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〈翻 訳 〉
韓 国憲法学会編 『憲 法 改 正 研 究(要 約版)』(下)
龍 澤(訳)
目 次 訳者 まえが き
はじめ に
第1章 総論分科委員会 第1節 憲法編 制
1.総 綱 を存続 させ るべ きか?
2.現 在の総綱 内容 を再配置 す る問題 3.基 本権の配列
4.統 治機構 の配列 5.司 法府 と憲法裁判所 6.経 済及 び財政秩序 第2節 領 土 ・統一条項 第3節 文化国家
1.憲 法上 の文化関連条項 と沿革 的特徴 2.現 行の文化 国家条項 の問題 点 と改正方案 第4節 経済憲法
1.憲 法上 の経済条項 に対 す る検討
2.経 済 に対 す る憲法 内容 の改憲の必要性 第2章 基本権分科委員会
第1節 基本権 の編制体系 と一般規定 の改正方 向 1.基 本権 の編 章体 系及 び表題 の改正方 向 2.基 本権 の包括 的根拠規定
3.基 本権 の総論 的規定 第2節 個別基本権 の改正 方向
1.平 等権及 び平等権 関連 諸規 定 2.自 由権 的基本権
3.政 治 的基本権 4.請 求権 的基本権
5.社 会 的基本権(以 上 、前号)
第3章 権 力構 造分科委員会(以 ド、本 号) 第1節 政府形 態
1.概 説
2.大 統領制 の長 ・短点 3.議 院内閣制 の長 ・短点
4.改 憲 時の権 力構造 改正の可能性 第2節 執行部
1.国 務総理制度 の問題 点 と副大統領 制の導入方案 2.大 統領 の恩赦(赦 免〉権 濫用 に対す る統制方案 3.大 統領 の国会 出席及 び発言権 維持の是非 4.国 会財政領域 での統制 強化方案
第3節 国会
1.免 責特権及 び不逮捕特権 等の国会議員特権 の制 限の是非 2.監 査院の会計監 査機能 の国会移管問題
3.国 政監査制度 の廃 止問題
4.予 算 と法律 の不一致解 消等の財政憲法関連
5.国 会議員 を対象 にす る国民解 職(召 還)制 度 の導入 の是非 6.国 会議員 の閣僚兼職制 限問題
7.国 会 の閣僚解任建議権 削除
8.政 府 の法律案提案権 の廃 止 に関す る検 討 第4節 直接民主主義規定 の改正 に関す る議 論
1.間 接民主主義 の補完策 としての直接民主主義 2.直 接民主主義導入方 向
第4章 司法制度 ・憲法裁判分 科委 員会 第1節 現行憲法 上の 「司法府構造 」の問題 点 第2節 憲法裁判 の本質
1.問 題 の所在 2.多 数意見 3.少 数意見
第3節 第5章(裁 判所)と 第6章(憲 法裁判所)の 編 制調整の問題 1.問 題 の所 在
2.多 数意見 3.少 数意見
第4節 大 法院の組織問題 1.多 数 意 見
2.少 数 意見
第5節 裁判 訴願 の導入問題 1.問 題 の所 在
2.多 数 意見 一 裁判訴願 を制限 的に導入 すべ きであ る とい う見解 3.少 数 意見(1)一 裁判 訴願 を導入すべ きで あ る とい う見解
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4.少 数意見(2)一 裁判訴願 を導入すべ きではない とい う見解
第6節 憲法第107条 第2項(命 令等の最終的法律 違反審査権 を大法 院が有す るこ との是非) の問題
1.問 題 の所在 2,多 数意 見 3.少 数 意見(1) 4.少 数意見(2)
第7節 大法院長 の大法官提案(提 請 〉権廃 止問題 第8節 軍事法院 の廃止 問題
1.問 題 の所在 2.多 数意見 3.少 数意見
第9節 憲法第103条(裁 判官が 良心 に従 い審判 すべ き権 限)の 削除 の是非 1.多 数意見 一 現行 どお りに置 くべ きであ る とい う見解
2.少 数意見 一 削除すべ きであ る とい う見解 第10節 憲法裁判所 の構成方式
1.憲 法裁判官の数 2.憲 法裁判官 の資格
憲法学会憲法改正研究 委員会 最終報 告書 の発刊経過
〈研究 分科委員会名簿〉
第3章 権 力構造分科 委員会
第1節 政 府 形 態 1.概 説
現 行 の わ が 国 の政 府形 態 を見 れ ば、 純 粋 な大 統 領 制 と見 る こ ともで きず 、 か とい って 議 院 内閣制 と見 る こ と もで きな い。 そ こで 、̀大 統 領 制 に議 院 内閣制 的 要 素 を加 味 した折 衝 型'、̀韓 国型 大 統 領 制'、̀変 形 した大 統領 制'、̀二 元 政 府 制'な ど、 様 々 に呼 ば れ て い る。 要 す るに、 大 統 領 制 に議 院 内 閣制 が 加 味 され た政 府 形 態 で あ る。
現 行 憲 法 にお け る大統 領 制 の 要 素 と して は、 大 統 領 が 国家 元 首 で あ る と同時 に執 行 府 の 首 班 の地 位 と権 限 を保 有 して い るの で 、執 行 に関 す る最 高 の権 限 と 最終 的 な 責 任 は大 統領 に帰 属 して い る とい う点 、 大 統領 は国 民 に よ り直接 選 出
され るの で 国 民 か ら直 接 そ の代 表 性 を与 え られ て い る とい う点 、大 統 領 は5年 の問 、 弾 劾 訴 追 の場 合 を除 いて は国 会 に対 して 政 治 的責 任 を負 わ な い し、 国会
も大 統 領 に対 して不 信 任 決 議 を す る こ とが で きな い とい う点 、 大 統 領 が 国会 解 散権 を持 っ て い な い ので権 力 分 立 の原 則 が 忠 実 に反 映 され て い る とい う点 、大 統領 は法 律 案 拒 否 権 を行 使 す る こ とに よっ て 国会 の軽 率 と専 制 を防 止 す る こ と が で き る とい う点 な どを挙 げ る こ とが で き る。
一一方 、 議 院 内閣 制 的要 素 と して は、 外 形 上 、 議 院 内 閣制 の 内 閣 に類 似 した国 務 会 議 を設 置 して 執 行 府 の権 限 に属 す る重 要 政 策 を審 議 させ 、 大 統 領 を その 国 務 会 議 の議 長 にす る と ともに 国務 総 理 を任 命 す る際 に は 国会 の 同意 を得 る よ う
に し、 さ らに、 国務 総 理 を して大 統 領 の命 を受 けて 行政 各 部 を統 轄 させ る と と もに 国務 委 員 の任 命 につ いて 大 統 領 に提 案(提 請)し た り国 務 委 員 の解 任 を建 議 で き る よ うに して い る点 、 国 会 は国務 総 理 と国務 委 員 に対 す る解 任 を大 統領 に建 議 す る こ とが で き、 大 統 領 の国 法 上 の行 為 に は 国務 総 理 と関係 国 務 委 員 の 副 署 を必 要 とし、 政 府 も法 律 案 を提 出 す る こ とが で き、 国務 総 理 ・国務 委 員 ・ 政 府 委 員 は国 会 及 び委 員 会 に出席 して発 言 す る こ とが で き、 また 国会 及 び委 員 会 も彼 らを出席 させ て答 弁 を要 求 す る こ とが で き る点 な どを挙 げ る こ とが で き
る。
2.大 統領 制 の長 ・短所 (1)大 統 領 制 の長所
大 統領 制 の長 所 は、 次 の とお りで あ る。
① 大 統 領 が任 期 中 に議 会 の信 任 とは無 関係 に国政 を運 営 す る こ とが で き るた め・ 政 局 の安 定 を成 し遂 げ られ る。 大 統 領 の任 期 が保 障 され るので 、 これ を通
じて 国家 政 策 の継 続性 、行 政機 能 の安 定 性 な どが保 障 され 得 る。
② 国民 の選 挙 に よ り直接 選 出 され る大 統領 は、 議 会 内 の 党 派政 治 的 弊 害 や 多 数 党 の横 暴 が あ る場 合 に も リー ダー シ ップ を発 揮 して強 力 な統 治 を展 開 す る こ
