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学位論文審査結果の要旨 専 攻 名

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Academic year: 2021

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(様式8号) 「課程博士用」

学 位 論 文 審 査 結 果 の 要 旨

専 攻 名 システム工学 専 攻 氏 名 中山 雄行

学 位 論 文 題 目 水平軸風車のスパイラル渦における複数平行平面の

2

次元速度データによる

3

次 元渦構造の同定に関する解析技術の研究

主査 ・ 副査

主査 前田 太佳夫 ○

副査 辻本 公一 ○

副査 廣田 真史 ○

副査 鎌田 泰成 ○

審査結果の要旨

多数の水平軸風車を一つのサイトに設置するウインドファーム(集合型風力発電所)では,上流 側風車の後流内に下流側風車が入ることがあり,下流側風車の発電量低下や疲労増大が問題となる.

この後流の拡大や速度欠損の大きさを支配するのが,風車ブレードの先端から発生し,後流内を移 動するらせん状の渦(スパイラル渦)である.しかし,風車のスパイラル渦の発達や減衰について は解明がなされておらず,下流側風車に及ぼす影響の定量化が困難な状況にある.とくに,近年注 目されている洋上風力発電では,風の乱れが小さいため,スパイラル渦の散逸が少なく,影響が下 流遠方まで及ぶ.そのため,ライダやレーダによって後流を検出し,下流側風車を運転制御するこ とが試みられているが,ライダやレーダで観測された離散平面内の2次元速度場から3次元の流れ 構造へ変換する有効な方法は未だ開発されていない.

本論文では,2次元の速度場から3次元のスパイラル渦の構造と特性を同定する解析法を構築し た.この解析法では,複数のアジマス角における平行な面内での2次元速度場から3次元の速度勾 配テンソルを同定し,渦のトポロジカル(幾何的)な構造と自己安定性に関わる特性を解析するこ とができる. 渦の構造では,渦の旋回強さ,旋回平面,渦軸の旋回平面に対する角度,半径方向速 度等を取り上げ,渦の自己安定性の特性については渦流れによる圧力極小ならびに渦の伸長を評価 した.これらの解析により,水平軸風車の後流内に存在するスパイラル渦の特性を明らかにできた.

また,構築した解析手法が,水平軸風車後流におけるスパイラル渦の3次元渦構造の同定手法と して有効性であることを検証するため,風洞実験を行った.風洞内で水平軸風車後流の速度場を粒 子画像流速計測法(PIV)によって測定し,本解析法を適用した。その結果,風車後流内のスパイラ ル渦の同定から、その幾何形状を示すことができ,渦流対称性の高いスパイラル渦が粘性拡散によ り減衰しながら風車下流方向へ進んで行くことを示した.

本研究の成果は,水平軸風車の後流の構造を解明し,風車群の利用率向上に資することができる

新しい知見である.したがって,本学位論文から得られた成果は,工学的にも実用的にも有益な情

報を与えるものであり,博士(工学)の学位にふさわしいものと判断した.

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