201Tl心筋SPECT回転中心の違いが
画像に与える影響
府中幸成拶臼井育鰭丑谷健次※
中嶋憲一※※
〔目的]
201Tl心筋SPECTの収集法として、現在180.
収集法が主流をなしているが、その180.収集の場 合、回転中心を心臓におく方法と体軸におく方法
とが考えられる。
そこで、今回我々はファントム実験でこれら2 つの収集法について360.収集法と併わせて比較検 討したので報告する。
〔使用装置及び使用器具〕
シンチカメラ:テクニケア社製Q-500 コリメータ:低エネルギー用汎用コリメータ 画像処理装置:テクニケア社製MCS-560 心臓ファントム:京都科学RH-2型
〔収集条件及び処理条件〕
360.法は、lフレーム15秒で60方向より収集 し、また180゜法はRAO45oからLPO45゜まで回 転させ、lフレーム30秒で30方向より収集した。
マトリックスは、心臓ファントムを用いたものに ついては64×64、それ以外は128×128で行なった。
再構成フィルターはハニングを用い、スムージン グや吸収補正は行なわなかった。また、スライス 厚は全て1cmを基準とした。
〔実験方法〕
(1)人体胸部X線CT像のシェーマをもとに検出 器と心筋部との距離を実測した(図l)。実線は 体軸中心で回転させた場合(shift法)、点線は心 臓中心で回転させた場合(center法)である。
当院の臨床経験より、center法の回転半径を22 cm、shift法の回転半径を25cmとした。
(2)内径1mm程度のラインソースにlmCi/m0の 201Tlを封入し、360.法,center法,shift法で それぞれ収集した(図2)。回転中心に向かう方 向をY軸、それに垂直に交わる方向をX軸として
2つのFWHMを算出した。
Center法では、X・Yのばらつきは多少あり、
C点。D点のY方向の分解能が、X方向のその値 をやや下回った。またshift法では、X・Yのば らつきが目立ち、画像上回転中心に引っ張られて いるような結果となった(図4左)。
(3)先の実験の位置に10/αCi/Mの201Tlを注
入した内径2cmのチューブファントムを置き収集
した(図3)。それぞれのチューブファントムの マックスピクセルを中心に4×4ピクセルの関心 領域を設け、その領域内の平均カウントをSPECT 値として算出した。その結果、shift法における C点.D点の値がcenter法のその値をわずかで はあるが上回った(図4右)。
(4)心筋ファントムの左室部分に1ノビ`Ci/m(の 201Tlを注入し、左室長軸が回転中心と平行にな るようにしてそれぞれの方法で収集し、サーカム フレンシャルカーブを求めた(図5)。
(5)実際の臨床での収集を想定し、心筋ファント ムにバックグラウンドを加えた状態で実験した。
201Tlを心筋部分には200Mあたり1mCi、肺野 部分にはオガクズ2(あたり500浬Ci、左室内腔 及び右室部分には300Mあたり80ノビKCiを注入した。
これらの比率は単位容積あたり20:1:1である。
尚、縦隔部分は水で満たした。
Shift法・center法で比較すると、心筋部分 maxカウントに対する心腔部分、inカウントの 比率は、約10%shift法が優れていた(図6)。
〔結果及び考察〕
180゜収集の場合、心筋中心よりも体軸中心に回 転させた方が、
1.前壁から側壁にかけての距離が近づくた め、分解能が向上する。
2.X軸方向とY軸方向の分解能に差が出た。
3.濃度の均一性がわずかに良かった。
臨床において、何例かにこの収集法の違いによ る大きな差が見られたが、今回我々の行ったファ ントム実験では、臨床例ほど顕著な差は見られな かった。このような現象が出る原因として、①バ ックグラウンドの影響,②コリメータの性能,③ 画像再構成等の影響が考えられるが、これらにつ いては、今後の検討課題としたい。
〔結論〕
180.収集(RAO45。~LPO45゜)を行う場合、有 効視野から胸部が外れないようにするだけでなく、
その分解能を高めるため、検出器と身体との距離 をLAO45.方向になるべく近づけるようにその 位置決めを工夫すべきである。
※恵寿総合病院放射線部
※※金沢大学核医学科
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