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保護裁判所所長)の継続的代理権論

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(1)

デンズィル・ラッシュ英国最高法院後見裁判部長(

保護裁判所所長)の継続的代理権論

著者 志村 武

雑誌名 静岡大学法政研究

巻 5

号 3‑4

ページ 573‑609

発行年 2001‑03‑15

出版者 静岡大学人文学部

URL http://doi.org/10.14945/00008819

(2)

研 究 ノ ー ト

デ ン ズ ィ ル ニ フ ッ シ ュ 英 国 最 高 法 院 後 見 裁 判 部 長 ︵保 護 裁 判 所 所 長 ︶ の

継 続 的 代 理 権 論

士 心

本す

は じ め に デ ンズ イ ル

・ラ シッ ュ英 国 最 高 法 院 後 見 裁 判 部 長

︵保 護 裁 判 所 所 長

︶ が

︑ 二

〇年 一 月一 二 三 日 に 日本 司 法 書 士 連 合 会

︵社

︶ 成 年 後 見 セ タン ー

・リ ー ガ ル サ ポ ー ト 招の き で 来 日 さ れ

︑ 成﹁ 年 後 見 制 度 の動 向 と 今 後 の課 題

﹂ と いう 国 際 シ ポン ジ ウ ム のな か で

﹁継 続 的 代 理 権

﹂ と うい テ ー マで 基 調講 演 を 行 わ れ た 筆︒ 者 は リー ガ ルサ ポ ート から 依 頼 を いた だ き

︑ 継 続 的 代 理 権 全 般 に つ い て の 大 変 詳 細 な 理 論 的 分 析 と 同 時 に具 体 的

︒実 践 的 な 実 務 的 指 針 にも 富 む ラ ッシ 氏ュ の講 演 の原 稿 を 翻 訳 さ せ て いた だ く 機 会 を 得 た︑︲

ざ´ デンズイル・ラッシュ英国最高法院後見裁判部長︵保護裁判所所長︶の継続的代理権論

本 稿 は ラ シッ 氏ュ の継 続 的 代 権理 論 概の 要 を 明 ら か に し

︑ 日 本 の 成 年 後 見 制 度

︑ な か でも 任 意 後 見 制 度 を考 え る 上 で の比 較 法 的 な 参 考 文 献 と な る こと を 意 図 し て書 か れ たも の であ る

︒ な お

︑ 本 稿 の末 尾 に拙 訳 の全 文 を 掲 載 し て いる

︒ ラ

シッ 氏ュ の継 続 的 代 理 権 論 の概 要 ラ シツ 氏ュ の講 演 は 大 き く 二 つ の部 分 に分 類 さ れ る

︒ 前 半 部 分 は

︑ 継 続 的 代 理 権 に つ い て の歴 史 を 踏 ま え た継 続 的 代 権理 抱が え る課 題 に つ いて の理 論 的 分 析 であ り 後︑ 半 部 分 は

︑ 継 五 七 三

(3)

法 政 研 究 五巻 三

・四 号 含 一〇

〇 一年

︶ 続 的 代 理 権 授 与 証 書作 成 能 力 の有 無 の判 断 あに たっ てっ 実 務 上 注 意 す る べき こ と や実 際 に各 法 域 の判 例 や制 定 法 に見 ら れ る 継 続 的 代 理権 授 与 証 書 作 成 能 力 の基 準 に つ いて の具 体 的

・実 践 的 な 指 針 や分 析 紹の 介 であ る 以︒ 下

︑ そ れ ぞ れ の大 ま か な内 容 を 紹 介 す る こと と す る

︒ 前 半 部 分 は

︑ は﹁ じ め

﹂に

︑ 後﹁ 見 手 続 の回 避

﹂︑ コ 一世 代 に 分 類 でき る 継 続 的 代 理 権

﹂︑

﹁第 一世 代

﹂︑

﹁第 二世 代

﹂︑

﹁第 三 世 代 に向 け て﹂

﹁第 二 世 代

﹂ の七 つの 項 目 か ら 成 り 立 てっ いる

﹁は じ め

﹂に で は 以︑ 下 の講 演 の前 提 と し て 代︑ 理 権 授 与 証 書 の定 義

︑ 通 常 の代 理 権 授︵ 与 証 書

︶ は 本 人 無能 力 時 に失 効 す る と いう コモ ン ロー 上 の原 則 が 存 在 し て いる た め に 代︑ 理 権 授︵ 与 証 書

︶ は 最 も 必 要 な と き に役 立に た な いと いう 欠 陥 を 有 し て い る こ と 無︑ 能 力 であ る本 人 の保 護 手 段 と し ては 伝 統 的 に裁 判 所 が 後 見 人 を 選 任 す る

︵法 定

︶後 見 制 度 があ る こと

︑ が述 べら れ て いる

﹁後 見 手 続 の 回避

﹂ では 継︑ 続 的 代 理権 の目 的 は 費︑ 用 や 時 間 が か か り 本︑ 人 の自 尊 心 を 傷 つけ て し まう と うい 後 見 制 度 の欠 陥 を 回 避 す る こ と であ る点 が 最 初 述に べら れ て いる

