1章 業務概要
2章 スマートコミュニティに関する情勢の整理
3章 スマートコミュニティ構成要素の抽出と課題整理
4章 スマートコミュニティに関する各種調査
6章 スマートコミュニティ推進方策と技術移転の検討
7章 スマートコミュニティ構築に向けた普及イベント等の開催
8章 業務処理体制
1章 業務概要
1−1 業務の目的と必要性 近年、化石燃料の高騰や地球温暖化問題の進展、環境エネルギー関連市場の拡大など、エ ネルギーを巡る国内外の環境が大きく変化している。そのため、既に日本においても化石燃 料に頼らず、温室効果ガス排出量を減らすために省エネルギーや新エネルギーに取り組んで いる。近年では、さらなる省エネルギーの推進や、新エネルギーの大量導入を進めるために、 情報通信技術(ICT)を活用して電力の需給をバランスさせ、安定的な電気供給を維持す る、「スマートグリッド」の整備が進められている。そして、エネルギーの有効利用という観 点からは、電力だけでなく、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーを地域単位で統合的 に管理するとともに、交通システムなども組み合わせた、「スマートコミュニティ」の構築が 期待されている。 このような中、平成 22 年 6 月に策定された国のエネルギー基本計画や新成長戦略では、エ ネルギーの自給率向上やCO2排出大幅削減、環境と経済の調和のため、スマートグリッド 技術を活用したスマートコミュニティへの移行が位置づけられており、現在、効率的な電力 供給の実現に向けた国内 4 地域における大規模実証等の展開により、再生可能エネルギーを 一連の社会システムとして効率的に活用する社会をめざす取組が進められている。 こうした中、本年 3 月に発生した東日本大震災の発生に伴い、地域における電力や燃料の 安定確保等が重大な問題として大きくクローズアップされている。本道においても、こうし た動きに呼応し、スマートコミュニティの構築に向けた取組が急務であり、「再生可能エネル ギーの宝庫・北海道」としての優位性を発揮する好機となっているが、本取組を構成する上で 活用可能な技術や行動等といった構成要素が広範であるため、地域主体の取組を進めること は困難な状況にある。 このため、スマートコミュニティの構築に向けては、地域特性に応じた資源や技術の活用 により、地域における効率的なエネルギー活用社会を実現するためのモデルを提示する必要 がある。 また、再生可能エネルギーの高コスト・出力の不安定性というネックを解消するため、地域 電力会社及び地域産業が連携して検討を進める体制整備が必要である。 さらには、今後、道内の環境関連産業の振興などといったさまざまな効果を発揮させてい くため、今後産学官金で構成されるネットワークづくりといったことも求められている。 これらのことを踏まえ、本道の特性を活かしたスマートコミュニティの構築に向けた実証 可能性調査を実施し、地域特性を踏まえたモデルづくりを通じて、地域住民等へスマートコ ミュニティの構築に向けた取組の理解促進等を図るとともに、今後、スマートコミュニティ の構築に向けた取組の進展に伴い、道内の環境関連産業の拡大や新たな産業の創出、積雪寒 冷地特有の技術を国内外への移転等につなげていくためのネットワークづくりなどに関する 調査検討を本事業において実施する。1−2 業務フロー 本業務は、下図のフローのとおり進めた。 3章 スマートコミュニティ構成要素の抽出と課題整理 3−1 既往資料からのスマートコミュニティ構成要素の抽出 3−2 北海道の地域特性や産業構造を考慮したスマートコミュニティ構成要素の抽出 3−3 北海道におけるスマートコミュニティ関連企業等の把握 3−4 北海道におけるスマートコミュニティ構成要素と課題整理 5章 北海道の地域特性や産業構造に応じたスマートコミュニティモデルの作成 5−1 スマートコミュニティモデル検討に当たっての考え方 5−2 スマートコミュニティモデル検討に当たっての考慮事項 5−3 スマートコミュニティモデルの検討 5−4 スマートコミュニティ実現のためのアクションプラン 5−5 具体的な地域を想定したスマートコミュニティモデルの検討 (1)帯広市(都市部モデル)におけるスマートコミュニティ構築イメージの検討 (2)ニセコ町(農村部モデル)におけるスマートコミュニティ構築イメージの検討 (3)利尻島(離島モデル)におけるスマートコミュニティ構築イメージの検討 (4)恵庭市・千歳市・苫小牧市・厚真町(先導モデル地域)におけるスマートコミュ ニティ構築イメージの検討 6章 スマートコミュニティ推進方策と技術移転の検討 6−1 地域電力会社及び地域産業と連携した再生可能エネルギーの高コスト・出力不安定 課題への対応方策 6−2 「(仮称)北海道スマートコミュニティ推進ネットワーク」形成のための方策検討 6−3 地域や住民が主体となった長期的な視点でのスマートコミュニティ推進方策の検討 6−4 積雪寒冷地特有の技術に係る国内外への移転方策 4章 スマートコミュニティに関する各種調査 4−1 スマートコミュニティに関するアンケート調査 4−2 地域新エネルギービジョンなどのフォローアップ 4−3 各種調査結果の考察 2章 スマートコミュニティに関する情勢の整理 2−1 スマートコミュニティ構築が求められる社会的背景 2−2 スマートコミュニティに関する国内動向 2−3 スマートグリッドに関する海外動向 2−4 北海道におけるスマートコミュニティのフレーム 7章 スマートコミュニティ構築に向けた普及イベント等の開催 7−1 スマートコミュニティ構築に向けた各種普及イベント等の概要 7−2 先導モデル地域における勉強会の開催 7−3 座談会の開催 7−4 フォーラムの開催 7−5 セミナー(住民ワークショップ形式)の開催
2章 スマートコミュニティに関する情勢の整理
2−1 スマートコミュニティ構築が求められる社会的背景 (1) 化石燃料依存型からの脱却 石油連盟の資料によれば、2000 年には 1 バレル 28.37 ドルだった原油価格は、2009 年には 69.4 ドルに値上がりしており、中国、インドなど、人口の多い国の経済発展により、今後も上昇して いくものと予想される。また、化石燃料中心のエネルギー供給体制の場合、産地となる地域で紛 争や大災害が発生することにより、製油所などの社会インフラなどがダメージを受け、燃料供給 がストップしてしまう危険性が高い。さらには、化石燃料は、消費することにより、CO2など の温室効果ガスが排出され、地球温暖化を引き起こすと考えられている。 このような問題を解決するため、私たちは、地球に負荷の少ないエネルギーを利用するための 技術を開発・導入し、持続可能な社会を作り上げる取組をしていく必要がある。その取組は、人々 の暮らしを化石燃料依存型のライフスタイルから転換し、持続可能なエネルギーを利用する新た な暮らし方をもたらすものである。 加えて、化石燃料からの脱却を図ることは、人々に新たな価値観を与え、産業と雇用の場を創 出し、豊かな経済循環をもたらすことが期待される。我が国政府は、新成長戦略の中で、平成 32 年までに 50 兆円超の環境関連産業の新規市場を開拓して、140 万人の新たな雇用を創出する目標 を掲げている。 (2) 我が国のエネルギー自給率の問題 我が国は、化石燃料の賦存量が乏しい国土であるた め、現在のエネルギー自給率は約 4%である。これは、 従来から我が国の資源外交上、大きな課題として認識 されている。また、我が国の一次エネルギーの約半分 を占めているのが石油であり、その 9 割を中東地域か らの輸入に依存している。