【日本不動産学会2014秋大会】
ワークショップ:
空き家解消・活用のための不動産
システムに関する具体的提言にむけて
住宅循環による空き家の解消
DIY型長期リース・マイホームリースの導入
立命館大学教授
金融・法・税務研究センター長
一般社団法人移住・住みかえ支援機構代表理事
はじめに・・・
せっかくの機会なので、学術的な分析は他
の先生方にお任せして、これまで8年間空き
家や潜在空き家を借り上げてきた経験から
参考になりそうなことをまとめてみました。
大量になってしまったため、全てを説明す
ることはできませんが、空き家問題やこれ
からの住宅政策を考えるための資料として
活用いただければ幸いです。
•
2006年に住宅の世代循環を支援する非営利法人として設立。
•
住宅メーカー、不動産業者、金融機関、工務店団体等の協賛
により独立採算で運営。
新居・実家・子どもと同居
シニア向け住宅・施設等
自宅・実家等
終身
借上げ
入居者
3年定借で
転貸
空き家・空き室
リスクを負担
利用者
移住・住みかえ支援機構
国の保証基金
債
務
保
証
住
み
か
え
10%
差額家賃
−5%(管理料)
空き家・空き室
積立て金
※ 99%超のリスクを積立金でカ バーするため、国の保証が発動 されるリスクはきわめて低い。自己紹介を兼ねて・・・JTIとは?
マイホーム借上げ制度(2006年10月∼)
1. 2つの制度
•
終身型:終身で借り上げて3年の定期借家で転貸
•
期間指定型:期間指定で借上げ・転貸。中途退去リスク吸収
2. 50歳以上(人) 耐震0.7以上
長寿命住宅(家) 何歳からでも(証明書発行)
3. 賃貸専用を除く。別荘・相続・2軒目以上もOK。
4. 全国可能(家賃で調整)
5. 空き家・空き室保証:過去20年の全国家賃変動率に基づき、
受益者負担でリスクの99%をカバー。
これを超える部分を政府基金で保証。
制度利用の実績
マイホーム借上げ制度(2006年10月∼)
•
2014年11月13日までの取扱件数は657件
(うち、656件が終身型)
•
情報登録の上、カウンセリング中もしくは家賃の予備査定を受けて検討中の
者:2555名。
•
借上げ物件の平均面積(2014.11.13現在)
一戸建:115㎡、マンション:72㎡
•
貸主の平均年齢:60歳、借主の平均年齢:44歳(2014.11.13現在)
移住・住みかえ支援適合証明書(2008年∼)
•
認定長寿命住宅ないしこれに準ずる性能を有する住宅であって、住宅履歴の維持
要件を満たしたものに対して、50年間借上げ保証(地域によっては事前査定に基
づく最低家賃金額の保証も可能)。
•
2014年10月末までに27104件の証明書を発行
制度を通じて住宅の世代循環が実現
制度利用者
(オーナー)
入居者
年齢差
58
42
16
60
45
14
55
45
10
61
45
16
61
45
16
60
43
17
62
44
18
61
44
17
近畿
関東圏
首都圏
制度利用者と入居者の平均年齢(2014.11現在、歳)
全国
地域名
東北・北海道
中部・東海・北陸
中四国
九州・沖縄
制度を通じて「持ち家グレード」の貸家を子育て層に提供
一戸建て
その他
マンション
130
69
122
112
83
120
141
68
114
71
118
83
71
118
145
110
101
71
115
109
72
持ち家との比較
0.96倍
0.89倍
貸家との比較
2.23倍
1.40倍
持ち家
119
80
貸家
51
全体
地域名
東北・北海道
中部・東海・北陸
中四国
九州・沖縄
近畿
借上げ物件の平均延床面積(2014.11現在、㎡)
関東圏
首都圏
参考:新築住宅の面積(2013年全国)
シニア層を中心とした「住宅の年金化」に一定の貢献
設立来約13億円、平成25年度は5.3億円の正味家賃収入を制度利用者に実現
2013.102014.9期の実績
597,710,918円
100.00%
▲空き家・空き室積立金積立
▲59,771,092円
▲10.00%
▲管理費(協賛不動産会社)
▲29,885,546円
▲5.00%
△空き家・空き室積立金取り崩し
21,263,361円
3.56%
529,317,641円
88.56%
14.9億円
100.00%
▲空き家・空き室積立金積立
▲1.5億円
▲10.00%