とで 、 国政 の 漂 流 を 防 ぐこ とが で き る。大 統 領 は国 民 に よっ て 直接 選 出 され た とい う正 当性 を確 保 して い るの で 、議 会 との 関 係 に お いて 強 力 な リー ダ ー シ ッ プ を発 揮 で き る。
③ 議 会 政 治 が成 熟 して お らず 議 会 内 の党 派 争 い が持 続 して 議 会 が 民 意 を十 分 に反 映 す る こ とが で きな い場 合 や 、 議 会 を通 じた 国 民 的 意 思 の結 集 が 容 易 で な い場 合 に も、 大 統 領 は効 果 的 な リー ダー シ ップ の行 使 に よ って 国 民 的統 合 を な
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す こ とが で き る。 す な わ ち、 議 会 が 多 数 決 で もっ て拙 速 な立 法 や 軽 率 な立 法 を す る場 合 には、 大 統領 が法 律 案 拒 否権 を行 使 して これ を防 止 す る こ とが で き る。
(2)大 統領 制 の短所
大 統 領 制 の 短所 は、 次 の とお りで あ る。
① 大 統 領 は、 国家 元 首 と行 政 府 首 班 の地 位 を共 に有 す る強 力 な権 力 を行 使 す る よ うに な り、特 に議 会 に対 して政 治 的 責任 を負 わ な いた め に独 裁 化 の危 険性 が あ る。
② 民 主 的 政 党 政 治 と議 会 政 治 が発 達 して い な い 国家 で は、 大 統 領 制 はす べ て の権 力 が 行 政 府 に集 中 して独 裁政 治 が もた らされ た り、 また、 選 挙 を通 じた平 和 的 政 権 交 替 が 困難 に な る こ とで̀街 頭 政 治'が 日常 化 す るお それ が あ る。
③ 大 統 領 所 属 政 党 と議 会 多 数 党 が 同 じで な い場 合 に は、過 度 の 相 互 牽 制 と対 立 に よ って 、 政府 は国 家 的、 社 会 的 に必 要 不 可 欠 な政 策 さ え も強 力 に推 進 して い くこ とが で きな くな っ て 、時 間 的 、経 済 的 浪 費 を招 くな どの国 家 的 非効 率 性 が現 れ る。
3.議 院 内 閣制 の長 ・短所 (1)議 院 内閣 制 の長 所
議 院 内 閣制 の長 所 は、 次 の とお りで あ る。
① 内 閣 は国 民 の代 表機 関 で あ る議 会 に その成 立 と存 続 を依 存 して い るの で、
世 論 政 治 が 可 能 で あ り、 国 民 →議 会 → 内閣 の図 式 を充足 させ る政 府形 態 と して 、 大統 領 制 に比 べ て 国民 主 権 と代 議i制の原 理 に よ り忠 実 な制 度 で あ る。
② 内閣 が 議 会 に対 して政 治 的 責任 一 連帯 責 任 を負 うの で 、 責 任政 治 を よ りよ く具 現 す る こ とが で き る。
③ 内 閣 は議 会 の信 任 を得 て い る限 り、 議 会 との共 同 ・協 同 が形 成 され 、 効 率 的 な 国政 運 営 をす る こ とが で き る。
④ 議 会 と内閣 が 根本 的 に対 立 す る とき は、 議 会 の 内閣 不信 任 権 と内閣 の議 会 解散 権 の 行使 を通 じて 速 か に解 決 す る こ とが で き る。 この場 合 、 総 選 挙 は どち
ら側 が 正 しか っ た の か を判 断 す る国 民 投 票 的性 格 を持 つ。
⑤ 大統 領 や 君 主 が 別 にい る議 院 内閣 制 の下 で は、 議 会 と内 閣 が対 立 す る場 合 、 彼 らは脱 党 派 的立 場 で 国政 の仲 裁 者 役 を担 う こ とが で き る(一 般 的 に大 統領 中
心 制 の下 で は大 統 領 以 上 の権 力 と象徴 的 権 威 を持 つ 君 主 は存 在 しな い)。
(2)議 院 内 閣 制 の 短所
議 院 内閣 制 の短 所 は、 次 の とお りで あ る。
① 群 小 政 党 が 乱 立 して い る場 合 に は、 内 閣 の構 成 自体 が 困 難 で あ り、 連 立 内 閣 が構 成 され る と して も存 続 期 間 が短 命 で あ るな ど、政 局 の不 安 定 性 を もた ら す可 能 性 が 大 きい。 議 院 内 閣 制 は、 よ く発 達 して安 定 した 両 党体 制 下 で 十 分 に 作 動 す る こ とが で き る。
② 内閣 は議 会 の信 任 が あ る と きにの み 存 立 す るた め に、 首 相 は議 会 に対 す る 内閣 延 命 策 に汲 々 とす るあ げ く、 強 力 な政 策 を迅 速 か っ 果 断 に施 行 し得 な い可 能性 もあ る。 議 院 内閣 制 は議会 と内 閣 の 間 で綱 引 き をす る高 度 の政 治 的 手腕 を 要 求 す るの で 、 首 相 の政 策 指 導 力 が特 に 緊要 で あ る。
③ 議 会 の 多 数 党 が 内閣 を掌 握 して い る場 合 に は、 法 的 に これ を牽 制 す る制 度 的装 置 が な い の で 、 多 数者 の独 裁 の お それ が あ る。 この場 合 、 野 党 の 強 力 さの 如 何 が 唯一 の牽 制 手段 とな る。
④ 議 会 内 で政 権 獲 得 の た め の様 々 な政 党 間 の競 争 が 尖鋭 に展 開 され る と きは、
議会 は政 治 闘 争 の場 に変 質 した り、政 治 的取 引 と駆 引 きの場 に変 質 して しまい、
政 治 的 堕落 、 不 正腐 敗 が 蔓 延 す るお それ も あ る。
4.改 憲 時 の権 力構 造 改 正 の可 能 性
現 在 、 わが 国 の政 府 形 態 を変 え るべ き との見 解 に よれ ぼ 、議 院 内 閣 制 が よ り 一 層 適 合 して い る とい う
。
議 院 内閣 制 へ の改 憲 を主 張 す る根拠 を見 れ ば、 第 一一に は、 内閣 制 が大 統 領 制 よ りも一・層 民 主 的 に運 営 され る こ とが で き る とい う もの で あ り、 第 二 は、 我 々 の政 治 現実 に よ り適 合 して い る とい うもの で あ る。 この よ うな主 張 に よれ ば、
政 党 は その 時 その とき の国 民 の た め の最 善 の政 策 を提 示 し、 選 挙 を通 じて 国 民 は支 持 政 党 を選 択 し、 多 数 の 国 民 の支 持 を得 た政 党 が政 権 を担 当 しな けれ ば な らな い とい うの で あ る。 また 、 わが 国 の政 治 現 実 を見 て も、 責任 政 治 の 欠 如 に よって 国民 の意 思 を十 分 に反 映 し得 て い な いの で、 議 院 内 閣制 に変 え な けれ ば な らな い とい うので あ る。
また 、議 院 内 閣 制 に改 憲 す れ ば 、責 任 政 治 の構 築 、 真 の政 党 政 治 の実 現 、 国
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家機 関 構 成 上 の効 率 性 の 向上 と迅 速 で 能 率 的 な国 政 運 営 の可 能 性 の拡 大 、平 和 的 な政 権 交 替 の制 度 的保 障 とそれ に随 伴 す る独 裁 化 の可 能 性 の排 除及 び韓 国政 治文 化 にお け る慢 性 的 な弊 害 とい うべ き地 域 覇 権 主 義 の克 服 に よ り効 率 的 で あ ろ う とい う。