2008 年に日本が輸入した化 石エネルギーの額は、約 23 兆円であり、毎年 20 兆円 以上の資金が流出している現状である。これは約 72 兆 円ある輸入総額の 3 割にも達する額である。 従来のストック切り崩し型の化石燃料エネルギーの 利用を、永続的に利用できるフォロー型の再生可能エ ネルギー利用に変革していくことが必要である。 (3) 災害時におけるエネルギーの確保について 今年発生した東日本大震災では、交通網や電力網の 寸断により、停電やガソリン・灯油の供給がストップ するなど、日常生活への影響も甚大なものとなった。 スマートコミュニティの構築などにより、あらゆると ころでエネルギーがつくられるようになると、例えば、 災害時でも照明を利用したり、電気自動車を走らせる ことができるようになるため、こうしたことにつなが ■東日本震災発生時のガソリンスタンドの行列 ■日本の化石エネルギー輸入額の推移 ※出典 エネルギー供給(環境省) ■世界のエネルギー自給率(2008 年) 4 8 29 62 71 143 14 0 25 50 75 100 125 150 日本 フランス イタリア ドイツ アメリカ イギリス カナダ %(4) 環境関連産業で新たな雇用の創出について 日本政府は、平成 32 年までに 50 兆円超の環境 関連産業の新規市場を開拓し、140 万人の新たな 雇用を創出する目標を打ち出している。これによ り市場規模は約 1.7 倍に、雇用規模は約 1.8 倍に 拡大する見込みであり、地域経済の活性化と、雇 用の創出につながる取組である。 (5) 進む地球温暖化の問題について 現在、地球温暖化が世界的な問題となっている。 地球温暖化への対策として有効な方策のひとつが、 太陽光や風力、地熱、水力、バイオマスなどの再 生可能エネルギーの導入である。再生可能エネル ギーを普及していくためには、あらゆる人たちが 自らエネルギーを創ったり、蓄えたり、賢く使う ことが必要となる。 ■政府の環境関連産業の成長目標 市場規模 雇用規模 平成 32 年 までに 1.7 平成 32 年 までに 1.8 ※出典 新成長戦略(内閣府ホームページ) ※出典 日本のエネルギー2008(資源エネルギー庁) ■世界のCO2排出量長期見通し
■環境未来都市の基本コンセプト 2−2 スマートコミュニティに関する国内動向 (1) スマートコミュニティ関連の国の政策動向 ここでは、スマートコミュニティについての定義と、各省庁の主な政策を示す。 ① スマートコミュニティの定義 1)国(経済産業省)が示した定義 太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大限活用し、一方でエネルギーの商品を最小限に 抑えていく社会を実現するために、家庭やビルなどをITネットワークでつないで、地域でエ ネルギーを有効活用する社会システムである。 2)(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)が示した定義 環境への配慮と快適な生活を両立するため、多岐にわたる技術を組み合わせたシステムとし ての社会インフラのことで、再生可能エネルギーを大量導入する際、電力系統との連系や需要 の抑制により、再生可能エネルギーを有効、効果的に導入することを可能にするスマートグリ ッドや蓄電池、省エネ家電、スマートメーターなどを組み込んだスマートハウス、次世代自動 車や都市型鉄道の交通システムなど、環境エネルギー分野のさまざまな技術やノウハウが投入 されるもの。 ② スマートコミュニティに関する主な施策 中央省庁では、さまざまな施策を展開中である。例えば道内の帯広市では、「チャレンジ25 地域づくり事業」で二酸化炭素の効果的な削減に向けた取組を進めるなどしている。 このように、導入する再生可能エネルギーとその特性に合わせて、あらゆる施策を組み合わ せ、より導入しやすい環境づくりをすることは、有効な手段と考えられる。 以下に、各省庁の主な施策を示す。 1)環境未来都市(内閣府) <事業概要> 国の「新成長戦略」における21の国家戦略プロ ジェクトの一つであり、未来に向けた技術、社会経 済システム、サービスビジネスモデル、まちづくり で世界に類のない成功事例を創出するために、環境 未来都市に選定された自治体は、資金支援・プロジ ェクトマネジメントを行うものであり、環境・超高 齢化対応に関する取組が必須である。 ・ 環境未来都市選定結果(平成 23 年) 被災地域以外では、北海道下川町ほか 4 件が選定 され、被災地域は、岩手県釜石市ほか 5 件が選定さ れた。 ※出典 内閣府のホームページ
2)次世代エネルギー・社会システム実証(経済産業省) <事業概要> 平成 22 年度に選定された国内 4 地域(横浜市、 愛知県豊田市、京都府けいはんな学研都市、北九州 市)において、スマートコミュニティ構築のための 大規模な実証を行う。 再生可能エネルギーや予測の難しいエネルギー 需要家の膨大なデータを基礎に、需給を制御するエ ネルギーマネジメントシステム(EMS)の技術を 確立する。 3)緑の分権改革(総務省) <事業概要> 緑豊かな自然と、それにより生み出されうる食料 やエネルギーなどを最大限活用する仕組みを創り 上げ、地域の活性化や人と人との「絆」の再生を図 り、「中央集権型」から「地域主権型」社会を実現 しようとする取組である。 4)チャレンジ25地域づくり(環境省) <事業概要> 2020 年までに 1990 年比で地域の二酸化炭素排出 量を 25%削減するため、地域特性に応じた独自の 事業を支援する。 道内の帯広市は、「環境モデル都市」として、政 府から認定され、CO2削減の取組を行っている。 以下、2000 年を基準年としたCO2削減率を示 す。 ■次世代エネルギー・社会システム実証の概要 ■緑の分権改革の概要 ※出典 総務省のホームページ ※出典 環境省のホームページ 帯広市のホームページ ■チャレンジ25地域づくりの概要 ※出典 経済産業省のホームページ 2000 年のCO2排出量 145.9 万t-CO2 2012 年のCO2排出量 118.7 万t-CO2 ▲18.6%(2000 年→2012 年)
5)スマートビレッジ(農林水産省) <事業概要> 地域に豊富に存在する再生可能エネルギーを高 度に生産・利用し、安定的な食料生産と快適で安心 な作業・生活環境を実現する農山漁村(スマートビ レッジ)の育成を支援する取組である。 官民の知恵と強みを新たに組み合わせ、農山漁村 から発展する環境に配慮した新たな産業を生み出 す。ことをめざす。 6)地方公共団体が策定する低炭素まちづくり計画(仮称)に基づく取組(国土交通省) <事業概要> 地球温暖化を背景とした我が国のCO2排出の 過半を占める都市活動に由来する温室効果ガスの 排出の抑制、東日本大震災を契機としたエネルギー 需給の逼迫への対応等が喫緊の課題となっている ことから、低炭素・循環型の都市の実現に向けた計 画的な取組の促進を図るための以下の取組を支援 する。 A) 集約促進都市開発支援事業 省エネルギー及び都市機能の集約という観点 で都市の低炭素化に資するものとして民間事業 者が行う医職住関連の建築物整備などを支援。 B) エネルギー面的利用推進事業 地方公共団体、民間事業者等が取り組む自然エネルギー・未利用エネルギーを地区・街区 単位等で面的に活用する先導的なシステムを構築するための計画策定、コーディネート、社 会実験・実証実験、モデル事業(エネルギー供給ネットワーク及び関連施設の整備等)の実 施を支援。 7)大学発グリーンイノベーション創出事業のうち「緑の知の拠点」事業(文部科学省) <事業概要> 大学キャンパスを都市等に見立てて、再生可能エ ネルギーやスマートグリッド等の新エネルギーシ ステムの実証実験に対して支援を行う。 ※出典 農林水産省のホームページ ■スマートビレッジの概要 ■低炭素都市づくりの概要 ※出典 国土交通省のホームページ ■緑の知の拠点の概要
