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テイラー渦流れの様子と波動テイラー渦流れへの遷移*

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Academic year: 2021

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(1)

テイラー渦流れの様子と波動テイラー渦流れへの遷移*

(第二報 固定端における偶数セルの場合) 戸谷順信 植木良昇

Status of Taylor Vortex Flow and Transition  to Wavy Taylor Vortex Flow 

(2nd Report The Case of Even Cell in Symmetric End Condition)

Taylorvortex瓜ow betweenconcentricrotatingcylinders,especiallyinnerCylin・

derisrotatingandoutercylinderisatrest,inthesymmetricendconditionswas investigatedbymeansofanow visualizationtequnlque.Theexperimentshavebeen performedonan apparatusofparticularsmallaspectratiotostudythetransition from Couette且ow toTaylorvortex且ow,from Taylorvortex瓜ow towavyTaylor vortex瓜ow,andfrom wavyTaylorvortexnow toturbulent免ow.Alsothecellstru‑

cture,thevarianceofcellheightrelativetoReynoldsnumber,andthecriticalRey‑

noldsnumberfrom Taylorvortex凸ow towavyTaylorvortexaow wereinvestigated.

Inthesymmetricendconditions,thereareonlyevennumberofcellsbutnot oddnumbercells.Andthestructuredependsonanaspectratio.Therearenodiffe

renceofthevarianceofheightbetween theupperandbottom cell.Thecritical Reynoldsnumberfrom Taylorvortex且Ow towavyTaylorvortex允ow wasrevealed.

Thisshowsthestabilityof Taylorvortex凸ow.

1.

同軸回転二重円筒間における粘性流体の流れは,内円筒の回転速度が増加 してい くとクニ ッ ト流か ら トーラス状の流れ (セル流れ)が積み重なったティラ‑渦流れが発生す ることが 良 く知 られている. この流れを線形範囲内で理論的に,実験的に初めて明 らかに したG.I.

Taylor(1)以来,多 くの研究報告がなされている.これ らの理論的,実験的研究において定め られているの円筒の長 さの条件は無限に長いとされていることが多い.これはG.Ⅰ.Taylor の初めの報告が円筒の長さが無限に長い場合について行われてお り,その上 この仮定におい て,理論的結果 と実験的結果が非常に良 く一致 しているためであると思われ る. しか し,円

*****

昭和623 日本横桟学会,第16回学生員卒業研究発表講済会にて発表 機械工学科 助手

機械工学科 助教授

原稿受付 昭和62929

(2)

76 戸谷順信 ・植木良昇

筒 の長 さが有限である ときには瑞面の影響が大 きくな り, そのために実験結果は円筒長 さに よ り異なって くる・・しか し有限円筒長 さ.における実験的,'理論的研究は僅かであ り伽 )余 り 進 んではいない.著者 らは前報(4)においてブスペ ク ト比 (内外 円筒の隙間の長 さに対す る円 筒 の高 さの比)が小 さい場合において,特に 自由端 (流体 の上面が 自由表面 の場合) につい てのテイラー渦流れの変化 と波動テイ ラー渦 (前報では波状テイラー渦 と表現 した)‑の遷 移 に関 して述べた.本報はアスペ ク ト比が小 さい場合の固定端 (流体 の上表面 と下端が剛体 で囲まれている場合)についてテイラー渦流れの変化 と波動テイラー渦への遷移に関 して述

ベ る. 1

Rl :内円筒の外半径

D :内外円筒の隙間 (‑R2‑Rl) Rl/R乞 :半径比

リ :動粘度

Re:レイノルズ数 (‑WRID/P)

jiiJ

R2:外円筒の内半径 L:作動流体の高さ r:アスペク ト (L/D) aJ:角速度

2∴ 実 験 装 置 及 び 実 験 方 法

2‑1実験装置

本実験で使用 した実験装置 の概略図を図 1に示す.実験装置は前報で使用 した実験 装置に固定端を装置の上面 に追加設置 した ものである. スライ ドリソグはアクリル樹 脂製でガイ ドロッ ドを通 して滑 らかに任意 の位置に設定できるようになっている.そ の他の項 目に関 しては前報 と同 じなので省 略する.

2‑2実験方法

流れの様子は円筒の外側か ら流れの全体 を観察す る方法 と,円筒にス リッ ト光 を当 て ることに よって断面を観察す る方法 を と った.又,偶数セルの高 さの変化をRe の変化に対 して求めた.セル数は2, 4, 6,8個 のセルに関 して行 った. ティ′ラー 渦流れの状態呼 Re数が増加す ると, セル とセルの境界が円筒軸方向‑波打? よ うに な る・ この状態を波動ティラ∵渦流れ とい う.一方,テイラー‑渦はZlの値に関 してセ

1.RotatingJMerCylinder. 2.FixedOuter cylitLdcr. 3.SlideRinc.'4.GuideRod.I 5.SlideDisc. 6.Velt仙eel. 7.VIVeltJ

8.Table. 9.hrkiIは FILLid. 10.Trazlsparent Li叩id.,ll.011terE)ath

r 図1

ルの数が異なってお り,その う左同Fの値で も異なうった数のセルが発生す ることが明 らr になっている. よってrに対 して存在 し得 る全ての数のセル流れに関 して波動テイラー渦へ 遷移す る臨界 レイノルズ数 (Rc)を求めた.実験方法の詳細は前報 と同 じであ る・

(3)

3. 結 果 と 考 察 3‑1流 れの可視化観察

3‑1‑1レイ ノルズ数 に対 す る流れの状態

流れ の状態 の写真 の例 を図 2圃 3に示す.Re数が小 さい とき流れ の状態 は ク ッ ト流 であ るが,Re数が増加す /L'とI^JfJ 伸近 くか ら外 円筒 ‑向か って流れが発生 し外 円筒表 面 に適 した統jtは,今度 は 卜一日こ分 かれ逆 にl)JH冊 へ向か って流れてい き,結 局WIき出す流

れ と吸 い込む流れ がll'L'iJJLる.比 に多 くの研究il;(8)にあ る よ うにLE]定端 の勘合 におけ る

テ イラー州 浜斬テイラー洞 くb)

捕 き山 し臨Lq

故山テイラー納 札託に近い漁れ

今仙uiLb

披Lbテ Iラー肌 合尚脱仙

+ 上牧.r'=5.5.TB:r=6.8

2 流れの状態写共 (6セル)

チ(7‑Pl lけ (ラ‑1JI(a) 削げ イ7‑M 乱恥 こ近い即 t ナイクー肌

I4.1こLlLRtl t■I‑I

乱読に近い法LL

池LW L7‑tL (b) 汝刈Tイラー消 hHdlL奴JJ 全 町耶La

*m :r=5.5、為ql.r=7.0

3 セルの断面写共 (6セ′レ)

丸技に温い抹IL

(4)

78 戸谷順信 ・植木良昇

セルの数は偶数個である. このセルの構造は涌 き出し境界が最上位 と最下位に位置す るよう になる.テイラー渦の構造に関 しては他 の研究報告(6)では吸い込み境界が最上位 と最下位に 位置す るような構造を成す場合が報告されているが本実験においてはそのような構造は発生 しなか った.又,制御パ ラメータの条件によっては奇数個のセル も発見されているが,本実 験 においては偶数個のみであった.

さらにRe数が増加す るとテイラー渦流れは波動ティラ‑渦流れになる.波動ティラ・‑渦 流れは前報で も述べたよ うにその波の打ち方に よって二つに分類す ることができる.すなわ ち(a)最 も中央にある涌 き出し境界 (奇数本の掃 き出 し堤界の場合は一本,偶数本の涌 き出し 境界の場合は二本)が振動 し,その後のRe数の増加により中央の涌 き出し境界か ら上下の 方向の涌き出 し境界‑順番に振動する場合 と(也)最上位 と最下位のセルに三 日月型の模様が発 生 し外円筒の回転方向 と同 じ方向へ移動 し,その後Re数の増加により最上位 と最下位の端 の涌 き出し境界が振動 し,次第に中央の掃 き出 し境界が順番に振動す る場合である.但 しこ の場合,条件によって最下位の涌 き出し境界の振動の方が強 くRe数 の増加により最下位の 涌 き出し境界か ら上方に向か って次第に涌 き出し境界が振動する場合がある. これは装置の 僅かな非対称性か ら生ず ると思われる.

波動テイラー渦状態においてさらにRe数が増加 してい くと全 ての涌 き出し境界 と吸い込 み境界が波打ち出す全面振動の状態になる. この吸い込み境界の振動は,涌 き出 し境界の振 動 と周期,振幅 ともに異なっている.波動テイラー渦には二種炉の型があったが全面振動に ついてはどち らもほぼ同 じ状態であると思われる.

