-海外雑誌の主要タイトルとサブタイトル紹介による情報- *記事の詳しい内容については、各誌をご覧ください。
〈2 月度のトピックス〉
ドイツのプラスチック誌、Kunststoffe International 12 月号は 2007 年を締め括る記事と して2007 年 10 月に開催された K 2007 国際プラスチック・ゴム見本市で注目された「成形 技術と成形機」、「汎用樹脂、エンジニアリング樹脂、および高機能樹脂」を特集しています。今月はKunststoffe International 誌 12 月号の特集記事「Special:K in Retrospect(17 ~71 ページ)」の中から、エンジニアリング樹脂に関する記事「Engineering Plastics:Still Demand for Innovation Potential(63~65 ページ)」を紹介します。
この記事は、今後も革新的な技術に基づく新しいグレードに対する市場ニーズと市場ポテ ンシャルは十分存在するとして、自動車用途、工業部品用途、および医療・医薬用途の三用 途で注目される新しいエンジニアリング樹脂をとりあげています。 ● 自動車用途: 快適で安全であることに加えて、加工性を高めた(高流動特性)エンジニアリング樹脂 の新グレ-ドとその使用例を紹介しています。Ticona 社(ドイツ)の低臭、低エミション
特性のHostaform○R(POM)の LS ファミリー、Bayer MaterialScience 社(ドイツ)の 優れた流動特性を持つガラス繊維強化Bayblend○R DP T88(PC+ABS)、Rhodia 社(フ
ランス)の新しい重縮合技術により高流動特性を持たせガラス繊維を60%まで添加できる
Technyl○R Star AFX(PA66)、BASF 社(ドイツ)のガラス繊維 40%および 50%添加高 流動性Ultramid○R High Speed(PA66)、および Lanxess 社(ドイツ)の押出し成形およ びブロー成形向けのDurethan○RDP BC 600 HTS(PA6)をとりあげています。
● 工業部品用途:
幅広い用途に合わせた特性を持つ多くの新グレードとその使用例を紹介しています。 BASF 社(ドイツ)の電子回路の封止に好適な透明 Ultramid○RSeal-Fit(PA)、DSM 社(オ ランダ)の照明器具カバーなどの用途向けハロゲンフリーの難燃性Xantar○RC(PC+ABS)、 Bayer MaterialScience 社(ドイツ)の安全靴のつま先などに使える耐衝撃性をを持つ Makroblend○RDP 6015(PC+ABS)、Rhodia 社(フランス)の電気部品向けノン赤燐およ びノンハロゲンの30%ガラス繊維強化難燃性 Technyl○RA 60G2 V30(PA66)、DuPont 社 (米国)の軽量で高い強度と優れた加工性を持つナノメタル/エンジニアリング樹脂のハイ 海外雑誌:
Modern Plastics Worldwide; Plastics Technology ; Plastics Engineering ; Kunststoffe International ;
ブリッドMetaFuseTM技術、BASF 社(ドイツ)のバイオ原料からの Ultramid○RBalance (PA6,10)樹脂、Evonik 社(ドイツ)の Flexiglas○RCool Touch(PMMA)および液晶デ ィスプレイのバックライトユニット向けの Flexiglas○RPOQ(PMMA)をとりあげていま す。
● 医療・医薬用途:
より小さく精密で複雑な機能を持つようになった医療・医薬用の器具・機器で活躍して いるエンジニアリング樹脂のなかからBayer MaterialScience 社(ドイツ)の薬注入ミニ ポンプ(Rowe Mini-Pump)のハウジングに使われている Makrolon○RRx1806(PC)、お よびTicona 社(ドイツ)の抗菌性を付与した Hostaform○RAntiCrobeTM樹脂(POM)を とりあげています。
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K 2007 に登場した新しい射出成形機と金型、および新しい射出成形技術
射出成形については 14 ページにわたり数多くの成形機と金型、および成形技術を紹介し ています。新しい射出成形技術とシステムでは、既存の技術を巧みに組み合わせたものが多 かったことが特徴であったと述べています。そのなかでオーストリアの IngenieurbüroSteiner 社と Hybrid Composite Products 社が共同で開発した Exjection 技術、米国の Kortec
