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宮本憲一先生の学士院賞受賞を祝う【巻頭言】

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Academic year: 2021

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―1― 滋賀大学環境総合研究センター研究年報 Vol. 14 No. 1 2017 滋賀大学元学長で、環境総合研究センター設立に尽力さ れた、宮本憲一先生に対して、2016 年 6 月に日本学士院 賞が授与されました。日本学士院賞は、1910 年に創設さ れた日本で最も権威のある学術研究への授賞制度であり、 2016 年は第 106 回目の授賞となります。日本学士院によ る宮本先生への授賞理由は、以下のとおりです。 宮本憲一氏は、『戦後日本公害史論』(岩波書店、2014 年 7 月)において、戦後日本の公害史を政治経済学の立場 から初めて本格的に分析しました。すなわち、世界史上に 残るような戦後日本の深刻な諸公害は、地域住民の健康被 害を無視してひたすら経済成長を追求する企業の起こした 公害に対して、政府や学界が的確な原因究明と防止策を講 じなかったために生じた政官財学の複合体によるシステム 公害であること、それゆえに地域住民が住民運動と裁判闘 争によって公害の克服に努めねばならなかったことを究明 しました。特に、イタイイタイ病、新潟水俣病、四日市公 害、熊本水俣病の四大公害裁判の分析では、裁判所が発生

巻頭言

宮本憲一先生の学士院賞受賞を祝う

滋賀大学環境総合研究センター  センター長 北村 裕明

源と被害者の因果関係を個別の病理学的究明でなく集団の 疫学的究明によって判断したことが重要であったことを指 摘しました。高度成長の終焉に伴い公害行政が後退しはじ めた後になって発生したアスベスト災害や原発事故などに ついても論及しています。 宮本先生の受賞を記念して、滋賀大学では 2016 年 12 月 に、講演会と祝賀会を開催しました。本研究年報に掲載の 宮本先生の論考は、記念講演会での講演をふまえて、新た に書きおろされたものです。 滋賀大学は、環境分野を教育研究の戦略的な分野に位置 づけ、大学運営を行ってまいりました。今回の授賞は、宮 本先生の長年にわたる我が国の公害と環境政策への優れた 社会科学的な研究への、高い評価に基づいています。宮本 先生の受賞を大学全体として喜ぶとともに、これを励みに、 環境分野の教育と研究に更に力を尽くしてゆきたいと思い ます。

参照

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