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デジタルアーカイブの調査研究 : 博物館情報の標 準化動向を中心に

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(1)

デジタルアーカイブの調査研究 : 博物館情報の標 準化動向を中心に

著者 八重樫 純樹, 和久田 聖衣

雑誌名 静岡大学情報学研究

巻 10

ページ 127‑146

発行年 2005‑03‑10

出版者 静岡大学情報学部

URL http://doi.org/10.14945/00002672

(2)

1研究ノ■卜

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品詰■

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品‖●●1■■■■‖‖

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1‖

デジタルアーカイプの調査研究

一 博 物 館 情 報 の 標 準 化 動 向 を 中心 に 一

An hvesdgation Research on the Digital Ar(ね 市

es

一 The standar(置

zadon trend ofmuseuⅡ l hぱ

oHmadon一

和 久 田聖 衣0,八重樫 純樹 ←→

(*)清 水 郵 便 局 保 険課 (**)静岡大 学 情 報 学 部 Kiyoe Wakuda(*)and Junki Yaegashi(**) (*)Shimizu Post Offlce hsurance Secdon, (**)Faculty of Lttrlnatics,Shizuoka University

1日

はじめに

近年、 コンピュータの普及、インターネッ ト 回線の高速・低額化 に伴い、博物館 をはじめ と して、地方 自治体や企業などデジタルアーカイ ブヘ取 り組む組織が増加 してきている。

デジタルアーカイブとは、有形 。無形の歴史・

文化資産 をデジタル情報の形で保存、蓄積 し、そ の情報の次世代への継承 を図るとともに、閲覧、

鑑賞、研究 のため にインターネ ッ トな ど情報 ネットワークを通 して情報発信 してい くことを 目的 とするものである

(注 1)。

デジタルアーカイブが普及 しつつある反面、

問題 も発生 している。 日本 においては、デジタ ルアーカイブに関する明確 な基準や遵守すべ き 規格 というものは存在 していない。そのため、 組織が独 自にコンテンツを作成 してお り、それ ぞれに対 し利用法が異な り、様式 も統一 されて いない。そのことか ら情報の共同利用、国際流 通 を考 えた際に困難が生 じて しまう。 これらの 問題 を回避するために、統一 したメタデータ基 準の策定が求められている。

そこで本論では、海外のデジタルアーカイブ

に関する取 り組み と共に、 日本の博物館施設 に おける取 り組み状況の調査 を行 った。そ して海 外の状況 を参考 に、 日本 において統一 したデー タ標準 を浸透 させるためにどのようにすべ きか 考察 を行 った。

2.世界標準とデジタルアーカイブ 先進国の状況

博物館の世界 においても情報化が進んで きた。

その結果、情報の「国際化」が大 きな課題 とし て取 り上げられるようになってきた。 このこと は、国際的な展覧会の様 に物理的に資料

(作

や標本

)が

移動することだけでな く、博物館「資 料」に関する情報が世界 中のWeb上に多数存在 していることも指 している。そこで、情報検索 の効率化や博物館運営の効率化や仮想博物館の 構築 といった面か ら考 え、資料情報の標準化の 推進は博物館 にとっての大 きな課題 となってい

(文

(1))。

2.1 1COM‐ CIDOC

国際 ドキュメンテーシ ョン委員会

(CIDOC:

htematiolld Committee for Documentation)と

は、

(3)

デジタルアーカイブの調査研究

 

一博物館情報の標準化動向を中心 に一 表

博物館資料の最小限情報分類

項 目

1組織名

Institution name

2資料同定番号 0可

ect identiflcation lllllnber

3資料分類

Object category

4資

料名 Object name

5収蔵場所

6受入情報

Acquisition information

7資

料構成数 Number of parts or components

資酬斗タイ トフ

Object title

9記録情報

Record information

物理的記述 10法

量 Measurements

11素材 。材質

12技 術 Techniques

13記号、刻印

Marks and inscriptions

14主 題 Subjects, contents, Iconographical, keywords

15状 態 Condition

16画 像 Image

内容 に関する情報 17原

Origins 分 野

目録記入

国際博物館会議 (ICOM:Intemationd Council of MusellIIIs)が もつ

25の

国際的 な委員会 の一つで あ り、現在 お よそ 60カ 国

750人

以上 の メ ンバ ー が所属 している (注 2)。 ここで取 り扱 われてい る主 なテーマは、デー タの標準化 である。その 他 に も、多様性 の評価・知識 モデル・博物館 デー タな どについて もテーマ として取 り上 げ られて い る。

CDOCで

行 われた標準化への取 り組みの

1つ

が 、博 物館 資料 の最小 限情 報分類 (MICMO:

Minimum lnformation Categories for Museum

OtteCtS)で ある。 MICMOは 、

1994年 8月

ワシ

ン トンにて行 われた国際会議 の場 で、提 唱 され た (表 1)。 これが「最小 限」 と限定 されている のは、博物館 の規模 や種類 に関わ らず、将来 ネ ッ トワー ク化 の促進 の際 に、互いの基本 的 な共通 認識 としてデー タ項 目を規定 してお くべ きだ と 考 え られたか らであ る。

次 に、

CDOCは

文化財等博物館資料 を記述す るための国際的な標準 を設定す るための情報分

類ガイ ドライン

(注

3)を提案 した。「ガイ ドラ イン」では、資料の詳細 を記録する際に使われ る情報カテゴリーの定義、これ らカテゴリーに 入れる情報 を管理するための形式規則 と慣習の 概要、用語に関するコメン トが組み込 まれてい る。

また、「資料 の アカウ ンタビリテ イの保 障

(Accountab■ ty for collecdon)」

、盗難の際に所有 権の証明 と記述の際に利用で きるように「資料 保護の援助

(Security for couecdon)」

、長期間に わたるデータの有用性 を保護する手段 として利 用で きるように「資料 に関する歴史的な文書の 提供

(IIistodc archive for co■ ecdon)」

「資料への アクセスの支援

(Access to co■ ecdon)」

とい う四 つの目的をサポー トしている。

これ らの情報グループやカテゴリーは、包括 的または限定的なもの としてではな く、各博物 館で ドキュメンテーシ ョンシステムを組み立て るための参照モデルとなるように設計 されてい る。つまり、それぞれの博物館の状況に合わせ

