能力等を独自のモデルに記述す る。モデルサーバは各クライアントのモデル記述をもとに,平均到着待ち時間 などの要素から複数の代替案を作成する。ここでは結果的に2つの代替案がで きる(図2,図3)。各メンバーの待行列の処理能力や平均到着待ち時間をなど をもとに,モデルサーバが最適な代替案を選択する。 モデル1 IN IN IN A. IN A ,一一一一一一一一一一一一一一一一一一 x A OUT CL IN B.IN B.IN B i一一一一一一一一一一一一, : x l 幽 X ’ Bl.OUT B2.OUT C2.IN C 1一一一一一一一一一一一一一一一一一1 1 Y ! ! Y ! Cl,OUT C2,0UT OUT OUT 図2 モデル2 IN IN A. IN
l x
A OUT CLINY …
Y … Cl,OUT C2.OUTB. IN L,””””k”””一一=.’i”’一”一一i一一一一一一一一1 B,OVT
OUT
OUT
3.3GDSS:グループ意思決定 グループDSSは複数のメンバーによる意思決定を支援する。経営戦略の策 定には複数のメンバーが関わる。H本の企業は合議性を基本としており,グル ープ意思決定をサポートするDSSの必要性は高いといわれている。 メンバー間の意見調整プロセスをコンピュータ上で実現するために,メンバ ーの意見の分布をグラフで表現したり,意見の変化をあらかじめシミュレート する。 代替案に関わる目的が1つか複数(多目的)か,相互のメンバーの間で意見 の調整がおこなわれるか,代替案の選択が協調的か対立的かに応じていくつか のグループ意思決定モデルをたてる。 3.3.1単目的モデル [①メンバー間相互作用なし] GDSS= {O, [Mi], A} 0: グループの全体モデル(目的)
M:各メンバーのモデル
A: 意見集約モデルGDSSはサーバDSSと各メンバーのDSSから構成される。サーバDSSは
グループ全体のモデルを,クライアントDSSはメンバーのモデルをもつ。 GDSSは対象となる問題を分析して複数の代替案を作成し,最適案を選ぶ。メ ンバーはグループのモデルとの関連で自分のモデルを作成する。 [0:目的] 最適案を選ぶ基準として目的(GOAL)と順序関係という概念を導入する。 順序関係と代替案の要素の集合として目的を定義する。目的は複数の代替案を 選択するための判断基準である。順序関係は2つの代替案のどちらが望ましい かという関係であり,すべての代替案に順序関係が成立する。最も望ましいと199 評価された代替案を最適案と呼び,許容範囲内にある代替案を可解案と呼ぶ。 順序関係は効用関数や線形計画法における利益の最大化といった連続的な関 係や,代替案の選好関係といった離散的な関係としてモデル化される。複数の 目的がある場合は多目的モデルを用いる。 [M:メンバーのモデル] M= {MM, ao, at} MM: メンバー個別のモデル(目的) a。 : グループのモデルに対する状態の初期値 at : グループのモデルに対する状態 グループ内のメンバーの利害を調整するプmセスで,各メンバーは自分の利 害とグループの目的の関係から,自分の状態を変化させる。メンバーの状態は グループのモデルに対する各メンバーの立場,評価基準,制約条件といったパ ラメータで表現される。aOは状態の初期値であり,代替案選択の過程でメンバ ーは内部状態を状態atに更新する。 メンバーは固有の目的やそれに対する評価基準(状態)をモデル化する。状 態はグループの目的に対する立場,代替案の評価,意見の時系列的な遷移など として記述される。オブジェクト指向の方法論を用いてモデル構築をおこなっ ており,既存のモデルを用いた階層的なモデル定義ができる。 [A:意見集約モデル] DSSサーバは各メンバーの意見の集約方法と代替案の評価,選択方法をモデ ル化する。各メンバーの意見を集約し,メンバーの意見分布やグループ内での ウエートといった要素を加味して最:適案を選択する。解析的な手法を適用でき るときには計算によって最適解を選択する。適用できないときは,各メンバー の状態や目的に応じて最適案を決定する方法をモデル化する。