社のPP 樹脂と EVOH 樹脂の新しいサンドイッチ成形技術を取り上げているほか、表面加工
技術、発泡体成形技術と軽量化のための成形技術、コスト低減を狙いとした多機能を集積し た射出成形技術と成形システムを数多く紹介しています。
(Kunststoffe International 12 月号 p28-41)
K 2007 に見られた高機能樹脂の動向
高機能樹脂(High Performance Polymers)は自動車、電子・電気、医薬・医療分野にお
ける小型部品から家具に至る広い範囲で使われていると述べ、自動車用途ではDSM 社(オ ランダ)、DuPont 社(米国)および Rhodia 社(フランス)のボンネット内の部品向けの高 耐熱PA 樹脂、Ticona 社(ドイツ)の LED ヘッドライトのハウジングに採用された LCP 樹 脂、DuPont 社(米国)のマグネシウム、アルミニウムと同等以上の機械的強度を持ち金属 部品の代替として期待されているナノメタルと樹脂のハイブリッドMetaFuseTM、をとりあ げて紹介しています。そのほか航空機分野、電気・電子分野、医薬・医療分野、建材・家具 分野、および消費材分野で注目されたコンパウンドおよびハイブリッドを含む高機能樹脂を 広く紹介しています。 (Kunststoffe International 12 月号 p.66-68)
自動車および電気製品の難燃性およびリサイクル性などの規定を満たすホスフィン酸金属
塩難燃剤を添加したガラス繊維強化 PA66 樹脂
ガラス繊維強化PA66 樹脂(ガラス 20%~35%)に Clariant 社(スイス)のホスフィン 酸金属塩難燃剤Exolit○ROP を添加した時の機械的強度特性のほか Exolit○ROP について詳し く紹介しています。ホスフィン酸金属塩難燃剤は優れた難燃効果をもち、毒性が無く、リサ イクル使用上も問題はないと述べています。 (Kunststoffe International 12 月号 p.75-77)用途に合わせた特性を付与したポリアミド樹脂のコンパウンド
コンパウンド樹脂メーカのAkro-Plastic 社(ドイツ)が上市している製品を詳しく紹介し ています。自動車のフロントガラス洗浄水中に含まれる塩化カルシウムに対する耐性を向上 させたAkromid A3 42 S1 樹脂(PA66)、吸湿性を小さくして寸法安定性を向上させた Akromid RM ファミリー(PA6、PA66)高耐熱性で吸湿性も小さく真鍮の代替えなど幅広 い用途が期待されるAkroloy PA ファミリー(PA66 樹脂とアモロファス・共重縮合ポリアミ ド樹脂のブレンド樹脂)を取り上げています。(Kunststoffe International 12 月号 p.78-80)新しい用途を拓くドイツのフラウンホーファー研究所が開発した新しいレーザ熔接技術
高いレーザ強度と小さな焦点直径を持つファイバー・レーザを高速で微細に動かして熔接 周辺部の劣化を防ぎ、微小巾で高品質の接合を可能にした「Twist Process」、および樹脂の レーザ吸収周波数に対応した高出力のダイオード・レーザ光を用い添加剤を使用せず透明樹 脂同士の接合を可能にした技術を紹介しています。これら新しいレーザ熔接技術は微細な構 造を持つ電子部品、医療器具部品などの加工に新しい道を拓くと述べています。 (Kunststoffe International 12 月号 p.93-96)アルミニウムと同等以上の機械的強度を持つ DuPont 社のナノ結晶金属とエンジニアリン
グ樹脂のハイブリッド MetaFuse
TM MetaFuseTMはナノ結晶金属グレインで樹脂表面を被覆加工したナノメタルとエンジニア リング樹脂のハイブリッドで、ナノ結晶金属グレインのサイズは通常の 1/1000 で、ナノニ ッケルあるいはナノニッケル・鉄合金の場合は鉄の 2~3 倍の強度を持ち、優れた機械的強 度と耐磨耗性があり、加工性に優れ、複雑な形状の成形が可能であると述べています。当面、 DuPont 社は自動車、家電、およびスポーツ分野に絞って市場開拓すると報じています。Rhodia 社はポリアミド樹脂の成形加工を支援する CAE(Computer Aided Engineering)サ
ービスを始める