(4)

博物館資料情報のガイ ドライン

情報 グループ No 情報カテゴリー

1

取得情報

2   3

取得方法 取得 日時・時期 取得源

(元

所有者

)

2 資料 の状態情報

5 6

状態の確認 状態の記述

状態確認の日時 。時期 処分情報

7

8 9 10

処分の 日時・時期 売却・処分の 日時。時却 処分の方法

受入人、受領者

4 記述情報 11

12

物理 的記述 標本 タイプ

画像情報

13

14

画像のタイプ 画像の参照 タイプ

6

機関情報

15

16 17 18

機関名称 部署名 機関の所在地 機関の所在する国名

所蔵情報 19

20 21 22

所蔵場所 所蔵方法

所蔵 の 日時 。時期 常置場所

記号・刻印情報

23

24 25 26 27 28 29

記号・刻印の文字 記号・刻印のタイプ 記号・刻印の記述 記号・刻印の方法 記号・刻印の位置 記号・刻印の言語 記号・刻印の翻訳

9

材質・技術情報

30

31 32

材 質 技法

構成要素 の記述

10 法量情報 33

34 35 36

寸法 計測値 単位 計測部位

資料関連情報

37 38 39 和 41

関連場所 関連 時期・ 日時 関連 団体 、人名 関連 の タイプ 本来 的機能 12

資料の収集情報

4 3

4 5

収集場所 収集時期 。日時 収集者名 収集の方法 資料の受入情報

46

47 48 の 50

現所有者 寄託者 受入 日時 受入番号 受入方法・理由

14

資料名情報

51

52 53

資料名

資料名のタイプ 資料名の命名者

資料番号情報

5   6

資料番号

資料番号のタイプ 資料番号の記載 日

16

資料製作情報

8   9   0 5   5   5   6

製作地、製作場所 製作 日、製作時期 作家名、製作団体 製作者の役割

17

資料の表題情報

61

62 63

表題、作品名 表題のタイプ 表題の翻訳名 構成要素情報

65

構成要素の数 構成要素の記述

19

記録情報

66

67 68

記録者

記録の 日時・時期 典拠、出典、情報源

20

参照情報

0 6 7

参照

参照のタイプ 複製権情報

71

72

複製権 に関する記述 著作権者名

描写情報

73 74

主題 主題 の記述

て、適切 なカテゴリーの組み合 わせ を作成 し、

要ならば、「ガイ ドライン」に記載 されていない 情報カテゴリーを追加する必要 もある。

その後 、

1998年

に CIDOC―

CRM(ConccptuJ

Reference Model)が 提案 された。博物館 の取 り 扱 う資料情報 は、 日録作成 の際 に数値化 で きる

情報 と、数値化で きる意味情報が入 り交 ざつて いる。現在分散 している各地のデータベースを 地球規模 で統一す ることを考 えた際 に、各種 データベースの異種性 を解消 しなければならな い。分散環境では、大域的スキーマを事前 に準

(5)

デジタルアーカイブの調査研究

 

一博物館情報の標準化動向を中心に一 表 3 SPECttRUMの

20の

「手続き」

資料 の受入れ

(0可 ect en町 )

保険

(Insllralllce management)

寄託

(Loans in)

損害賠償

(hdermity management) 獲得 (Acquis五 orl) 評価額 (Vduation control) 4

目録管理

(Inventory control) 14 監査 (Audit)

所在 及 び移動管理

(Location&movement control)

展 覧会 ・展示 (Exhib■ ions&displays) 16 搬 出 (Despatch)

6

目録作成

(Cataloguing) 17

貸出 し

(Loans out) 状態 チ ェ ック (Condidon checking)

損害

(Loss)

修復

(Conservation) 放棄 ・処分 (Deaccession&disposd) 9 複製 (Reproduction)

20 遡 及 ドキ ユ メ ンテ ー シ ョ ン (Retrospecive docllIIrlentation)

10

危機管理

(Risk management)

備 してお くことは不可能なため、必要に応 じ情 報 を収集 し、動的に大域的スキーマ を生成する ことが必要 となる。 この際、様々な意味的な異 種性 を検出・解消するため、名前 によつて表現 される内容 と、概念間の関係 を定義 しておかな ければならない。1998年 に提案が成 され、

2000

年か ら2003年 にかけてCRM作業部会 において 研究が続けられた。

2.2 英 国博 物 館 ドキ ュメ ンテー シ ョン 協会

博物館情報の標準化 を推進 している代表的な 組織 に

(英

)博

物館 ドキュメンテーション協 会 (MDA:Museums Documentation Association

(注

4))がある。英国は、ICOM̲cloDCの中で も有力なメンバーであ り国内で も独 自に標準化 に関 して取 り組みを行 っている。

MDAと は、イギ リスの独立非営利法人であ り、1960年代後半に設立 された博物館協会情報 検索 グループがその元 となってい る。 このグ ループが後 に博物館 ドキュメンテーシ ョン諮問 ユニ ットに推移 していった。イギ リスでは、

1991

年に自治省 によって公立博物館・美術館 に対 し て監査が行われた結果、多 くの公立博物館が未 登録の資料

(backlogS)を

抱 えていることが指摘 され た。 そ こで、英 国博 物館 美術 館 委 員 会

(MGC:Musellms and Galleries CoII‐ llSSiOn(注 7))

の認定する博物館登録制度 において、審査基準 内の ドキュメンテーションの比重 を高 く設定す るようになった

(注 5)。 MGCの

登録認定 によっ て、

MGCや

地区博物館協会

(AMC:Area Museum

Councls)な どか ら、資金援助 を受けることが可 能 となる。その他 にも、MGC,AMC以外か らの 資金援助や寄贈 を受ける際にも登録認定が成 さ れているか どうかが、その判断基準 とされる。そ のため、多 くの博物館で