しか し、政 府形 態 とい う もの は 、 そ の 国 の歴 史 的 な経験 に よ って 定 着 され る もの で あ り、 大 統領 制 と議 院 内閣 制 の うち どち らが よ りわ が 国 の 政 治 現 実 に適 合 して い るのか を 中心 に論 議 され な けれ ば な らな いで あ ろ う。 あ たか も議 院 内 閣制 と大 統 領 制 の うち、 どち らが よ り絶 対 的 に正 しいの か とい うよ うな論 議 は、
無 意 味 で あ る。 両 方 の政 府 形 態 の いず れ も長 所 と短 所 を有 して お り、 どの政 府 形 態 を採 るに して も問題 点 は発 生 す るで あ ろ う。 た だ、 わが 国 の政 治 現実 に照 ら して、 も う少 しだ け よ く適合 した政 府 形 態 を選 択 しよ う とい う意 味 で あ る に 過 ぎ な い。
わが 国 は大 統 領 制 しか 経験 して い な い とい っ て も過 言 で はな い だ け に、 わが 国民 は大 統 領 制 に慣 れ て お り、 無 条 件 に大 統 領 制 を好 む傾 向 が あ る。 政 府 形 態 を変 え る こ とは、一 つ の 国 の政 治 や 法 の現 実 に大 きな 変 化 を もた ら し、 また、
国民 生 活 に大 きな影 響 を及 ぼ す よ うに な る。大 統 領 制 に な ろ うが 議 院 内閣 制 に な ろ うが 、 政 府形 態 の変 更 は、 国家 の 民主 的発 展 と国 民 の意 見 が 国家 政 策 決 定 に忠実 に反 映 され 得 る よ う にす る方 向 で論 議 され るべ きで あ ろ う し、 党利 党略 の次 元 で 論 議 され て は な らな い で あ ろ う。
政 府形 態 を大 統領 制 か ら議 院 内 閣制 に変 え る こ とに よっ て大 統 領 制 の短 所 を 治癒 して 議 院 内閣 制 の長 所 を浮 か び 上 が らせ る こ ともあ り得 るで あ ろ うが 、議 院 内 閣 制 を選 択 す る こ とに よ って わ が 国 に お け るp院 内 閣制 の短 所 が 現 れ な い とも限 らな い。 議 院 内 閣制 に政 府 形 態 を変 更 した場 合 に は、 議 院 内 閣 制 は国会 の信 任 の上 に行 政 府 を構 成 す るた め に、 安 定 した複 数 政 党制 、特 に両 党 制 が要 求 され る。 国会 で安 定 した 多 数 を 占 め る政 党 が な い場 合 に は、行 政 府 は政 党 の 連 合 に よっ て構 成 され る ほか は な い。 しか し、 わ が 国 は各政 党 の 理 念 的 特 徴 が な く、 国会 議 員 も政 党 を移 す場 合 が 多 い し、選 挙 が終 わ った らす ぐに新 た な政 党 が 登 場 す る な ど、 国 会 の 安 定 した多 数 を 占め る政 党 を期待 す る こ とは 困難 で あ る。 政 党 間 の連 合 に よっ て政 権 を手 に した後 に、政 党 間 の摩 擦 に よっ て対 立 が生 じて 新 た な政 党 間 の連 合 が で き上 が った な らば、 内閣 を また新 た に構成 し
な けれ ば な らな くな るで あ ろ う。 この よ うに な れ ば、 内 閣 の 寿 命 は長 くは続 か な くな るで あ ろ う し、 国家 の持 続 的 な発 展 と政 策 の執 行 は不 可 能 で あ ろ う。 フ
ラ ンス の例 を見 て も、 フ ラ ンス 第4共 和 国 で この よ うな現 象 が 現 れ 、 内閣 の寿 命 が 長 く続 か な くて、 国政 不安 が 生 じた ので あ る。 また、 政 府 形 態 は そ の国 の 長 い間 の歴 史 的経 験 に よっ て補 完 され る過 程 で 定 着 す る もの で あ るが 、 わ が 国 は大 韓 民 国 政 府 樹 立 後 に大 統 領 制 だ け を経 験 した とい って も過 言 で はな いの で あ るか ら、 大 統 領 制 の経 験 を生 か して 、 これ を補 完 す る方 向 で 改憲 を す るべ き で あ ろ う。特 に わが 国 の 国 民 も大 多数 が大 統 領 制 を好 ん で い る こ とが 明 らか に な って い る。60%以 上 の 国民 が議 院 内閣 制 や 二 元 政 府 制 よ り も大 統 領 制 を好 ん で い るの で あ る。 わ が 国 の公 法 学 者 も、65%程 度 が大 統 領 制 を好 ん で い る こ と が明 らか に な って い る。 また、1987年6月 の 民主 化抗 争 で も現 れた よ うに、 わ が 国 の 国 民 は大 統領 を国 民 の 手 で 直 接 に選 出 した い とい う欲 望 が 強 い もの と把 握 す る こ とが で き る。
した が っ て 、議 院 内 閣制 へ の 改 憲 よ りも現 在 の大 統 領 制 を補 完 改 善 す る方 向 で議 論 をす る こ とが 、 よ り多 くの共 感 を得 て い る とい え るで あ ろ う。
第2節 執 行 府
1.国 務 総 理 制 度 の 問題 点 と副 大 統領 制 の 導 入 方 案
急 変 す る社 会 構 造 に適 合 で き るよ うに、 個 人 の基 本 権 を よ り十 分 に保 障 す る の に適 した方 案 を模 索 して憲 法 の 規範 力 を 向上 す るた め に は、 これ と連 関 性 の あ る国 家権 力 構 造 の 改正 が 論 議 され な けれ ば な らな いで あ ろ う。
わ が 国 の 憲 法 規 範 と憲 法 現 実 に照 ら して み る とき、 わが 政 府 形 態 を二 元 政 府 制(ま た は変形 され た議 院 内 閣制)に 運 用 す る こ と も可 能 で あ る とい う主 張 が 現 れ て い る。 しか し、 現 行 憲 法 上 、 国務 総 理 は大 統 領 の補 佐 機 関 に過 ぎ ない の で 、 国務 総 理 が 管 掌 す る業 務 は 固 有 の もの で は な く、大 統 領 個 人 の趣 向 に従 っ て委 任 され た権 限 で あ り、 いつ で も回収 す る こ とが で き る た め に、 分 権 型 また は責 任 型 国務 総 理 制 は、政 局 運 営 に関 す る政 治現 実 的 事項 で あ って 、 憲 法 規 範 的 な事 項 で は ない 。
国民 に よっ て 直接 選 挙 され る大 統領 は、 強 い民 主 的正 当性 を持 って お り、 能 力 の あ る大 統 領 を再 選 で き る機 会 を剥 奪 す る必 要 は な い。 再 任 を許 せ ば大 統領
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独 裁 の危 険性 が あ る とい う点 は、 すで に わが 国 民 の 民主 的 力 量 が 強 化 され 、 平 和 的政 権 交 替 を成 し遂 げ、 さ らに は前 職 大 統 領(全 斗喚 、盧 泰 愚 大 統 領)ま で 処 罰 し、現 職 大統 領(盧 武 鉱 大 統 領)を 弾 劾 訴 追 した 点 に照 らせ ば、 大 き く憂 慮 す る ほ どの 事 項 で は な い で あ ろ う。
4年 重任(2期 制)の 最 も大 きな長 所 は大 統 領 の 業 績 を評価 して再 び選 択 す る国 民 の権 利 を保 障 す る点 で あ り、現 行 の5年 単 任 制 の大 統領 で は執 権 初 期 か ら レイ ム ダ ッ クに直 面 しか ね な い構造 的 限界 を有 して い るた め に安 定 的 国政 運 営 が 困 難 で あ るが 、4年 重 任 は これ を克服 で き る点 で あ る。