(2) 次世代エネルギー・社会システム実証の整理 ① 次世代エネルギー・社会システム実証の実施4地域について 平成 22 年から 5 年間、次世代エネルギー・社会システム実証地域(横浜市、愛知県豊田市、 京都府けいはんな学研都市、北九州市)において、2020 年や 2030 年を見据えたエネルギーシ ステム・社会システムの構築に向けた実証事業を実施する。 経済産業省の施策である、次世代エネルギー・社会システム実証の実施4地域を以下に示す。 ■次世代エネルギー・社会システム実証の実施4地域の概要
② 横浜市における次世代エネルギー・社会システム実証について 1)実証概要 横浜市の事業概要は以下のとおりである。電力系統を基軸にしつつ、異なる特徴を持つ複 数の広域地区(住宅・商業・工業地区)を連系した、エネルギーマネジメントシステム(E MS)実証を行う。インフラの更新が容易でない、既存都市への展開が可能である。 ■実証概要 2)実証スケジュール ■実証スケジュール ※出典 スマートグリッドからスマートコミュニティへ(2011,経済産業省) ≪特徴≫ 商業・業務エリア、工業エリア、 住宅エリアなど、都市部の広範 なエリアでの実証事業であり、 都市部におけるスマートコミ ュニティ構築に向けたモデル となる位置づけである。 ※出典 次世代エネルギー・社会システム協議会 第 14 回配付資料(2012,経済産業省)
③ 愛知県豊田市における次世代エネルギー・社会システム実証について 1)実証概要 愛知県豊田市が行う実証事業の概要は以下のとおりである。家庭部門に注目し、プラグイ ン・ハイブリッド自動車(PHV)を活用し、コミュニティ内のエネルギー最適利用を実現 する社会システム構築のための実証である。 ■実証概要 2)平成 23 年の成果 ≪特徴≫ 中心的役割を担っているトヨ タ自動車が取組を牽引してい るため、住宅とPHVなどのモ ビリティとの連携を意識した 実証事業である。 ※出典 次世代エネルギー・社会システム協議会 第 14 回配付資料(2012,経済産業省)
3)実証スケジュール ■実証スケジュールと進捗状況 ④ 京都府けいはんな学研都市における次世代エネルギー・社会システム実証について 1)実証概要 京都府けいはんな学研都市の事業概要は以下のとおりである。新規造成地で、電気・ガス だけではなく、交通系・生活系まで含め、街全体のエネルギー消費を対象として一体的にC O2排出のマネジメントを行うのが特徴である。また、蓄電池と再生可能エネルギーの最適 な活用方法を実証する。 ■実証概要 ≪特徴≫ 産学官連携による実証事業で あり、特に大学や研究機関が他 地域よりも強く関与している。 宅内のエネルギーマネジメン トシステムと連動した地域エ ネルギーマネジメントシステ ムの実証を行うことに注力し ている。 ※出典 次世代エネルギー・社会システム協議会 第 14 回配付資料(2012,経済産業省)
2)実証スケジュール ■実証スケジュールと進捗状況
3)平成 23 年の成果
※出典 次世代エネルギー・社会システム協議会 第 14 回配付資料(2012,経済産業省)
⑤ 北九州市における次世代エネルギー・社会システム実証について 1)実証概要 北九州市の事業概要は以下とおりである。市民や事業者が「考え」「参加する」ことにより、 人々が自ら使うエネルギーを自ら管理する「デマンドサイド・セルフ・マネジメント」を実 現するのが特徴である。また、発電した電気を電力系統へ流す際の許容と低コストなシステ ム作成を検証する。 ■実証概要 2)北九州市の事業スケジュール ■北九州市の事業スケジュールと進捗状況 ※出典 スマートグリッドからスマートコミュニティへ(2011,経済産業省) ≪特徴≫ 他地域は電力系統との連携を 前提としている中、当地域は製 鉄会社のコジェネ発電所によ る「特定供給エリア」を中心と した実証事業であり、電力系統 から独立したエネルギーシス テムの中で、エネルギーマネジ メントの新たな取組を行う。
⑥ 次世代エネルギー・社会システム実証地域の提案者と役割分担の整理 4 つの地域のうち、北九州市を除く 3 つの地域で電力会社が実証に携わっている。また、横 浜市、愛知県豊田市、北九州市では、自治体が事業主体として関わっているが、京都府けいは んな学園都市は、産学官連携組織である(財)関西文化学術研究都市推進機構が事業主体とな っており、本都市建設等にかかる調査研究、提案、企画立案、利害関係者の合意形成などを行 い、都市建設を推進するために設立された公益法人である。また、産学官連携組織であるエネ ルギー情報化ワーキンググループが中心となり、事業実証を行っていることも特徴としてあげ られる。 ■次世代エネルギー・社会システム実証地域の提案者と役割分担一覧
(3) 各地域における取組について 次世代エネルギー・社会システム実証地域以外にも、スマートコミュニティの構築に向けて、 国のさまざまな補助金等を活用するなどして、各地域でも独自の取組が進んでいる。秋田県秋田 市、神奈川県藤沢市などでスマートコミュニティ関連の取組が進行中である。特に、青森県六ヶ 所村でのスマートグリッド実証実験は、世界初の大規模蓄電池併設型風力発電所(風力発電 51M W、蓄電池 34MW)を活用したクローズドグリッドであるため、今後の実証結果が注目される。 各地域におけるスマートコミュニティ関連の取組概要を以下に示す。 ■各地域におけるスマートコミュニティ関連の取組概要の整理
2−3 スマートグリッドに関する海外動向 アメリカは老朽化が激しい送配電網インフラの更新、ヨーロッパは再生可能エネルギーの大量 導入など、各国によって電力事情が異なる。それを解決するための有効な方法がスマートグリッ ド技術の導入である。以下に日本と諸外国のスマートグリッド導入目的を整理して、日本や北海 道でのスマートコミュニティ構築に向けて参考になる取組を整理する。 (1) スマートグリッドとスマートコミュニティ ① スマートグリッドについて 再生可能エネルギーが大量に導入されると、エネルギー供給者(電力会社等)側だけでは、 電力需給を十分に調整することが難しくなる。したがって、需要サイド(電力を使用する側) 側にも、電力需給の一部を調整してもらう必要がある。その方法として、ICT(情報通信技 術)を使って効率的にバランスをとる電力システムのことをスマートグリッドという。 この項では、日本や世界のスマートグリッドの導入目的や課題などについて取り扱うもので あり、スマートコミュニティとは別のものであることに留意する必要がある。 ② 日本と海外でのスマートグリッド導入目的について 1) ヨーロッパのスマートグリッド導入目的 かつて、北海の石油・天然ガスなどのエネルギー資源が豊富に産出されたが、徐々に算出 量が減少してきており、ヨーロッパのエネルギー自給率が低下している。近年、地球温暖化 対策を進める中、風力発電所といった再生可能エネルギーからの発電量が多くなったために、 不安定な電気の流れをいかに制御するかが、ヨーロッパのエネルギー課題となっている。 蓄電池などについても大型の設備をどこに設置するか、誰が整備するか、つまり誰が負担す るかなどが議論の焦点になっている。 このように地球温暖化対策を進める中で、不安定な再生可能エネルギーの電気を制御する ことがヨーロッパにおける主なスマートグリッド導入目的となる。 なお、スマートメーターの導入で家電機器の制御を行う考え方もあるが、スマートメータ ーは国毎に機能も標準化されておらず、現段階でEU全体での家電制御の考え方は広がって いない。 2) アメリカのスマートグリッド導入目的 アメリカでは、将来の電力需要の増加に備えて発電設備、送電設備の絶対的不足を補い、 安定供給を行うために、特にピーク需要を制御するスマートグリッドの導入が不可欠と考え られている。アメリカの電力網を強化するには莫大な投資が必要になるため、スマートメー ター導入によっていかに需要側でピークカット、ピークシフトなどを実現していくかに重点 が置かれている。 なお、アメリカのスマートグリッド市場にはIT企業などが参入しており、情報通信シス テムやスマートメーターによって配電ネットワークの強化を図るとともに、世界標準化を主 導し、新しい産業の育成もめざしている。景気対策法に基づく補助金が交付されている。
