情報教育と情報入試:7.大学の一般情報教育 -本会一般情報教育委員会による事前調査結果-
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(2) 容について問うた.GEBOK に従い,表 -1 に示す各 項目について, 「すべて対象外」「トピックの一部分 について,名前だけ取り上げた」 「トピックの一部 分を大まかに説明した」 「トピックのある程度を網 羅して説明した」 「トピックのほとんどをきちんと 説明した」 「その他」のいずれであるか回答を求めた.. 人 100,000. 専任教員数. 10,000 1,000 100 10. ▶ ▶事前調査の結果. 学部学生数. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 大学(学生数の順に番号で表記) 図 -1 学生数と専任教員数. 事前調査に対して 7.大学の一般情報教育 ─本会一般情報教育委員会による事前調査結果─. は 13 の大学(部門 数 で は 14) の 合 計 104 の科目から回答 があった.大学の規 模は,学生数で万を 超える大規模の大学 から千人規模の大学 までさまざまである ( 図 -1( 回 答 13 大 学) ) .一般情報教育 を全学的に取り組ん でいると思われるの は 4 割ほどだった. GEBOK の 項 目 ご と に 104 の 科 目 か ら の回答の分布をまと め た 結 果 を 図 -2 と 図 -3 に示す. 図 -2 は,表 -1 に 示す GEBOK の項目 ご と に 104 の 科 目 についての回答の分 布をまとめたもので ある.これを見ると, GEBOK の 中 で, ほ とんど取り上げられ ていない項目がある. コミュニケーション (ICO) の 中 の メ ッ. 図 -2 GEBOK 設問項目ごとの,104 の科目についての回答の分布 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 345.
(3) ■. 特 集 ■ 情報教育と情報入試. 7. 大学の一般情報教育 ─本会一般情報教育委員会による事前調査結果─ ス キル・モラル. から 総 合 的. 総合的 ス キル・ モラル. + 選択的. 基 応 専 般. 和田 勉 長野大学 多様. 7.大学の一般情報教育 ─本会一般情報教育委員会による事前調査結果─. 図 -3 科目ごとの回答結果 1 年生履修率・内容傾向別. セージの理解と 3 次元ユーザインタフェース,ア. 中の 1 年生の割合≧ 50%)では「選択的」科目の. ルゴリズム(ALP)の中のプログラム以外,データ. 割合は比較的少ない.スキル・モラル教育的な科. モデリング(DMO)および情報システム(INS)な. 目が中心の大学もあり,その割合は今回の調査で. どであり,この中には GEBOK で必修とすべきとし. は 2 ~ 3 割である.1 年生を主対象としない( 「履. ているものもかなり含まれている.この事前調査で. 修者の中の 1 年生の割合< 50%」)科目では,1 年. はその理由は不明だが,現在実施中の本調査におい. 生を主対象とする科目と比較すると,上記の「選択. ては実施しない理由もあわせて問うている.. 的」な科目の割合が多いといえる.. 図 -3 は科目ごとに,まず履修者の中の 1 年生の 割合が 50% か否かで分け,次に,CLI(リテラシ) と ISS(情報倫理とセキュリティ)の両者あるいは いずれかを取り上げているものと,そうでないも. 346. ▶ ▶高校での情報教育と大学の一般情 報教育との関係. の(図中で「選択的」と表記)に分けた.その上で,. かつて「2006 年問題」と称される問題が,一般. 前者を CLI(リテラシ)が中心のスキル・モラル教. 情報教育委員会でとりざたされた時期があった.す. 育的なものから,広くテーマを取り上げている総合. なわち,普通教科「情報」を受けた最初の世代が. 的なものへという形で整理した図である.この図に. 2006 年 4 月にいっせいに大学に入学してくる.そ. 示すように,1 年生を主対象とする科目(履修者の. れまでの世代と異なり,高校で同教科により「きち. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(4) んとした」情報教育を受けてくるので,それまで行 われていたような初歩的な一般情報教育を続けるこ. ▶ ▶本調査. とは不適切になる,では大学ではどのような一般情. 本文中にも記したように,2014 年 1 月現在,本. 報教育を行ったらよいか,というものだった.本委. 調査とその集計分析が進行中である.より正確な状. 員会では 「情報とコンピューティング」 「情報と社会」. 況報告はそちらをお待ちいただきたい.. (文献 2)はこの 2 冊の改訂版)もこれにあわせて 刊行し「2006 年問題対策」として世に問うた. しかし「ふたを開けて」みると,大学新入生の様 子は,少なくともそれまでと劇的に変わったわけで はなく,むしろ「2006 年問題」を真正面から捉え 際の学生が想定したようなものではなく従来とほぼ 同様であることが分かって,せっかく準備した内容 を捨ててそれまでと同様の内容に戻した,という話. 7.大学の一般情報教育 ─本会一般情報教育委員会による事前調査結果─. て「進んだ情報教育」を準備した大学・学部は,実. 参考文献 1) 情報処理学会一般情報教育委員会:一般情報処理教育の知 識体系(GEBOK),http://www.tiu.ac.jp/seminar/kawamurk/ gebok/gebok_final.html 2) 河 村 一 樹, 和 田 勉 他: 情 報 と コ ン ピ ュ ー タ, オ ー ム 社 (2011),駒谷昇一 他:情報とネットワーク社会,オーム社 (2011). 3) 岡部成玄 他:大学における一般情報教育の事前調査,情報 処理学会コンピュータと教育研究会 情報教育シンポジウム SSS2012 (Aug. 2012). 4) 布施 泉,岡部成玄:高等学校教科「情報」における実習時 間と知識定着度,情報処理学会コンピュータと教育研究会研 究報告 2007-CE-92(15), pp.103-107 (2007). (2014 年 1 月 14 日受付). も聞く. とはいえ高校卒業生の素養がまったく変わらなか ったわけではなく,たとえば文献 4)ではある程度. 和田 勉(正会員) [email protected]. の有意な変化はあった旨が報告されている.しかし. 長野大学企業情報学部教授,前・韓国高麗大学師範学部コンピュー タ教育科招聘教授.本会情報処理教育委員会初等中等教育委員会委 員長,同一般情報教育委員会委員.情報教育,特に情報教育の国際 比較を研究.. 一方同じ報告で「 『情報科学的理解』や『情報社会 に参画する態度』については,履修した学生とそ れ以前の学生とで『分からない割合の差』がほと んどないカテゴリが存在する」とも報告されている.. 謝辞 本稿執筆にご理解ご協力いただいた,一般情報教育委員会のメ ンバ,特にここで取り上げた事前調査とその報告において中心的な役割 を果たされた岡部成玄先生(北海道大学)や委員長河村一樹先生(東京 国際大学)はじめ委員各位に感謝する.本文中にも記したように,本稿 内容の主要部分は岡部先生を主発表者として本委員会が報告した文献 3) の内容を要約編集したものである.. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 347.
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