大 統領 が 有 す る強 力 な権 限 に相 応 しい 民 主 的 正 当性 を 向上 させ て 、 国 民 の選 択権 を保 障 す るた め に は、 現在 他 の 国 家 で 導 入 して い る決 選 投 票制 を導 入 した り、 ア イ ル ラ ン ドや ス リラ ンカ で施 行 した よ うな順 位 投 票 な い し選 択 投 票 を導 入 す る必 要 性 が あ る。 順 位 投 票制 と して は、 第1順 位 票 で有 効 投 票総 数 の 過 半 数 を獲 得 した候 補 者 が い な い場 合 に は、 最 高 得 票 者 と次 点者 が それ ぞれ得 た 第 2順 位 票 を足 して過 半 数 を得 票 した者 を 当選 者 とす る方案 を考 慮 す る こ とが で き る。
国 務 総 理 制 や副 署制 度 な どの 議 院 内閣 制 的要 素 は、 大統 領 と国 会 の対 立 関 係 の緩 和 装 置 な い しは大 統 領 の権 限行 使 に対 す る牽 制 装 置 と して の 性 格 よ りも、
む しろ大 統 領 の代 わ りに補 佐 機 関 の補 佐 責 任 を追 及 させ る こ とで もっ て、 大 統 領 の地 位 を格 上 げす る装 置 にす ぎ な い とい う批 判 を免 れ得 ない で あ ろ う。 大 統 領 制 にお け る大統 領 の権 限 代 行 は、 ア メ リカ の よ うに国 民 の選 挙 に よっ て民 主 的正 当性 が 立 証 され た 副 大 統領 に担 当 させ る こ とが 憲 法体 系 に合 致 す るで あ ろ
う。
副 大 統 領 に平 常 時 に一・定 の業 務 を任 せ て大 統 領 の 過 重 な業 務 負 担 を分 担 させ る と と もに、 万 一・大 統領 に事 故 また は欠位 が あ っ た とき に は直 ち に 国政 を直 接 運 営 で き る能 力 を備 え させ る よ うにす る こ とが 望 ま しい。 もっ とも、他 の一 方 で 、任 期 の保 障 され た副 大 統 領 に実 質 的 に大 き な権 限 を与 えれ ば 、 大統 領 と副 大統 領 の摩 擦 が あ る場 合 に は執 行 部 の政 策 の 混線 に よ る副 作 用 が予 想 され る。
副大 統領 を 当然 職 の 国務 委 員 にす る とと もに、 監 査 院 の会 計 監 査 権 を国会 に帰 属 させ るな らば、 副大 統 領 に公 務 員 の 職 務 監 察 や 清 廉 度 を審 査 す る権 限 を与 え る方 案 も考 慮 で き るで あ ろ う。 ま た、 野 党 代 表 との政 治 的 対話 の 窓 口 の役 割 を
任 せ る こ とも考 慮 す る こ とが で き るで あ ろ う。
副 大 統領 制 を導 入 す る と して も、 事 故 が あ っ た ときや 欠位 時 の大 統 領 職 の承 継 の可 否 と任 期 に つ い て、 さ らに検 討 しな けれ ば な らな い で あ ろ う。 欠 位 時 に 大 統領 残 任 期 間 が1年 以 内 で あ れ ば、 副 大 統領 が 大 統 領 職 を承 継 し、在 任 期 間 が1年 以 上 で あれ ば権 限 を代 行 して60日 以 内 に選 挙 を行 うよ うにす る方 案 も考 え られ る。 しか し、 国会 議 員 選 挙 が 中間 評 価 の性 格 を持 つ とい う点 を考慮 す る な らば、 残 任 期 間 に関係 な く、 事 故 時 や 欠 位 時 に は大 統 領 の残 りの任 期 の間 は 副 大統 領 が 大 統 領 職 を承 継 して 、 次期 大 統 領 も任 期2年 が過 ぎれ ば 国会 議 員 選 挙 を行 うよ うに す る方 案 が 望 ま しい で あ ろ う。
欠 位 とな っ た場 合 は客 観 的 に判 明 で き るの で 、 有 権 機 関 が これ を確 認 す る必 要 はな いが 、̀事 故 が あ った とき'と は事故 の発 生 と職務 遂 行 の不 能 とい う二 つ の 要件 が 充足 され な けれ ば な らな い。 弾 劾 訴 追 が議 決 され た場 合 を 除 い て は大 統 領 が 決 定 す る こ とが原 則 で あ るが、 大 統 領 が 精神 障 害 等 の理 由 で 自 ら決 定 す る能 力 が な い場 合 に は、 これ に 関 す る明 示 的 な規 定 が な く、 憲 法 的暇 疵 また は 欠訣 で あ る。 これ は憲 法 機 関 の本 質 的 な事 項 と して 憲 法 自体 に お い て規 定 しな けれ ば な らな い事 項 で あ るが 、憲 法改 正 時 まで の 臨 時 的 措 置 と して法 律 的 次元 で あ って も方 案 を作 る こ とが 望 ま しい。
2.大 統 領 の 恩 赦(赦 免)権 濫 用 に対 す る統 制 方案
大 統 領 の特 別 恩 赦 権 の濫 用 に よっ て権 力 分 立 の原 則 と司法 府 の独 立 及 び法 治 国家 原 則 の根 幹 が侵 害 され て い る とい う批 判 の声 が 高 い。 特 別 恩 赦 は具 体 的事 例 に 限 って個 人別 に行使 され る こ とを憲 法 で 明 示 して 、 ア メ リカ憲 法 第2条 第 1節 第1項 の よ うに弾 劾 を受 け た者 を 除外 す る な ど、 憲 法 内在 的 限界 を具 体 的 に規 定 す る こ とが 望 ま しい。 手 続 的 に は、 大 法 院 の 意 見 を聴 取 す る よ う に した り、 仮 称 「恩 赦 委 員 会 」 の 事 前 審 査 を経 る よ う にす る改正 案 が 考慮 され 得 る。
3.大 統 領 の 国会 出席 及 び 発 言 権 維 持 の是 非
大 統領 の 国 会 出席 及 び発 言権(第81条)は 、 大統 領 が 国会 を牽 制 な い しは統 制 す る側 面 よ りは、 国政 運 営 に関 して 国 会 に協 調 を要 請 す る側 面 が 強 いの で 、 廃 止 す る必要 性 は少 ない。 しか し、 国務 総 理 及 び国務 委 員 の副 署制 度(第82条)
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は、 大 統 領 制 政 府 形 態 にお いて は帝 王 的 大 統領 の責 任 免 除 の性 格 を 内包 して い るの で 、 これ を規 定 す る と して も憲 法 に 明示 す る必 要 はな い で あ ろ う。
4.国 家 財政 領 域 で の統 制 強 化 方 案
国家 財 政領 域 にお いて 厳 密 で 公 正 な会 計監 査 及 び 決 算確 認 を担 保 して 、 これ に相 応 しい専 門性 と独 立 性 を維 持 す るた め に は、 監 査 院 を して 、 予 算 執 行 権 を 有 す る行 政 府 か らだ けで な く、 予 算 執 行 と関連 して 地 方 や 利 益 集 団 の陳 情 な ど か ら自 由 に な り得 な い議 会 か ら も独 立 させ る方 案 を考 慮 す る こ ともで き るで あ ろ う。 この場 合 、大 統 領 の提 案 に基 づ き国会 が 表 決 で 監 査院 の構 成 員 を選 出 し、
大統 領 は選 出 され た者 を必 ず任 命 す る よ うにす る と ともに 、監 査 院長 の任 期 は 一 期 に限 る こ とが 望 ま しい 。
また 、 現 行 憲 法 第9章 の 「経 済 」 に関 す る章 を 「財 政 」 に関 す る章 に改 め る と ともに、 そ の章 で監 査 院 に関 す る規 定 を置 く方 案 も考 慮 で き るで あ ろ う。 一一 方 、 監 査 院 を国会 に所 属 させ るな らば、 副 大 統 領 制 を導 入 す る とい う前 提 の下 で、 監 査 院 の業 務 の 中 の職 務 監 察 権 を副 大 統領 に担 当 させ る試 み も議 論 す る価 値 が あ るで あ ろ う。