Rhodia 社(フランス)の MMI(Multiscale modeling, Mechanical calculation, Injection molding)と呼ばれる CAE サービスは、同社の PA6、PA66、PA6/PA66 樹脂、Technyl○Rお よびTechnyl○RSTARTMをサポートし、成形部品の機械的強度特性、特に成形部品衝撃強度特 性について優れたシミレーション結果が得られ、部品の開発期間の短縮と試作回数の低減に 寄与すると報じています。 (Supplement to Modern Plastics Worldwide 1 月号 p.44)
柔軟な新 PA6 樹脂を用いたサクション・ブロー成形による自動車の吸気配管
Lanxess 社(ドイツ)の新しい PA6 樹脂 Durethan○R DP BC 600 HTS は約 350MP の弾 性率と柔らかさを持ち合わせており、フレキシブルな吸気配管に好適な材料で、硬さの異な
る二つの PA 樹脂を用いるシーケンシャルな共押出し成形と比較しコストメリットがある
と報じています。 (Supplement to Modern Plastics Worldwide 1 月号 p.44)
PEEK 樹脂とポリイミド樹脂をブレンドした高機能・高耐熱樹脂
ブレンド樹脂Victrex○RMax-SeriesTMは、Victrex○RPEEK 樹脂の優れた耐熱性、耐薬品性、
耐磨耗性とExtem○RUH ポリイミド樹脂の優れた高温下の機械特性、寸法安定性を合わせ持
ち、半導体製造分野、オイル・ガスの掘削、採油分野などの厳しい環境に耐える高機能樹脂で あると報じています。 (Supplement to Modern Plastics Worldwide 1 月号 p.46)
PC 樹脂製窓ガラスの新しい表面処理技術
PC 樹脂製窓ガラスに耐スクラッチと紫外線カット特性を付与するために、アクリル系、 あるいはシロキサン系樹脂を表面にコーティングしキュアする方法が一般的に使われていま すが、これに代わる表面処理技術として、アクリル系樹脂フィルムをラミネーションする方 法とPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)プロセスによる表面処理方 法を詳しく紹介しています。 (Plastics Technology 10 月号 p.70-73)
Ticona 社が上市した新しい抗菌性ポリアセタール樹脂
新しい抗菌性POM 樹脂 Anti-CrobeTM は、Hostaform○R樹脂およびCelcon○R樹脂をベース に、無機の抗菌剤を樹脂マトリクス中に分散させたもので、優れた抗菌耐久性を持ち、米国 のFDA(Food & Drug Administration)、NSF(National Sanitation Foundation)、およ びEPA(Environmental Protection Agency)の規定を満たしています。食品加工設備、水
処理設備などの用途に好適であり、射出成形グレード Anti-CrobeTMAM 90S Plus および AM90S のほか、押し出し成形グレードもあると報じています。 (Plastics Engineering 10 月号 p.66)
ガラス繊維強化 PA66 樹脂を使い自動車の変速機の制御センサー機能を組み入れた変
速機のハウジング
ドイツの精密成形加工会社Gerresheimer Wilden 社は、自動車の変速機のステム制御を行 う全ての電子センサー機能をそのハウジングに封止しました。ハウジングには30%ガラス繊 維強化PA66 樹脂を使い、充分な耐油、耐薬品性、および耐熱性を持ち-40℃~+120℃の条件下で15 年以上の使用に耐えると述べています。 (European Plastics News 1 月号 p.14)
直径 130mm で片面に 300GB まで記録できる PC 樹脂製のホログラフィックディスク
Bayer MaterialScience 社(ドイツ)と InPhase Technologies 社(米国)が共同でホログ ラフシステムtapestryTM300r ドライブ向けに開発したものです。InPhase Technologies 社
はBell Laboratories(米国)で 10 年以上前に始まった研究をベースとするホログラフィッ
ク記録媒体利用のデータストレージ装置を2007 年夏から量産出荷しています。
(European Plastics News 1 月号 p.14)
世界の長繊維強化熱可塑性樹脂は 2011 年まで年率 12%で伸びる