3) 日本のスマートグリッド導入目的 日本では既に発電設備、送電・配電ネットワークとも現段階では世界最高クラスの品質を 維持している。ヨーロッパやアメリカなど諸外国と比較すると、日本は既にスマートグリッ ドが形成されているという考え方もある。 しかし、地球温暖化対策として、2020 年までに 2,800 万kW、2030 年までに 5,300 万k Wの太陽光発電の導入を目標に掲げており、達成のためには新たに太陽光発電設備やその対 策用の蓄電池などに加え、それらを制御するシステムが必要になっている。 日本政府は、元来の電力系統の電力品質が高いだけに、スマートグリッドの世界標準化で 遅れを取ったり、孤立しないように戦略的に進めている。 北海道においては、特に冬季は電気だけでなく、熱のエネルギーを効率的にマネジメント することが求められる。そのため、グリッド(電力網)だけではなく、ガスや熱などのエネ ルギーを含めたネットワークを構築することが必要となる。 4) 中国 中国では、豊富な石炭資源を背景に、発電量の 70%以上を石炭火力が占めている。しか し、その設備は老朽化が進み、発電効率も悪い。また、石炭の埋蔵量が多いのが西北部であ るが、電力需要が多いのは南東の沿岸地域であり、西北部とは距離が離れている。更には、 今後風力・太陽光発電の大量導入も計画されている。 現在は、送電損失の少なく、長距離の送電に向いている直流超高圧送電線の整備を進め、 西北部から南東の沿岸地域へ電力を送っているが、それらの電力を円滑に行うため、スマー トグリッド技術を導入している。 5) 中東 中東では、急激な経済発展により電力需要が急増している状況である。それに伴い、エネ ルギーの国内消費が多くなってきており、石油の自国消費量を抑えなければならない課題が ある。そのため、資源を温存させるためや太陽エネルギーが豊富な砂漠地帯に大規模な太陽 光・太陽熱発電を導入する目的で、スマートグリッド技術を導入している。 6) 各国のスマートグリッドの導入目的の共通点 国際エネルギー機関(IEA)は「ワールドエナジーアウトルック 2008」で、世界の風 力発電は 2006 年の 1,300 億kWhから、2015 年には 6,600 億kWh、2030 年には 14,900 億kWhになり、その時点での総発電量に占める割合は 4.5%になるとしている。また太陽 光発電については、2006 年には数十億kWh規模だったものが、2015 年には 420 億kWh、 2030 年には 2,450 億kWhまで拡大するだろうと予測している。このように全世界的に、 風力発電や太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入が計画されている。 再生可能エネルギーが増えてくると問題が生じてくる。一般的には電力系統における最低 需要の約 10∼20%くらいが再生可能エネルギーの導入量の限界と言われていた。日本にお いて、この電力系統を各電力会社に読み替えた場合、再生可能エネルギーの導入量には限界 があることがわかる。
■各国の停電時間の比較 (2) スマートグリッドに関する各国の課題と対策 世界各地で、スマートグリッド関連プロジェクトが進行しているが、各国によって既存の電力 供給システムの完成度や電気事業体制は異なるため、その課題と対策は異なっている。それらを 整理し以下に示す。 ① アメリカ アメリカの場合は、これまで送配電設備に対する 投資が十分ではなかったため停電が多く、その対策 として送配電網の改善に取り組んでおり、電力需要 の管理促進のため、スマートメーター設置を中心と した事業が進められている。アメリカは、2009 年に、 スマートグリッドに関する標準化ロードマップの作 成と、官民連携によるロードマップの不整合と不足 している検討項目の確認を完了させた。さらに、75 のスマートグリッドに関連する既存の標準規格を選 定して、最優先で解決し、調和させるべき 15 の問題 を指定している。 ② ヨーロッパ EU27 ヶ国の再生可能エネルギー比率は、2008 年には 9%に達し、10 年前に比べてほぼ倍増 した。しかし、再生可能エネルギーは季節・天候・時間帯で出力量が大きく変動するため、そ れが大量に電力網に流入(逆潮流)すると電力網が不安定になる。ヨーロッパ各国では、その 対策が進められているが、整理すると以下 3 つの取組に分けられる。 1)エコシティ型 イギリスのロンドン、東イングランドなどに 800 万戸の顧客を持つ配電会社では、将来のス マートグリッドのための、国家レベルの青写真を作成するために、以下の5点に焦点を絞って 実験を行う。 ・ 風力発電 ・ 分散型発電 ・ 電気自動車(EV)&ヒートポンプ ・ スマートメーター ・ ディマンド・サイド・マネジメント(電力供給に合わせた需要調整) 2)余剰電力を利用したEVの利用 スペインでは、風力発電が盛んであり、夜間になると供給過多となる。その余剰電力は 650 万台分に相当する。それを電気自動車(EV)に活用する動きが盛んである。2014 年までに 25 万台の電気自動車を普及させる計画である。EVが普及すれば、運輸部門での脱石油が見 込まれる。 0 20 40 60 80 100 120 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 分/年 フランス ドイツ 英国 米国 日本 韓国 出所 海外電力調査会「海外電気事業統計2009」、電気事業連合会
3)スマートメーターの高機能化 ドイツでは、再生可能エネルギーの利用率向上のため、情報通信技術を利用したエネルギー システムの構築をめざしている。家電の自動制御や、実験参加者による電力の直接取引が行わ れる予定である。 ③ 中国 中国では、急速な経済発展により、電力不足が深刻である。また、石炭資源は主に中国北部、 水力発電は西南部に集中するが、電力消費量が格段に大きいのは東部である。そこで、大容量 の電力を送電するため、直流特別高圧送電網を整備している。合わせて、従来の送電技術に比 べ、送電距離を延ばしてもロスが少ないスマートグリッド技術で対応する計画である。 (3) スマートグリッドに関する世界の取組 世界各国のスマートグリッドの取組を整理すると、欧米では、スマートメーターの整備が先行 して行われている。また、中国をはじめとした新興国では、経済成長を背景に電力、水道、鉄道、 道路といった社会インフラとセットで取り組んでいるところも多い。そして、GE、IBM、ア クセンチュアをはじめとしたアメリカ企業は、世界の多くのスマートグリッドプロジェクトに参 加している。 ■スマートグリッドに関する世界の取組 ※出典 戦略的な国際標準化への取組の重要性とスマートグリッドにおける状況(2011,経済産業省) スマートメーター制度検討会 報告書(2011,経済産業省) 欧州のスマートグリッド戦略、2010 年省エネ・環境産業・市場の現状と課題(JETRO)
