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情報教育における DTP実習の試み
永 瀬 澄 香 \ 所 司 睦 文 \ 岸 本 光 代
1小 林 香 苗
2An A n a l y s i s o f t h e E f f e c t s i n Learning with Desk Top P u b l i s h i n g (DTP) f o r M e d i c a l Information
Sumika NAGASE1, Chikafumi SHOSHI1,
Mitsuyo KISHIMOT01 and Kanae T . KOBA YASHI2
キーワード:情報教育,
DTP実習,プレゼンテーション
概 要
我々は,情報教育において,新たに
DeskTop Publishing (DTP)実習を導入し ,学生の向上心,関心度および理解 度を分析し総合評価を行 った .
その結果,学生はコンピ ュータ実習前に大きな期待感と不安感を持 っていることがわか った . 実習後の学生の反応は,
技術面において向上したと答えた 学生が非常に多か った.また,各実習内容における関心度は高く,従来のワープロや表 計算グラフ 実習に加えて , 特に新しく導入した 実習内容に興味を示す学生が多か った.インターネットによる情報検索,
メール送受信,画像処理やスライド作成などの理解度は約
80%に達した .
DTP
実習では,学生がテーマを選択し,積極的に各ソフトウェアを利用しなから,レポート作成,スライド作成やプレ ゼンテーションを実施しており,実習に対する満足度は非常に高か った.情報教育における
DTP実習は,学生の学習意 欲を高め, 自主的に考えなからまとめていく総合能力を育てる上で,大変有用であると考えられる.
1 . は じ め に
今日, コンピュータおよびインターネット技術の発 展は著しく,医療の分野においても各種データベース の遠隔利用や病院情報システムの開発・導入が精力的 に行われている門検査部においてはさまざまな検査シ ステムが導入され,臨床検査技師は 正確 かつ 迅 速 に 良質 のデータを診療側に提供することが求 められている.さらに,最近では在宅医療の環境基盤 が整ってきており,これから先は , 生体情報を遠隔操 作でコンピュータに取り込んで素早い情報収集と管理 ができるようになるであろう
2).この時代の流れに対応して,本学臨床検査科におい ても社会のニーズに対処できる学生を育成するため,
教育プログラム内容や授業の進め方について検討する
(平成11年10月14日受理)
川 崎 医 療 短 期 大 学 臨床検査科, 2川崎医療短期大学 一般教蓑 1Department of Medical Technology, Kawasaki College of Allied Health Professions
'Department of General Education, Kawasaki College of Allied Health Professions
ことが重要であると思われる.
現在,多くの短大ではワープロ ・ 表計算ソフトウェ アなどのアプリケーション・ソフトウェア(以下,単 にソフトウェア)の習得を主眼としたコンピュータ・
リテラシ教育を中心に情報教育が実施されている
3,4).また,高等学校までの教育内容の中にパソコンを用い た教育が急速に普及しつつある.学生を取り巻く情報 環境の変化は著しく , 臨 床 検査科に入学してくる学生 がコンピュータ実習に興味を示し,実習 内容 を理解し ながらより効果的に技術を習得していけるように実習 内容を検討する必要があった.
臨床検査科では,
1996年度(平成
8年度)「特色ある 教育研究」の補助を得て,学生・教貝の教育,研究等
を支援するため,
17台のコンピュータを導入した.
情報科学概論実習(コンピュータ実習)では, OS に
Windows
95を導入して以来,ワープロ・表計算ソフ
トウェアの他にも各種ソフトウェアを使って実習がで
きるようになった.さらにインターネットに接続可能
となり,学科内 LAN が構築され,ハードウェア・ソ
フトウェアが共に充実し,学生が自由に,よりアクテ
ィブにコンピュータを利用でぎる環境が整えられたの である.
こうした状況の中,いっそう情報教育の充実を図る ため,
1996年度よりコンピュータ実習において
DeskTop Publishing (DTP)実習を実施することになった.
DTP実習では,学生が各種ソフトウェアを習得し,文章を
まとめる能力,文章を正確に入力する能力,各種ソフ トウェアを利用した文書作成能力,スライド作成能力 および口頭発表能力など総合的な能力が養われる.
そこで我々は,
DTP実習を導入して
3年目にあたる 臨床検査科
2年生
(25期生)を対象に, コンピュータ 実習前と実習後の意識調査をアンケート形式で行い,
DTP実習の総合評価を行ったのでここに報告する.