全面振動の状態か らさらにRe数が増加す ると全面振動が さらに激 しくな りその波動テイ ラー渦状態は乱流に近い状態 になる. しか し,かな りRe数が大 きな値になってもそのセル の構造はそのまま維持され崩壊することはない.本実験においてもRe数を約3000まで増加 させたが全体 としてのセルの構造の変化はみ られなかった.

断面写真に注 目す る.写真に向かって左側が外円筒である.テイラー渦流れに関 して,セ ルの一つ一つが規則正 しく琉み重なっていることが明 らかであ り,涌 き出 し境界,吸い込み 境界が回転軸に対 して垂直を成 していることがわか る.波動テイラー渦の状態を見ると,チ イラー渦の状態に比較 し,写真状で白 く写っている部分があ り,流れが乱れていることがわ か る.又,涌 き出 し境界が外円筒側で外円筒に対 して垂直でな く振動 していることがわか る.

全面振動,乱流に近い流れになると,乱れた部分が増加 している.

3‑1‑2アスペ ク ト比に対するセルの数

固定端におけるセルの数は偶数個である.本実験においてアスペ ク ト比 (Il) を約1.3‑

7.1まで変化 させた ときセルの数は2‑10個であった.偶数個のみが発生 したことに関 して, 前報では自由端の場合において奇数個 と偶数個のセルが発生 した こと, また他の報告川で も 固定端において奇数個が発生 していることか ら,本実故において も奇数個が発生するであろ うとの推定で実験を繰 り返 したが,奇数個は発生 しなかった. これは他の報告 との実験装置 の違いか,本実験における方法の違いかは判明しなかった.

発生するセルの個数はTに強 く依存 している.即ち2セルはTが2前後, 4セルはTが4 前後‑‑となっている. この範囲については後に示す図5で明らかである.

3‑2レイノルズ数に対す苛セルの辞 書の変化

(5)

テイラー渦流れのレイノルズ数に 対するセルの高さの変化を求めた.

その結果を図 4に示す.図か ら明 ら かなよ うに最上層 と最下層のセルの 高 さはその値 と変化のようすが同じ であ り,Re数が増加す るとき,その Re数が 小 さい ときは 僅かに高 さが 減少す るが,Re数が 大 きくなって い くと次第に一定になる.その他の 中間にあるセルの高さは どのセルも 倍が等 しく変化の様子 も同じである.

さらに最上層 と最下層のセルは中Ri]

=02

r=6.2i

暮. :‥ . ・ ! ::::去

IIiI H I f l I ‑ . I I I

H2‑日5

100 200300 400 500600 700 800 9001000 Re

*Ill‑Ileは瓜下位のセルからの迫革を示す

図4 セルの高さの変化 層 のセルに比較 してセルの高 さが高

い.故にRe数に対す るセルの高さの変化は軸方向に対称になっているといえる. これ らの 結果は 自由端の場合において殺上層のセルが最 も高 く,次いで最下層のセルが高い とい うこ と,さらに最上層のセルはRe数の増加に対 し次第にその高さが増加 してい き,最下層のセ ルの高さはRe数 の増加に対 し次圭糾こ減少 してい くとい う結果 と異なっている. これは本実 験 の系の固定端 と自由端における対称性の条件の違いか らくるもの と思われ る.

表 1 作動流体高さに対するセルの高さの割合

8 I6・30

02L o71lo71Io71lo70lo70lol70L l05

内外円筒の隙間に対す るセルの高さの割合を表1に示す.各セル,各Tにおける最上位 と 最下位のセルの高 さはほぼ等 しく,中間層のセルについてはその高 さが全てほぼ等 しい. し か も最上層,最下層のセルは中間層のセルに比較 しその高さが僅か高 くなってお り,端面 の 影響があると思われる. さらに円筒の長 さが無限に長い とい う位定の場合に関 して,セルの 高 さは隙間の大 きさにほぼ等 しい とい う結果に対 しどのセルについても当てはまらない.