(4) 各国の先進的な取組概要の整理 中東・インド・中国は、急速な経済発展にともない、電力不足が深刻化しており、大規模か つ早急な整備が必要となっている。 また、各国がスマートグリッド技術を都市型パッケージにして、技術移転を競い合っている。 日本と海外では、制度的な違いで取組可能な範囲に差がある。例えば、欧米を中心にエネル ギーを個人で取引するための市場構築の取組が進められている。イギリスでは、ネガワット取 引が可能となっている。これは、アグリゲータと呼ばれる中間事業者が、供給側から要求され ている省エネ分を供給側に約束して、あらかじめ契約している顧客に省エネを呼びかけ、そこ から生み出された電力量のインセンティブを得る契約である。
米国
・老朽化が著しい送配電網インフラ の更新 ・エネルギー安全保障としての再生 可能エネルギーの大量導入 ・オバマ政権による重点政策化(国 の財政支援) ・IT企業の積極的な投資 ・建築物の環境性能基準(LEED) の普及推進 ・PJ動向としては、「スマートグ リッド構築型」「スマートメーター 導入型」「蓄電池重視型」などのP Jが多い欧州
・EUの温暖化対策目標の達成 ・再生可能エネルギー大量導入 ・各国・各都市の環境目標の設定 ・水平型と垂直型が混在する電力業 界 ・大手電力、IT、メーカーなどが 主要プレイヤー ・PJ動向としては、「再生可能エ ネルギー大量導入型」「マイクログ リッド構築型」などのPJが多い中東
・人口増加と経済成長に伴う電力不 足が深刻化 ・太陽光発電と太陽熱発電が中心 ・スマートシティ構想は再生可能エ ネルギーを中核とした産業育成の 一手段 ・注目PJはマスダールシティ。G E、Siemensなどの欧米主要国が中 心となり、日本の商社なども参画。インド
・急激な経済成長と人口増加による エネルギーや都市インフラ不足の 深刻化 ・IT偏重から製造業立国への転換 ・外国企業の進出とインフラつき工 業団地の増加 ・日本が提案した「デリー・ムンバ イ間産業大動脈構想(DMIC」の 実行 ・日本の官民連携による積極的なP J参入・仕掛け ・主要プレイヤーは日本のスマート コミュニティ関連企業と英国、シン ガポール企業等 ・PJ動向としては、「全体都市開 発型」が多い中国
・急増するエネルギー消費の抑制が 急務 ・13のエコシティ(生態城)のモ デル都市の選定 ・海外企業の積極的な受け入れ ・主要プレイヤーは、日本企業をは じめ、シンガポール、マレーシア、 韓国、米国企業が積極的に参加 ・PJ動向としては、 「全体都市 開発型」とともに、急速な都市化へ の対応として「環境調和型」が多い。韓国
・国を挙げてインフラ輸出に注力 ・電力事情は日本と酷似。安定して いる。 ・済州島をショーケースとして、海 外進出を目論む。 ・主要プレイヤーは、韓国電力、S K テ レ コ ム な ど 国 内 大 手 と 、 米 Ciscoなど。 ・PJ動向としては、海外展開を目 的とする「海外進出念頭型」となっ ているのが特徴的。シンガポール
・国全体がインフラ輸出の実験場 ・水関連のインフラビジネスの国際 展開で先行している ・政府と企業が綿密に連携し、新興 国市場を開拓する面で強み ・主要プレイヤーはインフラ系企 業、ディベロッパー等 ・PJ動向としては、「海外輸出念 頭型」が多い日本
・新成長戦略の柱として、環境関連産業を位置づけ ・再生可能エネルギーの大量導入と、信頼性の高い既存系統電力網との 連携が課題 ・海外へのインフラ産業輸出のために、官民連携によるパッケージ化に よる市場参入が急務 ・次世代エネルギー・社会システム実証(4地域)を踏まえ、海外展開 を想定 ・中国、インド、マレーシア等のアジア諸国へ官民連携&インフラ・都 市パッケージでアプローチ ・主要プレイヤーは、重電・電機、商社、自動車、住宅、情報通信企業 等(5) 各国のスマートグリッド主要プロジェクト概要(一部例示) ① 米国:コロラド州ボルダー「スマートグリッドシティ」の概要について 世界的に見て、2007 年という早い時期からスマートメーターを大量導入しており、今後の 動向が注目される。 ② 欧州:ドイツ「E-energy」の概要について リアルタイムで電力料金が変わる仕組みをとっており、需要家の設定に応じて、自動的に 家電製品等のオンオフを制御する仕組みの実証を行う。 場所 コロラド州ボルダー市 主体 Xcel Energy 社 方式 再開発 目的 電力網の信頼性向上。再生可能エネルギーの導入。 電力消費に関する情報の活用と実証 時期 2007.12∼2009.12(現在も継続中) 予算 13.5 億円 規模 スマートメーター23,000 戸
中心企業 Accenture、Current Group 社、GridPoint 社、 SmartSynch 社 概要 ・双方向の高速デジタル通信網を設置し、送配電 網の自動化 ・スマートメーターを設置し、15 分間隔で電力消 費データを収集。メーターは停電時のセンサーに も。 ・顧客が消費電力の閲覧可能 ・スマートメーターと双方向通信が可能なスマー トサーモスタットなどの家庭内スマート機器を導 入し、確認・調整が可能 場所 ドイツ6地域(ハルツ、クックスハーフェン、マ ンハイム、ミュールハイム、バーデン、アーヘン) 主体 連邦経済技術省、連邦環境省 方式 再開発 目的 最新の情報通信技術の導入により、電力システム を最適化する。 時期 2008∼2012 予算 約 69 億円助成 規模 未公表 中心企業 ドイツ国内電力関連事業者(多数)、RWE、 Siemens、SAP、IBM、ABB等 特徴 ・電力システムを自動的に監視、管理、規制する 「エネルギー版インターネット」を開発する。 ・「オンラインでの電子市場」「電力システムのコ ンピュータ化による制御管理」「ネットワーク化」 「再生可能エネルギーの統合」に重点をおいたプ ロジェクトを公募し、6つのPJを採択 資料:http://smartgridcity.xcelenergy.com/ ・スマートメーターの大量導入により、電力消費の見え る化と停電センサーによる安定供給を実現。 ・2010年から、電力料金のパイロットプログラムを開始。 ・IT基盤を活用したエネルギーマネジメントシステム の構築。 ・特に、マンハイムでは、双方向コミュニケーションの 実現を目指した実証事業。 ※出典 ドイツ・フランスのスマートグリッド関連動向 (2010,経済産業省)
③ 中東:UAEアブダビ「マスダール・シティ」の概要について
約 6.5 平方キロメートルの広さの新都市をつくり、太陽熱発電の大量導入や無人交通シス テムなどの導入を行う、中東最大のプロジェクトである。