2 . 研 究 方 法 1 )情報科学概論実習の概要
情報科学概論実習の内容は表 1 に示すとおりである.
コンピュータ実習は,
1グループ5人から
7人の学 生が 1 週 4 日間(火,木曜日の午後および水,金曜日 の終日)計 4 週間にわたって実習を行った.実習では
4 人の教員が各項目毎に学生を指導した.
臨床検査科のコンピュータ実習では,従来のワープ ロや表計算実習によるリテラシ教育の他に,画像処理,
電子メールの利用,インターネットによる情報検索や スライド作成などを取り入れている.
表 1 情 報 科 学 概 論 実 習 内 容
●コンピュータの基礎知識
情報科学とは何か,周辺機器の操作方法
●ネットワークの基礎知識
インターネットと学内 LANについて 第1週目 電子メールの送受信方法 (LotusNotes)
●Microsoft Wordによるワープロ実習 各種文字装飾の練習
図の張り込みカラー印刷の方法
●Microsoft Excelによる表計算実習 関数を用いた計算方法,グラフの作成
●Adobe Photoshopによる画像処理
第2週目 スキャナを用いた画像の取り込み,合成や加工
●Microsoft Exce]実習の応用 検査データの加工やデータベース処理
●DTP (Desk Top Publishing)実習 第3週目 各自のテーマに従ってレポートを作成する.
文章や図等はワープロ上で一括処理する.
●Microsoft PowerPointによるスライド作成 第4週目 DTP実習でまとめたレポートをスライド化し,発表
会を開催する.
さらに,学生が習得したコンピュータ技術を理解し ながら,より実践的に応用できるように,新たに
DTP実習を教育プログラムに導入した.この実習では,学 生が自分でテーマを決め,幅広くコンピュータを利用 しながらテーマに沿って自主的に調べ,
20枚のレポー トにまとめていく.各学生は実習担当教員によって,
レポート内容のチェックや文章校正などの指導を受け る.最終的にはスライドを作成し,液晶プロジェクタ にパソコンを接続してプレゼンテーション(口頭発表
10分,質疑応答
5分)を行っている .
2) 対象と方法
調査は臨床検査科2
5期生(平成
9年度入学)
2年生
(51名)を対象に, コンピュータ実習前(有効回答数
39件)と実習後(有効回答数4
6件)について実施した.
実習前のアンケートでは,使用経験,使用目的,使 用し始めた時期などについて意識調査した.実習後の アンケートの質問内容は,①向上心について ②理解・
興味について ③不安・自信について ④イメージに ついて詳細に調査した.本研究のアンケート調査では,
実習前意識調査
(8項目)と実習後
(51項目 )の 向上 心,理解度および関心度などを中心にまとめた.また,
DTP
実習のテーマ種別について2
4期生と
25期生を 比較 してみた.
3. 結 果 と 考 察 学生の情報教育に関する実態調査と分析 1) 実習前の学生の反応
使用経験については, コンピュータとワープロ両方 とも使ったことがない
12%と少なく,逆にコンピュー タだけを使ったことがある
30%,両方とも使ったこと がある
46%であり, コンピュータ利用者は
76%と多かった(図 1 ‑1 ) .
主な使用目的ではキーボード練習,文書作成など日 本語ワープロの使い方が主であった.また,ゲームが
26%と多かったが,ワープロ以外のソフトウェアおよびインターネットの利用は少なかった(同 1‑2).使 用し始めた時期は,中学時61% ,高校時2
1%であった
( 図 1 ‑3 ) .
1989
年に告示された新学習指導要項によれば,中学
校では
1993年度,高等学校で1
994年度よりコンピュー
タを用いたカリキュラムが導入されている.臨床検査
科
25期生はちょうどこの時期に重なっており,今回の
アンケート結果からも高等学校までの教育内容の中に
コンピュータを用いた教育が実際に急速に普及しつつ
情報教育における DTP実習の試み
71あることか読み取れる .
本学に入学する前にコンピュータ実習があることを 認識していた者が 23% であったのに対し,知らなかっ た者は
77%と多く,本学科における情報教育の認識度 は低かった(図 1 ‑4 ) .
コンピュータの必要性を感じている者は 90% ( 図 l
‑5)
,興味を持っている者は
74%( 図
1‑6)と非常に 多いことがわかった.多くの学生が医療における情報 化の進展に伴い,臨床検査を学ぶなかでコンピュータ の必要性を身近に感じており,情報教育に対する関心 度が高いことがうかがえる .