MGCの

登録認定は重要 視 されている

(注 6)。

MGCでは、この認定の際 に、

MDAに

よる ドキュメンテーション方式の推 奨 を行 っている。つま り、イギ リスでは、

MDA

の ドキュメンテーシ ョン方式 に従わなければ、

博物館運営のための資金援助が受けに くい仕組 み となっている。

ドキュメ ンテーシ ョン水準 を高めるために、

1977年

に「博物館 ドキュメンテーシ ョン協会 (MDA)」

が設立 された。

MDAが

製作 した もの で、最 も長 く使用 されている ものに、 「博物館資 料 の記録 カー ド (注 8)」 が ある。 これ は、現在 で も様 々な分野の博物館 で利用 されてい る。

MDAの

代 表 的 な取 り組 み に ドキ ュメ ンテー

シ ョン標準 の作成がある。

1960年

代 に、前 身で

あ る博物館協会情報検 索 グループによつて現在

MDAデ

ー タ標準が作成 された。当初、カタロ

グ作成用 であつたが、1980年 代 には コレクシ ョ

ン管理の側面 も持つ ようになった。それ以降、技

(6)

術 開発 の発展や最新 のシステム動 向 に応 じ拡 張 。改訂が行われていった。博物館で行われて いる手作業やコンピュータによる、

 

ドキュメン テーションシステムの正式なベース として利用 されている。

この標準がカバー しているのは、データを記 録 しているフイール ドの構造、文法、語彙 に関 する規則であ り、このように特定の規則 によつ て統制することにより、コンピュータによる索 引作業や検索が正確 に行 えるようになった。そ の後、

1994年

に「MDAデータ標準」の「手続 き」

部分 を標準化 し

SPECⅡ

M(Standard Procedures for Collecdons Recording Used in Museums)と

ばれる「英国博物館 ドキュメンテーシ ョン標準」

が完成 された

(表 3)。

そのね らいは、博物館が

「将来 も基盤 となり得る信頼性の高い一貫 したア プローチ」を確保 しなが ら、「独 自の博物館別手 順 を確立 し、所属博物館の情報ニーズの特定 を 支援するために利用で きる」枠組みを提供する

ことにある

(文

(1))。

現在、

SPEC葛

UMは2版まで発行 されてお り、第3版では、アーカイブズ

(Archives)へ

対応が計画 されている。 また、博物館が独 自の 手順マニュアルを作成する際に利用で きる対話 型バージ ョンも作成 されている。

2.3 

カ ナダ文化 財情 報 ネ ッ トワー ク 英国 と同様 にカナダで も博物館施設の資料の 情報化 に力 を入れて取 り組んでいる。文献

(2)

によると、具体的には、以下の4つのプログラ ムが実施 されている。

・ 博 物 館 支 援 プ ロ グ ラ ム (MAP:MusellIIIs Assis―

tancc Program):政

府が直接博物館 に財政援 助 し、助成金は展覧会の開催、施設・設備の 充実拡張、国際展覧会の技術 ア ドバ イスや保 険料 などに利用 されている。

・動産文化財 プログラム

(McP:Movabb Culmal

Proptt Program):文化財の管理制度 として 整 え られた もの。芸術作 品か ら自然科学標 本、歴史的な科学技術の機械 まで含 まれる。

。カナダ保存研究所

(CCI:Canadian Conservation lnstitute):1972年

に創立 され、カナダの重要 文化財の保存やその方法論 を研究 している。

他 にも、研修活動、国際シンポジウムの開催 なども行 つている。

・カナダ文化財情報ネットワーク

(CHIN:Cana‐

dian Heritage hbm血 oll network)(注

9):保

存 に関する情報提供機関 として、

1972年

に創 立 された。カナダの博物館・美術館 を結ぶ情 報ネットワークであ り、

120以

上のデータベー ス と接続 されている。

CHINは当初、「国定 目録策定指針」の一環 と して開設 された。

1970年

に採択 されたユネスコ の「文化財の不法な輸出入お よび所有権譲渡の 禁止お よび防止 に関する条約」 に対応するため である。カナダ政府は、総合的な博物館政策を 初めて公表 し、博物館 に所蔵する文化財の目録 を作成 した。これは、博物館 をは じめ とする公 共施設が所有する文化財 と科学的なコレクシ ョ

ンの情報 を、国定 目録 として整備する計画か ら 始 ま り、

1975年

7月 には情報検索システムが稼 動 し始めた。

国定 目録の提唱された年か ら

10年

後、新 しい 指針が打 ち出され、この とき、初めてネッ トワー クの名称が

CHINと

改称 された。この後、各機関 のデータベースはそれぞれの博物館 にオンライ ンでアクセスで きるように開発 され、その結果、

個々の館 のコレクシ ョンが有効 に管理 されるよ うになった。なかで も代表的なデータベースで あった人文系データベースは

1985年

に、自然科 学データベースは

1987年

に完成 され、それ と同 時に副産物 として数多 くのデータベース も製作

されていった。

1972年

CHINの開設当時 には、参加館 は4博 物館であったが、

97年

には欄

0館

が参加 し、

90

年代の後半 には

22カ

国600館 とリンクされるよ

うになつた。なお、95年

10月

か らは、インター ネッ トにも接続 されている。

現在 CHINで は、 Webサ イ ト上 で Artifacts

Canadaと して カナ ダ国内の 自然 や世界遺産 の

(7)

デジタルアーカイブの調査研究

デー タベ ース を公 開 している。国内の博物館 か らの何 百万件 もの コレクシ ョンレコー ドと32万 9千 枚以上 もの画像 を横 断的 に収集 されている。

