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−実物的要因の考察−

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(1)

貨幣的変化の移転効果と富効果 1

貨幣的変化の移転効果と富効果−その2−

−実物的要因の考察−

児玉元平

1

前稿に於てわれわれは貸倒勺変化−中央銀行の公開市場操作による有価 証券の買入によって誘発された変化の均衡調節メカニズムとしての移転効果 と富効果とを考察した。有価証券の買入操作によって,即時的効果として家 計の保有証券量は減少し,苗場利子率は低下する。市場利子率の低下によっ て,投資は貯蓄よりも大となり,新証券の供給は需要をオーバーする0新証 券の超過供給は既存証券市場に付加され,証券価格の低下と利子率の上昇を 生ぜしめる。超過証券は家計の遊休貨幣残高によって購入されるから,遊休 貨幣残高の減少が生じ,新投資による活動貨幣の増大は完全雇用経済の下で は,商品価格水準を比例的に上昇せしめる。かくて貨幣的撹乱は,その調整 メカニズムとして,家計の遊休貨幣が企業の活動貨幣への移転効果を生ぜし める。移転効果はストック=フロー調整過程としてはあくされる0

物価水準の上昇は実質遊休貨幣残高を減少せしめ,実質的な雷総額も減少 する。したがって証券需要函数と遊休貨幣需要函数も左にシフトする0かく て,証券の超過供給と,遊休貨幣の超過需要とが生じ,財産保有者は保有証 券を手放して貨幣保有を選好するであろう,このことは証券価格の低落と市 場利子率の上昇を生ぜしめる。これが雷効果である。以上のどとく貨幣的変 化によって生じた自然利子率と市場利子率との問の離反は二つの均衡化的調 整のメカニズムによって解消する。その一つは,ストック的証券市場とフロ ー的証券市場間の関係によって新証券の超過供給のフローが甫接的に市場利 子率を上昇せしめる効果である。貨幣は家計の遊休残高部分より企業の活動 貨幣部分に移転する。その二は,則亨の所得流列への付加は,物価水準を上

(2)

経 営 と 経 済

昇せしめることによって日の実質価値を減少せしめる口証券保有欲求の減少 と貨幣保有の欲求の増大は利子率を更に上昇せしめる効果であるO 乙の二つ の効果が,計画投資と計画貯蓄を均等ならしめる均衡利子率への復帰を促進 するG 以上がホーピッチによって展開された貨幣的変化の均衡調整メカニズ ムの要約であるG しかしこの:!;&}合,新証券の発行→投資へのプロセスは考え られているが,投資→資本の増大プロセスは考応されてはいないのであるD

その志味で分析期間は短期的であり,実物的資本とその収益率の変化は参馴 していないという窓味で,その説明は金融的要因のみに関説しているO しか し,調整プロセスで作用する実物的要因は重要である口そ乙で,本杭では主 として実物的要因を陽表的に導入した調整過程を吟味するO 分析の桔造はホ ーピッチに依存するO

以下の分析においても前稿と同じく全ての資本は,有価証券の発行によっ て調達されると仮定するO したがって,現存資本にはこれに対応する有価証 券の量が存在する口新資本は新証券の貯蓄者または既存財産保有者への販 売によって調達されるC 貯蓄者への販売においては資本は任芯貯蓄によって 調達され,既存財産保有者への販売においては強制貯蓄によって調達され る。一般的に,強制貯蓄は,貯蓄函数において市場利子率によって示される

( 1 )  

計画量を超過する事後的投資一ーしたがった実現した貯蓄一ーをさしてい う。もっとも,貨幣的撹乱の影響を考察するにあたってはこの二つのタイプ の貯蓄を完全に分離できないのであるD 両者の相互作用は,いづれか一方か らのみでは予言できないような仕方で諸変数のコースに影響をあたえる口例 えば,強制貯蓄が資本と宮にあたえる影響は任志貯蓄の利子弾力性に依存す D もし,貯蓄が利子率について完全に非弾力的であるとすると,任窓貯蓄は 利子率の低下によって縮少することはないO そ乙で,このような場合に生ず るどのような強制貯蓄も撹乱以前の資本への純増分という乙とができる

o

蓄の利子弾力性が正値をとる場合には,投資の貯蓄をこえる超過分の全部ま たはその一部分に相当する強制貯蓄は市場利子率の低落によって縮少した計

(3)

1~ 幣的変化の移転効果と宮効果

回貯蓄を部分的に代替している。もっとも投資の利子弾力性が者であれば,

強制貯蓄も撹乱以前の資本と官の増加率を維持するにすぎない。ここでは零 の強制貯蓄の場合と完全なる強制貯蓄の場合とを考えるO

J i

者の場合,企業 者は超過証券の販売によってえた資金でもって事後的な投資を実現しようと してもそれは不可能であるD 資本の成長率はもっぱら任意貯苔によってきま る。と、の水準の利子率でも事後的投資は貯蓄函数(曲線)上にある

o

後者の 場合,超過証券と代替的にえられた遊休貨幣残高は完全に実物資本に転換さ れるD 事後的投資は投資函数(曲線)上にあるO いづれにしても家計の新し い均衡における宮は,貯蓄と投資の利子弾力性に依存するO

まず富の構成要素について吟味しよう。家計の官は遊休貨幣残高と有価証 券(株式)及び政府発行の債券(永久公債)とからなるとする。中央銀行は 政府債券を保有するO 債券の利子支払はエスカレータ一条項によって物価水 準と結びつけられているO また,一般物価水準の変化によって調整される政 府債券の所得

( P s ) o

は民間証券の所得

( P . )

!乙直にひとしされると仮定す

o

そこで,家計は政府証券と民間証券とは完全な代替物とみなす。それ故

( r

1.1

) p = ( r

1.1

) O '   P p = P o

である

o

私的部門と政府部門の記号をのぞくこ とができる。 P.