コンピュータに対するイメージは「進歩的」 52% ,
「楽しい」 4 2 %などプラスの印象を持っている者か多 かった(図
1‑7). その反面マイナスのイメージでは
「難 しい」と答えた者が
87%と多く,実習するにあた り上手に使用できるか不安を感じている者か
86%と非 常に多かった(図 1 ‑ 8 ) .
実習前のアンケート結果から,学生かコンピュータ 実習に対して大きな期待感と不安感の両面を持って実 習に望もうとしていたことがわかった.不安感を少し でも解消するためには, コンピュータの基本的操作と 応用力をしっかりと習得させることが大切である . そ
して,学生が自 主的に自 信を持って実習に望めるよう な教育プログラムを盛りこむことか重要であると考え る.
2 ) 実習後の学生の反応
①
技術に関する比較
キーボード練習はタイピング練習ソフトウェアを 利 用して毎日 3 0 分間練習するように指導した.基本技術 習得のため,最初にマウス操作 に慣れるように,ペイ ントソフトウェアを使って作図実習を取り入れた . らに,ワープロ実習では観光案内文を作成させ,ペイ ントソフトウェアで描いた絵や地図を Mi c r o s o f t Word で書いた文章に貼り付けるなどして , わかりやすい文 章作成の練習を行 った . また,検査データを基に Mi ‑ c r o s o f t Exce] で表計算やグラフ作成を行い,これから の検査教育に役立つように実践的な実習を取り入れた.
各ソフトウェアの使い方はそれぞれの教員が分担し てー通り説明した後,課題問題を出し,学生自らテキ ストを読んで理解させる時間も与えるようにした .学 生が自ら進んで ひとつひとつのソフトウェアを自由に 使えるように配慮しながら,教員が各担当項目毎にコ ンピュータのそばで講義をし,技術指導にあたった . 我々はこのような実習指導方法を採用するにあたり , 学生の 向上心を分析し, 実習の進め 方について自己評 価し てみることが大切であると考えている .
こうした実習を試みたところ , 学生の技術習得にお いて,以下のような効果がみられた.
基本的操作では,毎 日タイピング練習を実施した成 果もあり ,文字入力が向上した者は約
80%に達し ,
さ
ス
1使 用 経 験
両方使っ たことが ない
12% コン ピュータ
のみ使
用 30% ワープロ
のみ使
用 12%
ド
古, ' 9· 」工〗`
キ
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̀ ヽ
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%
ご〗
の 用 め ト
5 ン︳ッ イ タ ネ 他 使 た
5
コンピュータの必要性 の度合い
普通10%
6
興味について
大 変 興 あまり
味はあ ない
る ィ ぷ 斎 こ 3% 20%
3使用し始めた時期
高 等 学 校 21%
4
コンピュータ実習の 有無に対する認識度
必要と 感じる 55%
8
不安があるかどうか
普通 23%
進 歩 的 52%
7
コンピュータに対する プラスイメージ
明るぃ 優しい
2% 云ぞ~ 2%
楽しい 42%
とても 安 9%
固1
実習前の学生の反応
ピードも速くなり,抵抗なく文字入力できる学生がは と ん ど で あ っ た . ま た , ワ ー プ ロ 文 書 入 力 や グ ラ フ 作 成 技 術 も 約
80%習得できていることがわかった(図
2‑1).
応 用 的 操 作 に お い て も , 特 に , イ ン タ ー ネ ッ ト を 用 い た 情 報 検 索 89% , プ リ ン タ の 使 い 方 85% , メール送 受信は
78% の 者 が 向 上 し て い た . 続 い て ス キ ャ ナ の 使 い方 7 1 %, Adobe Photoshop を用いた画像処理 5 8 %お
よび関数を用いた自動計算処理 5 7 %で向上がみられた.
しかし,統計処理の使い方の向上度は
46%と比較的低 かった(図 2 ‑ 2 ) .
