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ロボットの教育への導入に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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(1)2C-5. 情報処理学会第66回全国大会. ロボットの教育への導入に関する研究 日當 正幸 片山 日本工業大学 1.はじめに この数年、二足歩行やコミュニケーション機 能などを持つロボットへの関心は非常に高く、 各地で開かれるロボットの展示会に、多くの子 供たちが集まる様子が、各種のメディアで報道 されている。数十年後には、ロボットは現在の 自動車に匹敵する産業になるといわれており、 その応用分野も広がり、必然的に教育分野にも 多数利用されていくものと思われる。これまで のところロボットを教育に利用する試みは、 LEGO やマイクロマウスなど比較的小規模なシス テムのものが、工学への動機付けや創造性の育 成などをねらいとした教材として利用されてお り、大きな教育効果を得たとの報告が見られる。 しかし、今のところ人や動物をモデルにした、 顔や手足を持つロボットの教育利用例はあまり 見られない。また、最近、幼児や児童に対する 紙芝居や腹話術によるコミュニケーションと教 育が見直されてきている。テレビ時代の現在、 動画に慣れ親しんでいる子供たちにとって、静 止画である紙芝居は非常に新鮮であり、非常に 想像をかきたててくれるようである。この紙芝 居においては、語り手の役割が非常に大きいこ といわれている。 本研究は、ロボットの教育への利用に関すも ので、教育メディアロボットとして紙芝居を読 み聞かせることをコンセプトとしたロボットを 試作した。. 滋友. べ、今までのメディアとは違った学習への動機 付けや、他の物事への興味・関心を誘発するも のになると考えられる。システムのコンセプト はあくまでも人間教師が主体となり、ロボット をメディアとして利用することにある。試作シ ステムでは、紙芝居の読み聞かせをロボットが 行い、聞き手の反応に対するコミュニケーショ ンは人間が行うものである。このような利用形 態を設定した理由は、①人間の方がコミュニケ ーション能力が高いこと、②子供の反応は大人 の反応に比べて予測できないこと、③人間のみ で行う場合では得られない動機付けが期待でき ること、④人間とロボットの協調で動機付け効 果を期待していること、などである。. 3.試作ロボットシステムの概要 紙芝居読み聞かせロボットを設計するにあた り、紙芝居の読み聞かせに必要な機能を考える と、紙芝居の「読み聞かせ」という動作は、話 をすることなので、はっきりと口の開閉を行う ことが重要になる。次に、紙芝居の場面変更に は、腕の動き(紙芝居を抜く)がある。特に、 紙芝居の世界が「出ていき広がる」を表現する のに腕が動く事は重要である。また、紙芝居の 読み聞かせには、ロボットには必ずしも人間と 同じような機能がある必要はないと考えている が、口の開閉を行うロボットの方がより「話し ている」と感じられるのではないかと考えられ るので、口の開閉の機能を付加する。. 2.教育メディアとしてのロボット 現在、教育分野で利用されているロボットの 利用形態を分類すると、次の4つに大別できる。 ① 教材としての利用 ② プレゼンテーションツールとしての利用 ③ コミュニケーションツールとしての利用 ④ 人間の代用としての利用 これらのうち、②と③の利用方法に注目した ものを考えた。 ロボットをプレゼンテーションやコミュニケ ーションの為のツール(教育メディア)として 使用した場合、人間の教師が指導した場合と比. 電子紙芝居. 読み聞かせロボット 図1. A Study on Use of the Robot to Education Masayuki HIATE Shigetomo KATAYAMA Nippon Institute of Technology. 4−361. 試作教育メディアロボットの概観.

(2) は向かい合っている。このことが、物語の世界 が「出て行き広がる」ということを作り出して いる。人間というものは、向かい合った人の事 を強く感じるので、その人が物語を演じると、 観客は演じ手の中に世界が広がったのを感じて、 観客の中にも世界が広がっていく。 そして、物語が進んで行き、紙芝居の画面が 3.1 ロボットの制御 引き出されて行くことも、「出て行き広がる」 ロボットの制御は図2に示すように、PC かコ を作り出している。人間の腕の動きで出て行く ントローラによって行う。PC で制御する場合、 事を感じ、作家の世界が抜き出されることで、 文章テキストと動作テキストを入力し、テキス ト音声変換エンジンを動作させる。読み上げが、 物語の世界が外へ外へと出て行く印象を聞き手 に与えている。また、紙芝居には共感の感性を 文章中の各文の先頭にくると、何文目かをカウ 育むために必要なもので、教材として適当であ ントする。同時に動作テキストからその文のと ると考えている。 きの動作を発動させる。 コントローラで制御する場合、音声は電子紙 4.大学生による評価実験 芝居に持たせているので、口と腕の動作のみを 行う。 児童による評価の前に、まず、大人の視点か ら試作ロボットシステムを評価した。図4にそ PC の結果の一部を示すが、読み聞かせについては、 DC +12[V] Digital I/O イントネーションや発音、感情の面で人間の方 DC +8[V] Controller が聞きやすいという結果になったが、ロボット を使うことで、気になるので聞いてみたいとい 正転/逆転回路 う新しい動機付けが得られることがわかった。 今回開発した紙芝居読み聞かせロボットの概観 を図 1 に示す。ロボットは、腹話術人形にメカ を仕込んだものを用いた。電子紙芝居を提示す る液晶ディスプレイと読み聞かせを行うロボッ トとコントローラ、PC などから構成されている。. 上限/下限 スイッチ. (1)教育の現場に使用できると思うか?. 口 図2. 右脇. 右腕. 左腕. システム構成図. 3.2 ソフトウェア概要 紙芝居読み聞かせロボットを動作させるため には、文章テキストと動作プログラムテキスト が必要である。図3にその例を示すが、文章テ キストには、ロボットに読み上げさせる文章を 記述する。ロボットの動作は、1文章ごとに行 われるので動作を区切りたい場所で句読点を入 れる。{S5}は待ち時間を表し、動作プログラ ムテキストには、ロボットの動作を記述する。 左から、「文章番号」「動作番号」「速さ」の 順で記述する。動作には番号が割り振られてお り、これが動作番号になっている。. 図3. 文章テキスト. 使える まあ使える どちらともいえない あまり使えない 使えない. 動作プログラムテキスト. 3.3 教材としての紙芝居 紙芝居の読み聞かせを行う時、演じ手と観客. (2)どちらの読み聞かせがわかりやすかったか? 人 どちらかといえば人 どちらともいえない どちらかといえばロボット ロボット. 図4. 試作システムの評価アンケート結果. 5.まとめと今後の課題 紙芝居読み聞かせロボットを開発し、評価実 験を行った。その結果、基本的な口と腕の動作 だけでなく、人間の読み聞かせには無い様々な 動作を付け加えていくことによって、ロボット を用いた読み聞かせによる動機付け効果が強ま っていくと考えられる。今後の課題として、ロ ボットの動作パターンを増やすことや、読み聞 かせの合間に人間の演じ手が聞き手とコミュニ ケーションをとる場合のタイミングや方式など の分析実験を行う必要がある。. 4−362.

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