r m

pとを以て共通の所得,利子率,証券価格を示すことが できるD 家計の保有証券畳を

S

。で示し,私的部門の発行する証券を

S p

,政 府の発行する証券を

S o

とすると,

So=Sp+S 。 ( 2 . 1 )  

つぎに銀行の保有する証券(亡れは政府証券)を

S n

で示すと,

S T  =So + S n  = S p  +So +Sn  ( 2 . 2 )  

S T

ば或る時点で存在する総既存証券呈を示す。

( 2 . 1 )を実質価値で示すと,

S v  

=  S p Pp  +  S O P O  =  S p P  +  S O I '   ( 2 . 3 )  

ア ニ

S p

(~~:)十 SO (合)

( 2 . 4 )  

S F  (47)=SF( 法 )=(f;)K ( 2 . 5 )  

(4)

経 営 と 経 済

そ乙で家計の保有する富は,

I  P  k ¥ 

T r  , C '  

I  P .  ¥  W=8V o+ m2=  1~1'_1 ¥  K+8o  r~) +m2 

I ‑‑ ‑ ¥  r 

I  ( 2 . 6 )  

均衡においては, Pk=rM=rN であるから,

( 4 )  

W = K 十 80 I ζ ! ‑ ) 十 m2 ( 2 . 7 )  

、.LM I 

企業が新投資を行うごとに 8

p

は増大する o 政府証券の呈はコンスタントで

あり,家計貯蓄は全て民間証券の lh'~入にのみあてられる。もし,中央銀行の

証券購入が完全に家計の政府証券保有量にひとしいとすれば,その後の調整 フ。ロセスにおいて, 8o=8p となる。政府証券と民間証券とで所得,利子率,価 格をひとしいと仮定することは,分析を単純化するためで,単一有価証券モデ ノレの想定である。もっとも資本増加に対応するものは民間証券の地加である。

( 2 )   ( 3 }  

まず,中央銀行の公開市場操作による政府債券の買入を吟味しよう

D

出発 点の均衡における変数は,

0 '   0 '

, 

0 '   ~,

p'  kK  K' , ρ'k=r'y=r'N ,  8'o=8'p+8'o ,  P'.= 寸 8 'p 

8 '  v o ( p ' k

, 

r '  N )  =8' o P '  +8' o P '  =K' +8' o P '  

p'fL'EF  =r 

m  ( 2 . 8 )   ( 2 . 9 )   W'(P'k

, 

r'N)=8'v o C P ' K

, 

r'N)+m'2=K'+8'op'+m'2  ( 2 . 1 0 )   中央銀行は家計保有の債券量を一括買入れるとする

O

依券価格は p"I

乙上昇

しんはコンスタントする。そこで,

れ = れ

p">p'

,r"M=苧<ハ

p'KK' 

P"s=P'

s

= 百,~~

家計の遊休貨幣残高は増加し,その実質価値を m九とすると 8 '  BP"=m

九一m'2

家計の保有証券呈は,

S

0=8'0‑8' B=8' p 十 8 '0‑8' B  =8' p  となる。保有証券の価値函数はつぎのごとく示される。

( 2 . 1 1 )   ( 2 . 1 2 )  

( 2 . 1 3 )  

( 2 . 1 4 )  

I  p'

I p '   K¥ 

S

(p' 瓦 ) =8 九 p=8'p

I~) I~ーさ)

K' <8v o   (p'  K )  

¥  r

J,! 

I  ¥  r

f

( 2 . 1 5 )  

総宮函数は,

(5)

W"  ( p '   K )   =S"  v O

川 )

+m"  2  =  守 ( )K'+m"2

D :

L . 

A

.

¥ J . p υ   -V"~

I

IS:;n.S~

r M  ' 1 "   ¥ 

i

¥ 

¥ / 1  

¥.l'

E  貨幣的変化の移転効果と宮効果

J7.p;pn 

l ' N 

( 2 . 1 6 )  

S~o

b=c ト d

' ' 2 n a  

m m  

pc 

1

第 l図を見ょう

D

変数は実質価値で測られている o 公開市拐扱作以前の変 ( 5 )  

数にはプライム符号 1を,公開市場操作直後の変数にはプライム符号 H をつ けてある o

L

I

曲線は不変と仮定する, そこで

D

ぺ。は日の回転傾向そのも のを示している。

D

=D¥

+W" ( P ' K )   ‑W'  ( P ' K )  

(1

2.17)  官の呈の増加は現実に中央銀行の高価格肌入により家計の保有する証券価 値の上昇によって生じたのである o 資本利

f

与を反映している。これはtj'& 1 

~l

では A 点より B 点への移動によって示される o

W"  (p' 

K, 

r ' ¥ r )   ‑ W'  (p' 

K, 

r '  

N )  

=S"vo  ( P ' K '   r " / . { )   + m

九一[S

'  v 

(p' 

K, 

r '   ρ+m'  2  J 

=S"op"+ (m

九‑m'2) ‑S'op' 

=S

九}

' ' ' + S , 日1' ' ' ‑ S ' o 1''

(S"o+S's)  1 ' ' ' ‑ S ' o 1'' 

=S'o 1'グー S '

0

1 "  

(1

2.18) 

(6)

経 営 と 経 済

p =  (p"‑p')  >0

であるから(1

2 . 1 8 )

も正となるD

(6) 

最初 j

に強制貯蓄が名の坊の調整過程を考察しよう。企業者は既存資産市坊 より移転された(新証券と交換l乙)遊休貨幣は退蔵するだけであると仮定し ょう。そこで,物価水準は不変である。利子の調整は全く超過新証券によっ さしあたり資本収益は ρ'K=r'Kで一定と仮定する口また まず調整過程は投資貯蓄均等の流しを分離して説明せられる。

( 7 )  

まづ、超過新証券は遊休貨幣と交換される

o

証券価格は

p ' "

に低下し利子率 ておこなわれる口

は上昇するつ

fW51=?>fM

f<pp

, ん

P

( 3 . 1 )  

W" 

ア O

︐ h

u  

円 ︑

U

li ai

/ / 

s t o  

D ' "  

/ 山 /  /  /  /  /  / 

Di li

n  r~1' . 