▲管理費(協賛不動産会社)
▲0.7億円
▲5.00%
△空き家・空き室積立金取り崩し
0.5億円
3.22%
13.1億円
88.22%
入居者からの受取家賃
制度利用者への支払借上げ家賃
入居者からの受取家賃
制度利用者への支払借上げ家賃
制度導入時からの累積(2006.10-2014.9)
実績家賃の地域差は地価に比べるとかなり小さい
転貸家賃 最低保証家賃 転貸家賃 最低保証家賃 転貸家賃 最低保証家賃 転貸家賃 最低保証家賃 北海道 76,568 58,205 63 65 12 長崎県 66,333 52,133 54 58 11 青森県 64,750 52,275 53 58 7 熊本県 63,000 47,600 52 53 13 岩手県 85,750 65,875 70 73 9 大分県 76,167 56,667 62 63 10 宮城県 89,550 66,130 73 74 14 九州・沖縄 70,464 54,673 58 61 13 福島県 81,813 62,953 67 70 8 三重県 91,000 66,867 75 74 8 東北・北海道 81,726 61,911 67 69 10 滋賀県 83,417 66,371 68 74 14 山梨県 88,143 67,514 72 75 10 京都府 89,800 66,810 74 74 38 新潟県 64,333 49,867 53 56 11 大阪府 94,636 72,250 77 80 46 石川県 88,600 66,810 73 74 14 兵庫県 96,658 75,024 79 84 28 長野県 69,833 53,125 57 59 10 奈良県 91,556 71,683 75 80 19 岐阜県 69,333 51,850 57 58 13 和歌山県 66,250 51,850 54 58 12 静岡県 85,125 67,363 70 75 22 近畿 92,346 71,209 76 79 24 愛知県 98,977 73,278 81 82 33 城県 76,291 58,331 62 65 8 中部・東海・北陸 90,893 68,272 74 76 16 栃木県 84,412 62,300 69 69 11 岡山県 91,385 67,961 75 76 11 群馬県 83,133 62,503 68 70 10 広島県 81,182 61,432 66 68 21 関東圏 79,299 59,957 65 67 10 山口県 78,600 58,820 64 65 6 埼玉県 87,418 66,647 72 74 35 香川県 71,000 51,000 58 57 11 千葉県 87,087 65,835 71 73 23 愛媛県 76,500 56,525 63 63 10 東京都 122,139 89,807 100 100 100 中四国 83,486 62,327 68 69 12 神奈川県 114,968 87,645 94 98 42 (参考) 地価指数※転貸家賃と制度利用者に対する最低保証家賃の地域別平均(2006年度∼2013年度の実績値 単位円)
地域平均 東京都=100 地域名 (参考) 地域名 地域平均 東京都=100 地価指数※地価の低い地方圏では利用価値のほうが高い
▼土地価格+建物(?)
▼収益還元価値(家賃現在価値)
地方圏の公示地価平均(H24)とJTIの借上げ家賃実績※の比較
※割引率年3%で計算した月額家賃25年分の割引現在価値(2014年5月現在)
最少額:実査定の下限値 次回退去時保証家賃:最少額 85%
空き家・空室率は3∼4% で安定的に推移
400 450 500 550 600 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0%借上げ済物件にかかる空き家率と案件数の推移(2013.11-2014.11)
空き室率 案件数JTIによる定額最低家賃保証制度の導入
持ち家の転貸家賃は地域にかかわらずほぼ5万円以上で、安定している。
数理面だけでなく、全国で募集業務を行える体制面の整備も進んできた。
0" 50" 100" 150" 200" 250" ¥0" ¥50,000" ¥100,000" ¥150,000" ¥200,000" ¥250,000"!
