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教具としての低周波発振器

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Academic year: 2021

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(1)

教具としての低周波発振器

技術科研究員小室一比古

水戸市立第3中学校谷中正實

1 序  論

 中学校に詮いて,低周波発振器は・・一・一・■台は備えられているが,ζ:の一台も理科と技術科で共用していたb して,授業においては教師の説明に使用される程度である。このような現状下で生徒が製作品を実験・測 定するにしても,実際には無いに等しい。生徒が使用するに際しても,ツマミの数が多く,どのツマミが 何の働きをするのかさえ理解できない。その結果,機器を使用するのがいやになり,生徒自ら電気という

ものから遠ざかっていってしまい,回路構成の発展性などさらさら身につくはずはないであろう。

 これらの事をなくし,生徒の扱いが容易な発振器が必要となる。塒に三論丈の実習盤の学習では発振器 は欠かせないものである。その意味で製作した物が本研究内容である。

2 回  路

(1)発振器として具備すべき条件

  序論で述べたように,中学校での教具としての条件を備えていなければ意味がない。そこで,次の2 つの条件を満たす発振器の回路が考案された。

      考 案 条 件   ・生徒が容易に:扱えるもの   ・小型で軽量なもの   e安価にできるもの   ・安定な動作をするもの   ・教師が製作できるもの       設 計 条 件   ・ウィーンブリッジ形発振回路

  elKHz固定周波数

  ・正弦波   ・出力電圧可変   ・乾電池電源

  これらの条件の下でできた回路が図1である。

一79一

(2)

図1 発振器回路図

噛K

25K

竃。

20K

題〉よ◎》§

2SB54x2

轟7

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x

⑪耐γ蚕瑠ア

9

ド・

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回路に細いて,電源に乾電池を使用した理由は不経済という面もあるが,発振の安定化と生徒の扱いや すさとを計っているからである。安定化の点からはツェナーダイオードを用いれば良いが,その分高価 になるし,そこまでして安定化を計る意味はない。

(2)発振器の構造

 回路図を基に製作した製品を写真1,2に示す。写真でわかるように,パネルは簡単な配置になって いる。向って右に出力端子を出し,中央に電源スイヅチ,左に出力調整のツマミを設けた。スイ。チ付          写真  1      写真  2

ボリェームがあればそれを利用しても良いが,電源のON ・OFF表示のランプを付けないので,一一目で それがわかるように電源スィヅチをつけた。配線は機器の丈夫さを計るためにプリント配線とした。プ

リント配線をすることにより多数製作する場合に同づ規格の製品とすることが容易である。現に昨年度 10台製作してみたが,全部の製品は大きな調整をしなくても同一一のものが出来た。また丈夫さの点で も昨年度と今年度と使用しているが,一台も故障したものはない。ケースも手作りの味を楽しむために,

アルミ板で加工してある。この加工の点では,技術の教師であればいとも簡単に製作できよう。しかし ただ単に:作ればよいというのではなく,扱う生徒の手の大きさとか人間工学的な配慮は必要である。ま た,学;習の流れもパネル面の設計では考慮しなければならない。

(3)発振器の特性

 このようにして完成した発振器の特性を調べてみて,そこから前述の条件が満足されているか否かを 一8 O一

(3)

判断してみた。その結果,充分に条件が満たされていると次のデータから判断できた。

  発振周波数  正弦波1K:Hz周波数調整範囲758〜1,122Hz)

  出力信号電圧  0〜2V(出力端子開放測定)。

  安 定 度  周波数変動壼1%以内(電源電圧一定のとき)

  電源電圧一周波数特性

電圧 〔V〕 9 8

7 6

翫6

周波数〔Hz〕

1003 1014 1021 1026 1027

消費電力   48mW(電源電圧8Vのとき)

寸法 90×150×55mm

重  量   2159

乙の発振器の特性測定に使用した機器は次の通りである。

周波数計   H。P エレクトロ・=,クスカウンタ 5246L 電源装置   メトロニクス 523A

交流電圧計  ナシ・ナル バルボル VP−955C 波形観測   東芝 オシmスコープ 562

直流電圧電瀟十 YEW O. 5級

3 結  論

 本器を使用しての授業後に澄ける学習成立度を,使用したクラス㈲と使用しないクラス⑧とで比較して みた。学;習内容として「スピーカを働かせるために,増幅器が入力信号を増幅し,大きな音として再生さ れるしくみを,実験を通して理解する。」実際の学習活動として,バイアス抵抗を変化させて音の大きさ を比べることに対しては,Aは信号源の振幅が一定のために音の大小を明確にとらえられた。 Bは信号源 をラジオとしたため(グループ毎に信号源を必要としたから,手軽に入手できるポータブルラジtを使用

した)周波数や振幅が一定でなく,音の大小は概念的にしたとらえられなかった。この実験結果等から,

発振器を使用して授業を行った方が,生徒の興昧・関心が増大し,また課題意識が高まり,次の段階への 発展がスムーズにいった。ラジオを信号源に:した場合には,ラジオそのものへの興味,ラジオがでる音楽 やアナウンサの声に興味・関心が大きな向き本来の学習活動から心が離れてしまうことも学習効果を悪く する一因であろう。さらに事後テストをして生徒の反応をみると,やはり発振器を使用させたクラスの方 が効果があがっていた。 (テストは,A・Bクラスから平均的グループを抽出し,個入面接法をとった。)

    質       問

・バイアス抵抗の働きは何か

・回路構成のしかた

・発振器とオシロを使っての歪の有無を調べる方法

㊥OP↑の働きは何か

・回路計を用いて電流を知る方法

a:5人全員正答 b:4人正答 c:5人正答 d:2人正答 e 以上は質問の一部を記載したものであるが,これらからでも,

 Aクラス   a   a   d   a   b

l人正答 f O

Bクラス  a  d  f

 a  e

       学習活動の中に:発振器を使用した方が,

回路構成等電気系路に対する理解度は高くなっていることが理解できる。このことは,学習に診いて次段        一81一

(4)

への流れに乗りやすく,発展性が養なわれることが理解できよう。さらに細かいことは,昨年度に引続き 現在幾つかの中学校で実験授業が行われているからその結果を後日発表したい。

昭和50年7月23日 岐阜大学

第18回 日本産業技術教育学会にて発表したもの

一82一

参照

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