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筋萎縮性側索硬化症とアルツハイマー病合併例の病理学的確診

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Academic year: 2021

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(1)

55:360 (臨床神経 2015;55:360-361) 2014年 5 月 26 日 拝啓 青木氏らの短報「多数のびまん性老人斑と pretangle,neuropil threadを合併した,認知症をともなう筋萎縮性側索硬化症の 1剖検例」1)を興味深く拝読しました.氏らは冒頭アルツハ

イマー病(Alzheimerʼs disease; AD)に合併した ALS-D の報 告はわずか 1 例(小副川ら,2001)であると強調しています が,この小副川らの症例報告に対して,われわれが 1997 年に Neuropathology(1997;17:334-339)で ALS-D と AD 合併例を 発表していることを 2002 年に本誌 Letters to the Editor で議

論しています2).2012 年の AD 病理診断基準ガイドライン3) に即して既報告例を分類してみると(Table 1),“high” に相当 するのはわれわれの症例のみです.本邦では Braak IV でも多 数の老人斑があれば AD 病理診断がなされることが多いとし ても青木氏らの例は AD から外れています.筆者らも AD の 病理診断をしておりませんが,ランニングタイトルは「アル ツハイマー病変を…」とあり,考察でも「AD を合併した」報

告例と比較し,英文抄録でも「AD with ALS-D/FTLD-MND」と

AD病変であったかのような紛らわしい記載になっています. 神経原線維変化(neurofibrillary tangle; NFT)も老人斑(SP) も高齢者脳では相当数観察されるので,単なる高齢変化と AD病合併は明確に区別するべきと考えます.われわれの症 例で Braak の NFT staging と必ずしも合致しないと思われるの は視覚野(area 17)にも NFT と NP が存在したものの(この点 では stage VI)area 18,19 と差異がはっきりしなかった点や, 概略 NFT stage V にかかわらず CA1 での神経細胞脱落も軽度 であることなど高度変性とはいいがたい面があります.症例 によっては AD 病変が Braak stage のように一律には進行しな いことを示唆しています. 今回われわれの発表例にリン酸化 TDP-43 染色をしたとこ ろ skein-like inclusion が脊髄,脳幹運動ニューロンにしばし ばみとめ,高度変性した運動皮質の神経細胞やグリアに顆粒 状や細線維状の胞体内封入体がまれにみとめられ,CA1 と海 馬支台や下オリーブ核にもみられました.一方,海馬歯状核

Letters to the Editor

筋萎縮性側索硬化症とアルツハイマー病合併例の病理学的確診

山本  徹

1)

*

Pathological diagnosis of coexistence of ALS with Alzheimer’s disease

Toru Yamamoto, M.D., Ph.D.

1)

1)Department of Neurology, Osaka Saiseikai Nakatsu Hospital

*Corresponding author: 大阪府済生会中津病院神経内科〔〒 530-0012 大阪府大阪市北区芝田 2-10-39〕

1)大阪府済生会中津病院神経内科

(受付日:2014 年 4 月 16 日)

Table 1 Reported cases of ALS with AD pathology.

First Author publication CERAD neuritic plaque* Braak NFT* NIA-AA Diagnosis

Yamashita M 1997 Frequent V (VI?) high

Osoegawa M 2001 numerous Ab immunostain? numerous ?

Hamilton RL 2004 Frequent IV intermediate

Rusina R 2007 Abundant neocortical ?

Aoki Y 2014 few Braak amyloid C III ?

NIA-AA Guideline** 2012 Moderate-Frequent V-VI high

Sparse - Frquent IV intermediate (part)

(2)

筋萎縮性側索硬化症とアルツハイマー病合併例の病理学的確診 55:361 神経細胞には陽性物はなく,核内封入体(NII)や変性突起 (thread)も染色されませんでした.海馬歯状核以外は新しい 名称の Type B(青木氏らの Type 2)に近い様式でした. いずれにせよ ALS あるいは ALS-D,MND-dementia も神経 病理学的検索にかかることが多い疾患であるのに AD との合 併が病理学的にはきわめてまれといえます.まれな理由がそ れぞれの病態とかかわる機序に大いに興味が持たれるところ です. 敬具 ※本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業,組織,団体 はいずれも有りません. 文  献 1) 青木寧子,望月葉子,磯崎英治ら.多数のびまん性老人斑と pretangle,neuropil thread を合併した,認知症をともなう筋 萎縮性側索硬化症の 1 剖検例.臨床神経 2014;54:325-329. 2) 山下真理子,山本 徹.痴呆を伴う運動ニューロン病とアル ツハイマー病の合併.臨床神経 2002;42:771.

3) Montine TJ, Phelps CH, Beach TG, et al. National Institute on Aging-Alzheimer’s Association guidelines for the neuro-pathologic assessment of Alzheimer’s disease: a practical approach. Acta Neuropathol 2012;123:1-11.

Table 1  Reported cases of ALS with AD pathology.

参照

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