0" 50" 100" 150" 200" 250" ¥0" ¥50,000" ¥100,000" ¥150,000" ¥200,000" ¥250,000"マイホーム借上げ制度制約案件にかかる家賃と建物面積(㎡)の関係(2014.5現在)
空き家・空き室時の最低保証家賃を長期間一定金額以上
とすることを保証する制度を導入して、事前査定を実施
全国の家賃査定は2015年度でほぼ完成する
2013年度に1年間かけて、賃貸業務に従
事する担当者が、7桁の郵便番号で区分
された全国約12万の区域のうち、36503
地域について査定を実施。本年度も査定
を継続。
査定にあたっては、上記調査結果に基づ
いて、将来にわたって最低保証家賃の下
限を3万円・5万円・7万円のいずれかと
することができるか、できないとして同
一地域の一部であれば可能か、長期間事
前に保証することは難しい地域か、とい
う5つに区分。
この結果、19395地域については3万円・
5万円・7万円のいずれかの金額で事前保
証が可能な地域とされた
7 8 9
移住・住みかえ支援適合住宅証明書
̶最低家賃保証型̶移住・住みかえ支援適合住宅証明書
̶最低家賃保証型̶ : : 一般社団法人 住宅・住みかえ支援機構 代表理事大 垣 尚 治
開始後8年を経過し、本年夏頃から利用者数
が急激に増加を始めている
次のような要素が影響
しているのではないか。
1. 空き家に対するネガティ
ブな報道
2. 経済的な楽観論が後退
3. 相続住宅の増加
4. ネットワーク財として
の借上げ利用(周知が
一定水準に達すると指
数関数的に利用者が増
加する性質)
100# 105# 110# 115# 120# 125# 4/10# 4/17# 4/24# 5/1# 5/8# 5/15# 5/22# 5/29# 6/5# 6/12# 6/19# 6/26# 7/3# 7/10# 7/17# 7/24# 7/31# 8/7# 8/14# 8/21# 8/28# 9/4# 9/11# 9/18# 9/25# 10/2# 10/9# 10/16# 10/23# 10/30# 11/6# 11/13#JTI
2014#
2013#
N=3244(2014.11.13
N=2348(2013.4.11
2014.4.10=100
11.13
2013.4.11=100
11.14
人口循環は静か
に始まっている!
15 54 55 (55 74 )一般には地方圏から首
都圏・大都市圏に一方
的な人口移動が起きて
いるとの印象。
しかし、年齢層別にみ
ればアクティブシニア
層は逆の動きを示して
いる。
この層の旺盛な消費と
巨額の資産で地方を活
性させられないか?
QOLを軸とした地方創生の方向性(産業振興のみでは隘路)
・・・といっても大した数ではありませんが。
JTIはこれまでに空き家や空き家に
なったかもしれない住宅を約650件
借り上げてきた。この機会に実態を
まとめてみると次の通りである。
【JTIを通じた空き家の利活用】
制度利用者の4割程度が既存空き家の利活用
,"254 ,"
39%
,"311 ,"
48%
,"1 ,"0%
,"83 ,"13%
2014.10
649
$
$
$
$
利用打診の段階でも4割近くが空き家利活用の希望者
,"248,"5%
,"1752,"37%
,"2800,"
58%
"
4800 2014 10
全体でみると築10年∼30年の住宅が3/4を占める
0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%#2014 10
10 10 20 2030 3040 40既存空き家のほうが若干古い住宅が多く、
旧耐震物件の比率も高い
0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%# 10 10 20 20 30 30 40 40既存空き家のほうが若干古い住宅が多い②
0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%#2014 10
10 10 20 2030 3040 40 0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%#2014 10
10 10 20 2030 3040 40耐震・著しい劣化への対応に必要な費用は築年が古
くなるにつれて増大し、制度利用の障害となる
2,000,000" 4,000,000" 6,000,000" 8,000,000" 10,000,000" 12,000,000"!
93
旧耐震物件であっ
て70年代であれ
ば200万円以内に
収まる例が多い。
新耐震物件でも相応
に補強が必要になる
最終申込みに至った案件の当初査定額を現況空き
家と居住中で比較すると、後者が若干高くなる
n=536
n=79
耐震・劣化補強に要する費用
も現況空き家のほうが高い
【市場の分析】
空き家は確かに増えている
ただし、賃貸とその他、都市部とその他では異なる動き。