Townsend Polymer Service & Information 社(米国)の長繊維強化熱可塑性樹脂(LFT) に関する調査報告書によれば、2006 年の世界市場は 5 億ドル(約 550 億円)で 2011 年には 10 億ドル(約 1100 億円)と予測しています。LFT に使われる樹脂は主に PP 樹脂で、需要 を牽引するのは自動車産業であり、2006 年の地域別消費量で、欧州、米国、日本に次ぐ第 4 位の中国(5%)が 2011 年には日本を抜き世界第 3 位の消費国になること、LFT は今後 5 ~10 年の間に汎用品化し市場が成熟する可能性があると報告書の著者は述べています。
(European Plastics News 1 月号 p.15)
医療用途に好適な新しいレーザ熔接技術
Gentex 社(米国)の Clearweld○Rプロセスは、特定の添加剤を選択することでレーザによ り局所的に接合部を加熱し、熱的および機械的なストレスを最小にして透明および半透明の チューブを完全接合でき、医療部品などの樹脂加工に好適であると述べています。
家庭用品や家電部品から自動車部品までに広がる In Mold Labeling 技術
ドイツの射出成形加工メーカのSchuster Kunststofftechnik 社は、僅かなプロセスの追加 で複雑な形状を持つ表面に適用できるIn Mold Labeling(IML)技術を開発し、Philips 社
のコーヒーメーカSenseo の部品コストを他社に比較して 66%低減したと述べています。技
術内容についてIWK(Institut für Werkstofftechnik und Kunststoffverarbeitung、スイス) の協力を受け開発した「Twinfoil 技術」およびメタルホイルの IML 技術、Pröll 社(ドイツ) の磁化可能な印刷インク「Noriphan○R HTR 3D 」を用いた PMMA や PC 樹脂の透明樹脂 ホイルを使用して3 次元の立体感を付与する技術、Kunststoff Helmbrechts 社のメッキ可能 なホイルを用いた「Folioplate 技術」を詳しく紹介しています。これらの最近開発された技 術により、IML の使途はコーヒーメーカや携帯電話の部品から自動車部品へと大きく広がる とSchuster Kunststofftechnik 社は述べています。
(European Plastics News 1 月号 p.23-24)
Ticona 社のメタリック調ポリアセタール樹脂グレードがホンダのシビックの内部ドアハンドル
に採用された。
従来は、成形後に塗装、コーティング、真空メタル蒸着などによりメタリック調の処理が行 われていましたが、新しく開発されたメタリック調 Hostaform○Rグレード(POM)は射出成 形後の状態でそのまま使用できるうえ、今まで使われていたPC/ABS ブレンド樹脂より機械 的強度が優れ、クリーナーなどの耐薬品性も優れていると報じています。(European Plastics News 1 月号 p.30)
2008 年の世界および米国の化学産業の展望
サブプライム・ローン問題を契機に米国経済は 2 月に入っても減速が続いていますが、 Chemical Week 誌 1 月 7 日/14 日号は、15 ページにわたり米国を中心に世界の化学産業の 2008 年を展望しています。ACC(米国化学工業協会)は世界の化学産業の出荷額は前年比 4.1%伸び 2 兆 8500 億ドル(約 315 兆円)と予想しています。米国は国内市場の低迷を輸出 が補い実質GDP は 2007 年比+1.5%、米国化学産業の出荷額は+0.6%と Haver Analytics は予測しています。OECD(経済協力開発機構)は日本の化学産業について 2008 年から 2009 年まで1.5~2%と緩やかな伸びが続き、原燃料高の中で厳しい状況が続くと予測しています。 なお、大手化学企業のなかで住友化学と三井化学が海外での事業拡大に積極投資していると 報じています。 (Chemical Week 1 月 7 日/14 日号 p.18-33)米国特許法の改定法案が 2 月に米国上院本会議で取り上げられる予定である
先発明主義から先願主義へ移行する特許改革法案は2007 年 10 月に下院を通過し、このほ
ど上院司法委員会を通過しました。2 月早々に上院本会議で取り上げられると報じています。
また産業界の改定に対する賛否両論について合わせて報じています。