日本語文書作成技術は使用頻度が高 く 実社会ですぐ 戦 力 に な る た め , 正 確 に 早 く 入 力 で き る よ う な 練 習 方 法か必要である.また, 高性能なワープロソフト ウェ アの特徴をうまく利用し, グラフや画像などをうまく 盛 り 込 み , 実 践 的 に 各 ソ フ ト ウ ェ ア を 関 連 づ け て 実 習
1
基本操作 グラフ作成
コンピュータゲーム 絵を描く ワープロでの文書作成 文字入力 マウス操作
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5 1 1 5 0 I•I
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2
応用操作 画像の加工技術
スキャナの使い方 プリンタの使い方 ソフトウェアの使い方 インターネットを用いた情報検索 メールの送受信 コンピュータを用いた統計処理
関数を用いた自動計算 llllllll•
0%
園非常に向上したと思う ロあまりわ思わない
20% 40% 60% 80%
ロだいたい向上したと思う □ ふつうである
□ 向上したとは思わない
100%
図2 技術に関する比較
コンピュータの内部構造 文字データと画像データの容量の違い ハードディスクや
M Oの容量 コンピュータの仕組みの理解
Windowsシステムに対する理解
O Sに対する理解
ネットワークの仕組みの理解囚:·:·:·:·:·:·:•3a:·:·:·:·:·:·:
0% 20% 40% 60% 80%
園非常によくわかった 口だいたいよくわかった口どちらともいえない ロあまりわからなかった口全くわからない
100%
図3 知識に関する比較
情報教育における DTP実習の試み 73
することか大切であると思う.
②
知 識 に 関 す る 比 較
① の 調 査 で 技 術 面 で 向 上 し た と 答 え た 学 生 が 全 体 的 に 多 か っ た の に 対 し , 知 識 面 で は , 平 均 す る と 「 わ か った」と答えた者 33%, 「どちらとも言えない」 35%,
「わからない」
32%であった .特 に , 学 生 に と っ て 全 体的にコンピュータの内部構造,文字テ ータと画像デ ータの容量の違い, OSやネ ッ トワークに対する理解度 か低かった(図 3 ) .
臨 床 検 査 科 カ リ キ ュ ラ ム 上 , 情 報 科 学 の 講 義 が
3年 生 で 開 講 さ れ る た め , 本 来 は 講 義 を 受 け て か ら コ ン ピ ュータ実習に入ることが望ましい. しかし,現時点で は 実 習 の 中 で 知 識 を 深 め る こ と か で き る よ う に 指 導 の 仕 方 を 工 夫 し , 充 分 に 効 果 的 な 実 習 を 進 め て い く 必 要 がある .
③
実 習 内 容 に つ い て の 関 心 度 と 理 解 度
表計算の関心度は 3 5 %で少し低かった .学生が特に 関 員 示 し た 項 目 は , イ ン タ ー ネ ッ ト
91%, 電 子 メ ー )
レ
74%, 画 像 処 理
74%およびスライド作成
65%であっ た(図
4‑1).理解度についても各項目ともにわかっ たと答える者が多く見られ,平均
80%近くに達してい た(図 4 ‑ 2 ) .
今匝新たに導入した DTP を用いたレポート作成に 対する関心度は 50% を占め,理解度は 7 9 %がわか った と答えている点, この実習が学生にとって非常に効果 的であ ったと考えられる(図
4‑1, 2).各 ソ フ ト ウ ェ ア の 課 題 提 出 は 主 に イ ン ト ラ ネ ッ ト 上 での電子メール ( Lotu sNo t e s ) を活用し,学生はさま ざまな課題作成を行った電子ファイルを電子メールに 添付し,担当の教員に送信している .こ のことによっ て学生と教員との間に, よりインタラクティブな関係
1関 心 度
DTP
レポート作成 . . . . .
... [4スライド作成 ・ ・ ・ . '
̀ •’・'`̀
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じインターネット , ・ ・
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ワープロ
.• ` •• •. • ̀ •.合· • ̀ ̀ •. •.`奮·.'・・表計算●●:•:·:·:・・け:·:·:·:•1 0% 20%
■ 大変持てた ロどちらともいえない 口全く持てなかった
46
40% 60% 80% 100%
ロだいたい持てた ロあまり持てなかった
か生まれた .
実 習 前 の 調 査 で は , 不 安 を 抱 い て い た 学 生 が 多 か っ たか, コンピュータ実習が始まると,はとんどの 学 生 が難しい実習内容においても積極的に取り組んでいた.
コンピュータを楽しみながら操作し, 自ら進んで実習 に取り組んでいる人か多く見られたのも事実である.
