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博士学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 森田

モ リ タ

牧子

マ キ コ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

155

号 学位授与の日付 平成

30

9

30

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 「在宅精神障害者に対する家族の不適切なケアの状況評価尺度」の 開発

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 習田 明裕 委員 教 授 斉藤 恵美子 委員 特任教授 武井 麻子

委員 教 授 渡邉 多恵子(淑徳大学)

【論文の内容の要旨】

本研究では、地域で生活する精神障害者に対する家族の不適切なケアが虐待に進行しな いための支援を行う精神科訪問看護師が、個々の事例に対する支援の指標として横断的に、

また成果の指標として経時的に自己評価する尺度として、在宅精神障害者に対する家族の 不適切なケアの状況評価尺度(家族の不適切なケアの状況評価尺度)を開発した。

開発のプロセスについては、不適切なケアの文献検討と概念分析、看護師への質問紙調 査から構成概念と質問項目を作成し、予備・本調査2回わたる洗練化のために、信頼性・妥 当性の検討を行った。その結果、第1因子【家族の態度】、第2因子【家族の状況】、第 3因子【家族の孤立】、第4因子【利用者の反応】、第5因子【言語と生活の機能不全】

からなる32項目で構成される尺度が開発された。

信頼性は、信頼性係数であるCronbachのα係数による検討を行った。Cronbachのα係 数は、尺度全体で0.89、下位尺度で0.70~0.90であった。妥当性は、基準関連妥当性(併存 妥当性)と構成概念妥当性(収束的妥当性)の検討を行った。基準関連妥当性の検討では、

家族による不適切なケアの状況測定尺度総得点と「虐待につながるリスク度」との間に中 程度の有意な正の相関がみられた。構成概念妥当性では、第1因子から第5因子における各 因子得点とBPRS、「利用者の日常生活能力」、「家族の健康課題に対する生活力量アセス メント指標」の下位尺度との間に、それぞれ有意な相関がみられた。以上の検証を踏まえ、

家族の不適切なケアの状況測定尺度の信頼性と妥当性は確保されたと考える。また、確認

的因子分析は、GFI =0.83、CFI=0.86、AGFI =0.79、RMSEA=0.07であり、因子構造のモ

(2)

博士学位論文内容の要旨

デルは概ね適合していた。さらに、尺度総得点と看護師の属性における関連要因の検討を 行った。看護師の虐待研修の受講経験と、不適切なケアの状況の経験数が尺度得点におい て、有意に高い結果であった。

本研究で開発した尺度は、尺度全体及び下位尺度の信頼性を確認することができた。ま た、基準関連妥当性ではリスク評価としての活用が可能であること、構成概念妥当性は下 位尺度ごとに目標とする因子の概念をもつ尺度との相関が確認された。本尺度は尺度全体 として、また、下位尺度としての適用が可能な尺度であると考えられた。

5

つの下位尺度は、

介護者、利用者の状況から不適切なケア内容、利用者の防衛反応という側面を持ち合わせ

ている。特に、第

1

因子【家族の態度】は不適切なケアを表現する下位尺度として、尊厳

の尊重や個別性への配慮という項目で構成されている。看護師は、得点の高い下位尺度を

リスクファクターとしてすることが必要であり、本尺度を使用することで介入の焦点化が

可能となる。なお、尺度の関連要因として、不適切なケアの経験数と看護師の虐待研修の

受講が関連していた。よって、本尺度が新人看護師でも活用できるように今後、さらに洗

練していくことが課題である。

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