[意見集約モデルの例] グループの意見を集約し,メンバー間の意見の差異が一定の範囲内になった 状態を定常状態として,グループ意思決定作業を終了する。各メンバーは,グ ループ全体の利益を最大化し,その条件の範囲内で自分自身の利益を決定し, できる限り速く作業を終了させる。 [条件] MO=MO(AO(x), O(x, y)) MO: メンバーの目的 AO(x):グループの目的 0(x,y):状態 *条件の例(意見集約前)
グループ:最適条件AO〈10 可能条件AO<12
ユーザ :制約条件 MO>AO(1−x)+yAO 可能条件 MO>2
(xは残りのメンバーのモデル記述による。yは係数) *条件(意見集約後)グループ:最適条件AO=AO−1.5(AO<10.5)
可能条件 AO=AO−0.5(AO〈 9.5) ユーザ : 可能条件 MO>2−e (e>e。>0 (eは調整値)) この条件のもとで再び意見調整をおこなう。サーバは各ユーザにe。以上,条件 を譲ることを強制する。この範囲でユーザは新しい可解条件を決める。 [②メンバー間の相互作用あり]201 GDSS= {O, [M,], [R,,], A} 0: グループの全体モデル(目的)
M:各メンバーのモデル
R: メンバー間の意見調整モデル A: 意見集約モデル M= {MM, ao, at, S}MM: メンバーのモデル
a。 : グループのモデルに対する状態の初期値 at : グループのモデルに対する状態S: 戦略
このモデルにはメンバー問の意見を調整するプロセスがある。メンバーは自 分のモデルと戦略S,対象となる相手のモデルを考慮して自分の状態を調整す る。戦略は相手と交渉するための指標であり,メンバーがそれぞれモデル化す る。意見調整モデルは零和ゲームや非零和ゲームとしてモデル化できる。意見 の調整が終了した後にサーバDSSはグループ全体の意思決定をおこなう。 [二人のメンバーの相互作用のモデル記述型] O=aAO十6BO÷7AB (SA, SB) αβγは係数 AO, BO AB (SA, SB)SA
SB
メンバーA,Bの独立した目的 A,Bの関わる目的(図4) Aの戦略 (協力的OR対立的) Bの戦略 (協力的OR対立的)Aの利益 ・ (+, +) . (一, +) +:協調的 一:対立的 . (一v 一) ・ (+, 一) Bの利益
図4
3.2.2多目的モデル 1 多目的モデルでは,代替案が複数の目的に対して順序づけられる。目的は互 いに独立している。グループは複数の目的を考慮して意思決定の最:終的な判断 をおこなう。目的が複数の場合は,意見の集約を解析的におこなっても,全体 としての最:適解を求めることは難iしい。DSSサーバは複数の目的に対するメン バー相互の関係を表示して意見の調整プロセスを効率化する。 GDSS= {[O,], [M,], [R,], A} o:Ml
Rl
Al
グループの全体モデル(目的) 各メンバーのモデル メンバー問の関係 意見集約モデル203 M一 {[MA,], [aOr], [MOi], [Si]}
MAl
aO :MO:
s: 個人の意見 意見の初期値 個人の目的 戦略4 分散DSSの開発
分散DSS,分散モデリング環境,分散型意思決定モデルにもとづいて分散 DSSの基本仕様を設計し,回帰分析を用いた需要予測モデル,複数のメンバー からなる待行列シミュレーション,養豚業者のゲームモデルを用いた分散DSS を作成する。 4.1 回帰分析を用いた需要予測 [利用モデル] [対象データ] [設計環境] 統計解析モデル(単回帰分析) 販売実績データ 回帰分析モデルは統計解析言語Sにより作成 ユーザインタフェースはXウインドウ上で作成 本DSSはデータベースから販売実績データなどを読み込み,回帰分析,残差 分析,時系列分析をおこなって,今後の需要を予測するシステムである。デー タにはビールやコーヒーの過去20年間にわたる販売実績データを用いる。モデ ルはDSSジェネレータを用いずに直接作成する。 最小2乗法,回帰分析,残差分析といったデータ解析技法のプログラミングのために統計解析言語SとそのXウインドウ拡張版であるISAC社製のS