総数 別荘 二次的住宅その他の 賃貸用住宅の空き家 売却用 本来の空き家 6,063 5,210 820 25 16 429 31 318 東京+千葉+神奈川+埼玉 1,787 1,572 203 4 3 131 12 53 愛知+静岡 510 438 69 4 1 40 2 22 大阪+京都+兵庫 864 739 121 1 3 67 6 44 小計 3,161 2,749 393 9 7 238 20 119 2,902 2,462 427 17 9 191 11 199 5,759 4,960 757 24 17 413 35 268 東京+千葉+神奈川+埼玉 1,660 1,458 186 4 4 113 13 51 愛知+静岡 473 412 57 5 1 31 2 18 大阪+京都+兵庫 814 694 113 1 3 65 7 37 小計 2,946 2,565 356 10 8 210 22 106 2,812 2,395 401 14 9 203 13 162 △305 △251 △62.9 △1.1 ▲1.0 △16.6 ▲4.1 △50.3 東京+千葉+神奈川+埼玉 △127 △114 △16.9 ▲0.7 ▲0.3 △17.3 ▲1.2 △1.8 愛知+静岡 △37 △26 △12.3 ▲0.8 ▲0.0 △9.0 △0.1 △4.0 大阪+京都+兵庫 △50 △44 △8.3 △0.1 ▲0.3 △2.3 ▲1.0 △7.3 小計 △214 △184 △37.4 ▲1.4 ▲0.6 △28.6 ▲2.2 △13.1 △90 △67 △25.5 △2.5 ▲0.4 ▲12.0 ▲1.9 △37.2 ※住宅土地統計調査平成20年、25年(速報)。速報値では大都市圏の集計があるが、平成20年にはないため該当県の合計値で比較。 2008年 調査 5年間 の変化全国 その他の県 空き家 全国 その他の県 住宅総数 2013年 速報値 全国 その他の県 居住世帯の ある住宅
賃貸と持ち家は異なる動きをしている
大都市部では賃貸住宅の空き室の増加が著しい。
景気対策、相続対策等のために需要をはるかに上回
る新築アパートの供給が行われ、既存アパートがクラ
ウドアウトされて空室率が急速に悪化しているのでは
ないか。
もしそうだとすれば、空き家対策以前の問題ではな
いか。
地方では賃貸住宅の空き室は減少しているが、
持ち家の空き家化が深刻。
本来親世代の既存住宅を循環させるべきところ、若
年層が新築住宅を購入するため、親世代の住宅が空
き家化しているのではないか。
もしそうだとすれば、空き家化を防止するために
は、新築ではなく既存住宅を若年層が有効活用する
住宅の世代循環を促進する新たな仕組みを検討する
必要がある。
0.0#
10.0#
20.0#
30.0#
40.0#
50.0#
60.0#
H20→H25
空き家の増大には新築住宅建築のあり方が
影響している可能性
3大都市圏9県で残り
全県を上回る貸家着
工がなされている。
同様に先行着工が可
能な分譲住宅(マン
ションが中心か)が
大量に建築されてい
る。
0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000H20
大都市
H20
地方
H21
大都市
H21
地方
H22
大都市
H22
地方
H23
大都市
H23
地方
H24
大都市
H24
地方
H25
大都市
H25
地方
大都市と地方の建築着工戸数の推移(H20→H25)
貸家
分譲住宅
持家
大都市:東京・千葉・神奈川・埼玉・愛知・静岡・大阪・京都・兵庫 地方:その他の全県 出所:建築着工統計(2013)大都市
地方
非稼働化住宅全体をみる視点が必要ではないか
H20∼H25の新規着工数はその間の居住世帯のある住
宅総数の伸びをはるかに上回る。
そうすると、空き家に加えて、取壊し等何らかのかた
ちで非稼働化した住宅がその差だけ存在するはず。
非稼働化した住宅の多くは本来の寿命よりかなり短い
段階で取壊し・建替えの対象となった可能性が高い。
H20 H21 H22 H23 H24 ▲居住世帯のあ る住宅の増加数 (B) (C)= (A)-(B)H20から
の空き家
増減
(D)
持家+分譲住宅 37 63 93 125 158 ▲13 貸家 26 44 62 78 96 ▲29 持家+分譲住宅 25 44 65 87 110 ▲37 貸家 21 34 47 59 73 12 新規着工累計 大都市計 地方計 ▲184 ▲67 70 116 合計 (A) 253 183 ▲112 ▲141 H25H20→H25住宅着工累計から想定される住宅の非稼働化
住宅の世代循環一般の
問題ととらえる必要。
本稿の立場
【考察】
(作りすぎという問題はひとまずおいて・・・)
空き家が増える構造的理由があるのではないか?
典型的な住宅購買層の親世代は
8割超の持ち家比率
2%
12%
30%
46%
58%
67%
73%
76%
79%80%80%
81%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
歳
34
39
44
49
54
59
64
69
74
上
世帯年年齢別
95%
96%
96% 96% 96% 95%95% 94%
92%
90%
81%
66%
63%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
65
歳以上世帯(所得別)
世帯数
累積比
相続期待は高い
持ち家なんか
いらないもん♪
ただし・・・長寿化が住宅の循環を阻む
人生85年以上の時代になると、子世代がファミリー住宅が必要な世
代になっても親が住み続けているために新たに取得せざるを得ない。
でも
親が住んでる
のよね
0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%# 30 30 40 50 55 55 60 60 65 65 75 75
!
こうして・・・
若い層はローンを借りてでも持ち家が欲しい(H23JTI調査)
しかし・・・
じゃあ、オレ
も家買おう
子育て層の生涯年収期待は確実に低下
22
入社年次別給与推移(名目)
住宅取得によって生涯可処分所得は大きく
影響を受けるようになっている。
前提
取得価額
3,500万円
5,000万円
金利
2%
自己資金
350万円
500万円
借入額
3,150万円
4,500万円
借入れ時年齢
40歳
35年住宅ローン
月返済額
104,348円
149,068円
総返済額
43,826,064円
62,608,663円
65歳時残高
11,340,491円
16,200,701円
定年後返済額合計
12,521,733円
17,888,190円
地方圏
大都市圏
歴史的低金利というけれど・・・
冷静に考えれば定年後に10年以上返済が続く
35年住宅ローンは健全な金融商品とは言いがたい
現役時代に早期完済できず、退職金が十分もらえない人が35
折しも、35年住宅ローンが標準となった2000年以降
の借入人がこれから徐々に役職定年・定年を迎える
,
27 186 ( ( ( ( ( ( ( : 06 0 , 0 0 0 549 36 27 186 ( , 549 27 186 ( ( ( ( ( ( , 549 27 186 , 549 , 549 ( ( ( ( , 549 ( ( , 549持ち家指向の背後には何があるのか?
0%# 10%# 20%# 30%# 40%# 50%# 60%# 70%# 80%# 90%# 100%# 30 30 40 50 55 55 60 60 65 65 75 75!
!
それなのに!
持ち家指向は世代を超えて根強い(H23JTI調査)
?
「持ち家」の意味するところ・・・
利用関係別戸あたり床面積の推移
(着工ベース)単位:㎡
持ち家 分譲戸建 分譲 マンション 貸家 給与住宅 その他2000
140
106
92
53
70
2001
137
105
95
52
72
2002
136
105
93
50
70
2003
135
105
90
49
71
2004
134
105
89
48
67
2005
134
105
89
47
69
2006
133
106
86
46
67
2007
132
106
88
46
66
2008
130
105
84
45
64
2009
128
104
84
47
57
2010
126
103
84
50
63
2011
126
103
83
51
69
2012
125
103
82
51
70
2013
125
103
80
51
82
「持ち家」とは、
所有している家で
はなく、「持ち家
並の広さとクオリ
ティーの家」とい
うことなのではな
いか?
わが国では広い家に住むには買うしかない
?
それなら、「持ち家」を「貸家」として提供すればよいのでは?
幸い空き家はこれからいくらでも出てきそうである。
70年代∼80年代に作られて団塊世代の子育てを見守った住宅に
次の世代の子育てのめんどうもみてもらう。
内装・設備は完全にリニューアルして、新しい「持ち家グレード」
の家として子育てが終わるまで長期間住んでもらう。
これによって、わが国の数字が著しく短いと指摘される「廃棄ま
での期間」が倍になり、CO2問題の一助にもなる。
ここで重要なのは、「何を作るか」というハードの話ではな
既存住宅が循環し、
循環する住宅が新築
される仕組みを築く
住宅循環
という発想
住宅の長寿命化とライフスタイルの変化を反映
した「相続によらない住宅の世代循環」を実現
就労・子育て期
アクティブシニア期
老いじたく期
就労・子育て期
アクティブシニア期
老いじたく期
相続
親世代
子世代
世帯を上回る住宅戸数はある
が,親世代がシニア期にそれま
での持ち家に住み続ければ,子
世代は新たに家族住宅を保有せ
ざるをえなくなる。
シニア期のための住宅
建築を促進して,家族
住宅を子世代に循環さ
せる政策[も]必要なので
はないか。
空き家化
高齢者住宅
は不足
空き家にした家は,
相続する頃にはもは
や住めない状態に。
就労・子育て期
アクティブシニア期
親世代
就労・子育て期
子世代
アクティブシニア期
相続
物理寿命におい
て健全に建替
収益資産として活用・メンテナンス
親世代
親世代
直線型ライフコース(これまでの住宅パラダイム)
循環型ライフコース
生活都市型住宅の建築促進
戦略的同居も
子世代
子世代
老いじたく期
老いじたく期
高齢期に
メンテナンスは困難
RENOVATION
住宅循環の対象物件は膨大
新耐震基準以降に建造された2階建て・3階建て以上の一戸建て住宅の件数(平成25年住宅土地統計調査)
