政策と理論(I) 29
政策と理論(I)
−商業政策,『経済政策原理』に関わる若干の問題提起−
川田俊昭
古く,津村秀松氏の『商業政策』(明治44年,緒論)に謂う。
「商業政策の何たるかを解せむと欲せば,須く先づ経済政策の何たるかを 解せざるべからず。」
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「然らば,経済政策とは何ぞや。日く。『経済政策Wirtschaftspolitik』
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とは,一名,『国民経済政筑 Volkswirtschaftspolitik』とも称せられて,
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国民経済の完全なる発達を目的とする国家又は国民の一切の施設を総称す。」
更に,同著自序に言う。
「本書の内容に至っては,主として外国貿易政策を論ずるもの」,と○
貿易政策(対外商業政策)についての津村氏の如き立言は,以下における 本稿の如き立場にとって,殊更に,これを問題祝せざるを得なくなる。
ともあれ,この見解においては,経済政策の原理(経済政策原理)が,ヨリ 一般的なものとして,商業政策の原理に先行するわけである。
然して,このことは,現今においても,変らず,連綿としてあり,大抵の 場合,ごく「自明の理」として前提されている。換言すれば,敢て,これを 怪しとし,問題にしようとする人はいない。
しかしながら,事柄は,斯様に決して自明・簡単ではないのである。
我々は,我々における問題解決の順序上,商業政策が,歴史的には勿論,
原理的にも,経済政策に先行する所以を,就中,商業政策のいわば原点(商 業政策=貿易政策となし得る)より提起,考察することとする。(後述予定。
その他,本稿については,別稿,「商業政策学の体系と方法」,長崎大学東
南アジア研究所研究年報 第8集,併参。)