︒ そ の後

︑ 五 つ の煩 雑 な 後 見 人 の義 務 と 対 比 し て六 つの 継 続 的 代 理権 の利 点 が 挙 げ ら れ て るい

︒ そ し て︑ 継 続 的 代 理 権 は 本 人 が代 理人 を 自 ら 選 任

五 七 四 す る の で本 人 に よ り大 き な自 律 性 を 与 え る も の あで る と 一般 に い わ れ て るい が

︑ こ れ は 誇 張 あで り 後︑ 見 人 と 異 りな 代 理人 は 裁 判 所 によ てっ 課 さ れ る 数 々 の制 約 が な い

︵こ の こと は

︑ とり も な お さ ず 代 理 人 に よ る 権 限 濫 用 の可 能 性を 意 味 す る

︶ の で︑ 自 律 性 に よ てっ 本 当 に 利益 を受 け るも のは 本 人 では な く む し ろ代 理 人 な の であ る と︑ うい 鋭 い指 摘 が 注 意 的 にな さ れ て いる

︒ 世﹁三 代 に 分 類 でき る 継 続 的 代 理権

﹂ は 本 公 演 の最 も 中 心 的 な 部 分 であ り

︑ こ こ で デ ズン イ ル

・ラ シッ 氏ュ は

︑ こ の三 十 年 間 の 後 見 手 続 に代 わ る 選 択 肢 と し て の継 続 的 代 理 権 の歴 史 を踏 まえ て︑ 諸 法 域 の継 続 的 代 理 権 制 度 を 三 世 代 に類 型 化 し て いる

︒ す な わち

︑ ア メ リ カ合 衆 国 の 一九 七 九 年 統 一継 続 的 代 理権 法 を 典 型と す る第 一世 代 と

︑ イ ング ラ ンド の 一九 八 五年 継 続 的 代 理 権 法 が そ の標 準 型 であ る第 二世 代 そ︑ し て

︑ ブ リ テッ ィ シ ユ

・コ ロ ンビ ア州 の代 理 合 意 法 と 日 本 の任 意 後 見 契 約 に 関す る法 律 な ど の 第 二世 代 であ る

︒ こ の三 つの

﹁そ れ ぞ れ の連 続 し て いる 世 代 が 漸 次 継︑ 続 的 代 理 権 が特 に 回 避 し よ う と 意 図 し た後 見 手 続 の類 型 の 方 向 に 近︑ づ く よ う に動 いて き た のは 皮 肉 な こと であ る︒ な ぜ こ のよ う 皮な 肉 が 生 じ る こ と にな った のか 私︑ は そ の理 由 の説 明 を 試 み る 予定 であ る

﹂ と ラ シッ 氏ュ 自 ら こ の講 演 の目 的 を 設 定 し て

(4)

いる

︒ そ し て以 下

﹁第 一世 代

﹂︑

﹁第 二世 代

﹂︑

﹁第 三 世 代 に向 け て﹂

﹁第 三 世 代

﹂ に お いて

︑ そ れ ぞ れ の法 域 の 継 続 的 代 理 権 法 の内 容 と そ の特 徴 具が 体 的 詳に 細 検に 討 さ れ

︑ こ の作 業 を 通 し て

︑ 代 理 人 の権 限 濫 用 防 止 と うい 継 続 的 代 理権 の課 題 克 服 のた め 継に 続 的 代 権理 制 度 が整 備 さ れ れば さ れ る程

︑ 継 続 的 代 理権 の本 来 の 良 さ が失 わ れ て ゆき

︑ 継 続 的 代 理権 自が ら 回 避 し よう と し た後 見 制 度 類に 似 し て行 てっ し ま う と いう 皮 肉 な ジ レ ン マを ラ シッ 氏ュ は あ ざ や か に浮 き 彫 り にし て いる

︒ 後 半 部 分 は 大︑ き く

﹁継 続 的 代 権理 対に す る需 要﹂ と 継﹁ 続 的 代 権理 授 与 証 書 の作 成 能 力

﹂ の二 つ の部 分 か ら成 り 立 てっ お り

︑ 後 者 は さ ら に

﹁能 力 評 価 に適 たし 環 境 を 作 り 出 す こ と

﹂︑

﹁能 力 評 価 の方 法

﹂︑ ケ﹁ イ事 件

・エ フ事 件

︵一 九 八 八 年 と

﹁ゴ デ リ ー 対 オ ン タ リ オ ウ 州

︵公 受 託 者

︶事 件

︵一 九 九

〇 年 と

︑ コ 九 九 二 年 代 行 決 定 法

﹂︑ コ 九 九 三 年 代 理 合 意 法

﹂ 六の つ の項 目 か ら 構 成 さ れ て るい

﹁継 続 代的 理 権 対に す る 需 要

﹂ はで 最︑ 初 に 意︑ 思 能 力 が 不 十 分 な者 を 四 つに 類 型 化 し

︑ そ うの ち 継 続 的 代 理 権 の典 型 的 な 利 用 者 は 高 齢 精 神 衰 弱 者 であ る こと を そ の理 由 と と も に指 摘 し て いる

次 いで  ︑ 一九 八 六年 二 月 に 一九 八 五 年 継続 的 代 理 権 法 が イ ン グ ラ ン とド ウ ーエ ルズ 施で 行 さ れ て か ら 一九 九九 年 ま で の継 続 的 代 理 権 の西 暦 別 登録 申 請 数  ︑ 一九 九 九 年 の継 続 的 代 理 権 の登 録 申 請 数 の設 定 者 生の 年 に よ る 分 布 と 設 定 者 の年 齢 の占 め る 割 合 が