P"

rM 

..1  D II/ IP4 

グ:t,.1.

rM 

m t   m ;   qc 

2

そこで新しい証券価値図数

S

ヘ。は公開市場操作後の証券価値函数

S

より右に移動する口遊休貨幣残高は減少し

m

< m

九,宮函数と証券需要函 数もそれぞれ右に廻転するO

( 3 . 2 )   ( 3 . 3 )  

w ' ' ' = s

ヘ。十

m m 2

D

=D

+

(W'/I̲W") 

(7)

貨略的変化の移転効果と宮効果

調整期間の最初は第

2

図で示されるO 出発点の証券市場均衡は

A点、で示さ

れる。超過証券の販売は均衡をB点に移行せしめる (L'2は不変と仮定さ れている

o ) 

C  B =D"  v O  

(r'!I~!)

‑S

( r '

!I

' 0 ¥ )  

=m"2‑L'2  ( r '

!lM) 

= m

九一mW2 (3

. 4 )  

資産保有者の取得した超過新証券量をム

S '

F.で示すと,

S"p=S'p

十ム

S '

.F

( 3 . 5 )  

そこで,

p '

!I S ¥ 

S

( p 岬 自 ) =S"p  I~l ¥  r ( 3 . 5 )  

証券価格は

P =PS/rM

であるから ,P九 は

SvO関数を定義するパラメータ

ーとして使用されるD 遊休貨幣と新証券との交換中では家計は新証券をあた

( 8 )  

かもその収益

fs

が既存のものの収益

P =ρF

S と同一であるかのように評 価するつところが或る期間がすぎると(配当支払期間がすぎると)資産保有 者は,超過証券の発行もその資金が実物資本に投入されず,単なる水増し発 行にすぎないことを認識するにいたる。同一金額の資本収益がより大なる証 券呈に分配されるから,証券ー単位当りの収益んは低下するであろうD

p ' K K '  

一 一 一 一 一 一 (3.6) 

S '   p+

S '

.F

IP4S¥ 

0 "

ρ'KK' ¥  S¥ 。 (p¥ , ) =  S ら I~l =S 九(_.~ -~~/~

) 

¥rM' ‑ " ' "  

¥rMS"p' 

=(17)kr=SPvo(PMR)(37) 

仮りに配当金が述続的に支払はれていると仮定すれば,遊休1t

f ! W

の移転と

同時に水増し発行がわかるから,

S v oは S¥o (p4S)

に廻転し,訂図数も,

W (p.s)  =S¥

( p 4 符 ) +m

( 3 . 8 )

L '  

2は不変と仮定されているから証券需要同数も左に廻転して,

D ¥

= D

+[S¥

( ρ 4s )   ‑S

( ρ

ヘ ]

(3.9) 

。と

。とは

r m M

の水準で交叉し,証券市場の均衡は

B

より

C

に移 行するD 利子率は変らないが,証券価格は低下する (pの測定スケールは んの変化によって変るO

Ps  互訪一 • =P

M  ( 3 . 1 0 )  

(8)

経 営 と 経 済

p '  KK'ρ'KK'  p'KK'

S 'p 

p Hf_ p • 寸7 一一一一一一一一一一一_'" r ' ' ' l I S ' P   r ' "   (S'p+

ム5

'E )   r ' ¥ I C' S ' ,   p --;~"", ~-~^PC' ( S '  p

十ム

S 'E )   >0  ( 3 . 1 1 )  

証券価格の低下は証券需要因数の

D

ヘ。より

D4vo

への移行によってもた らされるのである。証券の実質価格は調整期間を辺じて単調に低下する。宮 も減少コースをとる

o

最初は利子率の上昇は

W ' "

線に沿って宮を

D

から

E{

減少せしめるO これは証券価格が

p"

より

γ

に低下するにつれ生ずる既存 証券における資本損失を示しているD 株式の水増し的発行によって証券価格 はさらに

p 4に低下する D日は E F径路にそって減少する口

W4  ( p 4   s .   r ' ¥ I )   < W

( p " S ' r " M)  (3.12)  S 4  v o   ( ρ 4

S ' 

r ' ¥ I )   + m

九<S"v

o   (p"  s .   r "

日 )

+m"2  (3.13)  (3.12).  ( 3 . 1 3 )

はD点が

F点より右側にあることを示す。

S "  v o   (p"

日 .

r " M)

はA点を示し.

S 4

( p 4 s .   r ' ' ¥ I )

C

点、を示している。

( 3 . 1 3 )

はまたつぎのように示しうるD

(先)

K' 十 m"/2<

合)(

K'+m"

( 3 . 1 4 )  

そこで,不等式は

r

< r " M.  m ' "   < m "   2

の条件によって成立する

D

結 局 のところ家計はこの場合証券価値について利益をうる乙となく遊休貨幣残高 を失ったことになる。この期間の全コースにわたる

Dvo

の変化はこの百の 純損失にひとしいものとなる。

D"vo‑D4VO=W//  (p"s)  ‑W4  (p4S)  = m

九一

m ' "2  ( 3 . 1 5 )  

l

期間において生ずる現象はまた調整過程の

n

期間にもわたって生ずる であろうO 各期間ごとに超過証券はより低い価格とより高い利子率で遊休貨 幣残高と交換される。仮定により資本増加に使用されず,水増し発行にすぎな いから,各期間の末ではあ。は最初の位置にかえり

Dvo

も廻転して利子 率をその新しい水準に維持し,証券価格をさらに引下げる

o

宮もまた第

2

で示された D→E → Fの径路で減少する

o

最終的な均衡は第 1図で

n

の符号 をつけた関数によって示される。利子率は遊休貨幣を

m

九 よ り

mn 2=m'2

に減少せしめて

r ' N

の水準まで上昇する

o

証券と資本の量は,

Snp=S'p+

S E . Kn=K'.  ( 3 . 1 6 )  