国会 と大 統 領 の 双 方 に憲 法 改 正 案 の提 案 権 を 付与 した の は政 府樹 立 後 の建 国 憲 法 か らの こ とで はあ るが 、 これ は大 統 領 の優 越 的地 位 を徴 表 して お り、 また、
憲法 改正 は公 開 的 な討 論 と妥 協 を要 求 す る事 項 で あ るの で 、 国 会 だ けに提 案 権 を認 め る こ とが 妥 当で あ ろ う。
第3節 国 会
1.免 責 特 権 及 び不 逮 捕 特 権 な ど国 会 議 員特 権 の制 限 の是 非
これ まで 免 責 特 権 の対 象 に な る国 会 議 員 の 院 内 に お け る発 言 ・表 決 で あ って も、 そ の 内容 が 私 的 な もの で 、他 人 に対 す る侮 辱 や 名 誉 殿 損 、 私 生 活 の侵 害 を 目的 に した り、 この よ うな 発 言 が 過 度 な程 度 の場 合 に は、 免 責特 権 の対 象 とす る こ とは適 切 で な い とい う指摘 が あ っ た。 また、 国 民 的非 難 を受 け る国 会 議 員 の犯 罪 と関連 した 人 身拘 束 につ い て も、 不 当 な 防御 を可 能 に した 不 逮 捕 特 権 が 問題 にな った こ とが あ った 。 これ に 関 して、 憲 法 改 正 を通 じて 免 責 特 権 と不 逮 捕 特 権 を明 示 的 に制 限 す る方 案 、 免責 特 権 と不 逮 捕 特権 を規 定 して い る憲 法 規
定 を厳 格 に解 釈 す る こ とで もって 特 権 の 不 正 濫 用 を排 除 す る方 案 、 憲 法 は そ の ま まに して 法 律 で も って特 権 を制 限 す る規 定 を立 法 す る方 案 な どが あ る。 この よ うな特権 が 本 来 の趣 旨 と機 能 か ら逸 脱 して 、 不 正 に濫 用 され る事 例 と可 能 性 が存 在 す る とす れ ば、 憲 法 で 明示 的 に特 権 の 制 限 事 由 な どを規 定 す る方 案 も検 討 に値 す るで あ ろ う。
2.監 査 院 の 会 計 監 査機能 の国 会 移 管 問題
監 査 院 は国 家 の歳 入 ・歳 出の 決 算 、 国家 及 び 法律 が定 め た団 体 の 会 計 監 査 と 行 政 機 関及 び公 務 員 の職 務 に関 す る監 察 を す るた め に、大 統領 の所 属 下 に設 置
され た機 関 で あ る。 監 査 院 が ど こに所 属 して い るのか につ いて のOECD国 家 の 類 型 を見 れ ば、 独 立 機i関型 が18国 、立 法 府 型 が8国 、 行 政 府 型 が2国 で あ る。
これ まで も、 大 統 領 所 属 の監 査 院 に会 計 監 査機 能 を与 え た現 行 憲 法規 定 で は、
政 治 的 に 中立 か っ 独 立 的 な会 計 監 査 を遂 行 す るの に適 合 しな い とい う指摘 が な され て きた 。 したが っ て、 監 査 院 を独 立機 関 に して 独 立 性 を強 化 した り、 会 計 監 査権 を国 会 に移 管 す る方 案 も考 慮 で き るで あ ろ う。
3.国 政 監 査 制 度 の廃 止 問 題
国政 調査 制 度 を置 いて い るに もかか わ らず 、別 途 、 毎 年 定 期 的 に 国政 全 般 に つ い て監 査 す る国政 監 査 制 度 を置 くこ とは 、他 の 国 家 に は事例 の な い韓 国 に特 有 な制 度 で あ るた め に、 国政 監 査 制 度 を廃 止 すべ きで あ る とい う主 張 が あ る。
国 政 監 査 が 生 産 的 な政 策 監 査 で は な く、 政 治 攻 防 に止 ま って い る とい う批 判 及 び過 度 な資 料 要 請 な どの 副作 用 が 指 摘 され て い る とこ ろで あ る。 この よ うな問 題 点 が 国政 監 査 制 度 を廃 止 しな けれ ば な らな い理 由 とな るの か 、 それ と も制 度 は維 持 す る もの の運 営 方 式 を 改 善 す る こ とで 解 決 で き る もの で あ るの か につ い て は、 見解 が 分 か れ て い る。 国政 監 査 制 度 廃 止 論 は、 この制 度 だ け をみ て 判 断 して い るの で は な く、 行 政 府 を統 制 す るた めの他 の 制 度 を議 会 が 持 っ て い るの か否 か とい う点 を も加 味 して主 張 して い る。 す な わ ち、 行 政 府 を牽 制 して統 制 で き る他 の制 度 が備 わ って お り、 この よ うな 国政 統 制 機 能 が 十 分 に機 能 す るな らば、 国政 監 査 制 度 を置 く必 要 は な い とい う主 張 が有 力 に な って い る。 しか し、
この よ うな代 案 的 な 国政 統 制 制 度 が 不 在 で あ っ た り、 あ るい は、 その機 能 性 が
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微 弱 で 行政 府 に対 す る効 果 的 な統 制 が行 わ れ な い場 合 に は、 た とえ 国政 監 査 制 度 が 問題 点 を有 して い る と して も権 力分 立制 の 目的 と運 営 に寄 与 す る とこ ろが あ るで あ ろ う。
4.予 算 と法 律 の不 一 致 解 消 な どの財 政 憲 法 関 連
制 憲 憲 法 以来 、 憲 法 は、 法律 とは別 に予 算 に関 す る規 定 を置 くこ とで もって 法律 と予 算 を別 に規 定 した し、 現 行 憲 法 も第53条 の法 律 議 決権 とは別 途 に第54 条 で 予 算 議 決 権 を規 定 して 、 法律 と予 算 の形 式 を 区別 して い る。 これ まで わが 国 のQ会 制 度 運 営上 、 予 算 の反 映 の な い法 律 が 量 産 され 、 法律 は通 過 したが 予 算 の裏 づ けの な い場 合 が 発 生 した り、 予 算 は通 過 した が 予算 編 制 と執 行 の根 拠 とな る法 律 の 未施 行 な どに よって 予 算 と法 律 の不 一致 が 発 生 す るな どの問 題 が 発 生 した 。 憲 法 改正 を通 じて、 予 算 が法 律 と同 等 な効 力 を有 す る よ うに す る場 合 に は予 算 審 議 の慎 重 性 と独 立 性 が強 化 され るで あ ろ う し、 予 算 と法 律 の不 一・
致 か ら生 じ る問題 点 が あ る程 度 解 決 され得 る とい う点 が 指摘 され て い る。 もっ と も、 この問 題 は、 憲 法 の改 正 よ りは、 まず 関連 法律 の制 定 ・改 正 を通 じて問 題 点 を改 善 す る こ とので き る もの と思 わ れ る。
5.国 会u員 を対 象 とす る国 民解 職(召 還)制 度 の導 入 の是 非
国 民 解 職 制 度 の導 入 に 関 す る論 議 は、腐 敗 した り無 能 な 国会 議 員 に も、 憲法 が規 定 して い る4年 の任 期 を保 障 しな けれ ば な らな い のか とい う問題 提起 と と
もに浮 上 した もの で あ る。 現在 の 制 度 に よれ ば、 選 挙 に よ り選 出 され た 国 会議 員 が 国 民 の意 思 を歪 曲 した り無 能 ・腐 敗 した 場 合 に も、選 挙 以 外 の 方 法 で は そ
の法 的 ・政 治 的責 任 を問 え ない のが 実 情 で あ る。