3‑3波動テイラー渦へ遷移する臨界 レイノルズ数

既に述べた ようにテイラー渦流れの状態からRe数が増加す ると波動テイラー渦流れ状態

(6)

80 戸谷順信 ・植木良昇

へ遷移す る. この臨界 レイノズル数(Rc) を Zlの全範囲にわたる各セルに関 して求め た.その結果を図5に示す.図か ら明 らか な ように各セルに対す るRcはあるTの値 で ピーク値, または ピークはないが最大値 を持つ ような曲線を示す. このことは 自由 端におけるRcの特性 とほ とん ど同じ結果 である.但 し自由端の場合は測定 した全て のセルに関 してピークを持つ変化であった のに対 し,固定端 の場合はセルの数が増加 す るとそのビ‑クが次第に丸 くな り最大値 のみを持つ ような曲線になることである.

2000

1500

0O1C000

500 I:Ii ̲i,I

0 1 2 3 L 5L 6 7 8

*国中の扱字はセルの政

5 波動テイラー渦‑遷移する 臨界レイノルズ数

しか もその最大値を示す rの値はそこにおけるセルの数 と同じ値 より僅か大きいrの値にな っている. これ らのことは自由端における特散 と僅かではあるが異なっている.さらにセル の数が増加す るとRc全体が下がって くることがわかる.又, この特性はテイラー渦流れか ら波動テイラー渦流れ‑遷移す る臨界 レイノズル数を示 したが, これは即 ちテイラー渦流れ の安定性を示 していることになる.

3‑1‑1において波動テイラー渦に関 して二つの型があ ることを述べたが, ピーク値,普 たは最大値を持つrの値 の前後において波動テイラー渦の流れの様子が異なる.つま りその Zlの値 より小 さいrの範囲では流れの様子は波動テイラー渦流れ(a)であ り,そのIlより大 き い範囲では波動テイラー渦流れ(也)になる.

4.

本研究は同軸二重円筒間の内円筒が回転 し,外円筒が静止 している場合の粘性流体の流れ に関するものであ り,特にアスペ ク ト比が小 さい場合における円筒の上下面が固定端で因ま れている場合の流れの様子,Reに対する遷移を調べた.主な結論は次のごとくである.

(1) レイノズル数の増加に対す るクニ ット流れか らテイラー渦流れ,波動テイラー渦れ, 乱流に近い流れ‑の一連の遷移の様子を明らかにした.その結果は従来のアスペ ク ト比が非 常 に大 きい場合の結果 とほぼ同じである.又,波動テイラー渦流れに関 して二種杭の流れの 型があることが明 らかになった. さらに固定端におけるセルの数は偶数個のみであ り奇数個 のセルは発生 しなかった.偶数個のセルはその個数の値 と同じTの値を中心に した前後の範 囲であ り,rの値が同 じであってもセルの個数は‑撞塀ではな く数種類あることがわかったO

(2) レイノズル数の変化に対するセルの高 さの変化について明らかになった.レイノズル 数が増加す ると最上層 と最下層のセルの高さは他の中間層のセルの高さに比較 し高 く,その 値,変化の様子は最上層 と最下層のセルについて違いはほ とん ど見 られない.又,中間層の セルはそのセルの数,セルの上下方向の位置に関係な く, どのセル も高さと変化の様子は同

じである.

(3)ティラ‑渦流れか ら波動ティラ‑渦流れ‑遷移す る臨界 レイノズル数をFに対 して各 セルにおいて求めた.・この特性は即ちテイラー渦流れの安定性を示 している.

(7)

終わ りに本研究に当た り,名古屋大学工学部,中村育雄教授,山下新太郎助教授か ら御懇 篤な御指導を受けました.又,実験装置の製作について,同学部,神田博邦,村上初 男両技 官か ら多大 のご協力を戴 きました. ここに厚 く謝意を表 します. さらには本実験を行 うに当 た り本校機械工学科卒業生であ る平野享君 に御協力を戴 きました.厚 く謝意を表 します.

参 考

(1) Taylor,G..,Phil.Trams.Roy.Soc.Londり A 223,(1923) (2) Benjamin,T.Bり Proc.R.Soc.Lond.A 359,(1987) (3) Cole,.Aり J.FluidMech.ol.75,(1976)

(4)戸谷順信,植木良昇 :自由表面を持つテイラー渦流れの変化と波状テイラー渦への遷移 (第一報 主として奇数セルの場合),長野工業高等専門学校紀要 第17号 (昭和62年)

(5) 例えば Snyder,H.A.,.FluidMecb.ol.35,(1969) (6) Benjamin,T.B.,Proc.R.Soc.LondA 377,(1981) (7) Mullin,T.,Benjamin,T.B.,Nature,γol.288,(1980)

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