④
情 報 教 育 に 対 す る 関 心 度
学生のコンピュータに対する関心度は非常に高く,
91
%がも っと使える ようになりたい,
83%が就職に有 利 , また
74% が も っ と 情 報 科 学 概 論 実 習 を し た い と 答 えた.
今 後 , 情 報 教 育 は 以 前 に も 増 し て 必 要 と さ れ , 臨 床 検 壺 の 分 野 に お い て も 情 報 機 器 利 用 に 関 す る 知 識 お よ
び能力か問われるであろう.
学生は 2 年 生 の 病 院 実 習 を 体 験 す る な か で,システ ム 化 さ れ た 多 く の 医 療 機 器 を 目 の あ た り に し , 医 療 現 場 に お け る 情 報 教 育 の 必 要 性 を よ り 身 近 に 感 じ て い る
ものと思われる .
⑤
DTP 実 習 に つ い て
DTP レポート作成では,自由テーマにより学生は各 自興味あるテーマを選んでいる. レポートをまとめて いくには自ら 参考図書を読み,インターネッ トを用い た 情 報 検 索 な ど も 活 用 す る こ と に な る . そ し てデー タ を 分 析 し , わ か り や す い グ ラ フ を 作 成 し な か ら , 画 像 処 理 な ど を 習 得 し て い か な け れ ば な ら な い . 従 って , 後 半 2 週間の DTP 実 習 は , 前 半 2 週間の実習で学ん だ 学 習 内 容 の 総 合 理 解 か で き て い る か ど う か の 評 価 に 結 び つ く も の で あ る と 考 え ら れ る .
実習ではプレゼンテーションソフトウェアの Mi c r o s o f t Power P o i n t を利用して,スライド作成を行った . ス
ラ イ ド 作 成 で は , 学 生 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 効 果 を 高
DTP
レポート作成 スライド作成
画像処理
インターネット
E メール~
ワープロ 表計算
2理 解 度
二←¥
2 0 i 9 E.·.·.·.·.·、•.•. •. till,·.·.· 、•.•. •、•.•. • 、」
I ・ ・ . 紐 . . .I 』 .
1•. ・ . ・ . ・ 二 〜 . ・ . ・ . ・ . ・ . ・ . ・ . ・ , 1
辺・.・.・.・‑・.・.・.・.・.・.1.'l>I 0% 20% 40% 60% 80% 100%■ 非常によくわかった 口だいたいわかった ロどちらともいえない
IZlあまりわからなかった
□ まっわくわからない
図 4 実習内容についての関心度と理解度
めるため,文字の大きさ,字体,明るさ,色合い,
ザインなどに注意を払うように指導した. また,アニ メーション効果を使 って ,動きと音の効果をうま〈利 用したプレゼンテーションの仕方も実習した.
口頭発表のためのスライド作成では, 20枚にまとめ たレポートの内容を端的にしかも聞く人にわかりやす く効果的に仕上げていかなくてはならない.このよう に DTP 実習は,学生にとっては文章をまとめる能力,
各種ソフトウェアによる文書作成能力,スライド作成 能力および口頭発表能力など総合的能力が必要になっ てくる.
こうした DTP 実習による総合技術に関する評価 で は,文章をまとめる能力や口頭発表能力については約
40%,スライド作成では
83%が向上したと答えた(図
5).
また, 2 4 期生と 2 5 期生が選んだ DTP 実習テーマ種 別の比較を行った(図
6).2 4 期生が選んだテーマでは 脳死・臓器移植・肺かんなど医療に関するテーマが多 く,続いて生活,健康に関するものが多かった. 2 5 期 生では飲食物,健康,生活などの身近なテーマが半数 をしめていた.なかには心身ともにリラックスさせる 方法をテーマに選び,生活や学習に生かそうと考えて いる学生もみられた.この DTP 実習では医療の他に も,身近な生活面,健康問題,福祉問題,環境間題や 飲食物など幅広い分野にわたって興味を示していた.
レポートの内容を見ると,各自工夫した個性あるレポ ート作成ができていたことが印象深かった.
⑥
コンピュータ実習の総合評価
学生は 4 週間にわたるコンピュータ実習の中で多く の項目を習得しなければならない.内容の程度が学生 にとって適当かどうか,指導効果を把握するうえで重
テ
文章をまとめる能力 口頭発表能力
スライド作成速く正確に文字を入力する
DTP文 書 作 成
0% 20% 40% 60% 80% 100%
芸 能 12%■ 非常に向上したと思う ロふつうである 口向上したとは思わない
ロだいたい向上したと思う
12lあまりわ思わない
要になる.図 7 にその結果を示す.