こ こに、 選 出職 公 職 者 で あ る国 会 議 員 に対 す る国民 解 職 制 度 を通 じて任 期満 了前 に も解 任 で き る よ うにす る こ とで もって 、 国 民 の 国会 議 員 に対 す る統 制権 を確 保 して 国 民 と国 民 の 代 表 者 で あ る国 会 議 員 との意 思 表 示 の 乖 離 現 象 を克 服 し、 窮 極 的 に は代 議 制 民 主 主 義 の補 完 を通 じて 国 民主 権 を強 固 に し よ う とい う のが 、 国 民解 職 制 度 で あ る。 これ まで も、一 定 の 事 由 が あ る場 合 に0定 の手 続 に よっ て 国 民 解職 制 を導 入 すべ きで あ る とい う議 論 は あ った が 、 国 民 解 職 制 に 対 す る明 示 的 な憲 法 的 根 拠 な しに法 律 で これ を導 入 す る場 合 に は違 憲 の可 能 性
が 大 きい とい うお それ もあ った 。 国 民解 職 制 度 は長 所 と短 所 を 同 時 に有 して い るの で 、 導 入 に は慎 重 を期 さな けれ ばな らな いで あ ろ う。 特 に わ が 国 に国 民解 職制 が導 入 され る場合 には、 政 治 的不 安 定 と選 挙 の 日常化 が現 れ る可 能性 な ど、
政 治現 実 にお け る順 機 能 と逆 機 能 を比 較 ・検 討 しな けれ ば な らな いで あ ろ う。
6.国 会議 員 の 国務 委 員 兼 職 制 限 問題
憲法 改正 時 に大統 領 制 を強 化 しよ う とい う議 論 の0つ と して 、 議 院 内閣 制 的 要 素 で あ る国会 議 員 の国務 委 員 兼 職 を禁 止 しよ う とい う もの が あ る。 現 在 、 憲 法 や 法律 で兼 職 を禁 止 して い な いの で、 大統 領 が 国会 議 員 を統制 す るた めの̀ニ
ンジ ン'の 機 能 を果 た して い る と指 摘 され て い る。 この 問題 は政 府 形 態 と関 連 す るが 、議 院 内閣 制 政府 形 態 を採 る国 家 の憲 法 で は国 会議 員 の 国務 委 員(閣 僚) 兼 職 を許 して お り、 大 統 領 制 政 府形 態 を採 る国 家 の 憲 法 で は国会 議 員 の国務 委 員 兼 職 を原 則 的 に禁 止 して い る。大 統 領 制 的 要 素 の 強 化 、 権 力分 立原 則 へ の 忠 実 、 大 統領 の議 会 統 制 的要 素 の 除 去 な どの 理 由 か ら、 国会 議 員 の 国務 委 員 兼 職 を禁 止 す る こ とが 望 ま しい とい う見 解 が あ る。 そ の方 法 として、1960年 憲 法 の よ うに憲 法 に規 定 す る方 案 もあ り、 また 、 法律 を通 じて 兼 職 禁 止 を規 定 す る方 案 もあ り得 るが 、 憲 法 改 正 時 に国会 議 員 の 国務 委 員 兼 職 禁 止 を反 映 す る こ とが 検 討 され るべ きで あ ろ う。
7.国 会 の 国務 委 員解 任 建 議権 の 削 除
この制 度 は、執 行 に関 して 大 統領 を補 佐 す る国務 総 理 と国務 委 員 に対 して政 治 的責 任 を追 及 す る こ とで もっ て、 大 統領 を 間接 的 な が ら牽 制 で き る よ うに す る制 度 で あ る。 しか し、 この 制 度 は解 任 建 議 に対 す る拘 束 力 が な い点 で 議 院 内 閣 制 の下 で の解 任 議 決 制 度 とは異 な って い る。 国会 の 国務 委 員解 任 建 議 制 度 に 関 す る意 見 と して は、 削 除 、現 行 規 定 維 持 、 解 任 議 決 権 へ の 改正 の三 つ に整 理 され る。 しか し、 国 会 が政 府 を牽 制 で き る制 度 として の 意 義 を も生 か しなが ら、
その 解 任 の 可 否 は任 免 権 者 で あ る大 統 領 の終 局 的判 断 に任 せ る現 行 の解 任 建議 制 度 を維 持 す る こ とに、 別 段 大 きな 問題 点 は な い もの と思 われ る。
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8.政 府 の 法律 案提 案 権 の廃 止 に関 す る検 討
議 院 内閣 制 的 要 素 に属 す もの と見 る こ との で き る、 政 府 の 法 律 案 提 案 権 を、
廃 止 し よ う とい う議 論 が あ る。 しか し、 代 表 的 な大 統 領 制 国 家 で あ る アメ リカ の場 合 で も、政 府 に法 律 案 提 案権 は な い ものの 、 実 質 的 に は政 府 が 立案 した法 律 案 を議 員 が発 議 す る形 式 で 提 出 され る こ とが 多 い。 最 近 にな っ て議 員 立 法 の 活性 化 な どを通 じて 議会 の 立 法機 能 が 強 化 され て はい るが、 現 実 的 に は政 府 立 法 の比 重 と重 要性 が 大 き い とい う点 を勘 案 す れ ば 、現 行 規定 を維 持 す る こ とが 望 ま しいで あ ろ う。
第4節 直 接 民主 主 義 規 定 の 改 正 に関 す る論 議 1.間 接 民主 主義 の補 完策 として の 直 接 民 主 主 義
わ が憲 法 は、代 表 制 を原 則 と して 、 直 接 民 主 主 義 を制 限 的 に規 定 して い る。
しか し、 国 民 投 票 も大 統領 や 国 会 が 主 導 権 を持 っ て始 めな けれ ば行 わ れ な いか ら、 事実 上 、 装飾 的 意 味 に止 まっ て い る と思 わ れ る。過 去 、 市場 の失 敗 に対 応 す るた め に政 府 介 入 が 始 ま り、 この よ うな政 府 の 介 入 の一環 と して 代 議 制 が 開 発 され 、 民 主 主 義 が 始 ま った 以後 に は代 議制 が原 則 的 な形 態 と して席 を 占め る
よ うに な っ た。 だが 、 この よ うな政 府 の 介 入 は理 想 論 とは異 な り、 現 実 的 には 多 くの副 作 用 を もた らす よ うにな った し、 これ は今 日、 政 府 の失 敗 とい う経 済 学 的 ・社 会 学 的 な用 語 の 生 成 を もた ら し、 極 端 な場 合 に は無 政 府 主 義 に まで発 展 す る よ うに な った 。 この よ うな時 代 的状 況 を反 映 す る もの が 、 ま さ に直 接 民
主主 義 の要 請 とい え るので 、 これ につ い て検 討 しよ う と思 う。
直 接 民 主 主 義 の 効 用 は、 単 に代 議 制 を補 完 す る こ とに のみ あ る と見 て は な ら ない 。 事 実 、 主権 を思 い どお りに行 使 す るた め に は直 接 民 主 主 義 が 最 も理 想 的 な もので あ ろ う し、 この よ うな 点 で 直接 民 主 主 義 を検 討 して み る こ とは意 味 が あ ろ う。
代 議 制 の 問題 点 を単 に代 議 制 自体 で 解 決 し よ う とす る こ とは 、 数 多 くの政 治 改革 の努 力 に もか か わ らず 、 そ の実 効 性 が 疑 わ しい と思 わ れ るの で 、 代 議制 下 にお け る国 民 と代 表 機 関 との関係 を代 議 制 自体 で解 決 す るの も重要 で は あ るが 、 直接 民 主 主 義 を土 台 に も う少 し代 議 制 の本 来 の 目的 を達 成 で き る よ うに修 正 す
る こ と も必 要 で あ ろ う と考 え られ る。
現 在 の 民主 主 義 の 中心 で あ る代 議 制 の未 完 の 課題 の一 つ は、 非 民 主 政 で あ る 寡 頭 政 を終 息 させ られ な か った とい う点 で あ る。 この よ うな寡 頭 政 は、 エ リー ト政 治 とい う理 論 で民 主主 義理 論 の 中 に入 っ て きた し、 ル ソーが 予 想 して い た、