これは、 カナダの専 門家 によ り、調査 や発見 の ため に利用 されている。

Artifacts Canadaに は、『 Humanides』 という美 術 。人類史分野、『 Natural Science』 という生物 化 学 や 地 球 科 学 、 鉱 物 学 に関 す る分 野 、

『 Archaeologica Sites』 とぃう考古 。人類史分野 の 3つ のコンテンッがある。

これらのプロジェク トには、カナダに関係す る機関であれば、 参加することが可能であり、そ れぞれの機関に対 して、データディクショナ リーが設定されている。

CHINデ

ータデイクショ ナリーは、

1970年

代以降からカナダの博物館に よって使用されているものであ り、現在のもの は、

SPEC葛UMや CDOC情

報 ガイ ドライ ンと の整合性 も考慮 に入れて作成 されている。

2.4 Dub:in Core Metadata E!ement

Set

博物館 に限 らず、全ての情報資源におけるメ タデータの基本 となるものにダブリン・コア・メ タデータ。エ レメン トセ ット

(注 10)が

ある

(以

下ダブリン・コアと略称する

)。

インターネット上の情報資源の効果的な発見 を目的 としたメタデータの必要性が認識 された ため、

1994年

WWW国

際会議での議論か らメ タデータ・エ レメン トセ ッ トの策定の取 り組み が始 まった。

1995年

の春 にアメリカのオハイオ 州 ダブリンで最初のワークシ ョップが開かれ、

様々な分野 に共通 に適用で きるメタデータの記 述の核 となるエ レメン ト

(cOre Metadata Element)

の必要性が合意 された。

翌年春 にイギリスで開かれたワークシ ョップ にて、13項 目の基本エ レメン トが合意 され、基 本的な枠組み となる概念が提案 された。その後

15エ

レメン トに改め られ、

1997年 10月

にヘルシ ンキで開催 されたワークシ ョップにて、最初の 基本エ レメン トとして固定することが宣言 され

一博物館情報の標準化動向を中心に

‑       132

た。 この基本 エ レメ ン トのみ を用 いてメタデー タを記述す ることを

simpleダ

ブ リン・コア と呼 び、すべてのエレメントは、 「省略可能かつ繰 り 返 し可能」 と定められている。

ダブ リン・コアが、米 国情報標準化機構 (NISO:Nationd Womation Standards Organization) に承 認 され たの を受 けて、

2001年 7月

に米 国規 格 協 会

(ANSI:American National Standards

hsutute)の 規格審議委員会に Z39。 85と して提出

され た。その後 、

2001年

10月

9日 ANS1/NISO

Z39.85と して認定 されている。今後

ISOと

して の審査 も予定 されてい る。日本 において もЛ

s化

のための作業班が

2001年

に発足 されたが、未 だ 策定 には至 ってい ない。

3日

日本の博物館の取 り組み 3.1 博 物館

3.1.1 東京国立博物館

((現 )独

立行政法人 東京国立博物館

)

東京国立博物館

(注

11)では、情報 システム 構築の取 り組みとして以下の

2つ

を挙げている。

(1)全国文化財情報システム

文化庁の文化財情報 システム構想 によって、

情報提供 システムの中心 とな り、全国の博物館・

美術館がそれぞれ独 自に作成 したシステムを相 互に結び合わせる事 によリー元的に検索・利用 で きる分散型の情報ネットワークシステムの構 築、運用 を行 った。参加機関は、文化庁

,国

博物館 ・美術館

,公

立美術館であ り、提供デー タ数は

9,839件

となっている。現在では、中心機 関を総務省 に移 し、「文化遺産ポータルサイ ト」

が作成 されている。詳 しくは、5章にて記述す る。

(2)東京国立博物館文化財情報 システム 平成7年度 に、

WWWに

よる情報発信 を試験 的に開始。平成

8年

度には、画像

(カ

ラー写真

)

検索 システムの運用 を

www上

で開始 し、平成

10年

度 に図書検索 システムの運用 を開始 した。

(8)

デジタルアーカイブを行 う上での方針 として、

データや実用性 を重視 してお り、アーカイブそ の ものが組織や社会 にとっての「資源」・「資産」

となると考 えている。

3.1.2 

国立歴史民俗博物館

((現

)大学共同 利用機関法人人間文化研究機構国立 歴史民俗博物館

)

国立歴史民俗博物館

(注

12)では、平成2年 4月 か ら「データベースれ きは く」として、日本 の歴史 。文化の研究に資するデータベースが、 術調査 。研究者に広 く提供することを目的 とし

て公開されている。

また、行政文書 ファイル管理 システムの運用 も行われている。 これは、国立歴史民俗博物館 で保有する行政文書 ファイルの名称

,作

成組織,

作成時期などについて案内を行 うシステムであ る。検索方法は、任意のキーワー ドによる検索 のほか、文書の分類

,作

成時期 による検索が可 能である。

その他 に、歴博ギヤラリーや歴博電子企画展

「洛中洛外図屏風

(歴

博 甲本

)」

などもある。

3.1.3 

国立民族学博物館

((現 )大

学共同利 用機関法人人間文化研究機構国立民 俗学博物館

)

国立民族学博物館

(注

13)では、民族学に関 する調査 。研究 を行 うと共に、その成果に基づ き民族資料の収集・公開などの活動 を行 つてい る。研究に基づ き、諸民族の生活 を知るため、標 本資料、諸民族の社会 と文化 に関する映像・音 響資料、文献図書資料、

IIRAF(Humall Relation Area Files)な

どの諸資料、英国議会資料 などの

コレクシ ョンを収集 し、資料や情報の整備 を 行 つている。これ らに関する情報は、データベー スの構築 を通 じて館内や館外の研究者へ提供 さ れている。現在用い られているシステムは以下

5つ

である。

(1)データベースシステム

所蔵する図書文献資料、標本資料、服装 。身

装文化資料、映像 ・音響資料 な どの研 究情報 や管理情報 をデー タベース化 してい る。

(2)画 像情報 システム

標本資料 の画像入 力や 自動計測 をお こな うた めの標本画像 自動処理装置があ り、 これ らで 得 られ た画像 や計 測 情 報 を蓄積 し、 デ ー タ ベ ース化 を行 っている。