︑ そ れ ぞ 棒れ グ ラ フ

・折 線れ グ ラ フ

︒円 グ ラ フで 示 さ れ

︑ そ れ に基 づ い た 説 明 が な さ れ て いる

﹁継 続 的 代 理権 授 与 証 書 の作 成 能 力

﹂ おに いて ラ シッ 氏ュ は

︑ 代 理 権 授 与 証 書 を 作 成 す るた め に本 人 要に 求 さ れ る能 力 の基 準 を 明 ら か に し うよ と 試 み て いる

︒ す な わ ち

﹁能 力 評 価 に適 し た 環 境 を作 り 出 す こ と

﹂ で は

︑ 実 際 に能 力 評 価 を 行 う 際 に 環 境 面 で気 を つけ る べき こと 詳を 細 か つ 具 体 的 に 二 個〇 列 挙 し て い る

﹁能 力 価評 の方 法

﹂ も 能 力 評 価 の や り 方 に つ いて 一 一個 の注 意 す べき 点 を 具体 的 に列 挙 し

︑ そ の上 医で 学 や心 理 学 と 区 別 さ れ る法 的 な 能 力 検査 の三 類 型 を 明 ら か に し て いる さ︒ ら に 判︑ 例 法 制・ 定 法 の具 体 例 と し て︑ イ ング ラ ン ド 判の 決 イ﹁ケ 事 件 エ・ 事フ 件

︵一 九 八 年八 と

︑ カ ナ ダ のオ ン タ リ オ 州ウ 地 方 裁 判 所 判 決

﹁ゴ デ リ ー 対 オ タン リ オ ウ 州

︵公 受 託 者

︶事 件

︵一 九 九

〇 年 と

︑ オ ン タ リ オ ウ州 の

﹁一 九 九 二年 代 行 決 定 法

﹂︑ カ ナ ダ のブ リ テ ィ シ ユ

・コ ロ ンビ ア州 の

﹁一 九 九 二 年 代 五 七 五

(5)

法 政 研 究 五 巻 三

・四 号 含 一〇

〇 一年

︶ 理 合 意 法

﹂ に お け る継 続 的 代 理権 授 与 証書 の作 成 能 力 の基 準 を そ れ ぞ れ 検 討 し 各︑ 法 域 に よ てっ 基 準 の定 義 の仕 方 が 大 き く 異 な っ て いる こ と を 実 証 し て るい

︒ 以 上 の論 述 を 踏 ま え て 最︑ 後 に

﹁終 り

﹂に に お い て 立︑ 法 的

・ 司 法 的

・個 人 的 な観 点 の いず れ おに いて も

︑ 継 続 的 代 理 権 制 度 で は

︑ 制 度 利の 用 し やす さと 代 理 人 の権 限 濫 用 防 止 と いう 相 対 立 す る の 二 つの 必 要 性 が 存 在 し

︑ こ の 二 つ の調 和 を 図 る こと が 欠 か せ な い点 が 指 摘 さ れ て いる

︒ そ し て 本︑ 稿 に お いて す で に何 度 か 繰 り 返 さ れ て いる

﹁ど のよ う な 継 続 的 代 理 権 制 度 を 作 てっ も ほ ん の 少 数 の 一定 の濫 用 事 例 は 不 可 避 的 生に じ る のだ か ら

︑ 濫 用 面 ば か り 関に 心 を集 中 させ る のは 間 違 てっ おり 大︑ 多 数 の事 例 にお い て み ら れ る 継 続 的 代 理 権 制 度 の利 点 を 積 極 的 評に 価 す る こと を 忘 れ ては いけ な い﹂ 旨 の鋭 い指 摘 が な さ れ て いる

︒ お

わ り に す で に み た よ う に

︑ デ ンズ イ ル

・ラ ッシ 英ュ 国 最 高 法 院 後 見 裁 判 部 長

︵保 護 裁 判 所 所 長

︶ の継 続 的 代 理権 論 は  ︑ 一方 で

︑ 二

〇年 月四 一日 か ら 施 行 さ れ た 日本 任の 意 後 見 契 約 に関 す る法 律 を も 含 む 多︑ く の法 域 に お け る継 続 的 代 権理 に 関 す る制 定 法

・判 例

五 七 六 法 を そ の歴 史 的 発 展 に着 眼 し て広 汎 か つ詳 細 に検 討

・類 型 化 す る も の であ り 理︑ 論 的 に精 緻 であ るば か り でな く 他︑ 方 で 実︑ 務 上 す ぐ 利 用 でき る注 意 点 ま でも 懇 切 丁寧 に指 摘 し てお り

︑ 日本 の 任 意 後 見 制 度 が 英 米法 な か でも イ ギ リ ス法 を モ デ ルに し 創て 設 さ れ た こと に 鑑 み れ ば 理︑ 論

・実 務 の両 面 に お いて 比較 法 的 に 学 ぶ と こ ろ の多 い優 れた 論 文 であ ると 評 価 す る こと が でき る であ ろう

︒ ラ シッ 氏ュ の継 続 的 代 理 権 論 を 翻 訳 す る 過程 で︑ 今 ま で成 年 後 見 制 度 を 研 究 す る な か で漠 然 と 感 じ て いた うが まく 説明 でき なか っ た こと