(9)

貨幣的変化の移転効果と富効果

証 券 l単位当りの実質所得は,

pn‑p  rkkn‑p  ,  xK  F / p   F  s  ‑ Snp 

--S~十三ム SE

¥  s  証券の価値は,

( 3 . 1 7 )  

/pns¥ 

IP'x¥ 

snvo(pns)= snp

卜一一(!̲

¥  r

I  ¥  r

~) I  K'=S"vo(p"s)  ( 3 . 1 8 )   そして,総宮は,

I  p'  K¥ 

wnvo(pns)=snvo(pnS)+mn2= 

(

)K'+m'2 (3ω  証券需要因数も

D

v o  

‑D" 

v o  =m"  2  ‑m'  2  ( 3 . 2 0 )  

だけシフトする

D

これは調整過程の官担失である口遊休貨幣の喪失は証券需 要のそれにひとしい減少を生ぜしめ,手 I J 子率の上昇を結果するのである。新

しい均衡での証券の実質価格は,

pn

K'

p- 子~ = ‑ 8 '   P + ヱムむに P ( 3 . 2 1 )   第

1

図を見る

O

宮の J !s劫は

A

点よりはじまる

D

中央銀行の頁操作によって証 券価格は上昇し, T J は

B

点にいたる。証券市場の均衡は同時に

D

より

E

に移 動する o A と B との問のベクトノレは a で示す。 官の均衡への径路は B 点と C 点とを結ぷベクトルで、示される

O

ベクトノレ b はベクトノレ C とベクトル d の和 にひとしい。 c は証券価値の辺勤を示し,

d

は遊休貨幣の迩劫を示す。

調整過程中において資木一単位当りの実質収益

PK

がコンスタントである という仮定は第 3 図 (a) のごとく貯訴曲線が垂直的である場合にのみ可能 である

D

各期間 t

1

ごとにあたえられる貯諮問数と投資図数は (a) 図 の ご とくすると, r '  N 以下の利子率 r " M で任;な貯誌のみが実現されるならば,投 資は O A である o

PK

は P ' K で不変である

D

ところで (b) の場合貯誌は利子 率について弾力的であり, r "

f

り , O B に減少する。 p

E

は p となる。 p " 九 >P'K である o 資本財の産出呈 が減少し,その生産賀と価格は低落するが,

illjf~財はその逆となる o 資本財­

の供給価格の下落によって P K が上昇するのである o 利子率と実現した貯苔

(10)

10  経 営 と 経 済

P  K

r

M

I

i  

︐ 

K  ρ

 

λY 

r

F

N  

F

T Hku 

ρ 

r M  

q C / t 1  

O  B  A 

(b) 

q C /

( a )  

) : { }   3

(これは任怠貯蓄にひとしい)が上昇するにつれて ,PKは投資曲線

l

こ沿っ て低落し再び

P '

K, 

r '  

Nに達する

oP K

, 

P

, 

S v o

はすべて

PK

の迩勤を反映す O これら三つの変数をんについて微分してみよう

o

~ t P K K ¥  

ap.  ¥ 

S p  J  KSp

o K 

五 五 K

θp;;- =---s~-= 吾子

( 3 . 2 3 )  

(Ps ¥  a ρ s  

a p ¥   r M

ap/

aP K θ P K

~= r~SI' ( 3 . 2 3 )  

θ P K θ p~'--= ;~- ( 3 . 2 4 )  

P K

が調整期間中若しく上昇するならば,

S v o

したがって

W

も 移 転 と 水 増 し

~ , PKK ¥ 

a  S~o

¥ 

r

I  K 

的株式発行によって決定せられる値より大となる傾向があるD しかし

Dvo

もまたひとしく上昇するから,

Dvo ‑Svo

はんの変化によって影響をうけ ない。

P K

p '

~乙復帰して新しい均衡が成立する O 第 1 図で総官は

Wn(P'K'  r'N)=S"VO(P'K

, 

r ' N ) 十 m' 2  ( 3 . 2 5 )  

第 4

図を見ょうO 貯蓄が利子率について完全に非弾力的な場合の宮の期間的 径路は

B C

線で示されるロ

(A

点は撹乱以前の状態を示す)貯蓄が利子率に ついて弾力的となると,んの上昇が生ずるからまず

W

B

点'より高い位置 例えばD点に増大し,その後低落して E点にいたる。 E点 の 均 衡 時 点

t

(11)

貨幣的変化の移転効果と富効果

1 1  

t '

nより早い。それは(

‑S)

の差が大であるほど均衡到達 に要する期間が小となるからである。

¥  ¥ 

¥ 

¥ 

¥  ¥ 

¥  ¥ 

。 t "   ︐ ︐

 

t t 

4I

つぎに物価

P

の勤きを吟味しよう

o

今迄は企業は証券市場で獲得した遊休貨 幣はただ退蔵するだけであると仮定された。もし,企業がその資金を直に支 出する場合を考えよう。もっとも,この場合でも資本財の獲得に支出されな いとする

o

貨幣は経済の循環的フローの中に付加されることになるから,完 全雇用経済では一般物価水準は比例的に上昇する

o

行動方程式は全て実質量 で定義され,貨幣的錯覚は存在しないから,物価上昇によって影響をうける のは遊休貨幣残高のみである

o P

の上昇は

m

2を減少せしめ,こ乙

l

乙宮効果 を通じて利子率の上昇を刺戟する

o

物価上昇によって

m2

W

, 

Dvo

が平行

(9) 

的に左にシフトするO この場合の宮径路は第

4

図の

BF

線で示される

o

( 苔の利子弾力性は

5 5

として)かくて宮効果は移転効果を補足して,どの期間

i Z

の喪失,利子率の上昇もより大となり,均衡はより早い時点

( t

ヘ)で成 立するD

ここで,成長経済における任芯貯蓄(自発的貯蓄)を陽表的に導入して全 調整過程を考察しようD さしあたりつぎのごとく仮定しよう。貯蓄は利子率 について完全に非弾力的,そこでんは

p'K=r'N

の水準でコンスタント。

(12)