場所 アブダビ首長国 マスダール市 主体 Abu Dhabi Future Energy Company 方式 新規 目的 最先端のエネルギー技術の研究開発を生かした未 来都市づくり 時期 2006∼2015 予算 約 1 兆 9400 億円 規模 約 6.5k㎡に人口約 5 万人の新都市 中心企業 GE、Siemens、BP、Shell、三菱商事、三井物 産 特徴 ・世界各国の先進環境技術に投資し、マスダール シティを実験場として実用化検討 ・環境技術関連の研究機関を設立し、世界の環境 関連情報を取得 ・最先端エネルギー技術、海水淡水化などの環境 技術を研究開発&導入し、CO2排出量及び廃棄 物ゼロの環境未来都市を実現 ④ インド:「DMICスマートシティ」の概要について 日本が提案を行い、事業化に向けて官民が連携してインド市場開拓をめざすプロジェクト である。デリー・ムンバイ間産業大動脈上で、5MWの太陽光発電設備を工業団地に導入し、 既存ディーゼル発電機と組み合わせたマイクログリッドを構成することで高品質の電力供給 を行う実証事業を実施する。再生可能エネルギーと蓄電池をパッケージ化し、普及を図る事 を目的としている。 場所 インド4地域(ハリアナ州、グジャラート州チャ ンゴダール、ダヘジ、マハラシュトラ州) 主体 東芝、三菱重工業、日立製作所、日揮 方式 再開発3、新規1(マハラシュトラ州) 目的 最先端のIT、発電、環境技術を生かして、大規 模都市開発事業化につなげる。 時期 2010.3∼2011.3(FS調査期間) 予算 1.6 億円(FS調査予算) 規模 未公表 中心企業 NEC、東京ガス、三菱商事、三菱電機、Jパワ ー、三菱総研、伊藤忠商事、京セラ、東京電力、 Hyflux、北九州市、荏原エンジニアリング、日本 IBM、日建設計、横浜市 特徴 ・「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」の一環と して開発プランを策定し、事業化につなげる。 ・事業化計画を策定することにより、事業化に有 資料:マスダールシティ公式サイト(http://www.masdarcity.ae/en/index.aspx) ・GE、Siemensなどの欧州企業や日本の商社が先導して 取り組む中東最大のプロジェクト。 ・太陽熱発電の大量導入や無人交通システムなどの導入が 検討されている。 ・日本が提案したデリー・ムンバイ間産業大動脈構想に よる沿線都市開発事業化に向け、先立ってFSを実施。 ・今後、事業化に向け、官民連携によりインド市場開拓 をめざす。
⑤ 韓国:松島「U-City プロジェクト」の概要について 海外企業の誘致と雇用の増大を目的として、住民にとって魅力的なまちづくりをめざした スマートシティプロジェクトである。 場所 仁川市 松島国際商業地区 主体 韓 国 政 府 、 韓 国 Posco 、 E & C 社 、 Gale International 社 方式 新規 目的 アジア北東のハブとなる商業都市づくり 時期 2009∼2020 予算 約 2 兆 6,000 億円の投資額を予定 規模 2014 年までに松島国際商業地区で人口 6.5 万人を 計画
中心企業 Cisco Systems 社、3M社、United Technologies 社 特徴 ・省エネを徹底したスマートビル、雨水利用や水 の再利用、天然ガスコジェネを柱としたスマート シティ ・海外企業の誘致と雇用の増大が目的であるため、 住民にとって便利で魅力あるまちづくりが進めら れている。 ・全てのマンションにエネルギー使用量と電力価 格の見える化とエアコン温度設定が出来るパネル 設置。 ・米国LEED認証を取得
⑥ シンガポール:「Intelligent Energy Systems」の概要について
大学を拠点として、官民学が連携してスマートグリッドの実証を行い、海外市場への展開 をめざす。
場所 シンガポール
主体 The Energy Market Authority、南洋工科大学 方式 新規 目的 スマートグリッド技術の実証 時期 2009.11∼2013.6 予算 未公表 規模 大学を拠点にし、周辺の工業団地まで実証範囲を 広げる計画
中心企業 Singapore Power 社、Accenture、IBM Singapore 社、Logica Singapore 社、Siemens
特徴 ・系統側と需要側の各要素を制御することにより、 安定的な電力供給体制を構築 ・住宅にはスマートメーター等を設置し、デマン ド゙レスポンスの実験 ・太陽光や風力発電などの分散電源を管理するシ ステムや、EV・充電スタンドを設置して全体を コントロール ・海外企業誘致を目的としたサスティナブルシティをめざ す。 ・スマートビルにより構成され、米国LEED認証を受けて いる先進事例地区。 資料:松島国際商業地区公式サイト(http://www.songdo.com/) ・産官学連携による実証プロジェクト。 ・世界へのショーケース化と、本PJを契機にスマー トシティの海外市場への展開を目論む。
資料:The Energy Market Authorityプレスリリース (http://www.ema.gov.sg/news/view/212)
2−4 北海道におけるスマートコミュニティのフレーム 現在、世界的な地球温暖化対策の問題、4%という日本のエネルギー自給率の問題などから再生 可能エネルギーの導入が要請されている。そのためには、地域でエネルギーを効率的に「『創り(創 エネ)、蓄えて(蓄エネ)、賢く使う(賢エネ)』ための社会システム」であるスマートコミュニティ の構築が必要となる。その構築により、さまざまな場所でエネルギーが創られるようになると、 震災時においても地域でエネルギーを確保することができるようになるとともに、世界的に市場 規模が拡大している環境関連産業による経済活性化も期待できる。 このような背景のもと、日本、さらには世界中ではスマートコミュニティ関連の取組が進めて おり、前節までに国内と海外におけるスマートコミュニティに関する先進的な取組を整理した。 国内においてスマートコミュニティの構築に向けた取組という観点では、経済産業省の次世代 エネルギー・社会システム実証を実施している 4 地域(横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、 北九州市)が最も先進的な取組を進めている。民間プロジェクトでも住宅分譲が中心となるが、 採算性を考慮されたプロジェクトも進められていることから、北海道においてスマートコミュニ ティ構築に向けた取組を進める際には、これら国内での先進技術を活用することが望ましい。な お、次世代エネルギー・社会システム実証、民間プロジェクトともに主に都市部における取組で ある。 一方で、北海道におけるスマートコミュニティの構築に向けた取組という視点では、積雪寒冷 地の特徴を踏まえた取組や、地方部における取組はほとんど進められていない現状がある。 海外ではスマートグリッドに関する事例を整理したが、そもそも日本とは現状と目的が異なる ため、一概に全ての事例を参考にすることはできない。再生可能エネルギー大量導入が主目的で ある欧州は、日本のスマートコミュニティと主目的が合致する部分が多い。特に制度面で再生可 能エネルギー導入と市場構築との関係性を強めることに注力しているので、国内事例に加えて参 考にすべき点であろう。 このような中で、北海道におけるスマートコミュニティの構築に向けては、風力・太陽光・バ イオマスエネルギーなどの国内トップレベルの賦存量を誇る再生可能エネルギー、自動車利用が 必須となる地方部における電気自動車(動く蓄電池としての役割)との連携、農業などの一次産 業での再生可能エネルギー導入、雪氷冷熱利用など、北海道特有の要素があり、既にさまざまな 研究開発も進められている。 これらを踏まえて、北海道における今後の展開については、再生可能エネルギーの系統連系シ ステム、生活行動に即したエネルギー制御、面的なエネルギーマネジメントシステムなどといっ た国内における次世代エネルギー・社会システム実証の内容や電力の見える化、家電などの自動 制御、住宅と電気自動車との電力融通などといった民間プロジェクトにおいて商品化されている 技術に加えて、再生可能エネルギー導入と市場構築との関係性を強める制度等などといった海外 において参考になる特徴的な要素をベースにして、スマートコミュニティの基本要素である誰も がエネルギーを「創り(創エネ)」、「蓄えて(蓄エネ)」、そして「賢く使う(賢エネ)」ためのま ちづくりを展開することが求められる。さらに、スマートコミュニティには北海道特有の要素を 付加することにより、世界的にも例の少ない積雪寒冷地特有のスマートコミュニティや、地方部 におけるスマートコミュニティなどを構築することが望ましい。そうすることにより将来的には、 北海道において積雪寒冷地型のスマートコミュニティを都市パッケージにして、国内・海外への 技術移転を行うことにより産業振興の面でも寄与できると考える。 以下に、当事業で考える北海道におけるスマートコミュニティのフレームイメージを示す。