︵継 続 的 代 理制 度 に お い ては 本 人 の自 律 性 よ り も 代 理 人 の 自 律 性 を 尊 重 す る面 があ る な ど

︶ や当 然 の前 提と し て いた が 深 く 意 識 し て考 え た こ と のな か った こと

︵ど のよ う な継 続 的 代 理 制 度 を 作 てっ も 一定 の代 理 人 の権 限 濫 用 は 不 可 避 であ る こと な ど

︶ の くい つか を

︑ ラ シッ 氏ュ が 鋭 く 指 摘 し

︑ 喝 破 され て いる のに 接 し︑ 日 か ら 鱗 が落 ち る 思 いで あ り ま︑ た 理 論 的 裏 づ けを 得 て大 変 心 強 く 感 じ た

︒ こ のラ シッ 氏ュ の継 続 的 代 理権 論 か ら 学 んだ こと を 活 か し て

﹁私 の継 続 的 代 理 権 論

﹂ を 論 じ る こ と が でき る よ う に

︑ 今 後 も 比 較 法 的 観 点 か ら 成 年 後 見 制 度 の研 究 を 進 め て いき た い︒

(6)

︵ 1

︶ 私 の 拙 訳 の 全 文 は ︑ ラ シ ッ 氏 ュ の 英 語 の 原 文 と 左 右 対 称 で

﹁ 実 践 成 年 後 見

﹂ 創 刊 号 八 頁 以 下 に 掲 載 さ れ た ︒ な お ︑ ラ シ ッ 氏 ュ の 講 演 原 稿 の 翻 訳 の 依 頼 を い た く だ に あ た り 千 ︑ 葉 大 学 の 新 井 誠 教 授 と リ ー ガ ル サ ポ ー ト の 高 橋 弘 常 任 理 事 に 大 変 お 世 話 に な っ た

︒ こ こ に 記 し て 心 か ら の 深 謝 の 意 を 表 た し い ︒ 筆 者 は か つ て

﹃法 務 資 料

﹄ を 執 筆 さ せ て い た だ い た 際 に 8 ︑ 目 ● Q げ B l o日 o ﹄

■ ざ e 目 の 訳 語 と し て

﹁持 続 的 代 理 権

﹂ で は な く

﹁ 継 続 的 代 理 権

﹂ を 用 い た の で

﹁実 成 践 年 後 見

﹂ で は 編 集 上 の 方 針 に よ り

﹁持 続 的 代 理 権

﹂ を 訳 語 と し た が 本 ︑ 稿 で は

﹁継 続 的 代 理 権

﹂ を 訳 と 語 し て 用 い る こ と す に る

﹁実 践 成 年 後

﹂ 見 掲 に 載 た し 拙 訳 を 一 部 修 正 し て 本 稿 掲 に 載 す る こ と に つ い て は

︑ リ ー ガ ル サ ポ ー ト か ら 許 可 を た い だ い て い る

﹁実 践 成 年 後 見

﹂ の 訳 の 第 一 文 で は 論 ︑ 文 の テ ー マ 及 び 第 二 文 と の 意 味 上 の つ な り が を 重 視 し て

︒ u o l 8 o い 3 8 目 q

. を

﹁ 持 続 的 代 理 権 授 与 証 書

﹂ と 意 訳 し た が

︑ 本 稿 で は 原 語 に 忠 実 に

﹁ 代 理 権 授 与 書 証

﹂ と 訳 語 を 改 め た

︒ こ の 他 に も 漢 字 か と な や 数 字 の 表 記 の 仕 方 な ど 稿 両 に は 若 干 の 違 い が あ る が 現 ︑ 段 階 で は 本 稿 の 訳 を も っ て 私 の 最 終 訳 と す る こ と に し た い ︒ お な 本 ︑ 稿 は で 日 本 法 に と て っ 示 唆 的 で あ り 内 容 的 に 特 に 重 要 で あ る と 思 わ る れ 箇 所 を 訳 者 が ゴ シ ッ ク 体 に し て る い

﹇翻 訳

継 続 的 代 理 権

デ ンズ ィ ル

・ラ シッ ュ 英 国 最 高 法 院 後 見 裁 判 部 長

︵保 護 裁 判 所 所 長

︶ 志   村       武   訳 は

じ め に 代 理 権 授 与 書証 と は 本︑ 人

︒設 定 者

・譲 与 人 と 呼 ば れ る者 が 代 理 人

・任 意 代 理 人

・被 設 定 者 と 呼 ば れ る自 分 以 外 の者 に︑ 自 分 に 代 わ てっ 自 分 の名 義 で行 動 す る権 限 を 与 え る 一定 の要 式 を備 え た 文 書 あで る︒

︵継 続 的 代 理権 授 与 証 書 と 区 別 さ れ る

︶通 常 の代 理 権 授与 証 書 は

︑ 本 人 が 意 思無 能 力 なに たっ 時 点 で自 動 的 失に 効 贅れ が

︑ こ の 結 果 は 非 常 に 不便 であ る︒ 代 理 人 の助 力 単が に望 ま し いだ け で は な く 必 須 のも のに な たっ ま さ にそ の時 に 代︑ 理 人 は行 動 す る 権 限 を も は や 有 し て は いな いの であ る︒ 本 人 の事 務 を 適 切 に管 理 す る 五 七 七 デ ズン イ ル

・ラ シッ 英ュ 国 最 高 法 院後 見 裁 判 部 長

︵保 護 裁 判 所 所 長

︶の 継 続 的 代 理権 論

(7)