経 営 と 経 済

1 2  

企業は家計より獲得した遊休貨幣を支出する。そこで物価水準は上昇する が,利子率にたいする宮効果は零と仮定する

o

利子率の上昇は全く超過証券 の発行によって生ずるものとするO まず,公開市場貝操作後の第

1

期間を見

ょう

O 銀行は証券価格を

p'より p"!乙引上げることによって,利子率を " r

M

( r "  M < r '  N )

の水準に引下げた

o U~ 5

図で証券市場は

A点で均衡である o ~J l 

期間中超過証券は遊休貨幣と交換され,証券価格を

p " l = p " l s / r

Eの水準ζl 引下げる。ここで

r

W" 

L~

4m/ 

7 0 Q U /  

r u  

S/ill

・ /  /  /  /  / 

D L  

ι

P" 

fM 

1  n

l!/IP4 

//" 

~

f f ¥

qc  n I M F  

。 2 

~S

5 図

しかし,貯蓄者も同じ価格と収益で新証券を購入するから

5v o

5 4  

V 0 !乙シフトするO

5 4  

V 0 

( P l "   s )  = 川 = ( 5 '   s+

ム5'E+

5 ' s )  

()

この式でム

5 '

Bは貯蓄者の購入した証券量である口そこで

W

も右

l

乙廻転

( 3 . 2 6 )  

あるD

する口

( 3 . 2 7 )  

証券需要函数もシフトする。

C

点で両函数は交叉する。

D

=D

+

[5 4 v o ( P

)

5m v o( p m . ) J ( 3 . 2 8 )  

超過証券によりてえられた遊休貨幣は支出されて所得流列に加はり,貯蓄者

W 4( p " 1   s )   =5¥

( p

l/

I s ) 十 m m E

(13)

貨幣的変イじの移転効果と宮効果

1 3  

より獲得した資金はそれだけ資本ストックの増加として支出される

o

そこ

K'=

5 ' s P ' "   ( 3 . 2 8 )  

既存証券市場におこる現象の最終的影響はんがどう動くかに依存する

o

p 4   s  =← P '  

K1:

EfL‑ ( 3 . 2 9 )   S '  p

十ム

5'E+

5 ' s 

これからさらに,

p 4 .

p ! ! ' s

の比較は,

P

l l i ' +

k r l ‑ ‑ 2 2 ( E E L ‑ ( 3 . 3 0 ) 5'p+

5'E+

5 ' .

5 'p 

とおいて,

( 3 . 3 0 )

はさらに,つぎの不等式として,

K ' (

5'E+

S ' .) 

K '

三三一一一

5 '

p 一一一一

( 3 . 3 1 )  

そこで,もしム

5 'E=  0であれば,

E ( '

5 ' s

K ' ~ K '  

K'> 5 '  p

5 '

一>一一

. . /   5 ' p   ( 3 . 2 8 )

考えると

P'K/r

>1

であるから,

K '

(P'K¥ K'¥K' 

一 一 一 一 一 一 一 一

5 ' s  ‑ P  ‑ ¥r

!J

S'p/ 5 ' p   ( 3 . 3 2 )  

となる。ム

5'E=O

であれば

P

ヘより

p 4 S

への変化は

K ' 1 5 '   p

の比の上昇を 含 ん で い るD しかし,ム

5 '

は零ではない。ムシE と ム

5 ' s

の十分に小な る 値 と ム

K '

の大なる値にたいししては,

( 3 . 3 1 )

の左辺は右辺より大であ D そこで,つぎのことが言える。資本の

j

百分が大であるほど,証券の増加 呈(水増し的超過発行も含めて)が小であるほど ,

P s

は上昇する傾向をも っ。そこで第

l

期の最終的な函数は,強制貯苔が欠けており任芯貯苔が実現 される場合では,つぎのようになる。

55VO(P4S)=(5'p+

ムれ+ム

5 '

)(??)

( 3 . 3 3 )  

W ( P 4   S )   =5

V  0 

( P 4   S )   +m

( 3 . 3 4 )

D5 V O  =D¥ 。 + [55 vo( 川 )‑S4V O(

門 )] 

( 3紛

この函数は第

5

図にえがいて,対応的な 54V 0 

w¥D¥o

曲線の右にくるか,

左にくるか,または一致するかは

p 4

S

P ' "

Sに依存するであろうD いづれに しても

Dv

0

S v

。とはひとしく廻転するから利子率は

r

九の水準で不変で ある

o

(宮効果を捨象している乙とに留芯しよう

o

)利子率が

r

(14)

1 4  

経 営 と 経 済 タント,しかもんが変化するのであれば証券価格も比例的な変化を示す。

( P sの変化は第 5

図で

P

の測定スケーノレを変化せしめる

o ) 

0

・ 一

r一 一

P  EZ 

P 一

f

D   ( 3 . 3 6 )  

最終的な価格は強制貯蓄がない場合でも移転価格より大でありうる

o

実際l

p 4

Y

より大であることもある

o ( 3 . 3 6 )

は音さなおすと,

(山

r (‑f 坦 二 一 )

::=-~二

( 3 . 3 7 )  

M J ¥ 5'p+

5'E+

5 's  J  <:  5 '  

いま利子率の変化を微小にとってr/r"'Mをほとんど

1

!こ近いと想定してみ よう。

( 3 . 3 7 )

より

"".  K'(

5'E+

5 's )  

K' 吉一一一 ‑ ‑ 5 ' p 一一一 ( 3 . 3 8 )  

これは

( 3 . 3 1 )

と同一である

o P s

が上昇するにしてもまた下落するにして も,それは任意貯蓄を欠く場合の値より必ず大である

o ( 3 . 6 )は任意貯蓄を

欠く場合の

p 4 S ' (3.29)