■北海道におけるスマートコミュニティのフレームイメージ
背景
○ 系統連系によるエネルギーマネジメントシステム ○ 生活行動に即したエネルギー制御 ○ 交通系・生活系まで含めた街全体の一体的なエネルギ ーマネジメント ○ 市民や事業者が参加してエネルギーを管理するデマン ドサイド・セルフ・マネジメント など 再生可能エネルギー導入に向けた制度面を中心に参考 ○ 建築物の環境性能基準(LEED)(米) ○ スマートメーターの標準化動向(欧米) ○ ネガワット取引(英)などの特徴的な制度 ○ エネルギーのインターネット化(独) など スマートグリッド技術を活用して再生可能エネルギーを地域で効率的に「「創創りり((創創エエネネ))、、蓄蓄ええてて((蓄蓄エエネネ))、、賢賢くく使使うう((賢賢 エ エネネ))」」ためのまちづくり ○ ○ 「「創創エエネネ」 」 → 太陽光や風力、水力、バイオマス、地熱等の自然エネルギー発電や燃料電池等によるCO2削減型のエネルギー生産 ○ ○ 「「蓄蓄エエネネ」」 → 蓄電池や電気自動車、プラグイン・ハイブリッドカー(以下PHV)を動く蓄電池として活用するなどしたエネルギー貯蔵 ○ ○ 「「賢賢エエネネ」」 → スマート家電等を用いたデマンドレスポンスやEMS(エネルギーマネジメントシステム)によるエネルギー利用の最適化 目 目指指すす姿姿 ≪北海道特有の構成要素≫ ● 風力・太陽光・バイオマス・雪氷冷熱エネルギー等、豊富に賦存する再生可能エネルギーの活用 ● 豊富に賦存する再生可能エネルギー大量導入に伴う系統安定化方策 ● 広域分散型、低密な市街地等におけるエネルギーマネジメントシステム ● 熱供給ネットワーク構築等による効率的な熱利用のためのマネジメントシステム ● 人口減少に対応するとともにエネルギー効率化のためのコンパクトシティ ● 広大な用地を要するメガソーラーや風力発電等の大規模再生可能エネルギー導入に向けた土地利用計画 ● 熱融通のために施設間距離を短くした施設配置等、施設間の熱融通に向けた高密度な土地利用 ● 積雪対応の太陽光パネル、耐低温仕様の蓄電池等、積雪寒冷地に適応した機器開発 ● 高気密・高断熱の寒冷地仕様の住宅 ● 優良田園住宅等、山林・農地との近接地における自然共生型住宅 ● 住宅やビル等における高効率熱利用機器の導入 ● 電気自動車の長距離航続化等の長い都市間距離を考慮した交通インフラ ● デマンド交通等の公共交通利便性向上、高齢化社会に対応した公共交通 ● セカンドカーのシェアリング等による自動車の利便性維持を考慮したライフスタイル ● 木質ペレットの活用等による二酸化炭素の排出が少ない暖房 ● 再生可能エネルギー導入に合わせた排出権取引等のビジネス展開 ● 域内資金循環のための市民ファンド など 国 国内内ににおおけけるる先先進進的的なな取取組組 海海外外ににおおいいてて参参考考ににななるる特特徴徴的的なな取取組組 積 積雪雪寒寒冷冷地地ででのの取取組組がが少少なないい 都 都市市部部以以外外((地地方方部部))ででのの取取組組がが少少なないい 地 地球球温温暖暖化化のの進進展展 日日本本ののエエネネルルギギーー自自給給率率((44%%)) 災 災害害時時ののエエネネルルギギーー確確保保 環環境境関関連連産産業業でで経経済済活活性性化化 蓄 蓄エエネネのの例例 賢賢エエネネのの例例 ス スママーートトメメーータターの設置によるー 消費電力の「見える化」 ス スママーートトハハウウスの普及によるス エネルギー利用の最適化 電 電気気自自動動車車ややPPHHVVの導入によ るエネルギー貯蔵 蓄 蓄電電池池の導入によるエネルギ ー貯蔵 メ メガガソソーーララーーの立地によるゼロ エミッション型エネルギー生産 燃 燃料料電電池の普及によるCO2削池 減型エネルギー生産将来的には、北方圏などを対象に
都市全体をパッケージ化して、技術移転をめざす
創 創エエネネのの例例3章 スマートコミュニティ構成要素の抽出と課題整理
3−1 既往資料からのスマートコミュニティ構成要素の抽出 (1) 国や北海道などが実施したスマートコミュニティに関する調査等の概略整理 ① スマートコミュニティフォーラム(平成 22 年 6 月) スマートコミュニティフォーラムは、スマートグリッドやスマートコミュニティに関連する企 業が集まり、民間主導で議論する場として設置された。その中で、スマートコミュニティの実 現に向けては、これまでの供給側の技術開発に加えて、いかに需要サイドにスマートコミュニ ティ関連設備を普及させていくか、そのために必要な技術開発な何かといった視点で議論がな されている。また、国際市場に対しては、技術・製品単体ではなくパッケージ化を行って展開 することが必要としている。 【フォーラムのねらい】 ○ 低炭素社会の実現に向けた「需要サイド」からの対策による可能性の追求 ○ スマートコミュニティのあるべきビジョンの共有 ・ 低炭素社会の基盤となる新しい社会システムである「スマートコミュニティ」のある べきビジョンの共有 ○ システムのアーキテクチャーと各要素のあり方の明確化 ・ スマートコミュニティを構成するシステムのアーキテクチャーの明確化 ・ システムを構成する家電、自動車、住宅、蓄電池などの各要素のあり方 ○ システムとして海外展開するためのアライアンス形成と戦略づくり ・ スマートグリッドやスマートコミュニティに関連するシステムで海外展開できる力を 結集するためのアライアンス形成 ・ 日本の強みを活かしたシステムで外貨を稼ぐためのビジネス戦略、国際標準化戦略の あり方 【フォーラムの論点】 スマートコミュニティ=新しい社会インフラであり、新しいまちづくりのコンセプト ○ 情報システムの論点 ・ 論点① スマートメーター(機能、標準化など)・ホームサーバー及びホームネットワ ーク(情報システムアーキテクチャー) ・ 論点② ホームネットワークへの接続(情報システムアーキテクチャー) ・ 論点③ 家庭内情報を活用した新サービス創出 ・ 論点④ 家庭内情報の収集・管理・利活用のルール ○ エネルギーシステムの論点 ・ 論点⑤ 需要側対策の可能性 ・ 論点⑥ デマンドレスポンスの可能性(料金メニュー等ソフト面の需要家理解) 【スマートコミュニティフォーラム:スマートコミュニティ構成要素の抽出】 ・ 「情報システム・エネルギーシステム・交通システム」の供給側の技術開発を進め、 新しい「社会システム」、「まちづくり」として需要サイドに導入していくことが重要 ・ 需要家の行動喚起や料金等のソフト面との融合 ・ 国際展開に向けては標準化と各技術のパッケージ化することが重要○ 交通システムとの融合に関する論点 ・ 論点⑧ インフラバッテリーの可能性 ○ 国際展開戦略に関する論点 ・ 論点⑨ 社会システムの国際展開戦略 ○ ビジネスモデル戦略に関する論点 ・ 論点⑩ 国際標準戦略(オープン/ブラックボックス) ■ホームネットワークの全体像イメージ ■現在の供給側のネットワーク概念図:ネットワーク構築の通信方法やコスト負担などが課題 ■供給側と需要側の対策(例) 再生可能エネルギー普及にとって は供給側と需要側の両方で対策が 必要