(Release 3 version 2)を用いた。 Sには統計解析関数として最小2乗法lsfit, 散布図作成命令plot,ウインドウ処理関数としてsx. mainloop, sx. popupと いった関数がある。204 彦根論叢第282号 [データ設計:] データは表,行列とベクトル,りストを用いる。これらは統計解析言語Sの オブジェクトである。ベクトルは要素の型がすべて一致するオブジェクトであ り,リストは要素の型が違うオブジェクトである。データベースとのインタフ ェースはS(拡張版)の関数i.importを用いた。 [モデル設計:] 回帰分析は統計解析手法の中でも代表的なものである。経済モデルの分析や 将来予測,生産管理における品質管理といった分野で利用される。 [単回帰モデル] y=A十 Bxi 十 Ei 1=1,2ヂ。,n εtは誤差の確率変数であり,不偏性,独立性,正規性,等分散性を満たして いる。変数xを説明変数yを目的変数という。データから最小2乗法で回帰式 を推定し,回帰係数,寄与率,残差標準偏差を求める。回帰式などから信頼95 %の予測区間を求めて図示する。 [対話管理システム設計:] ユーザは対話管理システムを通じてデータベース検索,モデル分析,代替案 作成をおこなう。データベース画面では利用するデータを表として処理する。 モデル画面ではさまざまなパラメータを設定する。出力画面には単回帰分析, 残差分析等の結果を数値と散布図グラフで出力する。 4.2分散モデリングと待ち行列 [利用モデル] 待行列モデル [対象データ] スーパーなどの平均到着待ち時間 [設計環境] 複数のメンバーの待行列モデルを合成してモデル化 モデル作成にはシミュレーション記述言語を用いる。
205 データベース部 データの指定,表示 モデル部 パラメータの指定 インタフェース部 データの出力方法結果 図5 対話管理システム 分散分析表 x3 回帰系数 x3 予測値・残差 x3 平方和 回帰による変動1568.44959 残差の変動 95.55041 全変動1664.00000 回帰係数 標準誤差 定数 10 1536842 2.24627072 x3 O.8566082 O.08631526 実測値 予測値 残差 規準化残差 1 60 60.69357 一〇.6935673 一〇,4184417 2 42 35.85193 6.1480702 1 6905245 3 24 27.28585 一3,2858480 一〇.8802581 4 18 21.28959 一3,28959e6 一〇.8938964 5 20 23.00281 一3 0028070 一〇.8104134 6 20 16.14994 3,8500585 1.0834950 7 19 21.28959 一2,2895906 一〇.6221616 8 17 14.43673 2.5632749 O.7338103 図6 データの例 分散モデリングの例として複数の行列からなるシステムを考える(分散モデ リングの例,図2,3を参照)。個々のメンバーは自分自身の待行列を管理する モデルをつくる。モデルサーバは個々のモデルを総合して全体的なモデルを作 成する。モデル設計にはシミュレーション言語SIMSを用いる。 SIMSはシミ ュレーション向け言語として設計され,DSSジェネレータとして利用されて いる*(1。SIMSはオブジェクト指向の方法論を用いており, C++に準拠して た構文をもつ。
眺 OH co
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1 2 3 4 回帰直線と予測値の信頼区間 5 図7 データ解析図の例 [データ設計:] 待行列データはモデルの中で定義する。外部データベースは利用しない。 [モデル設計:] メンバーA,B, Cはそれぞれモデルを記述し,処理系を作成する。モデルの 実現方法は各ユーザにまかされる(一部はSIMSにより自動生成される)。サー バDSSは複数の待行列をもつモデルを,各メンバーのモデルを組み合わせて 作成する。全体の平均等着待ち時間等のパラメータを設定してシミュレーショ ンをおこない,最終的に最適案を決定する。