は任意貯蓄がある場合の

p 4

Sを示すから,

P'(K'+

K ' ) ¥ p'KK'

‑ 一 一 一 一 一 一 一 ト 一 一 一 一 一

( 5 '  p+

5'E+

5 ' s ). /   (5'p+

5 'E )  

乙れはさらに,

K ' ¥ K '一 、 一 一 ー ー

5's./ 5 ' p

十ム

5 'E 

m K'

p ' "   s  P '  

KK'  =.6,5

'   s  r'" よ =?"~5'p

( 3 . 3 9 )  

( 3 . 4 0 )   ( 3

.41)  であるから,

( 3 . 3 9 )

P '  

K K ' ¥ K '  

一 一 一 一

r ' " M 5 '   p . /  5 '  p+

5 'E  P ' K ¥ 5 '  

r " ' M . /   5 '  

+ム

5 '

( 3 . 4 2 )  

( 3 . 4 3 )  

p ' K / r

>1

であり,

5 '  p / ( 5 '  p+

5 'E )  

1

であるO そ乙で任意貯蓄はんを 上昇せしめるから,それはまた証券価格を上昇せしめる。宮の期間中の径路 を第

5

図でたどってみると,はじめは

D

より

E

に向って下がってくる。これ は超過証券が遊休貨幣残高と交換されるにつれて証券価格が下落することに よるO 任意貯蓄によって証券が増加するからEより Fに う ご く 。 も っ と も ム5

' s

の量が小であるほど

EF

の融離はせばまる

o

最 終 的 な 富 の 変 化 は ん の変化に依存するD

(15)

貨幣的変化の移転効果と宮効果

1 5   W5  ( p 4  s .   r " ¥ ! ) 言 W

( P " s . r " M )  

S 5v o( P 4 S '   r ' ' ' M ) + m

S

o( P "   s .   r "  M )  +  mら

さらに,

( F :JL)(KF+

( p F )   K')

l vE)KW(mP2 ー が 2 ) ( 3 . 4 4 )  

r' 

I  ‑ ¥  r "  

1[ 

この式で,

(じ、イー;‑)r"" 

l '   ¥  > 

(r''

F

'

f

" 

) I  1 . (m

九一

m

) > 0 .

であるから,利子率の変化が小であるほどまた,遊休貨幣残高の減少に比し て相対的の任意貯蓄によりて調達された資本増分が大であるほど,富はより 増大する傾向を示す。宮の増大は任意貯蓄がない場合よりもある場合の方が 大である

o

二つの場合の差は,

(令)

(K'+

K)

叫ー[(令)れ

mm2]

=  (~> ) ム K' ( 3 . 4 5 )  

、~ 1[' 

さて,全調整を考える。第

1

1羽聞に見られる現象はまたそれに続く全ての 期間を代表しているD 利子率は上昇するD 任意貯蓄の実現は証券

1

単位あた りの所得を上昇せしめるかもしれぬ。また低下せしめるかもしれない。その 結果,期末の証券価格は移転価格または出発点の価格より高くなり,または それに等しくなるかそれ以下に下落するかもしれない。総富もコンスタン ト,増加または減少するかもしれない。期末の証券価格.PS' 宮は全て任意 貯蓄を捨象した場合よりも高くなるO そして最終的均衡では,

snp=S'p+

ヱムSE+ヱムS

R Kn=K'+

ヱム

K

( 3 . 4 6 )   ( 3 . 4 7 )  

ここでヱムKは貯蓄者によって調達された資本の

n

期間にわたる合計を示

p

=ξ;占凸(]{~土~L立し:;;:=,:二ミ

0' 

¥.J 

p  (S'p+

ヱムSE+ヱムS) /ρ" ¥ 

I  p '  "  ¥ 

(P"s) =S"p  (~l ¥  r 卜~-l (K'

十ヱム

K)

1[ 

I  ¥  r

1[ 

( 3 . 4 8 )   ( 3 . 4 9 )  

p '   K ¥ 

Wn(P"H)=SnVO(pnS)+mn2=  I ¥ r 一一一 1 (K'+

ヱム

K)+  m ' 2   ( 3 .  5 0 )  

(16)

1 6  

Dnyo(pns)=D'yo+  [ W n( ρns)‑W'(Pls)J 

=D/yO+[

( p n s ) ー S

叫 ん

) J

pn=

r ' N  

K'+

ヱム

K

p' S ' p

十ヱム

SE+

ヱム

S s

t

4El︐ ︐  

経 営 と 経 済

( 3 . 5

1) 

( 3 . 5 2 )   強制貯蓄が零の場合の期 間を通じての家計総宮径

C 路はまた第 6 図で示され

D る o A 点 , B 点は第 4 図 のそれに対応する o A C   線は連続的な均衡成長径 路を示し,その勾配は毎 期間の均一的な資本増分 ム K ' を示す。 B 点は中央

( 1 0 )  

銀行の証券購入の直接的 影響によって生じた状態

t  を示し, A 点と B 点の差 t { s  6

しい。 BD 線は中央銀行の証券M~入に続くところの,強制貯蓄零の総宮の起動 は S '

( p "  ‑p') にひと

径路を示している

O

均衡は t '

n

点で達し,それ以後 B D は A C に平行とる

O

r ' N の水準では体系は再び以前のム玄'で増加する o B D は A C の下に位置 する o 二つの曲線の垂直的距離は,

w

( p '   s

, 

r '   N )  ‑ (ρs

, 

r '   N )  

Vjn

は A C 線上の一点で示される宮の値である。 r/

N

の水準では,

( 3 . 5 3 )  

百n

( p ' s

r'N)=Kn+S'op/+m'2  wn(pns

, 

r'N)=K'+

ヱム

K+m'2 であるから, ( 3 . 5 3 ) は ,

t<‑K'ーヱムK+S' o

P '  

(Kn=K'+n ム K') であるから, ( 3 . 5 6 ) はさらに,

( 3 . 5 4 )   ( 3 . 5 5 )  