(3)み んぱ くマルチメデ イア情報検索 システム (MMIR:Minpaku Multimedia WomationRetrievd)

1お よび

2で

作成 された各種データベースを 有機的に結合 して検索で き、民族学 。文化人 類学 に関わる膨大な情報 を館内外の研究者が 広 く利用することがで きる。また、服装関連 雑誌記事、服装関連 日本語図書の索引、衣服 標本画像 はインターネットを通 じて一般 に公 開されている。

(4)展

示情報システム

・ ビデオテークシステム

世界各地の人々の生活や技術 などを記録 した 映像資料 を、テレビ画面で見ることがで きる。

・電子ガイ ドシステム

映像 と音声で構成 された

306種

類の 日本語 に よる解説の他、英語・中国語 による展示解説 を、展示場の中で自由に選んで見 ることがで きる。展示資料 についてのさまざまな情報 を、

映像 と音声 によって得 ることが可能。

・マテリアテークシステム

展示資料 を手 に取 り直接装置 にかざす ことに より、資料の情報が音声、文字、映像で得 る ことがで きる

(Dr。

みんぱ くと命名 されてい

)。

・言語展示システム

世界の言葉や 日本の方言に関する情報が文字 や音声で得 ることがで きる。

(5)OPAC:On―

linc Pubuc Access Catalog

所蔵する文献資料

(図

書・雑誌など

)の

目録 データベースをオンラインにより利用者端末で 検索することが可能であ り、インターネッ トを 通 じてアクセスすることもで きる。 また、

Web

ページには、全国の大学図書館が所蔵する図書

(9)

デジタルアーカイブの調査研究

や雑 誌 の検 索 が行 え る「 NACSIS Webc江 」 もあ る。

3.1.4  国 際 日本 文 化 研 究 セ ン ター ((現

)大 学共同利用機関法人人間文化研究機 構国際日本文化研究センター

)

国際 日本文化研究センター

(注 14)は

、日本 文化 に関する国際的・学際的な総合研究、並び に世界の 日本研究者 に対する研究協力 を目的 と して、昭和

62年

5月 に設置 された施設である。

日本文化研究に関する文献、映像 。音響資料、

年表、統計等、多用な資料 を収集 し、図書館 に 収集すると共に、それ ら資料情報 をデータベー ス化 して提供 している。

3.1.5 

国文学研究資料館

((現 )大

学共同利 用機関法人人間文化研究機構国文学 研究資料館

)

国文学研究資料館

(注 15)は

、全国各地に所 蔵 されている国文学関連の写本版本類 などの資 料や原本 をマイクロフイルムによつて収集 し、

保存することを目的 として、昭和47年 5月 に大 学共同利用機関 として設立 された。

調査収集活動 として、全国に散在 している国 文学に関する文献資料の所在調査 を行い、マイ クロフイルム撮影 によるフィルム収集を行 って いる。また、ここに付設 されている史料館

((現 )

大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学 研究資料館 アーカイブズ研究系

)は

、近世・近 代史料 を中心 に所在調査及び収集活動 を行 って いる。マイクロ資料 目録、当館蔵和古書 目録、国 文学論文 目録 に関するデー タベースを構築 し、

大学問コンピュータネットワークなどを介 して、

オンライン検索サービスを行 っている。

マイクロ資料 目録及び館所蔵和古書 目録データ ベースについては、昭和62年 4月 よリオンライ ン検索サービスを始めてお り、それに続 き平成 4 年 4月 には、国文学論文 目録データベース もオ

ンライン検索が可能 となった。

3.2 図書館

一博物館情報の標準化動向を中心に

‑       134

国立国会図書館

(注 16)で

は電子図書館 プロ ジェク ト・電子情報の長期保存の

2つ

の取 り組 みが成 されている。

・電子図書館 プロジェク ト

情報環境の変化 に伴い時間的 。地理的な制約 に縛 られない発信型のサービスを提供で きな いか、 また現在流通 している電子出版物や電 子情報 を有効 に活用で きないか という考えか らこのプロジェク トを開始 している。そ して、

電子図書館の目標 として以下の4つを挙げて いる。

[資

料のデジタル化

]・

・図書館の蓄積 してきた 豊富な資料 と情報により、電子的に利用で き る「蔵書」 を体系 的に構築する。

[電

子情報のアーカイブ

]・

・文化的な資産 とし て電子情報の収集・保存 を図る。

[媒

体 を問わないアクセス

]・

・電子、紙など媒 体 を問わず に求める情報へ、迅速に容易に到 達で きる機能を構築する。

[所

在 を問わないナ ビゲーシ ヨン

]・

・。「壁のな い図書館」 として 1つ の図書館が所蔵する蔵 書 に所在 を問わずに到達で きる機能を構築す

る。またそのための連携 。協力 を図る。

1997年

に「電子図書館構想策定のための作業 指針」が定め られ、4月 には電子図書館推進委員 会が設置 された。翌年、1998年 5月 に電子図書 館推進会議報告書 を指針 として、電子図書館の 実現すべ きあ り方 を示 した「国立国会図書館電 子図書館構想」が策定 された。

国立国会図書館の役割に、国会サービス

,資

料の収集・保存・書誌作成・提供

,国

内 。国外 の図書館 との連携協力 を新たな情報通信環境下

でも果たすと言うものがある。本構想は、図書 館が通信ネットワークを介 して行 う一次資料お よび二次資料の電子的な提供 とそのための基盤 作 りをおこなうものである。

2000年

3月

には、 「電子図書館サービス基本計

画」を策定 し、

2002年

の関西館の開館を当面の

目標 として、電子図書館の「蔵書」の構築計画

が進められた。

(10)