■需要側での負荷平準化の対策例 ② 再生可能エネルギー技術白書(平成 22 年 7 月、NEDO) 再生可能エネルギー技術白書では、再生可能エネルギーを大量導入していくための種類毎の 課題とロードマップを示している。加えて、再生可能エネルギーを大量導入するための統合シ ステムとして情報通信技術を駆使したスマートグリッドや、市民のライフスタイルの変換も含 めた社会インフラ全体としてのスマートコミュニティの実現が不可欠としている。 【再生可能エネルギー技術白書の目的】 今後の再生可能エネルギーの導入拡大、国際競争力の強化に向けた政府や産業界の検討等 に資することを目的として、各種再生可能エネルギーやスマートグリッドについて、分野毎 の現状と課題を調査し、めざす姿の実現に向けた技術ロードマップを策定。 【再生可能エネルギー技術白書の概要】 ○ 再生可能エネルギー別のロードマップ ・ 太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギー(収集運搬システム含む)、太陽熱発電、 波力発電、海洋温度差発電、その他(太陽熱冷暖房、中小水力発電、地熱発電等)の 課題を整理 ・ 再生可能エネルギー普及に向けた共通課題は、高効率化、コスト低減、耐久性向上、 設置可能地域の拡大、系統連系対策、未発達な技術については信頼性向上など、開発 【NEDO再生可能エネルギー技術白書:スマートコミュニティ構成要素の抽出】 ・ 「再生可能エネルギー」の大量導入・普及に向けた低コスト化・高効率化や信頼性向 上などの技術開発 ・ バイオマス利用は技術開発のほか、収集運搬を含めた社会システム整備が必要 ・ スマートグリッド技術を確立するには、「情報通信技術」を用いてのシステム統合、 「送配電ネットワーク」連携に向けた実証 ・ 「需要サイド」の通信技術等などが必要や、需要家情報を活用したビジネスモデルの 構築 ・ スマートコミュニティを実現するためには、「エネルギー」、「交通システム」、市民の 「ライフスタイル」の転換などを複合的に組み合わせることが求められる
○ スマートグリッドに関する技術ロードマップ ・ 再生可能エネルギー普及に向けた技術では、機器毎の要素技術では高いレベルにある ものの、統合システムでは実証研究などの実績が必要。 ・ 再生可能エネルギー導入拡大、それを支える情報通信技術を駆使したシステムの確立、 新たなサービスなどの同時達成。 ・ システム全体、送配電ネットワーク、需要サイドにおける双方向通信その他の技術開 発・実証を推進。 ・ 需要サイドにおける双方向通信その他の技術開発・実証。 ○ スマートコミュニティに関する技術ロードマップ ・ サステナブルな社会を実現するためにはエネルギー、交通システム、市民のライフス タイルの転換などを複合的に組み合わせたスマートコミュニティの実現が不可欠。 ■スマートコミュニティに関する技術ロードマップ
③ 低炭素都市づくりガイドライン(平成 22 年 8 月、国土交通省) 当ガイドラインには、自治体が低炭素都市づくりを進めるために、シミュレーションや数値 分析手法なども整理されているが、ここでは低炭素都市づくりを進めるうえでの考え方や方針 などについて整理する。 低炭素都市づくりの主な考え方は、土地利用の誘導や交通対策によりコンパクトシティを構 築して、その際の施設更新を契機に再生可能エネルギーを導入、さらには都市開発に合わせた 面的エネルギーネットワークシステムを導入するという流れである。また、緑地保全や都市緑 化による吸収源の確保と合わせて木質バイオマスを利用することも重要としている。 【低炭素都市づくりガイドラインの目的】 これから低炭素都市づくりを検討する自治体において活用してもらうため、低炭素都市づく りに関する考え方と対策の効果分析方法を示している。 <ガイドラインの活用場面> ・ 都市計画マスタープランの改定等に際して低炭素都市づくりを都市全体で検討する ・ 都市・地域総合交通戦略等の計画の策定や都市交通施設整備、再開発事業、都市計画施 設の整備等を促進していく際に低炭素化への配慮を行う ・ 新実行計画策定時に都市づくり施策を検討する ・ 低炭素都市づくりのための対策の効果分析を行う 【低炭素都市づくりガイドラインの概要】 <考え方と方針> ○ コンパクトな都市構造の実現と交通対策(拡散型都市構造から集約型都市構造への転換) ・ 集約型都市構造の実現(土地利用の誘導・複合化など) ・ 交通流対策の推進(パーク&ライド・カーシェアリング等の交通需要マネジメントな ど) ・ 公共交通機関の利用促進(コミュニティバス、駅前広場等の交通結節点整備など) ○ エネルギーの効率的な利用と未利用・再生可能エネルギーの活用(エネルギー多消費型都 市活動の改善) ・ 低炭素化に寄与する省エネルギー建物への更新 ・ エネルギーの面的活用(地域暖房、雪氷冷熱の地域冷房など) ・ 未利用・再生可能エネルギーの活用(都市開発を契機とした未利用・再生可能エネル ギーの面的導入促進) ○ 緑地の保全と都市緑化の推進(自然との共生) ・ 吸収源の確保(緑地の保全・創出、市民との連携等による都市緑化の推進) ・ 木質バイオマス利用の推進 【低炭素都市づくりガイドライン:スマートコミュニティ構成要素の抽出】 ・ 土地利用の誘導や交通対策(低炭素化、機能向上)によるコンパクトシティの構築 ・ 施設更新等を契機にした施設の省エネ化、再生可能エネルギー導入 ・ 都市開発等を契機にした面的エネルギーネットワークの構築(電気、地域冷暖房) ・ 森林保全や都市緑化による吸収源の確保と木質バイオマス利用
■低炭素都市づくりガイドライン−考え方と方針
④ 次世代自動車戦略 2010(平成 22 年 4 月、経済産業省) 次世代自動車戦略では、自動車本体の技術開発に関して蓄電池と資源(レアメタル)がキー となるとしている。加えて、普及に向けては充電器などのインフラ整備や、スマートグリッド と蓄電池との連携が重要としている。また、大量普及をめざす 2030 年頃までには、充電サー ビスを自立的ビジネスとして確立することで生活と電気自動車等を密接に結びつける考えと している。 【次世代自動車戦略のねらい】 2020 年と 2030 年の車種別の国内普及見通し及び目標と、国内外の市場構造見通しを示した 上で、全ての内燃機関自動車と次世代自動車に共通するアクションプランを示す。 その上で、緊急性の観点から、より詳細な戦略策定を要する電気自動車(EV)、プラグイン・ ハイブリッド自動車(PHV)に関して、電池、資源、インフラ整備、システム、国際標準化、 それぞれの観点から戦略及びアクションプランを示す。 【次世代自動車戦略の概要】 【次世代自動車戦略 2010:スマートコミュニティ構成要素の抽出】 ・ 「蓄電池」と資源確保が次世代自動車本体の戦略としてはキーとなる ・ 普及に向けては、充電器などの「インフラ整備」が重要となる ・ より次世代自動車を生活と密接に結びつけるためには、スマートグリッドなどの 「エネルギーシステム」と「交通システム」との融合が重要
■国際標準化ロードマップ(次世代自動車戦略 2010)