( 3 . 5 6 )  

(17)

貨幣的変化の移転効果と宮効果

1 7  

(n

R'ーヱム

K)+5' a P '  

 

( 3 . 5 7 )  

となるO 上式のカッコの中は調整期間中における撹乱されない体系と撹乱さ れた体系とにおける総資本蓄積の差を示す。ところでわれわれは貯蓄は利子 率について非弾力的と仮定しているから,:Zム

K=n

K'

である

o

さらに

5 '  a P '   =5' B P '

である

o

これは中央銀行の公開市場投作以前の宮

W' ( P '   s )  

と任意貯蓄を捨象した場合の最終的な富

wn(pns)

との差にひとしい。任意 貯蓄はこの場合,毎期ム

R '

の資本増加をあたえるだけである

o

貯蓄者l乙売 却された証券は資本増加に資金をあたえるが,超過新証券そのものは宮その ものの増加を生ぜしめない。実質遊休貨幣残高は再ひ、

t S t

乱以前の水準に復帰 するから,正味の富の減少分は中央銀行の証券購入分にひとしい。

t

。時点で 市 場 利 子 率 の 低 落 に よ っ て 生 じ た 富 の 実 質 価 値 の 上 昇 に よ る 資 本 利 得

( c a p i  t a l   g a i n s )

も結局は利子率が元の

r ' N

水準に漸次復帰することによっ て除去される乙とになるO

B D線で調整の出発点と新しい均衡を比較すると,

wn(pns

, 

r ' N )  >  W " ( p f l ' S '   r " M )   ( 3 . 5 8 )  

この不等式はまた,

K'+ 主 ム K >

(弐)

K'+(m"2‑m'2)  ( 3 . 5 9 )  

となる

o

資本ストックは左辺の方が右辺より大であるが,これを相殺する要 因として

P '

K/r" 

1 1 >   1

, 

(m

‑m'2)>0

,不等式は三のいづれ符号で示 されるようであるが,右辺の方が大となるのは実際には公開市場操作の額が 可なり大きく,したがって

(m

九一

m'2)

の額も大き,したがって利子率も 低くなって

p '

K/r九がより大となる場合に限る。 B D線は単調に上昇的であ

o

乙のためには

( 3 . 4 4 )

の形の不等式が全ての期間にわたって成立する乙 とが必要である。

( 3 . 4 4 )を各期の終りと初めの聞の量的関係を示すものと

して,増加した官の源泉ムK'が,官を減少せしめる要因,

r ' " M > r "     1 1

(m

九一

m

九)>0を圧倒とるならばこの条件はみたされる,出発点から宮の 増加をもたらす有利な条件は,

7 2 1

い任怠貯蓄率であり,

r M

の僅かな上昇と

m 2

の減少である

o

後の条件は投資函数の弾力性が小である坊合に成立す る。乙の場合 ,

(1‑5)

と利子平の上昇と期間中の遊休貨幣の移転はこれ

(18)

1 8  

経 営 と 経 済

によってより小となる

o

調整過程はより大なる期間にわたって長くなる

o r

m

2の運動が十分に小であるならば,宮は一時的には撹乱されない経済よ りもより大なる率で増加することも可能であるD

第 l

期間について,

W 5 ( p 4 S '   r"'M)‑W

P " s

r

乍)

>W'(ρ

, 

s

, 

r '  N )  ‑ W '  ( P   s

, 

r '  N )   ( 3  .  60 ) 

を証明してみようD この式の右辺はム

R '

を示している。左辺は

( 3 . 4 4 )

(:

)(K'+

K ' )

一(少)

K' 

・‑(払

‑m

九)>ムR'

( 3 . 6

1) 

J. 

M  、

E 虹

強制貯蓄が零の場合で宮にとって最も有利なケースは,

θ S I θr

}1

=  0の場合

である

o

K'=

ム:r{'である

o r ' " M = r " M  

, 

m

=m

らの制限的なケースで

( 3 . 6

1)は,

(よ与)ム1('>ム1('

(3ω 

J. 

そこで

P 'K/r"M> 

1 である。ところで,ムK',

P ' K / r

m

九があまり小な る値でなければ,ムK'<ム玄, , r"'~!>r"M'

m"'2<m

らであると

( 3 . 6 1 )

条件も成立するかもしれない。しかし,調整の出発点における宮は撹乱され ない体系の出発点のそれよりも大であり,最終の宮はそれよりも小であるか

( 3 . 6 1 )

は調整の各如問にわたって成立するとは考えられない。早晩宮 の増分はム玄'以下になり,総宮も

A C

線以下となる。

r ' y = r ' N=  P ' K

S '   ぺ (

, r

P  k  ,  r ' n  

7 図

r M

とm

2

がコンス タントである均衡 S~ヶにおいては (3.61) はム

K'=

ムi('と なるO

今迄は貯蓄函数は 利子率について完全

1 "  

に非弾力的で垂直的 な曲線で示される と仮定していた。

qc  いま毎期の貯蓄函 数が V 曲線で示

(19)

貨幣的変化の移転効果と宮効果

1 9  

されるとしようO 投資函数は

I '

曲線である。調整過程の出発点で

P

Kは上昇 する,第

3

図(b)によって明らかであるO 強制貯蓄の欠けている場合には,

P " K

に上昇する

o t

。期で富曲線も右にシフトする。しかし,たとえ九が終 局的にその元の水準に復帰するにしても,このことは

w n

と関係におけるそ

の終着点を早めるであらう

o W n

も相対的に小となるO このことは,調整過 程の利子率低下によって生ずる計画貯蓄の減少が任意貯蓄によって調達され るヱムKを小さくするからである。投資函数と貯蓄函数の利子の弾力性の程 度がWやその終着点である新均衡時点にどのような変化をあたえるかを一般 的に吟味することはできるであらう。ここではその詳細に立入らないでおこ