一〇

︵1

︵2

ρ

・8

︵な

使

︵2

﹃無

見 手 続 の 回 避 継 続 的 代 理権 の第 一の 目 的 は

︑ 通 常 複 雑 で時 間 が か か り 高 額 の

五七八 費用を要する後見手続を回避することである︒後見手続は場合に よっては当事者の自尊心を傷つけたり不愉快な思いをさせてしま うこともある︒本人がもはや自分自身の事務を管理することがで きないという宣告をするように親族が裁判所に求めなければなら ないからである︒裁判所の手続は公的記録の対象となる事柄であ り︑幸いイングランドではそうなっていないが地方紙に公告がな されなければならない地域もある︒後見人に選任されるべき者に ついて家族の中で争いがある場合には︑裁判所手続は苛烈を極め ることになる︒その結果︑訴訟費用はかさみ︑その費用は通常︑ 無能力者本人の財産から支払わな経︒ 後見人が必要であると裁判官が判断しても︑裁判官が後見人に 選任する人が無能力者が自ら選んだであろう人だという保証は何 もない︒ 一般に裁判官は無能力者の選好を考慮するも

の →がそ︑だ れに拘束されるものでは枠祀︒家族の構成員がお互いを信頼できず 家族が機能障害に陥っているとき︑無能力者によって表明された 後見人の選好が信用できない経緯を有するとき︑様々な事柄につ いて調査が必要であるとき︑このようなときは特にそうで ぉだ︒ 実際に後見人を選任することは後見手続のほんの始まりに過ぎ ない︒通常︑後見人は以下のことを行うように求められている︒

(8)

﹁担 保 を 提 供

﹂ し た り

﹁保 証証 書 を 提 出

﹂ し た り す る こ と

︒ こ れ は 後︑ 見 人 が 無 能 力 者 の財 産 を 盗 ん だ り 後 見 人 に よ る無 能 力 者 の財 産 の管 理 が 失 当 あで った り し た 場 合 に支 払 わ れ る保 険 加に 入 す る こ と を 意 味 し て いる

・後 見 人 に選 任 さ れ る前 か 選任 後

︑ 時 間 が 経 た な うい ち に 本︑ 人 の財 産 の財 産 目 録 を 作 成 す る こと

・通 常 一年 に 一回

︑ 会 計 報 告 書 作を 成 し 裁 判 所 提に 出 す る とこ

・資 本 を減 少 さ せ る こと

︑ 財産 の売 却  ︑ 一定 の種 類 の投 資 を す る こと 無︑ 能 力 の本 人 の金 銭 を 贈 与 す る こと 等  ︑ 一定 の取 引 に つ いて 裁 判 所 の承 認 を 得 る とこ

・裁 判 所 に毎 年 事︑ 務 処 理手 数 料 を 支 払 う こと

︒ これ に対 し て︑ 継 続 的 代 理権 は

・将 来 い つか 自 分 が無 能 力 にな る か も し れ な い可 能 性 に備 え て

︑ 予 め本 人 が準 備 し てお く こと が でき る︑ 費 用 が か か ら な 簡い 単 な 手 続 を 提 供 す る

●自 分 の事 務 を 管 理 し て ほし い人 を 自 ら選 択 でき る よ う にす る こ と に よ てっ

︑ 本 人 の自 律 性 を尊 重 し て いる

・本 人 が事 務 の管 理 に つ いて 能 力 を有 し て いる 時 か ら 能︑ 力 を 失 い つ つあ る段 階 を 経 て 能︑ 力 を 有 し て いな い時 へ の円 滑 な 移 行

を 可 能 にす る︒ 本 人 が 意 思 無 能 力 にな る時 点 を特 定 す る こと は 困難 であ る こと が多 い︒ 軽 度 か ら中 度 のア ル ツ ハイ マー 病を 患 っ て いる 高 齢 者 には は︑ きつ り し て いる 期 間 と 混乱 し て いる 期 間

︑ 言 い換 え れ ば

﹁良 い日

﹂ と

﹁悪 い 日

﹂ の変 動 が あ り う る の で

︵7

︶ あ る

・共 同 社 会 行で わ れ て いる 実 務 を 適 法 化 す る︒ 継続 的 代 理権 授 与 証 書 を 作 成 でき るよ う にな る 以 前 にお いて も 代︑ 理権 設定 者 が 後 に無 能 力 にな たっ こと に よ てっ す で に失 効 し て いる 通常 の代 理 権 授 与 証 書 を 使 い続 け る こ と が 弁 護 士 にと って 一般 的 な 実 務

︵8

︶ であ たっ

・後 見 制 度 に付 随 す る烙 印

・公 示

・官 僚機 構 的 硬直 性 多・ く の時 間 と 費 用 が かか る こと を 回避 し て るい

・代 理 人 によ り 大 き な 行 動 の自 由 を 与 え てい る

︒ こ こ で  ︑ 一言 注 意 す べる き こと を 付 加け え た い︒ 継 続 的代 理 権 本は 人 によ り大 き な 自 律 性 を 与 え る も ので あ る と いう 主 張が な さ れ て き て いる が

︑ これ は 一般 的 に 言 てっ 誇張 であ る︒ 判裁 所 によ っ て 選任 さ れ た 後 見 人 な ら ば 課 さ れ る 数 々の 制約 が代 理人 に は 課 さ れ な いの で 自︑ 律 性 によ てっ 本 当 利に 益を 受 け るも の 代は 理 人 な の で あ る

五 七 九 デンズイル・ラッシュ英国最高法院後見裁判部長

︵保 護裁判所所長︶の継続的代理権論

(9)