まず,全体的実習内容の程度について,「良いと思う」
39%,
「どちらでもない」
61%で,「よくない」と答え た者はいなかった.また,実習内容に満足しているか どうかについては「満足している」
67%に達し,「どち らでもない」は
33%であった. さらに全体的実習内容 の理解度と関心度については,「理解できた」
63%で,
「興味が持てた」
83%と非常に多く,「コンピュータが 好きである」 7 2 %であった.また,「チャンスがあれば 資格に挑戦したい」が 4 5 %であり,検定資格に興味を 示す学生が多かった.
実習後のアンケート結果によって,多くの学生が DTP 実習を取り入れた情報教育に対して全体的に関心を示
し,満足しているという結果が得られた .
情報科学概論実習は小グループによる実習のため,
教貝の指導が比較的ゆき届いたので非常に効果的であ ったと言える . しかし, 1 年を通しての実習のため教 員の負担が大きいのも事実である .
今回のアンケート結果で,従来のリテラシ教育だけ でなく,我々か取り入れた DTP 実習は,情報教育を さらに発展させる良い機会となった. DTP 実習の試み
医 療%
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3 8讐
︐. 境..
•
9
生 環 期 測
疇 4
宙2
宇物勁/
史% 教5歴7
福祉 7%
25
期生
旅 行た医療 福 祉4% 2%
スポーツが%
円 9
動物 10%
キ ャ クr ‑
2% 14%
健 康 16%
図5 DTP総合技術に関する評価 図6 DTP実習テーマ種別の比較
情報教育における
DTP実習の試み 751
実習内容の程度について 良いと思いますか
1 1%
4
全体的にコンピュータ実習への 興味が持てましたか
3
28%
46%
2
コンピュータ実習内容について
3全体的コンピュータ実習の内容 満足していますか について理解できましたか
26% ̲ 9%
5
.コンピュータが好きですか 2% 2%
37%
47%
6
チャンスがあればコンピュータの 資格に挑戦してみたいですか
4%-~15% 4%
30%
図非常にそう思う口だいたいそう思う口どちらでもない口あまりそう思わない園全くそう思わない
図7 コンピュータ実習に対する総合評価
は,学生が自主的にテーマを選び積極的にコンピュー タを使う機会を増やし, 自ら考え,研究し, まとめて いく中で総合能力を伸ばしていくことになり,充分成 果があった .
4.
お わ り に学生は情報敦育に強い関心を示し,医療においても 高度情報化社会の到来を感じており ,将 来にむけてコ ンピュータを使えるようになりたいと必要性を強く感 じている .そし て,こ の実習の後,他の専門科目にお いてコンピュータをよく利用するようになった .形態 学検査では顕微鏡で見た細胞を画像処理したり ,生化 学検査では検査データの統計処理やグラフ作成を可能 にした . さらに ,研究室でも効果的なスライド作成か できるようになってきた . 従 って ,総合的な能力が必 要となる DTP 実習が種々の検査教育に役立っている
と言える.
DTP 実習では,学生がさまざまなメディアを通じて 社会情勢に広く目をむけ,世の中の動きに敏感に反応 できるように,テーマの選定から発表まで学生の自主 性を尊重した. DTP 実習に対する関心度および理解度
は思ったより高かった.学生が問題提起をし,学生自 身よく考え , 各ソフトウェアを総合的にうまく利用し,
まとめていく能力を育てることがこれからの臨床検査 技師教育にプラスになると考える .我々は考える臨床 検査技師を育てるうえで,情報教育がさらに役立つこ
とを願っている.
今後カリキュラムや情報教育環境などの問題が生じ た場合においても,実習内容については時代のニーズ に応じて実習の進め方や効果的な教育プログラムを検 討していく必要性を感じた.
5 .
文 献l)中 井 桂 司 , 高 田 孝 弘 , 遅 大 雷 , 竹 田 寛,村瀬澄夫,津 田光徳: 医学部新入生の情報教育の程度と認識についての
調査,第
18回医療情報学連合大会要旨集
18: 1 ‑2, 1998. 2)神津 仁
・在宅医療と臨床検査技師,検査と技術
7: 971,1999.
3)良峯徳和: