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誘電体を含むガウスの法則

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Academic year: 2021

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(1)

誘電体を含むガウスの法則

1st. 2016/07/03 Lst. 2020/02/10

真空中のガウスの法則

真空の誘電率 8.854x10-12

S 0

E ds Q

内積記号 積分面が閉じ

ていることを 示す記号

積分面上の 電界ベクトル

積分面を構成する 微小面素ベクトル

積分面内部 に含まれる 真電荷

積分が積分面Sに沿った面 積分であること示す記号

プロトタイプバージョン

[V/m] or [N/C] × [m2] = [C] ÷ [F/m]

分極電荷の考慮

E

b S [C]

Q P ds

3

1. 真電荷により周囲に 電界が発生

P

nˆ

b b

[C/m ]2

E

3. 発生した電気 モーメントを等 価分極電荷で 考えたモデル

r

S

0

0

0

0

2. 周辺誘電体の分極による 電気モーメントの発生

i i

p

P

分極と分極電荷

V

4

分極

誘電体の全体積 分子1つあたりの 電気ダイポール モーメント

単位体積当たりの平均的な電気ダイポールモーメント

[C/m2]

= [C/m] ÷ [m3]

b P nˆ

 

分極電荷 密度

分極 誘電体を外向

きに貫く単位 ベクトル

誘電体の表面に生じる等価電荷(単位面積あたり)

[C/m2] = [C/m2] × [無次元]

(2)

束縛電荷(分極電荷)

b S

Q

P ds

束縛電荷 積分面上の分極

積分が積分面Sに沿った 面積分であること示す記号

積分面を構成する 微小面素ベクトル

[C] = [C/m2] × [m2]

分極電荷の考慮1

0 0

b S

Q E ds Q

内積記号

積分面内部 に含まれる 束縛電荷

(分極電荷)

積分面内部に含 まれる真電荷 積分面を構成

する微小面素 ベクトル 積分路上の

電界ベクトル 積分面が閉じ

ていることを 示す記号

積分が積分面Sに沿った面 積分であること示す記号

真空の誘電率 8.854x10-12

[V/m] or [N/C] × [m2] = [C] ÷ [F/m]

修正バージョン

分極電荷の考慮2

0 0

b S

Q E ds Q

7

0 b

S E ds Q Q

 

0 b

S E ds Q Q

S0E ds S P ds Q

( 0 )

S

D

E P ds Q



両辺ε0倍すると

Qbを左辺に 移動すると QbをPで置き 換えると 面積分をまと めると

電束密度と定義

誘電体版ガウスの法則

積分面内部に含 まれる真電荷 積分面を構成する 微小面素ベクトル 積分路上の電

束密度ベクトル 積分面が閉じ

ていることを 示す記号

積分が積分面Sに沿った 面積分であること示す記号

S D ds Q

8

上位互換バージョン

内積記号

[C/m2] × [m2] = [C]

(3)

電束密度の定義

D 0E P

電界

電束密度 分極

真空の誘電率 8.854x10-12

[C/m2] = [F/m] × [V/m] + [C/m2]

比誘電率の定義

0 (1 e) D E

電束密度 電気感受率

[無次元]

電界

r 比誘電率 [無次元]

真空の誘電率 8.854x10-12

[C/m2] = [F/m] × [V/m]

電界と電束密度の関係

11

0 0

D P E

外部電界

Ee

Em

電界

分極 電束密度

全電界

内部電界

真空の誘電率 8.854x10-12

[V/m] = [C/m2] ÷ [F/m]

誘電体を含むガウスの法則

12

【例題】 比誘電率εrの誘電体中に半径 a [m]の導体球がある。(1) 導体球に電荷 Q [C] を与えたとき,誘電体中の電界と導体球の電位,および導体表面に現れる分極 電荷の面電荷密度を求めよ。(教科書,例題4.1)

SD ds Q

【解答】 誘電体を含むガウスの法則より

cos 0

SDds Q

2 2 [C/m ] 4

D Q

r

2 2

0 0

1 [V/m]

4 4

r r

D Q Q

E   r   r

2

4 0

a a

a

r

V E dl Q dr

  r

   

2

0 0

1 1

4 4

a a

r r

Q Q

r dr r

   

     

0 0

1 1 1

4 r 4 r [V]

Q Q

a a

   

分極電荷密度は 導体球表面の電位は

0 0

( ) ( )

b P D E E E

     

0 0 0

( rE E) E(r 1)

   

0 2

0

( 1)

4 r r

Q

a

   

2 2

1 1 [C/m ]

4 r

Q

a

電界は、D=εEより

2 0

[V/m]