一〇

︵3

︵2

︶︑

︵4

︵2

・︵Ne 一8

︶︒

︵ロ

・ド

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︵6

︒く

︒∽︒N

﹃無

︵8

三世

代 に 分 類 で き る 継 続 的 代 理 権 初 期 の 二 つの 麟 整 を 除 け ば 継︑ 続的 代 理 権 は こ の 三十 年 間

︑ 後 見手 続 に代 わ る 選 択 肢 と し て利 用 さ れ てき た

︒ こ の 間

︑ 三世 代 の 継 続 的 代 理 権 が 出 現 し て いる

︒ す な わ ち

︑ o第 一世 代

︒ 第 一世 代 は

︑ ア メリ カ 合 衆 国 に お いて 一九 七 0 年 か ら 登 場 し て いる

・第 二世 代

︒ 第 二世 代 の標 準 型 は

︑ イ ング ラ ンド の 一九 八 五 年 継 続 的代 理 権 法 で あ る

・第 二 世 代 第︒ 二世 代 の例 と し て は ブ︑ リ テッ シィ ュ

・コ ロ ンビ

2一

10 ︵

︶ 任 意 後 見 契 約 に 関 す る 法 律

︵ 一 九 九 九 年 法 律 第 一 五

〇 号

︶ は 一 九 九 九 年 一 二 月 一 日 に 制 定 さ れ ︑ 二 〇

〇 年 四 月 一 日 に 施 行 さ れ た

(10)

第 一世 代 一九 六 九 年 に ア メ リ カ合 衆 国 おに いて 統︑ 一州 法 委員 全 国会 議 は 統 一遺 産 管 理 法 典 を 承 認 公し 布 し た

︒ こ の統 一遺 産 管 理 法 典 の 二 つ の各

難 は た だ

﹁自 動 消 滅 原 則

﹂ を 廃 上 し

︑ 代 理 人 が 代 理橿 つも と で行 動 す る権 利 は本 人 が無 能 力 と な たっ 後 も 継 続 す る こと が で き る と 規 定 たし にす ぎ な か たっ

︒ 統 一遺 産 管 理 法 典 が 公 布 さ れ た

︲2︵

︶ 後 継︑ 続 的 代 理 権 の利 用 は 合 衆 国 中 広に が って い たっ のだ たっ

︒ 一九 七 九 年 に統 一州 法 委 員 全 国 会 議 は

︑ さら 継に 続 的 代 理 権 に 関 す る 三 つ の条 文 を統 一遺 産 管 理 法 典 に付 け 加 え て︑ 統 一遺 産 管 理 法 典 の代 替 法 と し て利 用 さ れ る よ う 制に 定 さ れ た単 行 法 で あ る 統 一継 続 的 代 理 権 法 を 承 認 し た  ︒ 一九 八

〇年 代 の半 ば ま でに

︑ 五 十 州 すの べ てと コ ロン ビ ア特 別 区 に お い て︑ 財 産 上 の意 思 決 定 に 関 す る 継 続 的 代 理 権 を 認 め る制 定 法 が す で に制 定 さ れ て いる

︒ 一九 八 二年 に ペ シン ル ヴ イェ ニア 州 議会 は 特︑ に代 理 人 が 内 科 及 び 外 科 の手 続 に つ い て指 示 を 与 え る こと が でき るよ う に

︑ 全 州 最で 初 継に 続 的 代 権理 に関 す る制 定 法 を 改 正 だ﹂

︒ こ の改 正 は 単 に代 理 人 が本 人 代に わ って 治 療 に 伺意 を 与 え る こ とを 許 し た に す ぎ ず

︑ 治 療 拒 絶 に同 意 を 与 え る こ と を 許 し た も の では な か った

︒ 一九 八 三年 に身 上 監 護 に関 す る意 思 決 定 を 対 象 と す るよ う に改 正

さ れ た キ リャ フォ ー ニア 州 の統 一継 続 的 代 権理 法 は 代︑ 理 人 に無 能 力 の本 人 に代 わ てっ 生 命 維 持 治療 を 拒 否 す る権 限 特を に 認 め た 最初 の制 定 法 あで る

︒ 一九 八 八 年 に統 一州 法委 員 全 国 会 議 は︑ 統 一代 理 権授 与 法 定 書 式法 を 承 認 し た

︒ 代 理 権 授 与 法 定 書 式 は︑ 考 え 方 にお いて は 以 下 おに いて 考 察 さ れ る イ ング ラ ンド の指 示 書 式 と 似 て いる が

︑ 図 案 にお いて は 似 て いな い︒ メア リ カ の代 理権 授 与 法 定 書 式 は 単 代に 理 人 の権 限 の範 囲 を 確 定 す る こと を 意 図 し て るい にす ぎ な い︒ 本 人 は 一三 種 類 の異 な たっ 取 引 膝鰐 書が か れ て いる リ スト の いず れ か つ一 以上 の取 引 の横 に自 分 イの ニシ ヤ ルを 記 入 す る こと を 求 め ら れ る も︒ し 本 人 代が 理 人 に包 括 的 な 権 を限 授 与 し た いと 望 む と き は

︑ 最後 の 一四 番 目 の欄 の横 に自 分 イの ニシ ルャ を 記 入 し な け れ ば な ら な い︒ 今 ま で のと こ ろ 統︑ 一代 理 権授 与 法 定 書 式 法 は 特 に広 く 受 け 入 れ ら れ てき た と いう わ け で はな く わ︑ ず か に 二︑ 三 の州 で採 用 を み て るい にす ぎ な い︒

