修 士論文
吸 光分光 法に よ る海 苔混合液 の 特 性 評価
平成1 9 年 度
三重 大 学大学院 工学研 究 科 博士前 期 課 程 物理工学 専攻
松尾 公輔
三 重 大 学 大 学 院 工学 研 究 科
目 次
第1 章 序 論
第2 章 海 苔 プロセスと 品質 評 価
2.1 海 苔の製 造プロ セス
2.2 海 苔の品質 ‥ ‥ ‥ ‥ .
2.2.1 乾海 苔の色調 ・ 色 素
2.2.2 採 取 時期と海 苔の単 価 第3 章 光 学 的 評価 法のシステ ム 第4 章 乾 海 苔 デー タの収 集
4.1 乾 海 苔の画像 計 測 ‥ . ‥ . 第5 章
5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6
4
6 6 7 7 8
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1 4 1 4
混 合液の透過特 性 を用いた色 素 含 有 量の推 定 は じ め に ‥ . . ‥ . ‥ . .
推 定 法 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
L E D 発光ス ペク トル の補正 推 定 結 果 . ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ 推 定 結 果の妥 当 性 ‥ . ‥ .
ま と め . ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ .
第6 章 主成 分 分 析 を用いた 品質 評 価の検 討
6.1 主成 分 分析につ いて . ‥
6.1 .1 主成 分 分 析と は ‥ 6.1 .2 変量の標 準 化 ‥ .
6.1 .3 主成 分 . ‥ ‥ ‥
6.1 .4 寄 与 率 ・ 累積 寄 与率
6 .1 .5 主成 分の数 ‥ ‥
6.2 色 素含 有量 を 用いた 主成 分 分 析 . ‥ . ‥ ‥ . ‥ ‥ .
6 .2.1 は じ め に ‥ ‥ ‥ ‥
6 .2.2 2 0 0 6 年 度の分析 結 果 . ‥ ‥ ‥ ‥ . ‥ ‥ ‥
6 .2.3 2 0 0 7 年 度の分析 結 果
6 .2 .4 ま と め ‥ ‥ . ‥ . 6.3 透 過 特 性を 用 いた 主成 分 分 析
6 .3 .1 は じ め に ‥ ‥ ‥ . 6 .3 .2 2 0 0 6 年 度の分 析 結 果
6 .3 .3 2 0 0 7 年 度の分 析 結 果
6 .3 .4 ま と め . . ‥ ‥ ‥
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6.4 規 格 化した透過特性 を 用い た 主成 分 分 析 ‥ ‥ ‥
6.4.1 は じめ に ‥ ‥ .
6.4.2 2 0 0 6 年 度の分析 結 果 . . . . . .
. ‥ . . . .
6.4.3 2 0 0 7 年 度の分析 結 果 . ‥ . ‥ ‥ ‥ ‥ .