4 r

E Q

  a

従って、電束密度は

即ち、真空中の電界に比べ1/εr倍小さく なる。導体球表面の電界はr=aを代入して (2)

(3)

(4)

(5)

(6) DSdsQ

(1)

a z

x y

r

(4)

誘電体を含むガウスの法則

【例題】 比誘電率εrの誘電体中に半径 a [m] の導体球がある。電荷密度σ [C/m2] を与えたとき、εr= 1(真空), εr= 1.006(空気), εr= 2(テフロン), εr= 8(ガラス), εr= 80(水)の場合に現れる分極電荷密度は真電荷密度の何倍か。

【解答】 前問の結果より、分極電荷密度は 1 2

1 [C/m ]

b r

1 2

1 [C/m ]

b

r

εr= 1(真空)のとき、

Air 1 1 0

1

b

Teflon 1 1 1

2 2

b

εr= 2(テフロン)のとき、

Glass 1 1 7

8 8

b

εr= 8(ガラス)のとき、

Water 1 1 79

80 80

b εr= 80(水)のとき、

εr= 1.006(空気)のとき、

Air 1 0.006

1 1.006 1.006

b

真空の0.00596倍

真空の0.5倍

真空の0.875倍

真空の0.9875倍 真空の0倍(分極電荷なし)

(1)

(2)

(3)

(4)

(5) a z

x y

r

大きさは

誘電体を含むガウスの法則

【例題】 比誘電率εrの誘電体を面積 S [m2] の平板電極で挟んだ平板コンデンサが ある。片側電極に電荷 σ [C/m2] を与えたとき、誘電体中の電界と電極表面に現れ る分極電荷の面電荷密度を求めよ。

SD ds Q

【解答】 誘電体を含むガウスの法則より

[C/m ]2

D

0 0

1 [V/m]

r r

D Q

E S

   

分極電荷密度は

0 0

0 0

0 ( 1)

b

r r

P

D E

E E

E E

E

 

 

電界は、D=εEより 従って、電束密度は

即ち、真空中(εr=1のとき)の電界 σ/ε0に比べて誘電体中の電界は 1/εr倍に小さくなる。

(2)

(3)

(4)

DSdsS (1) cos 0

SDds Q

0

0 0

( 1)

b r

r

 

(3)で求めた電界を代入して

(5)

S

1 2

1 [C/m ]

b

r

従って、

電源有無による電界の変化

15

【例題】 次の各場合に対する電極内の電界を求めよ。(1) 初めに 空気コンデンサを電圧Vで充電させた。(2) 次に、SWを切って比誘 電率εrの誘電体を挿入した。(3) 最後に、誘電体を挿入したまま SWを再びONにした。

【解答】 (1) 真空中のガウスの法則より

S 0

E ds Q

0 0

cos 0

S S

S S

Eds E ds

V

r

b

b

d x

z

V

0

d

0

E

   b

V

r

 b

   

b

b

d (2) 誘電体を含むガウスの法則より

SD ds Q

SDdsQ D SdsS

1

0 0

ES S E

2 2 1

0 0

1

r r r

E D E

   

(3) 誘電体を含むガウスの 法則より、

SD ds S

3 0 3

S

b

D ds S DS S

D E P

 

 

DS S D2

最初の1/εr 倍になる。

電極上にある電荷は保存 されるので、Q=σS

3 1

0

E E

最初の電界(電位)に等しい。

(3) (2) (1)

0 3 3

3 3

0 0

b b

E D P D P E

 

電源有無による分極電荷の変化

16

【例題】 次の各場合に対する分極電荷を求めよ。(1) 初めに空気 コンデンサを電圧Vで充電させた。(2) 次に、SWを切って比誘電率 εrの誘電体を挿入した。(3) 最後に、誘電体を挿入したままSWを 再びONにした。

【解答】 (1) 前問の結果より

V

r

b

b

d x

z

V

0

d

0

E

   b

V

r

 b

   

b

b

d (2) 前問の結果より

1 0

E

2 2

0 r 0 r

E D

   

(3) 前問の結果より D3

3 3

0 r 0 r

E D

   

D2  r

3 3

0 r 0 r 0

E D

   

(3) (2) (1)

0 0

0

b e e

r

P E

   

   

( 1) 1 1

b r

r r

1 0 0

0

D E

b 0

   b    r   b ( 1)

b r r

      従って、

①を使うと、

( 1) 1 1

b r

r r

 

http://www15.wind.ne.jp/~Glauben_leben/Buturi/Denjiki/Denjikibase2.htm

(5)

等方性と異方性

 

D E テンソル誘電率

11 12 13

21 22 23

31 32 33

x x y z

y x y z

z x y z

D E E E

D E E E

D E E E

11 12 13

21 22 23

31 32 33

x x

y y

z z

D E

D E

D E

   

 

 

 

 

    

D E 等方性誘電体

x x

y y

z z

D E

D E

D E

x x

y y

z z

E D

D E

D E

 

 

 

 

 

 

スカラー誘電率

異方性誘電体

電界と電束密度の方向が 一致する

電界と電束密度の方向が 一致しない

小柴 ``基礎からの電磁気学’’ p.105

成分表示 成分表示

用語定義1

誘電体 dielectric, dielectric substance

誘電体は伝導電子を持たず、導体のように自由な電荷移動を許さない。電場を印加すると、誘 電分極が起きるが、中には零電場のもとでも分極(自発分極)し、その分極の向きが外部電場 によって反転するものがある。これを強誘電体という。誘電分極の機構は電子分極、イオン分 極、配向分極からなり、交流電場を印加すると周波数の増加に伴い、配向分極、イオン分極、

電子分極の順に電場の変化に追随できなくなり、電場に対し位相の遅れδを生じる。一般に、

交流に対する動的誘電率は複素誘電率ε*=ε’-jε"で表す。熱損失が起こるとε’は減少す る。熱損失は誘電損、誘電率の減少は誘電分散と呼ばれる。またδは誘電損角、tanδを誘電 正接という。 ε"はε’tanδで表され誘電損率とも呼ばれ、誘電分極の起こる周波数でピーク をつくる。この現象を誘電吸収といい、ピークの大きさから損失の大小を判定する。誘電分散 はその分極の発生機構により緩和型分散と共鳴型分散に分けられる。

誘電率 dielectric constant

電場Eと電束密度Dとの線形関係D=εEを与えるεを誘電率といい誘電体の特徴を示す。電媒 定数ともいう。このεはε= ε 0εrで表され、ε 0は真空の誘電率でMSK単位系では

8.854×10-12 F/m、esu単位系では1であるため比誘電率εrと絶対誘電率εの値は一致する。

単に誘電率といえば、普通この比誘電率の値を指す。等方性物質ではスカラー量であるが、異 方性物質では2階のテンソル量である。交流に対する誘電率は周波数に依存し、複素誘電率 で表される。

p.1476 東京理科大学理工学辞典編集委員会編,理工学辞典,日刊工業新聞社

用語定義2

19

誘電緩和 dielectric relaxation

誘電体に電場を印加すると分極が発生するが、分極が定常値に達するまでにある程度の時間 をかけて変化する。この変化の様子を誘電緩和と言う。このときの緩和関数が簡単な指数関 数で表されるとき、その緩和をデバイ型という。誘電体に交流電場を印加するとき、誘電分極 が電場の周波数とともに変化する現象を誘電分散というが、誘電分散は緩和関数を使って厳 密に解析される。

誘電力率 dielectric power factor, 誘電正接 dielectric loss tangent, 複素誘電率 誘電位相角θの余弦cosθを誘電力率という。誘電体に交流電圧を掛けると変位電流

∂D/∂tが流れるが、これは電界E=D/εより90°位相が進んでいる。実際には誘電体を通し て微小な伝導電流も流れるため、電圧と電流の位相差θは90°より少し小さい。この90°から のずれをδとおくとθ=90-δとなる。このθを誘電位相角といい、δを誘電損角という。誘電力 率cosθ=sinδであり、δは一般にきわめて小さくδ≒tanδ≒cosθと近似できる。tanδを誘 電正接といい、誘電体中での電気エネルギーの損失(誘電損失)の目安となる。共振回路の作 成にはtanδが小さいことが望ましいが、高周波加熱ではtanδが大きいものを利用する。

p.1476 東京理科大学理工学辞典編集委員会編,理工学辞典,日刊工業新聞社

p.1476 東京理科大学理工学辞典編集委員会編,理工学辞典,日刊工業新聞社

20

誘電率テンソル dielectric constant tensor

電束密度D,電気分極Pはいずれもベクトルである。等方性物質ではこれらがすべて平行であ るから、それらの大きさや符号だけを問題にして誘電率を考えればよい。しかし、結晶のような 異方性物質ではD, Pは一般にEに平行ではなく、DとEの関係式はD= ε 0ε Eとなる。ここにε は2階の対称テンソルであり、

と書かれる。これを誘電率テンソルという。上式を成分で表すと

11 12 31

12 22 23

31 23 33

 

3 0

1

1, 2,3

i ij j

i

D E i

用語定義3

p.1476 東京理科大学理工学辞典編集委員会編,理工学辞典,日刊工業新聞社

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