同 じく

2000年

3月 に国会図書館ホームページ 内に「国立国会図書館蔵書 目録」、「国会会議録」、

「貴重書画像データベース」などの電子図書館 メ ニューの公開も行われた。

2002年 4月 に、関西館が設置 され電子図書館 関連の事業 としては、「資料の電子化」、「イン

ターネッ ト情報資源の収集・蓄積実験事業」、「電 子展示室」、「各種 コンテンッの総合的発信」の 4 つが行われている。

・電子情報の長期保存

出版物が紙媒体 に限定 されな くな りつつある のに伴い、電子出版物 も長期間保存 し、アク セス手段 を確保 しなければならな くなった。

そこで、国会図書館では、平成

14年

度か らこ れ らの課題 に対 して調査研究 を開始 している

(文

(3))。

諸外国における電子情報保存の状況 を、アメ リカ 。オース トラリア・フランス・オランダ・イ ギリスの5国を代表例 として取 り上げ、それぞ れの国の取 り組みについて調査 を行 っている。

各国の国立図書館 の大半は、納本図書館 として の役割 を担 ってお り、国内で出版 されている出 版物 を中心 に収集・保存への取 り組みが行われ ている。

次 に、電子情報 を保存 し共有化するためのメ タデータについて、その性質 と具体的な事例 を 調査 している。電子情報の保存 に関 しては、メ タデータが必要不可欠であるが、その作業には 多大なコス トがかかって しまう。 この課題 を解 決するためには、「 メタデータの共有」と「付与 の自動化」が重要であると結論付 けている。

3.3 政燿肇遭

3.3.1 国立公文書館

((現

)漁市行政法人国 立公文書館

)

国立公文書館

(注 17)は

、国の機関か ら内閣 総理大臣が移管を受けた歴史資料 として重要な 公文書等 を保存 し、一般の利用 に供すること等 の事業 を行 うことを目的 とした機関である。

公文書等の閲覧利用の効率化 を図るために、

薄冊

(注 18)の

標題 を記載 した程度の目録

(薄

冊 目録

)、

薄冊 に綴 じ込 まれている公文書等のそ れぞれの件名 を記載 した詳細 な目録

(件

名 目録

)

2種類 を作成 している。

現在、Webサイ トで利用が可能な検索 システム は、「公文書検索サブシステム」と、旧内閣文書 所蔵の古典籍・古文書が検索で きる「内閣文庫 検索サブシステム」の

2つ

である。

このシステムでは、旧字・新字 ともに検索が 可能になっている。また、公文書 という資料の 性質上、Л

sコ

ー ド外の漢字 も数多 く用いられて いる。そこで、「大漢和辞典」

(大

修館刊

)収

の文字は、同辞典の漢字番号か ら入力すること により表示することを可能にしている。

3.3.2 

アジア歴史資料センター

アジア歴史資料センターでは、国立公文書館

,

外交史料館

(外

務省)および防衛研究所図書館 が原本 を所蔵 し、これらの館 において公開され ている資料 を画像 として公開 している。「いつで も」「 どこで も」「だれ もが」「無料」で資料 を閲 覧 。印刷で き、これ らの画像 データのダウンロー ドがで きることを目的に、現在約270万画像、

22.5万 件の目録データベースを提供 している。

また、随時資料の追加 を行 ってい く予定である。

目録 には各文書の先頭か らお よそ

300文

字程 度が収録 されてお り、タイ トルだけでな く原文 内容の一部 もそのまま検索の対象 とされている。

公開されているアジア歴史資料 は、コVu形式で デー タベ ース化 されている。原本 をマイクロ フィルム化 し、そこからデジタルデータに変換

し、公開 している。その理由は、貴重資料 に対 する安全性 に優れてお り、高品位入力 と省力化 が可能だか らである。また、一度マイクロフイ ルム化する事 により、信頼性の高いメデイアで のバ ックアップ機能 も同時に満た している。

ここで用い られている画像 は、性質上バーチャ ルミュージアムとは異な り、紙質や色の様子 な どは必要 とされていない。電子化の際には、文 字が研究に支障がない レベルで判読で き、情報 提供量 を最大化できるレベルに設定 されている。

(11)

デジタルアーカイプの調査研究

公 文書 には、共通の分類方法が存在 しない こ とか ら、 この システムでは、既存 の分類体系 を 横 断的 に整理分類す るため、資料 の統一整理分 類体系 に

ISAD(G):(httmationd Standard Ar―

chiv」 Descriptton(General))を 採用 している。ま た、公文書整理 の基本単位 である簿冊 を基本 の 共通単位 とし、

7階

層 か らなる「 目録 デー タ階層

モデル」 を設定 した。そ して、日録項 目にはイ ンターネ ッ トでの検索 を前提 としてダブリン・

コアを採用 している。

検索の方法 には、「階層検索」、「キーワー ド検 索」、「キーワー ド詳細検索」の

3つ

がある。階 層検索では、期間 。出所 。シリーズ・サブシリー ズを条件 として、簿冊の検索 を行 う

(注 19)。

キー ワー ド検索では、同義語辞書の機能を備えてい るため、漢字、カナや時代 による表記法の違い になどにとらわれずに検索することが可能であ る。加えて、関連語辞典 も備 えているため、関 連語での検索 も可能 となっている。また、英語 での検索サービス も行 っている。

文書館や図書館 においては、博物館 に比べ先 進的な取 り組みが成 されている。その理由の

1

つは、扱 う資料がある程度限定されているため であろう。アジア歴史資料センターで も、資料 2次元の文字情報 に限 られているため資料の デジタル管理が可能 となっていると考えられる。

対象が限定 されているか らこそ、統一的なメタ データの作成 も比較的容易 となっているのであ ろう。

4口 電子情報の保存

現在 、デジタルアーカイブに関す る新 しい テーマ として「電子情報の保存」が取 り上げら れている。

現在利用 されている情報記録メデイアの耐用 年数は、これまでの中心であった「紙媒刺 は異な り、数年か ら数百年程度 と言われている。

また、記録メディアの寿命だけではな く、装置 の存続性やフォーマ ッ トの互換性 といった問題

一博物館情報の標準化動向を中心に一

も挙げられる。そこで、デジタルアーカイブを は じめとして長期保存 を必要 としている電子情 報 を、紙媒体の ものと同様、 またはそれ以上 に 長期間持続 させてい くための研究が必要 とされ ているのである。