207 [全体のモデル定義] (モデル1) DEF MODEL SAMPLEI OF MODEL MA, MB, MCi {STRUCTURE IN 一〉 MA, INi IN 一〉 MB, INI MA, OUT 一〉 MC, INI MC, OUT 一〉 OUTi MB.OUT 一〉 OUT CONSTANT AVE TIME=・…・…} (図2参照) (モデル2) DEF MODEL SAMPLE2 OF MODEL MA, MB, MCi ( STRUCTURE IN 一〉 MA INi IN 一〉 MB, INI MA, OUT 一〉 MC, INi MB, OUT 一〉 MC, INi MC, OUT 一〉 OUT CONSTANT AVE TIME=…・・…} (図3参照) [モデルAの定義] DEF MDOEL MA ( STRUCTURE CLASS CONSTANT IN = MA. INI OUT = MA, OUT: QUEUEX QUEI: MAXSIZE= ・・・・…] class QUEUEX:queue { public: qhead * head; qtail * tail;
TYPE Xi
int COUNT; QUEUEX O (head = new qhead(1,MAX); tail = head一〉 tail;} TYPEO ( RETURN XII そのほかのメソッドとモデルの定i義208 彦根論叢 第282号 4.3 養豚業者舞鶴 (グループDSS) [利用モテル] 非零和ゲーム [対象チータ] 養豚業者の生産量
[設計方針] SMALLTALKのグラフィソクスオブジェクトFX−CHART
を用いる。 ユーザとホストの通信はソケットを用いる。 養豚業者問題は対立的なゲームの例である。照照の豚を生産したら,望まし い利益か得られるかを分析する。非零和ゲームであり,自分だけの利益の最大 化か,結果的に得られる利益を減らす例である。 糎綿
i酵 1醜繊撫曝書
躍三時講
響
蕪
難
灘
華甑 図8209 ユーサは係数や対抗する業者の人数なとのパラメータを入力する。サーバ DSSは全体のパラメータを集計した後にゲーミンク解析をおこない,各業者の 利益を表示する(図8)。ユーサは他の業者のパラメータを自分て入力して得ら れる利益を!ミュレートてきる(図9)。 図9 [モテル設計 ] 養豚業者は20匹から100匹の範囲内て自由に豚を生産てきる。他に何人か(こ
こでは4人)の業者が同じ条件で豚を生産する。豚の生産費用は20万円であ り,豚1匹の価格は p=一αq十400000 αは係数(0〈α〈1) である。 [対話管理システム設計二] ユーザは通信画面から自分自身の生産量などのパラメータを入力する。サー バDSSはそのパラメータを集計し,システムにエントリーする。その後ゲー ミング解析をおこない,各業者の利益をヒストグラムで表示する。本モデルは 対立的であり,意見集約モデルはない。 結果の確定後,各ユーザの生産量を変更して再度ゲーミングをおこなうこと ができる。そのときはサーバDSSが値の変更できる範囲を限定する。 5 おわりに 分散DSS(意思決定支援システム)を分散モデリング環境グループ意思決 定モデルから考察し,分散DSSのプロトタイプをLAN上で作成した。複数の メンバーによる意思決定,意思調整の手続きをモデル化し,共同モデリング, グループ意思決定の機能を実現した。 実際のDSSとして,オブジェクト指向シミュレーションを用いて複数の待 行列を処理する分散DSSのモデリング環境を実現した。またゲームの理論を 用いて養豚業者の生産量決定をおこなうDSSを作成した。 [参考 文 献] (1)斉藤邦彦:「集団意思決定と共同モデリングを支援する分散指向型DSS(意思決定支援 システム)の設計と開発」名古屋女子商科短期大学紀要第31号(1993) (2)SC. DEWHURST, K. T STARK:「C++言語入門」(1990)アスキー出版局 (3) B, P, Zeigler: “Object−Oriented Simulation with Hierarchical, Modular Models” ACADEMIC PRESS, INC. (199e) (4) B,P, Zeigler: “The DEVS−Scheme Modelling and Simulation Environment” Knoledge−Based Simulation: Methodology and Applications, Springer Verlag
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