O

θ5/δr M : >   0

が調整をスピードアップすることは確かである。中央銀行 の公開市場操作による撹乱のなかった場合の経済に比べて,すべての場合の 総富は小となるO

θ5/θr

M

=  0

の場合, 最大の宮をうるD 任芯貯蓄は富増加 の唯一の源泉であって,この場合これが最大となるD 垂直的でない貯蓄曲線 の場合,投資函数について θI/θr~[=

0

であれば, 出は最小となる

o

ここま での分析は強制貯蓄を全く排除しているO 強制貯蓄を導入した場合今迄の分 析結果はどのように修正されるか。次節でこの問題を吟味しよう

o

本節では完全強制貯蓄の場合を考察する

o

超過証券の発行に直にそれに対 応した資本増加が実現すると仮定する。しかし前節でなした方法と同じく,

まず,貯蓄投資のひとしいフローはこれを分析の舞台哀において,超過証券 によって調達される資本の影響のみを考察しようO 投資と貯蓄はこの場合投 資函数(曲線)に沿って実現するから,貯蓄函数の勾配について特別の仮定 をおく必要もないであろうO そこで,一般的な場合

θ5/θr>0

, 

8I/θr<O 

を想定してお乙う。また,さしあたり,利子にたいする官効果は零としよ

う。実質遊休貨幣残高が

m n 2=m'2=L'2 ( r ' N )

の水準l乙復帰するまで超過 証券が発行され,調整過程が

n

期間継続する。超過証券の総価値は

m九一m

F2 

でそれはまた任意貯蓄を拾象すると,資本ストックの増加にひとしい。

K

=K' +(m

九一

m'2) (4.1) 

(20)

2 0  

経 営 と 経 済

m"  ‑m' 

=S'  B P

グであるから

Kn=K 

+S'

Il

P

( 4 . 2 )

以上の分析は中央銀行の公開市場操作による証券貝入直後から出発する。

まず第

l

期間を考察する口完全強制貯蓄の場合,銀行の証券買につづいて 遊休貨幣の移転が生じ事後的投資は

l ' ( r ' "  M ) ( r

1 > r " M )

の水準となる

o

利子 率にたいする影響が僅かで資本財に支出される貨幣呈も僅かであるとして も,投資そのものは直に増加する

o

遊休貨幣残高,有価証券,利子の変動が 無視しうる微小である場合には,投資は

I ' ( r

) = I " ( r " M ) ( 4 . 3 )  

に上昇し,資本収益率も

l '曲線にそって P ' K

から

p ' "   K  =  r ' "   M  =  1 ・

1I

( 4 . 4 )  

l乙低落するであろう

o

証券,遊休貨幣残高,資本ストックは不変であるD

S h ' p  =S'  P 

, 

m H '  2  =m"  2 

, 

K" =K'  ( 4 . 5 )  

しかし九は低落したから

P ' ' ' K K

r " M K '

= 一 一 一 = ー ← 一 一

S '  

( 4 . 6 ) (  p " '   s ¥  I  P 師 、

S H ' V O ( p " / K ) = S " p  

(一一一)=卜~)

K'  ( 4 . 7 )  

¥r

I  ¥  r

I  P

W " / ( P

K)=S

( P

K)+m

九=(一一一)

¥  r M  I  K' 十 m"2 ( 4 . 8 )   Dvoは Svo

の変動に応じて変動するから,

D

= D

に。+[れ(ん

) ‑ S ' ' ' v o ( 円 ) J ( 4 . 9 )  

P K

の変化は利子率に影響しない。証券価格は下落する。

p"I=~ヘ

==

P九KMKF

==

P  r ' "  

r ' "  

MS" 

'p  ‑ p 

最初証券価格の上昇によって利子率が

r

Iに低下するが,完全強制貯蓄では んが同じだけ低落して九の同じ低落を生じPは結局出発点の

p '

水準とな

2

期間の影響を見ょうO

8

図を示さう

1 "

の符号をつけた記号は第

2

期の出発点を示す。 んは瞬間的に低下している。 Sヘ。, Dヘ。, W'"は

S "  

V o  , 

D

に。,

W

グの左側

l

乙位置しているo しかし, 利子率は

r ' "M=rM"

不変である

o

証券量は

S"p=S'p

, その価格は

p ' ' ' = p '

である

o

期首の証券

(21)

貨幣的変化の移転効果と宮効果

2 1  

r  ~i ‑

D Z  

FD  

P

4

p p  

‑ 4 1

1

一 品M 1肉 ︑

.r‑e 

m 1   m ;   qc 

8 図 mf

市場均衡はA点で示されており,総宮は E点で示されている

o

この期間中の 新証券の超過供給は価格を

p 4

に低下せしめ,利子率は上昇せしめて,

す> r " ' M   (p4<p

P s  4  = p . " ' )   ( 4 . 1 0 )  

乙の利子率の上昇によって家計は

BCだけの証券保有を増加せしめようとす

O

D

( r4 M)‑S

( r

4ρ=BC ( 4 . 1 1 )  

そのためには遊休貨幣が,

m

九一L'

2  ( r

()

=m"'2 ‑ m4  2  ( 4 . 1 2 )  

だけ支出される

o

そこで,その結果証券価値図数は,

( P ' ' ' K ) = S

p=( S "  P+

SE" )   ( ‑ ι 三 ( 4 . 1 3 )

¥  r

ここでムSE"は超過去rr証券で全て Psf/Fにひとしい

P

4をあたえる。証券市

場の均衡は

C点で示される o

新しい宮函数は

W4 

(p/") 

=  S 4  

V 0 

( P K ' ' ' )  + m4  2  ( 4 . 1 4 )  

証券需要函数も C点を軸として Dに。より D ¥。に廻転するO

D

= D

ヘ。+

[W4(

)‑W'''(ρKm)J ( 4 . 1 5 )  

遊休貨幣残高

(m

九一

m42)移動はそれにひとしい資本増加を生ぜしめる o

参照

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