防火木造 鉄筋・鉄骨コ ンクリート 鉄骨 防火木造 鉄筋・鉄骨コ ンクリート 鉄骨 防火木造 鉄筋・鉄骨コ ンクリート 鉄骨 1981 1990 24-33 2,443,600 183,800 187,300 1,190,800 82,600 105,400 1,252,800 101,200 81,900 1991 1995 19-23 1,437,500 102,600 124,400 666,000 47,800 69,600 771,500 54,800 54,800 1996 2000 14-18 1,636,200 118,400 152,200 826,400 58,800 93,000 809,800 59,600 59,200 2001 2005 9-13 1,594,500 105,600 136,800 879,300 56,000 87,000 715,200 49,600 49,800 2006 2008 8-4 996,000 64,500 82,600 528,600 33,700 50,100 467,400 30,800 32,500 2009 3 271,300 18,400 23,500 146,600 9,700 13,800 124,700 8,700 9,700 2010 2 278,000 17,700 23,600 154,500 9,800 14,600 123,500 7,900 9,000 2011 1 282,100 18,700 22,600 157,000 10,300 13,800 125,100 8,400 8,800 2012 0 266,300 16,000 19,700 147,800 8,800 12,000 118,500 7,200 7,700 2013/1/9 174,500 10,400 13,200 92,400 5,800 8,600 82,100 4,600 4,600 防火木造 鉄筋・鉄骨コンクリート 鉄骨 防火木造 鉄筋・鉄骨コンクリート 鉄骨 防火木造 鉄筋・鉄骨コンクリート 鉄骨 1981 1990 24-33 762,000 31,400 36,900 129,600 17,900 25,500 299,200 33,300 43,000 1991 1995 19-23 418,100 19,200 26,100 78,600 9,600 17,400 169,300 19,000 26,100 1996 2000 14-18 493,500 22,900 30,700 103,000 11,300 23,200 229,900 24,600 39,100 2001 2005 9-13 534,500 22,500 31,000 106,000 11,100 21,200 238,800 22,400 34,800 2006 2008 8-4 320,800 14,000 16,700 72,500 7,100 14,600 135,300 12,600 18,800 2009 3 89,600 4,000 5,200 21,000 2,400 4,100 36,000 3,300 4,500 2010 2 97,000 4,600 5,800 20,600 2,100 4,100 36,900 3,100 4,700 2011 1 97,100 4,700 5,200 22,500 2,300 4,100 37,400 3,300 4,500 2012 0 91,000 3,900 4,500 21,500 2,200 4,000 35,300 2,700 3,500 2013/1/9 56,200 2,900 3,000 14,500 1,200 2,500 21,700 1,700 3,100 その他地方圏 関 東 大 都 市 圏 中 京 大 都 市 圏 近 畿 大 都 市 圏 建築期 築後年数 建築期 築後年数 全国 大都市圏住宅価格の構造
土地
構造・躯体
設備・内装
•
住宅価格は土地・スケルトン(構造躯体)・インフィル(設備内装)から構成
•
土地は永遠、スケルトンとインフィルの耐用年数は大きく異なる。
•
インフィルの耐用年数は概ね1家族の子育てステージ期間と合致
•
中古住宅の流通とは、ライフステージ完了時=インフィルの寿命において、土地+構造躯体
の残存価値を回収することとも考えられる ← これを私人間の市場に委ねることには無理
購
入
価
格
望ましい中古価格
現実
この差を埋め
ることは容易
ではない。
マイホーム借上げは中古住宅の利用価値を実現
土地
構造・躯体
設備・内装
•
マイホーム借上げ制度等によって、住まなくなった住宅を賃貸運用することは、空き家にし
ていても減価する価値、すなわち、住宅の持つ利用価値を入居者に売ることと同じと位置づ
けられる。
•
いいかえれば、賃貸とは住宅の収益還元価値の実現手法であり、中古住宅流通の一形態とい
うことができる。
購
入
価
格
空き家にしていても減価
する価値を家賃で回収
構造・躯体
※ 設備・内装は最小限の投
資にとどめて家賃に反映
収益還元価値