︵■︶ 第五

︱五

〇 一条 及び 第五

︱五

〇二 条

︵・2︶ 一九 七八 年 にカ ナダ の統 一法 会議 は︑ メア リカ 法 に倣 って 統 一代 理 権法 の草 案を 作成 たし こ︒ の草 案は 後 にプ リテ ィツ シュ

・コ ロン ビ

デンズイル・ラッシュ英国最高法院後見裁判部長︵保護裁判所所長︶の継続的代理権論

(11)

一〇

・ 3

¨

︶︒

・ 4

︵d

︵f

︵h

︵i

︵j

︵k

退

二世 代 継 続 的 代 理 権 の第 二世 代 は  ︑ 一九 八 年六 二 月 に イ ング ラ ン ド と ウ ーェ ルズ で施 行 さ れ た 一九 八 五年 継続 的 代理 権涯 と とも に始 ま っ た

︒ こ の法 律 は法 律 委 員 会 よに てつ 起 草 さ れ た も ので あ り

︑ 同 委 員 会 の報 告 書 あで る

﹃無 能力 であ る 本 人

﹄ は 一九 八 三年 に出 版 さ れ た

五 人 三 法 律 委 員 会 は ア メ リカ 合 衆 国 及 び カ ナ ダ の最 近 継の 続 代的 理 権 に関 す る立 法 を 調 査 し

﹁基 本 的 な枠 組

﹂み と 呼 ぶ 三 つ 共の 通 す る特 徴 を 認 定 だ峰

︒ 基 本 的 な 枠 組 み は以 下 のも のか ら成 り 立 てっ いる

・代 理 権 は 自 分 が 意 思 無 能 力 にな つて も 存 続 うし る べき だ と うい 本 人 の意 思 を 示 す 本 人 の供 述 を 文 書 が含 ん で るい と うい 要 件

・代 理 入 以 外 の者 が 証 人と し て立 ち 会 い署 名 を す るな か 本で 人 の 署名 が な さ れ な け れ ば な ら な いと うい 要 件

・継 続 的代 理権 は 裁 判 所 の介 入 によ つて 終 了 さ せ ら れ るう る

︑ 又 は裁 判所 が選 任 し た 後 見 人 に よ てっ 撤 回 さ せ ら うれ る

︑ と うい 仕 組

︒ 法 律 委 員 会 は 連︑ 合 王 国 議 会 に こ の基 本 的 な枠 組 みを 推 薦 す る こと は でき な か たっ

︒ 同委 員 会 は こ 枠の 組 み 複が 雑 でな いこ と を 評 価 し て いた が 本︑ 人 対に し て十 分 な保 護 を 提 供 し て いる と は 考 え な か った か ら でぁ

︒ そ の代 わ り に 同︑ 委 員会 は 以 下 のよ う な 主 要 な 特 徴 を 持 つよ り 精 巧 な 仕 組 みを 作 り 出 し た の であ る︒

・本 人 の精 神能 力

(12)

継 続 的 代 権理 が有 効 であ るた め には 継︑ 続 的 代 理 権 は 継 続 的 代 理 権 の性 質 と 効 力 を 理解 す る こと が きで る者 に よ てつ 付 与 さ れ な け れ ば な ら な い︒ 制 定 法 は 継 続 的 代 理 権 授 与 証 書 を 作 成 す る の 必に 要 な 能 力 を 実 際 に定 め る こと を し な か たっ 継︒ 続 的 代 理 権 授 与 証 書 を 作 成 す る のに 必 要 な 能 力 は

︑ 後 にな てっ 以︑ 下 にお いて 論 じ る 予 定 の裁 判所 判の 決 によ って 決 定 さ れた ので あ る

・継 続 的 代 理権 授 与 証 書 の書 式 と 内 容

︒ 継 続 的 代 理 権 授 与 証 書 は 大 法 官 が 指 定 す る書 式 に よ ら な け れ ば な ら ず 継︑ 続 的 代 理 権 授 与 証 書 を 作 成 し りた 受 け 入 れ た り す る とこ の効 果 に関 す る 説 明 情 報 を 含 ん で いな け れば な ら なだ

・保 護 裁 判 所 への 登 録

︒ 本 人 が 意 思 能 力 を 喪 失 し 又 は 意 思 能 力 を 喪 失 し つ つあ ると 信 ず る に 足 り る理 由 が 代 理 人 にあ る と き は 代︑ 理 人 は保 護 裁 判 所 に 対 し て継 続 的 代 権理 授 与 証 書 の登 録 の申 立 てを し な け れ ば な らな

・親 族 への 通知

︒ 裁 判 所 へ登 録 の申 立 てを す る直 前 に 代︑ 理 人 は 登 録 の申 立 て を し

よ う と す る意 思 の通 知 を 本 人 及び 本 人 の最 も 近 い親 族 うの ち 少 な く と も 三 人 対に し て なし け れば な ら なだ

・登 録 への 異 議 申 立 て権

︒ 登 録 の申 立 てを し うよ と す る意 思 の通 知 を受 け取 てっ から 四 週 間 以 内 に

︑ 本 人 又 は本 人 の親 族 は継 続 的 代 理権 の登 録 に対 し て 五 つ の理 由 うの ち の 一つ 以 上 の いか な る 理 由 基に づ いて も 異 議 を 述 べ る こと が でき る そ︒ の五 つの 理 由 と は 以︑ 下 のも の でな