自己支 配 下 に お い て 自由 とい う理 念 が実 現 され る とい う本 来 の趣 旨に照 ら して み る とき、 治 者 と被 治 者 を 区分 す る代 表 制 は、 自 己支 配 とい う理 念 を放 棄 す る
もの で あ る とい う こ ともで き る。
しか し、 エ リー トとい う存 在 は どの よ うな政 治 構 造 に お い て も存 在 した し、
単 に その エ リー トた ちの形 成 と組 織 の形 態 に よっ て、 民主 主 義 で あ るか 否 か が 決 定 され る とい う こ ともで き る。 した が って 、 代 表 的 な エ リー ト主 義 者 で あ る シ ュ ンペ ー ター に よれ ば、 民主 主 義 は政 治 過 程 で あ り、 民 主 主 義 とはエ リー ト の不 存 在 で は な く、 様 々 な エ リー トが存 在 して彼 らが 国 民 の投 票 の た め に競 争 す る体 制 で あ る とい う こ とが で き る とい う。 これ は、 強 要 す るエ リー トで は な く、 提 案 す るエ リー トとい う点 が、 民 主 主 義 的 エ リー トの特 徴 で あ る とい うこ とが で き る。 しか し、 この よ うな主 張 に もか か わ らず、 わ が 国 にお け るス リー 金 政 治(金 鍾 泌 、金 泳 三 、 金 大 中)と か 、 日本 に お け るボ ス政 治 は、 そ の実質 は民 主 政 とい うよ りは寡 頭 政 で あ り、 民 主 主 義 に反 す るの で はな い か とい う問 題 点 が存 す る。 この よ うな 点 で 、 代 表 制 は濫用 され る場 合 、 換 言 す れ ば 、 国 民 の 自己支 配 が 思 い どお りに 具現 され な い とき は、 寡 頭 政 とい う独 裁 に転 落 す る 危 険 を持 っ 制 度 で あ る とい う点 に注 意 す る必 要 が あ る とい え よ う。
2.直 接 民 主 主 義 の導 入 方 向
過 去 の 直接 民 主 主 義 が 自 らの政 府 へ の制 限 的 な参 加 を意 味 した とす れ ば、 現 在 の直接 民 主主 義 は制 限 的 な参加 で は な く、 技術 的 に直 接 民主 主 義 が可 能 にな っ た状 況 にお け るイ ン ター ネ ッ トやTVな どの媒 体 を通 じた全 般 的 な 参加 を前提 とす る直 接 民 主 主 義 で あ る とい う事 実 で あ る。 そ して 、 この よ うな ネ ッ トワー クに よって 市 民 の 間 で の討 論 が 可能 にな った た め に、 現 在 の状 況 に お け る直接 民 主 主 義 の 問 題 点 に対 して解 決 策 を提 示 で き る よ うに な っ た ので あ る。 過 去 に も もち ろん世 論 の 調 査 を熱 心 に しよ う とは した が 、今 は そ の程 度 が よ り一層 強 化 され た とい う こ とが で き るで あ ろ う。 劇 的 な何 らか の公 共政 策 が 実 行 され る 場 合 に 、一 般 的 な公 衆 の 同 意 が 得 られ なか っ た ときに は、 国 民 の 問議 と抵 抗 に
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突 き 当 るた め で あ る。 か くして 、 政 府 と言 論 は よ り一 層 この よ うな 政 策 決 定 に お いて は 国 民 の世 論 に神 経 を使 う よ うに な るの で あ る。 この よ うな理 由で 、 ス イ スや イ タ リア及 び その他 ア メ リカ大 陸 にお い て は、 彼 らの 憲 法規 定 を通 じて 、 国民 発 案 と国 民解 職 制 度 を許 容 して い るの で あ る。 しか し一 方 で は、 直 接 民 主 主義 が 内包 して い る様 々 な 問題 点 の た め に、現 在 で は、 反 直 接 民 主 制 が0般 的 意 味 を有 して い る とい え るで あ ろ う。
また 、 現 在 の代 表 制 度 は 、代 表 機 関 の 間 の 利 益 対 立 や 意 見 対 立 が あ る場 合 に は、解 決 が で きず に 国家 機 関 の 障 害 状 態 に な った り、 あ るい は代 表 機 関 の 間 で 自 らの 利 益 を維 持 す るた め に密 室 談 合 をす る傾 向 が あ るが 、 直接 民 主 主 義 が 拡 大 導 入 され るな らば 、 この よ うな問 題 点 は公 開 され た場 で 自 由 に進 行 され て、
根 本 的 に国 民全 体 の 利 益 に な る方 向で 決 定 され得 るで あ ろ う と思 われ る。
結 論 的 に は、 直接 民 主 主 義 の核 心 は、単 に国 民 が直 接 決 定 す る とい うよ りも、
対話 と討 論 へ の 参 加 の問 題 で あ る とい え るで あ ろ う。 また、 直 接 民主 主 義 は代 表制 に代 替 す る とい う意 味 か らで は な く、代 表 制 を補 完 して 代 表 た ち を統 制 す
る とい う意 味か ら接 近 す る必 要 が あ る。
この よ うな理 由で 、 わが 国 にお いて 直 接 民 主主 義 的 要 素 を導入 す る とす れ ば 、 国民 解 職 制 度 の 導 入 と国 民 発 案 制 度 の導 入 が考 慮 され得 る。 もち ろ ん、 この場 合 に も、基 本 的 な内 容 は憲 法 に規 定 して、 よ り具 体 的 な施行 要件 な どにつ い て
は法 律 に規 定 す る こ とが 望 ま しい で あ ろ う。
第4章 司法 制 度 ・憲 法裁 判 分 科 委 員会
第1節 現 行 憲法 上 のL司 法 府 構 造 の 問題 点
現 行 憲 法 は、 法律 の違 憲 の可 否 に関 す る審判 権 を憲 法 裁 判所 に付 与 す る0方 、 命令 ・規 則 ・処 分 の違 憲 の可 否 に 関 す る最終 的審 判権 は大 法 院 に付 与 す る こ と で 、 憲 法 裁 判 機 関 を二 元 化 させ て い る。
憲 法 裁 判 所 を法 院 とは別 の独 立 的 な国 家機 関 と しなが らも法 院 の裁 判 に対 す る憲 法 訴 訟 を認 め る例(ス イ ス)で 見 られ る よ う に、 憲法 裁 判 所 を独 立機 関 に す るの か 、 そ うで な けれ ば 司法 府 の一 部 と して構成 す るの か とい う問 題 が 、 直 ちに裁 判 に対 す る憲 法 訴 願 を認 定 す るか否 か と直 接 的 な関 連性 を有 す る もの と
見 るの は困難 で あ る。
憲 法 裁 判 機 関 の 二 元化 に よって 発 生 す る問題 点 が、 ① 憲 法 解 釈 の統 一 陸の 欠 如 、 ② 管 轄 紛 争 の発 生 の 素 地 、③ 裁 判 訴 願 排 除 に よ る憲 法 訴 願制 度 の 歪 曲 、で あ る とい う こ とにつ い て は、概 ね 認 識 を 同 じ く した。
しか し、 そ の解 決 方 案 にっ い て は見解 に差 異 が 現 れ た。 特 に接 近 方 法 論 と関 連 して、̀憲 法 裁 判 の本 質'を 司法 作用 と見 るべ きか、 それ とも他 の性 質 の 国家 作 用(例 え ば̀第4の 国 家 作 用')と 見 るべ きか に 関 して は見解 が 分 か れ た。
第2節 憲 法 裁 判 の 本質 1.問 題 の所 在