6.4.4 ま と め . ‥ . ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ . ‥ 第7 章 結 論
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第1 章 序 論
乾 海 苔の品質に関しては様々 な 研究が さ れてお り、 中に クロ ロ フィル、 カロチノイ ド、 フィ コ エ リスリ ン, フ ィ コ シ ア ニ ンとい っ た色 素が含ま れてい ること6,7 や、 良 質な乾 海 苔ほ ど色が濃く、
含 有 色 素量 が多い傾 向のあ ること8、 ま た 品質に よっ て海 苔の吸 光ス ペク トル に違い のあ ること7 な どが 明 ら か に さ れてい る。 海 苔の品質は原 藻の 品種 や 育 成 環 境は も ち ろ んの こと、 乾 海 苔 製 造
の各工程な どの影 響も受け る。
筆 者ら は、 こう した乾 海 苔の品質を乾 海 苔 製 造過程の中 間段階で評 価 する 手法を 開 発すること に よっ て、 品質に関係 する情 報を プロ セス の各工程‑ フ ィ ー ドバ ック して、 乾 海 苔 製品の品質向 上 につ なげること を最 終目的に 研究を進めて いる1 〜5。 本研究では海 苔 製 造の中 間生成 物であ る ミ
ンチ状の海 苔と水を調 合し た海 苔混合 液に 注 目 し、 海 苔混合 液の分 光 透過特 性を測 定 ・ 分 析 する こと に よ り乾海 苔品質に関する情 報の抽出 を試み た。
本研究では、 海 苔混合液の分光透 過 率を測 定する た め に、 発光波 長が4 6 5n m
,5 1 7n m
,5 9 2n m
,6 4 1n m の L E D を光 源とする試 作 機を製 作して、 そ れ ぞ れの透 過 率を測 定し た。 測 定は試 作機を実 際の乾 海 苔 製 造工程 中に 設置し て、 乾 海 苔の生産 時期に あ た る2 0 0 5 年1 月 下旬 ‑2 0 0 6 年3 月 下旬及 び 2 0 0 6 年1 2 月中 旬‑ 2 0 0 7 年3 月 下旬に行っ た。 ま た、 海 苔混合 液の透過率か ら得た情 報との関 係 を調べる た め に、 対応 する乾海 苔サンプル を採 集し、 スキャナ を使用 し て乾海 苔透 過画像の採 集 を行っ た。 測 定し た海 苔混 合 液の各 光透 過 率を分析 すること に よ り海 苔混合液の吸 光 分 光 特性 を 把握 し て、 乾海 苔品質に関する情 報の抽 出、 お よ び海 苔の含 有 色 素量の推 定を試み た。 ま た、 こ れ らの結 果と、 乾 海 苔サ ンプル の比較も行っ た。
まず2 章に おいて、 研究背 景と な る海 苔の製 造プロ セス を簡 単に説明する。 ま た、 乾海 苔の品 質と は どのような ものなのかや過 去の海 苔の研究な ど につい ても述べる。
3 章では、 実 際の乾 海 苔製 造工場に設置して海 苔 混 合液の透過率 特性の測 定を行っ た試 作 機及 び シス テムを説明 し、 そ れ ら を 用いた測 定結 果につ いて述べる。
4 章では、 乾海 苔に関 する情 報と して, 乾 海 苔のサンプル か ら 画像 情 報を取 得し、 色 調 情 報の抽
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第1 章 序 論 出につ い て述べる。
5 章では、 混 合 液の透 過 特性か ら海 苔 混 合 液に含ま れ る色 素量 の推 定を行っ た結 果につ いて述
べ
, 間 接 的にでは あ る が、 推 定し た色 素量の妥 当性につ いて述べる。
6 章では、 推 定し た色 素量や 海 苔 混合 液の透過特性の情 報 集 約と特 徴量抽 出を 目的に 主成 分 分 析
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を行った結 果につい て述べる。 ま た、 主成 分 分 析に よっ て抽出した成 分と乾 海 苔の品質を 比 較し た結 果につ いて も述べる。
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第2 章 海 苔プ ロ セ ス と品質評 価
2.1 海 苔の製造プロ セス
ー 枚の乾 海 苔が製 造さ れ る工程を 図2.1 に 示す。 原 材 料であ る原 藻を採 取 後に洗浄さ れ た あ とミ
図 2.1: 乾 海 苔の製 造 過 程