4.1 技術 動 向

ソフ トウェアを活用 し、ハー ドウェアやソフ トウェアの環境 を模倣することで、旧来の技術 環境 を新たな技術環境で も稼動 させることを可 能 とする技術 をエ ミュレーシ ョンと呼ぶ。 この 活用 により、技術の陳腐化 によって失われてい く可能性のある電子情報を長期間に渡 り再生す ることが可能 となる。

この技術のメリッ トは、オリジナルのデータ を変換する必要がない点である。また、技術環 境 をソフ トウェアで模倣するため、オリジナル の電子情報の真正性 と「見た日と感覚」 を保持 することが可能な点である。また、一つのエ ミュ レータで同 じ動作環境 を必要 とする複数の電子 情報 を再生することがで きるため、効率性の面 でのメリッ トも考えられる。

次 に、マイグレーションという技術が挙げら れる。従来幅広い概念であった「マイグレーショ

(Migration)」

は、OAIS(注

20)に

より、

4つ

のカテゴリーに分類 されている。

・リフレッシュメン ト

(Refreshttnt):内

容情報 の ビッ トシーケンスの変更 を伴わずにメディ アの変換 を行 うこと。

・複製

(Replcation):内

容情報のビッ トシーケ ンスやパ ッケージ情報の変更 を行わずに複製 を作成すること。

・リパ ッケージング

(Repackaging):パ

ッケージ 情報のビットシーケンスに多少な りとも変更

を伴 う種別のこと。

・変換

(Transforln江 lon):内

容情報の変更 を伴 う マイグレーシ ョンであるが、特定のアルゴリ ズムで変更が復元可能な場合

(リ

バーシブル・

マイグレーシ ョン

)と

不可能な場合

(ノ

ン・リ バーシブル 。マイグレーション

)の

2種ある。

(12)

マイグレーションとは、伝統的には、データ フォーマ ットが陳腐化 した際に、現在のプラッ トフォームに合わせたデータフォーマ ッ トに変 えてい くことを指 していた。 しか し、この方法 では長期保存 とい う側面か ら見ると、データ変 形が行 われて しまう為、ふさわ しくない。源デー タを保存 しておけば、将来的な技術革新 により、

再現が可能 となる場合 も考えられるか らである。

そこで現在、オリジナルのバイ ト・ス トリーム を維持 したまま、マイグレーションを行 ってい く「マイグレーシ ョン・オン・ リクエス ト」 と いう技術が取 り入れ られている。

そのほかの手段 として

XML(Extensible Markup Language)が

ある。

XMLは

「 タグ」を利用 して 情 報 を構 造 化 して 表 現 す る が 、

HTML

(HyperText Markup Language)と

違いユーザが 自 由にタグを定義することがで きる。そのため、 報の意味 をユーザのニーズに応 じて表現するこ とが可能 となる。また

XMLで

はタグの定義 をま とめたDT (Docunlent Type Deinidon)と 実際 に書かれたインスタンス文書 とで構成 されてい るため、実際のデータと、解析するためのコン テクス ト情報 を分離 して管理することが可能 と なる。

また、特定の技術 プラッ トフオームに依存 じ ない技術標準であるため、将来的にも永続的に 活用が期待で きる。しか し一方で、

XML自

体が テキス トファイル形式であるために、フアイル 容量が膨大 になって しまうというデメリットが 予想 される。

4.2 

保 存 媒体

電子情報の長期保存 を行 う上で、考えなけれ ばならない ものに、保存媒体のライフレンジが ある。「紙」が250年 〜700年

(注 21)、

「マイク ロフイルム」が

500〜

900年 とされているのに比 べて、「磁気テープ」が30年 、「磁気デイスク」。

「光デイスク」が ともに

20年

と圧倒的に短い。し か も、これ ら各媒体のライフレンジは保存環境 や使用状況など外的な要因によつて も更に短縮

される。

また、デジタル媒体 については再生装置 を利 用することが前提 となるため、技術変化の速度 を考えると、媒体が存続 したとして も再生装置 の陳腐化 によって再生環境が失われることも考 えられる。つまり、可視性のある紙やマイクロ フイルム媒体 に比べて情報損失のリスクが高い といえる。

長期保存メデイアとして、物理的・論理的寿 命の保障、取 り扱いが容易であること、改 ざん が不可能であること、保管 コス トが低いことな どが求め られている。これ らの要件 について考 えた際、デジタル情報のみの保存 には限界があ る。そこで、公文書など長期保存が必須 となつ ている分野では、デジタル・アナログ情報の別 に固執せず、それぞれのメリットを生か して情 報のライフサイクルに合わせて利用 してい くと いう動 きがでて きている。

例 えば、活用が中心 となる初期では、デジタ ルメデイアを利用 し、長期の保存 には耐用年数 の長いマイクロフイルムを利用 してい く。現在 では、静的な情報ならば、デジタル情報 をマイ クロフィルム化することも、マイクロフイルム の情報か ら再度デジタル化することも可能であ る。

しか し、この方法に問題がないわけではない。

マイクロフイルムは、動画や3次元データ、音 声、文書間のリンクやハイパーテキス トなどの 保存 には対応 していない。また、メタデータの 再現が不可能であるとい う点 もある。マイクロ フィルムとデジタル情報の共存策は、新たな技 術が開発 されるまでの一時的な措置であると考

えるべ きであろう。

5日 省庁 の施 策

5.1 

内閣官房

高度情報通信 ネッ トワーク社会推進戦略本部 (F戦略本部)は 、2005年 までに政府が実施する 計画 として「

e‐ Japan重

点計画2002(注

22)」

(13)