憲 法 裁判 につ い て普遍 的概 念 定 義 を下せ るの か に関 して は争 いが あ り得 るが 、 憲 法 裁 判 に関 す る一 応 の概 念 定 義 を下 す 問題 と、 そ の よ うな概 念 定 義 を基 に具 体 的 な憲 法体 制 の下 で そ の範 疇 を画定 す る問題 とは 区別 しな けれ ば な らな いで あ ろ う。
憲 法 裁判 は、 一 般 の民 事 裁 判 、刑 事 裁 判 、行 政 裁 判 とは 区別 され る様 々 な特 性 を有 して い るた め に、 憲 法 裁判 の本 質 に関 して は、 司法 作 用 説 、 立法 作 用 説 、 政 治 作用 説 、 そ の他 の国 家 作用 説 な どの学 説 対 立が あ る。 しか し、 憲 法 裁 判 は、
憲 法 規 範 を審 査 の基 準 と して 憲 法 的 紛 争 を有 権 的 に判 定 す る こ とで もっ て憲 法 を実現 す る国家 作用 で あ る とい う点 で 、 司法 的法 認 識 作用 と見 る こ とが で きる。
憲 法 裁 判 の 本 質 に関 す る問題 は、 憲 法 裁 判 を 司法 審 査 制 にす るの か 憲 法 裁判 所 型 にす るの か 、 また、 憲 法 裁 判 所 を置 く場 合 で も これ を 司法 府 に編 制 す るの か 、 それ と も別 個 の 国家 機 関 と して設 定 す るの か 、 さ らに は、 憲 法 裁 判 官 の任 命 方法 とそ の資 格 を どの よ うに構 成 す るの か な どの 問題 と結 びっ い て お り、 そ の他 に も憲 法裁 判 の 請 求 要 件 、 憲 法 裁 判 所 の判 決(決 定)の 効 力 な ど とも関連
して い る。
2.多 数 意 見
憲 法 裁 判 は純 粋 な意 味 の 司法 作 用 で あ り、 憲 法 裁 判 所 は法 院、 す な わ ち憲 法 法 院 で あ る と解 す る。 司法 作 用 と して の 憲 法 裁判 に も、他 の法 領 域 の裁 判 作用 の よ うに法 創 造 機 能 を認 め る こ とはで き、 憲 法 裁 判 の場 合 に は法 創 造 機 能 が特
韓 国憲法 学会編 『憲法改.r研 究(要 約版)』(下)
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に際 立 って 現 れ るが 、 しか し、 これ を もって 憲 法 裁 判 を政 治 作 用 と解 す る こ と はで きな い とい うの で あ る。
3.少 数 意 見
憲 法 裁 判 は、 純 粋 な 司法 作 用 で は な くて、 政 治 的性 格 を も有 して い る とい う 前提 の下 に、 憲法 第101条 第1項 は̀法 院'に 司法権 を付与 して い るので あ るか ら、 最 高 法 院 で あ る大 法 院 が 司法 権 を行 使 す る最 高機 関 で あ る と見 る。 この見 解 は、憲 法 的 紛 争 は法 的紛 争 とい うよ りは政 治 的 紛 争 で あ り、 そ の よ うな紛 争 を解 決 す る作 用 は政 治 作 用 で あ るか ら、 憲 法 裁 判 は̀司 法 的形 式 の服 を着 た政 治 的 決定 ・ と理 解 す るカ ール ・シ ュ ミッ ト(CarlSchmitt)の 見 解 に影 響 を受
けて い る もの と見 られ る。
第3節 第5章(法 院)と 第6章(憲 法 裁 判 所)の 編 制 調 整 の 問題 1.問 題 の所 在
同 じ司法 権 を行 使 す る法 院 と憲 法 裁 判 所 を別 途 の章 で 規定 して い る現 行 の編 制 方 式 は、 あた か も憲 法 裁 判 所 が 司法 府 で な い もの の よ うに、 また は、憲 法 裁 判所 が 政 治 的 に裁 判 を す る こ とが で き る もの の よ うに誤 解 され る素 地 を孕 ん で い る。 大 法 院 と憲 法 裁 判 所 は、 対 等 な地 位 を有 す る司法 機 関 で あ る。 した が っ て、 一つ の̀司 法 府'の 章 で法 院 と憲 法 裁判所 を一緒 に規定 す る必 要 が あ る とい うの が 多 数 の 見解 で あ る。 第5章 と第6章 を̀司 法府'と い う一 つ の章 に統 合 す る場 合 、 第1節 総 則 、 第2節 憲 法 裁 判 所 、第3節 法 院 に 区分 して規 律 す る こ
とが 望 ま しい とい う見 解 が提 示 され た 。
法 院 と憲 法 裁判所 を一 つ の章 の 中 に規 定 す る場合 、第101条 第1項 の文言 を 「司 法 権 は、 大 法 院 を最 高 法 院 とす る法 院及 び憲 法裁 判 所 に属 す る。」 と、 改正 す る 必 要 が あ るで あ ろ う。̀憲 法 裁 判 所'と い う表 現 を̀憲 法法 院'に 変 更 す る こ と も可 能 で あ るが 、 憲 法 裁 判 所 とい う用 語 にす で に慣 れ 親 しん で い るの で 、憲 法 裁 判所 とい う表 現 を その ま ま使 用 す る こ とは構 わ な い とい うの が 多 数 の 見 解 で あ る。 これ に対 して は、 憲 法 裁 判 所 とい う表 現 よ りは̀憲 政 法 院'と い う表 現 が望 ま し く、 また 、̀裁 判 所'と い う表 現 は 日本 植 民 地 時代 の残 津 で あ る とい う 問題 の 提起 もあ っ た。
2.多 数 意 見
法 院 と憲 法 裁 判 所 を別 個 の章 で 規 定 して も、 本 質 的 な差 異 はな い と見 る。
3.少 数 意 見
現 行 の編 制 方 式 は 憲法 制 定権 力 者 の政 治 的決 断 で あ る と見 るべ きで あ り、 ま た 、 両 者 を分 離 して規 定 して い る外 国 の 事例 もあ るか ら、 現 行 の ま ま に置 くべ
きだ との見 解 で あ る。
第4節 大 法 院 の組 織 問 題 1.多 数 意 見
政 策 法 院 と して の機 能 は憲 法 裁 判所 一 つ で 充 分 で あ り、 か わ りに大 法 院 を ド イ ツの よ うに幾 つ か の専 門法 院 に細 分 化 す るか 、 また は、 大 法 院 の部 を増 や し て事 件 負 担 を軽 くす る必 要 が あ る とい うのが 多 数 の見 解 で あ る。 幾つ か の最 高 ・ 最 終 審 の専 門法 院 を置 く場 合 に は、 専 門 法 院 相 互 間 の判 例 の統 一一性 を確 保 す る た め に、 専 門 大 法 院所 属 の大 法 官全 員 の 合 議 体 を構 成 す るの が望 ま しい とい う 見解 が 提 示 され た。
2.少 数 意 見
現 行 ど お りに し よ う とい う見 解 で あ る 。
第5節 裁 判 訴願 の導 入 問 題 1問 題 の所 在
憲 法 は憲 法 訴 願 審 判 の 対象 を法 律 に留保 して お り、 憲 法裁 判 所 法 は憲 法 訴 願 の対 象 か ら法 院 の裁 判 を除外 して い る(法 第68条 第1項) 。原 行 政処 分 の憲 法 訴 願 審 判 対象 性 に関 す る学 説 の対 立 とは別 に 、憲 法裁 判 所 の判例 で は、 原 行 政 処 分 は原 則 的 に憲 法 訴願 の 対 象 に な らな い とい う態 度 を堅 持 して い る。 これ に伴 い、 憲 法 訴 願 の対 象 は、 行 政 処 分 の うちの権 力 的事 実 作 用 と検 察 の処 分、 執 行 行 為 の媒 介 な しに基 本 権 を直 接 侵 害 す る法令 な どに限 定 され て い るの で 、 憲 法 訴願 が主 観 的権 利 救 済 で あ る とい う、 そ の本 来 の機 能 を果 た せ な いで い る。 こ こに、 法 院 の裁 判 も憲 法 訴願 の対 象 に しな けれ ぼ な らな い の で はな いか 、 とい