売却理論価値
中古市場の価格
中古住宅流通から住宅循環へ
すぐに使えないものはそのままでは流通しない。すぐに使えないから値段がつかない。放置
されば空き家になる。
•中古住宅の物理的価値をインスペクションによってどれだけ評価しても、根本的な解決にはならない。
築後5年の住宅は「中古住宅として流通」する。しかし、築後25年の住宅は「内装・設備
を再投資して再生住宅として販売・賃貸」する新しいビジネスモデルが必要。
•そうでなければ、「まだ住める家」として漠然と住み続ける「終の住処」になってしまう。
•本来リフォームが必要だが、シニア期には不要不急の出費は難しい。ローンを借りてまですることとい
う理解は希薄。
ほとんどの「持ち家」はファミリー住宅。再生するには次の子育て世代にもう一循環住ん
でもらう住宅の「世代交代」が必要。
1. 移住・住みかえの捕捉
•①住みかえを事業者もビジネスイベントとして確実に捕捉し、②潜在需要としての住みかえを顕在化し、③
より積極的に、セカンドライフのために住みかえたい「住宅+場所」をプロモートする必要がある。
2. 単に賃貸・売却するのではなく、「再生投資」が行われるビジネスモデルと組み合わせる。
•再生住宅
•DIY型長期リース+おまかせ借上げ制度
3. 住み続けるなら、ファミリーにも住んでもらう「賃貸併用型二世代住宅化」に建替・リフォームする。
一方、このまま何もしないと住宅需要は減少が続く
可能性が高いのではないか。
0" 200,000" 400,000" 600,000" 800,000" 1,000,000" 1,200,000" 1,400,000" 2000" 2001" 2002" 2003" 2004" 2005" 2006" 2007" 2008" 2009" 2010" 2011" 2012" 2013" 20# 40# 60# 80# 100# 120# 140# 2000# 2002# 2004# 2006# 2008# 2010# 2012# 2000# 2002# 2004# 2006# 2008# 2010# 2012# 2000# 2002# 2004# 2006# 2008# 2010# 2012# 2000# 2002# 2004# 2006# 2008# 2010# 2012# 2000# 2002# 2004# 2006# 2008# 2010# 2012#建築着工統計調査より2000年=100
住宅購買層の変化のイメージ
従来30代∼40代で「そういうもの」として
持ち家を購入していた中間層が剥落していく。
ハイエンド
ミドル
ローエンド
ハイエンド
ローエンド
ミドル
持ち家購入
•
公的住宅
•
民間賃貸
剥落
人口減
買わずに「持ち家」に
住む仕組みが必要
しかし、人口構造の形状に着目すれば、これからの10年
はむしろ戦後最も購買人口が多い時期とみることもできる。
問題は住宅需要の構造変化に対応できるか(次頁参照)
2012年頃から購買層の主役が世代交代。
勢いと慣性で持ち家取得していた層が去り、将来不安が顕在化し
た層に主役が移る。
ただし、購買層の人口そのものはむしろ増加。この層の
将来不安
を除去
して、その心を掴めばむしろビジネスの増大を狙える。
団塊層はこれまでの常識では「終わった」層。しかし、
住みかえ
ニーズを顕現化させ、これを既存住宅の循環によって資金的に裏
付け
れば、2015年から10年間が追加的なビジネスチャンスに。
0" 2000" 4000" 6000" 8000" 10000" 0 4 59" 10 14" 15 19" 20 24" 25 29" 30 34" 35 39" 40 44" 45 49" 50 54" 55 59" 60 64" 65 69" 70 74" 75 79" 80 84" 85 89" 90
2000
35
2000" 4000" 6000" 8000" 10000"2005
2012
0 4 59" 10 14" 15 19" 20 24" 25 29" 30 34" 35 39" 40 44" 45 49" 50 54" 55 59" 60 64" 65 69" 70 74" 75 79" 80 84" 85 89" 902015
2020
0 4 59" 10 14" 15 19" 20 24" 25 29" 30 34" 35 39" 40 44" 45 49" 50 54" 55 59" 60 64" 65 69" 70 74" 75 79" 80 84" 85 89" 902025
2030
0 4 59" 10 14" 15 19" 20 24" 25 29" 30 34" 35 39" 40 44" 45 49" 50 54" 55 59" 60 64" 65 69" 70 74" 75 79" 80 84" 85 89" 902010
団塊世代が
現役購買層
団塊Jrが
現役購買層