︵a

︶ 代 理 権 が

︑ 通常 本 人 が継 続 的 代 理 権授 与 証書 を 作 成 す る意 思 能 力 を 有 し て いな か った と うい 理 由 で︑ 継 続 的 代 理 権 と し て有 効 で はな いこ と

︵b

︶ 本 人 が継 続 的代 理権 を 撤 回 し た ので 継続 的代 理権 がも は や 存 在 し て いな いこ と

︵c

︶ 本 人 がま だ 意 思 能 力 を 喪 失 し て いな いた め に 継︑ 続 的 代 理 権 を 登 録 す る申 立 て が時 期 尚 早 であ る こと

︵d

︶ 本 人 に継 続 的 代 理権 を 設定 さ せ るた め に 詐︑ 欺 又 は 不 当 な 圧力 が 用 いら れた こと

︵e

︶ す べ て の状 況 に か ん が み て︑ 代 理 人 まが さ に こ の本 人 の 代 理 人 と な る のに 適 し て いな いこ と

デンズイル・ラッシュ英国最高法院後見裁判部長︵保護裁判所所長︶の継続的代理権論

(13)

法 政 研究 五巻 三

・四 号 含 一〇

〇 一年

・贈 与

︒ 代 理 人 は 慈 善 事 業 や 本 人 の親 族 も し く は 関係 者 対に し て の み 贈 与 を す る権 利 を 有 し て るい 家︒ 族 や友 人 に対 す る 贈与 は 誕 生 日 や 結 婚 記 念 日 や ク リ ス マス に限 てつ 行 う こ と が 許 さ れ る 贈︒ 与 の価 格 は

︑ す べ て の状 況 特︑ 本に 人 の財 産 の規 模 照に ら し

﹁不 相 当 で な い﹂ も の でな け れば な ら なに

︒ 税 金 対策 の実 践 の 一部 と な る こと を 意 図 し てな さ れ る贈 与 でそ 価の 格 が 相 当 性 を 超 え るも の は

︑ す べ て保 護 裁 判 所 よに てつ 事 前 許に 可 が 与 え ら なれ け れ ば な ら なに

・保 護 裁 判 所 の役 割

︒ 法 律 委 員 会 は 保︑ 護 裁 判 所 が 存 在 す る こと が 究 極 の濫 用防 止 策 で あ り ま︑ た 濫 用 防 止 策 であ り続 け るだ ろう と考 えた のだ 魔崎 裁︒ 判 所 継が 続 的 代 理 権 の運 用 に関 わ る こと は 登︑ 録 過 程 そ れ自 体 を 除 いて は

︑ 原 則 と いう よ り

︑ む し ろ は る か 例に 外 で あ ろ う と 法 律 委 員 会 は イ メ ージ した

︒ こ の こ と が 後 見 制 度 に関 す る制 定 法

︵一 九 八 三年 精 神 保 健 法

︶下 の裁 判 所 の 機 能 と 一九 八 五年 継 続 的 代 理 権 法 下 の裁 判 所 の機 能 の本 質 的 な 違 いで あ る 前︒ 者 の 下 にお いて は︑ 裁 判 所 は 後 見 人 を 監 督 す る 責 任 を有 し て いる が

︑ これ に対 し て 後 者 の 下 に お いて は 責︑ 任 は 断 固 と し 代て 理 人 自 身 に与 え ら れ て お

五 八 四 り裁 判 所 は問 題 が 生 じ たと き に の み関 与 す る 必 要が あ る にす ぎ な い︒ そ れ にも か かわ らず 裁︑ 判 所 は矯 正 的 な 機能 を 有 し てお り

︑ 代 理 人 の行 為 を 調 査 す る こと が でき 必︑ 要 が あ れば 継︑ 続 的 代 理 権 を 消 滅 さ せ る こと が でき る の でぁ

︒ イ ング ラ ンド の継 続 的代 理権 は

﹁非 常 に複 雑 であ り 専︑ 門 家 の 法 的 な助 け を 借 り ず に これ を 利 用す る こと は ほと ん ど 不 可能 で あ

﹂る と し て 特︑ に オ ー スト イレ リ アに お いて 批 判 さ れ てき て いる

︒ 継続 的 代 理権 の 利 用 に 際 し て充 足 し な け れ ば な ら な い複 雑 な 諸 要 件 存が 在 す る こと に よ てっ

﹁利 用者 苦に 痛 を 引 き 起 こ す 可 能 性 があ り

︑ 正式 の後 見 制 度 や 財産 管 理 の計 画 と 大 差 な い︑ 使 い勝 手 が 悪 い︑ 公 的 で官 僚 的 な 制 度﹂ が作 り 出 さ れ てし ま う と いう 効 果 25︵

︶ が 生 じ て いる と も 言 わ れ て いる

︒ 実 際 イ︑ ング ラ ンド の法 律委 員会 は

︑ そ 提の 案 が す で に十 分 に 複 雑 であ る こと を 認 識 し てお り

︑ よ り 一層 提 案 を 複 雑 にし た く な か たっ がた め に︑ 数多 く の重 要 な 問 題 に取 り かか る のを 回避 し た のだ った

︒ さ ら に 制︑ 定 法 は 人 々が 継 続 的 代 理権 のも と で代 理 人 と し て選 任 を 受 け る こと を 促 す も の であ り

︑ 代 理人 と し て行 動 す る気 持 ち を そぎ か ね な い義 務 や 責 任 や制 裁 の羅 列 を 含 む も の で は な いと うい こと を 保 証 し よ う と 法 律 委 員 会 は意 欲 を 燃 やし た

参照

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