ンチ状に切断し、 水 と混合し て混合 液を作成 する。 そ し て、 この混 合 液の 一 定量 がパイ プ を 通 し て簾の上 に放 出さ れて乾 海 苔の素材が 形成さ れ る。 簾の上の海 苔 素材は、 その後, 2 時間ほどの乾 燥工程を経て乾 海 苔 製品 が完 成 する。 乾 海 苔の製造 は自動 化 が 進 んでお り, 工程 中で の湿度 ・ 温 度制御や重量 制御な ど がすでに 行 わ れている。 従 来の乾 海 苔 製 造に おい ては、 出来 上 がっ た乾海 苔の 品質に よっ て加工環 境を変化 さ せてお り、 いか に良 質な乾海 苔に仕上げる か は、 その作 業に 従 事 する 生 産者の技 術に 左右さ れ る部 分も あ る。 従っ て、 製 造途 中で海 苔の品質を評 価して、 そ
の情 報を加工 工程にフ ィ ー ドバ ックすること ができ れ ば, 乾海 苔の品質 向上や 乾 海 苔 製 造がの効 率 化につな が る と考え ら れ るQ
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第2 章 海 苔プロ セス と 品質 評 価 2 .2 海苔の品質
乾海 苔の品質は色調、 味、 光沢、 硬 さ、 香り な どの数々 の要素に よっ てその良 否が識別 さ れ、 入 札 時の販売価 格が決 定さ れて いる。
2.2 .1 乾 海 苔の色 調 ・ 色素
一 般 的に は色が濃く、 黒 い海 苔ほ ど良い のり と さ れて いる。 ま た乾海 苔の色調は含ま れ る色 素 に よって決 ま る。 こ こ で、 乾海 苔に含ま れ る 主 要 な色 素を表2.1 に 示す。 表2 .1 に 示すような色 素
表2 .1: 海 苔に含ま れ るの主 要色 素6,7,1 0
色 素名 色 吸光ピ ー ク波 長 性質
クロ ロ フ ィル 緑 色 4 2 0,6 8 0n m 脂 溶 性
フ ィ コ エ リスリ ン 紅色 4 9 5,5 6 5n m 水 溶性
フ ィコ シ ア ニ ン 藍 色 ‑ 青 色 6 1 5n m 水 溶性
カロ チン 樺 色 ‑ 黄 色 4 7 0n m 脂 溶 性
の量 に よっ て海 苔の色の濃 淡が 決 ま る。 色が濃いと評 価さ れ た海 苔は、 色 素含 有量 が多い こと が 従 来の研究に よっ て明 ら か に さ れて いる(図2.2)。 ま た、 旨いと評 価さ れ た海 苔に につ いても、 よ
り多くの色素が含ま れて いること も 明 ら か に さ れて いる(図2.3)。 次に、 乾海 苔の品質と、 海 苔
0 8 10 1 2 1 4 1 6 1 8 2 0 22
や色の添さ‑ の評価 そ色がある)
図2.2: 色の潰さの評 価と色 素 総量8 色9
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色 9 義 幾 8 蛋
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疎か の評 繍( 旨い) 図2.3: 味の評 価と色 素 総量8
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第2 章 海 苔プロ セス と 品質評 価
に含ま れ る脂 溶 性、 及 び 水溶性色素の吸光ス ペ ク トル を そ れ ぞ れ 図2 .4, 図2 .5 に 示す。 品質の良い
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波 長(n r rO
0 4 軸
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波長(n rrCI
図2.4: 海 苔に含ま れ る脂 溶性色 素の吸 光ス ペ 図 2.5: 海 苔に含ま れ る水溶 性 色 素の吸 光ス ペ
ク トル 6 ク トル 6
海 苔の順に 上級、 中 級、 下級と して、 そ れ ぞ れの水 溶性 ・ 脂 溶性色 素に依 存したス ペク トル を 示 して いる。 品質の良い海 苔ほど、 吸 光ス ペク トルは 全体 的に大きい傾 向に あ る。 ま た, ス ペク ト
ル に 見 ら れ るピ ー ク は、 含ま れ る 色素に 大 き く依 存し てお り、 表2 .1 に 示 し た4 つの色 素が 大 き く 関係し て いる。 この ように、 乾海 苔の品質の違い に よっ て分 光 吸 光ス ペク トル に違い が あ ること が 明 ら か に さ れて いる。 この こと か ら, 乾 海 苔の製 造 途 中に 生成さ れ る 混合 液の吸 光 分 光 特性 あ るい は透過特性 を 用 いることで、 乾 海 苔の品質を評 価 すること が 可能であ る と考え ら れ る。
2 .2 .2 採取時期と海 苔の単 価
地方に よっ ても異な る が、 海 苔は1 0 月末 ‑ 4 月中 旬の間で生産さ れ るのが 一 般 的であ る。 乾 海 苔 製品 生産 者た ちの間では、 生産 時 期が遅く な る ほ ど海 苔の 品質が 悪 く な ること が経 験 的に 知 ら れて いる。 図2.6 に平 成1 6 年 度 ‑ 平 成1 8 年 度に お け る 全国の海 苔の平 均 単価の時期 的な動 向を 示す。 価 格は海 苔の需要 な ど に よっ ても変 動 する が、 時期が遅く な るほど海 苔 単 価の平 均が低く なっていること が分かる。 ま た、 図2.7 に は、 本研究に ご協力いた だいた乾海 苔 製 造工場が出荷し た平成1 8 年 度 ‑ 平 成1 9 年 度に お け る海 苔の平 均 単価の時期 的な動 向を 示す。 図2 .6 と 同様の傾 向
のあ ること が分かる.
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第2 章 海 苔プロセ ス と 品質 評 価
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図 2 .6: 海 苔の平均 単価9
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図2.7: 製造工場が出荷した海 苔の平均 単 価
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第3 章 光 学的評価 法の シス テ ム
本 研 究で用いた測定シス テム は、 乾 海 苔の製 造 過 程で生成 され る海 苔 混 合 溶 液の異な る波 長に お け る光 学 的 透過率を測 定す る ものであ る。 その測 定システム を 図3.1 に 示すo 海 苔混 合 溶 液の流
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図 3.1: 混 合溶 液 測 定シ ステム
れ るパイ プに測 定器を 配置し光 学 的透過率を測 定す る。 測 定部を構 成す る 発光 部、 受 光部、 処 理 回路を そ れ ぞ れ 図3.2, 3ふ 3.4 に示す. ま た, こ れ らの詳細を 図3.5、 3 .6 、 3 .7 , 3.8 に 示 すo
発光 執こは 発光波 長が4 6 5n m , 5 1 7m n , 5 9 2n m , 6 4 1n 皿 の L E D 、 受 光 部に はフ ォ ト ダ イ オ ー ド
(P D) が 配置さ れてお り, そ れ ぞ れ の L E D の透過光をp D が受け、 処 理 回路を 通 して電圧値と し て記録 するo ま た、 処 理 回路では記録の際に、 0 .1 秒ご との透 過 光量 を1.0 砂 毎に平 均 化して いるo
図3 .1 に 示 す測定システムを、 愛知 県 一 色町 の乾 海 苔 製 造工場の協力 のも と、 実 際の乾 海 苔 製 造 過程 中に 配置して透 過 率の測 定を行っ たo 汲1定は海 苔製 造の シ ー ズンであ る2 0 0 6 年の 1 月 下旬か ら3 月 下旬、 及 び2 0 0 7 年の 1 2 月 下 旬 か ら3 月 下旬の 2 回行っ たo
図3 .9,3.1 0 には, 本システム を用いて測 定した海 苔混合 溶 液の透過率の時 期 的 変化を 示す。 縦
図 3.2: 発光 部
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図3.3: 受 光 部
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図3 A : 処 理 回路
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第3 章 光 学 的評 価 法のシステム
図 3.5: 発光 部の詳細
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図 3.6: 受 光 部の詳 細
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第3 章 光 学 的 評 価 法の シ ステ ム
図 3.7: 処 理 回路の回路図
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図3.8: パイ プ
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採屯 時頼
図 3 ・9: 軌 定した混 合 液の透 過 率の時 期 的 変化(2 0 0 6 年1 月 下旬 ‑ 2 0 0 6 年 3 月 下旬)
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