団塊Jrの心を掴めるか
引退団塊に動きを
起こせるか
現役購買層が激減
住宅循環をビジネスにするという発想
新たに子育て世代になる者に新築住宅を売り、古屋の保有者に建替を推奨し、
相続税懸念のある遊休地保有者に狭小アパートを建てさせるというワンパター
ンの営業では住宅産業の行き詰まりは明らか。
生涯年収期待に見合った家を売るという発想では値引き合戦の隘路に嵌まる。
コアコンセプト:住宅の期間所有
ライフスタイルに適合した住宅を
その期間だけ所有して住む
既存住宅
長寿命
新築住宅
4世代が25年ずつ
100年住宅を循環
して所有する
築後20年∼30年の
住宅を取得・賃借し
た者が自ら再投資し
てあと一世代住む
住宅循環事業
ハード:長寿命住宅
(すでに存在)
ソフト:マイホームリース
長期DIY型リース
大垣の妄想:
住宅循環による投資押し上げ効果のイメージ
新築住宅の自然減を既存住宅循環+リース導入による長寿命住宅の
着工増・投資金額増+将来の再リース投資で補完。
②リー
ス導入による着工増・投資増
①既存住宅循環に
よる請負増
③再リー
ス物件投資
新築着工
の自然減
非長寿命住宅
長寿命住宅
現行シェア
1/4
【そこで・・・】
JTIでは、空き家発生の防止と既存空き家利活用
のために住宅循環ビジネスの支援事業に取組み
1. DIY型長期リース
入居者リフォーム
期間指定型(長期)
DIY型長期リー
ス
既存住宅(耐震)
提携リフォームローン
家賃定額保証
定期点検
•現行の耐震基準を満たす住宅を対象。
•10年程度以上の長期定期借家契約でJTIが借上げて、長期転貸
•インフィルの耐用年数と転借期間をほぼ一致させることで初期投資を
借家契約期間で償却。
•リフォームは入居者が実施。提携ローンを提供。
•借地借家法に基づく中途退去リスクはJTIが吸収。転貸も10年以上の
場合家賃差額は5%とする
•造作買取義務なし
•原状復帰義務なし(故意・重過失による滅失の場合を除く)
•JTI(オーナー)による定期点検受忍義務
住宅
保有者
現状有姿で長期定期借家契
約により賃貸(最低10年程
度を目安)
入居者
転貸
躯体リース料
リフォーム
資金
躯体リース料
設備/内装施工
承諾
空き家利活用
2. おまかせ借上げ制度
+DIY型長期リース
制度利用者
空き家もしくは空き家化が予定される住
宅を保有する者(年齢制限は本制度につ
いては課さない)
借上げ期間
①
10年以上の期間の定期借家契約とする。
②
10年経過後は終身もしくは期間指定型
の通常制度で新規契約をすることができ
る。
転貸借の特例
①
転貸借は借上げ期間を超えない期間の
DIY型長期リースとする。
②
転借人が中途退去した場合にはJTIの判
断で3年等の定期借家契約で運用する。
建物診断の特例
JTIにおいて、必ず耐震診断を含む建物
診断を実施する。
耐震改修の特例
JTIにおいて、耐震基準値を原則として
1まで引き上げる耐震改修工事ならびに
JTIが必要と認める劣化補強工事を実施
する。
工事内容については制度利用者の承認を
得る。
工事金額は500万円を超えないものとす
る。
借上げ家賃
転貸家賃から以下を控除した金額
①
空き家/空き室積み立て金 5%
②
管理費 5%(現行通り)
③
耐震改修費用の月割り額(2万円∼5万
円程度以内)
定額最低家賃保証
中途退去により空き家・空き室となった
場合であっても、最低限③の金額を下回
らない定額最低保証家賃の支払いが保証
される(期中に制度利用者の持出は起こ
らない)。
制度利用者からの中途解約
当初10年間は中途解約は認
められない。
造作買取請求権
期限においてJTIは耐震改修にかかる造
作買取請求権を有しない。
ただし、制度利用者が、10年以内に制
度利用者の事情で借上げを終了させる場
合には、JTIがあらかじめ定めた残存価
格表(借入れ元本残高に一致)により改
修費を清算せねばならない。
既存住宅(築年が2000年以前の一般戸建住宅)
DIY型長期リース
耐震リフォーム(JTI)
入居者リフォーム
提携リフォームローン
住宅機構等からの融資
空き家
利活用
手取り家賃の
目安(反転部分
は手取りが転貸家
賃の半分未満と
なる場合)
空き家
保有者
現状有姿で賃貸
躯体リース料
入居者
躯体リース
設備/内装施工
躯体/構造補修・補強
躯体リース料
住宅金融支援機構
民間銀行等
耐震等リフォーム資金
インフィル
リフォーム
資金
おまかせ借上げ制度+DIY型長期リースの仕組み
11 SLDK 112 120 2 m 1987 10 25 35 2220 4200 5520 1920 3900 1 38 5 2 4500 24 112 15 120 1.5 35 11 3600 900 35 4620 3 5 JTI JTI 1 10 25 1 JTI × / 3 DIY 600 2 / / / / / / / / / / / / / /