デジタルアーカイブの調査研究 まとめた。デジタルアーカイブ白書

(文

(4))

によると、その中で、デジタルアーカイブに関 する施策は、教育用 コンテンツの充実

,普

及 と 芸術文化分野の情報化の

2点

である。

芸術文化分野の情報化 については、

2005年

でにアジア諸国との関係 に関わる重要な公文書 等や国・地方公共団体が所有する文化財、美術 品についてデジタルアーカイブ化 を推進 し、各 機関の

Wёbサ

イ トを通 じて国内外 に情報提供が 行われるように必要な措置 を講ずる」 としてい る。また、デジタルアーカイブ情報の検索 を容 易 にするため、2005年 度 までに国や地方公共団 体、私立の美術館 。博物館のネッ トワークの充 実 を図 り共通索引システムを整備することも挙 げられている。

5.2 , l庁

文化庁

(注

23)では、前述 したとお り、東京 国立博物館 を中心 として、平成7年度か ら、国 立の博物館 。美術館・文化財研究所が収蔵する 文化財などの情報をデジタルデータベース化 し、

インターネッ トで公開する、「文化財情報 システ ム・美術情報 システム」の整備 を開始 した。平

8年

度 には、それ ら博物館施設のWebサイ ト

を開設 して国指定文化財の情報提供 を開始する など、システムの整備 を推進 している。

また、公私立の博物館・美術館のなかで も

web

サイ トを独 自で開設 し、収蔵品や展覧会の情報 提供 を行 っているところが増加 して きている。

一方、我が国の文化財や美術品の数は非常に多 く、その情報 を全国規模で管理することはきわ めて困難であると考 えられた。そこで文化庁で は、各博物館・美術館がインターネッ ト上で公 開 している情報 を基礎 として、それ らを検索す る索引を作成することにより、「分散型」のネッ トワークを構築することを目的 として、「共通索 引システム」の作成 を行 った。また、「文化財情 報システムフォーラム」 を設け、研修会の実施

も行 っていた。

その他の取 り組み として、マルチメディアに

一博物館情報の標準化動向を中心 に一

よる文化財保存活用方策の調査研究 を平成9年 度から平成

14年

度 にかけて行 つている。この研 究では、3次元立体映像 を用いた文化財の保存・

公開・活用方策についてソフ トウェア開発など の調査研究 を行 った。

また、平成 15年度か ら、重要文化財の高精細 デジタルアーカイブ化推進事業が行われている。

国立博物館の優れた文化財 を高精細デジタル情 報 として、半永久的に保存すると共に4カ 国語 に翻訳 し、館内での閲覧お よびインターネッ ト を利用 して世界へ発信するとい う計画である。

それ と同時に、我が国の映画 フイルムをデジタ ル技術の利用 により、半永久的な保存、修復、復 元および鑑賞機会の拡大 をはかる。 また、所蔵 フィルムのデータベースをwebサイ トで公開す る事業 も計画 されている。

5.3 

総 務省

総務省

(注

24)では、平成 11年度か ら「デジ タルミュージアム構想

(注 25)」

を推進 している。

この構想では、地域の美術館や博物館等の文化 施設 を地域文化の情報蓄積 。発信拠点 として位 置付 けるものである。

基本的な考 えとして、デジタル画像技術 を用 いて、有形 。無形の文化財等 を記録すると共に、

デジタル化 したコンテンッを誰で も自由に閲覧

できる仕組みの構築 《ためる》。地域間の文化財 交流を促進するために地方公共団体の施設およ びインターネットにおいて情報の送受信・閲覧 を可能とする 《つなぐ》。ハイビジョン・ミュー ジアム・システムなど既存のシステムとの整合 性を考慮 し、美術館や博物館が従来から所有す る画像資産の有効活用を図る《いかす》。ことを 念頭に置き、地域が主体 となる情報資産を高度 に利活用するための環境整備を行おうとするも のである。

また、平成

15年 6月

から「デジタル資産活用

戦略会議 (注 26)」 が開かれている。この会議の

目的は、 「公共的なデジタル資産のオンライン流

通や素材 としての利活用を促進するためのイン

表 2  博物館資料情報のガイ ドライン 情報 グループ No 情報カテゴリー 1 取得情報 1  2   3 取得方法 取得 日時・時期 取得源 (元 所有者 ) 2 資料 の状態情報 4 5 6 状態の確認状態の記述 状態確認の日時 。時期 処分情報 7 8 9 10 処分の 日時・時期 売却・処分の 日時。 時却処分の方法 受入人、受領者 4 記述情報 11 12 物理 的記述 標本 タイプ 画像情報 13 14 画像のタイプ 画像の参照 タイプ 6 機関情報 15 16 17 18 機関名称部署名
表 4  文化遺産オンライン構想サー ビスモデル 内容 平成 15年 度 実証実験 内容 モ デ ル A メタデータを利用 した効率的なコンテンツ検 索 システム 複数パ ター ンのあいまい検索、デジタルコンテンツ 特有の項 目による検索等 モ デ ル B メタデータを利用 したコ ンテ ンツ利用制御 サービス 閲覧期 間による制限、印刷・保存の禁止等 モ デ ル C コンテンツに係る権利保護 と課金サービス 閲覧の禁上、閲覧対象の制限等 フラ、技術、制度等のあ り方を総合的に議論 し、 デジタル資産の利活
表 6  検索用メタデータ項目 (文 献 6よ り ) No 項 目定義 1 コンテ ンツ識別 ヨンテ │ン ツ │を 1識 "‐ 1‐ する │た │め │の 索ワ 1的 情 1報Dタイプコー ドコンテンツDの体系 を示す コー ド。 Dタ イプ名 Dタ イプコー ドで表現で きない場合 にコンテンツ Dの 体系 をテキス ト表記する D番 号 コ ンテ ンツの D番 号 オ ジ │ナ │ル ー タ │・ イ │ト ー │ル オリー │ジ │ナ │ル │● │ン テンツ │の タイ │卜 │ル に

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