J E S 工 法 設 計 の 手 引
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(2) JES 工法設計の手引. 東日本旅客鉄道株式会社. 4.8 調整エレメントの検討 4.8.1 一般 調整エレメントは以下に示す要件を満足する構造としなければならない。 (1)ボックスカルバート等を形成する最終のエレメントとして、施工誤差を吸収できる機能 を備えていること (2)構造体として、十分な断面性能、変形性能を有していること. 【解説】 JES構造は、複数のエレメントを順次土中に設置して、最終的に閉合されたボックスカルバ ート等を形成する。この際、最終のエレメントは、それまでのエレメントの設置により発生した 施工誤差を吸収できるよう調整エレメントを用いる必要がある。調整エレメントは、左右の継手 間の距離が3次元的に不均一な場合でも. フレア溶接. カバーエレメント. 調整できる構造を有しており、限られた空 間(W=1.5m、H=0.85m 程度)で施工可能な 構造を有している必要がある。よって、調. 閉合形状主鉄筋. 補強鉄筋. 整エレメントは、調整機能を有する鉄筋継. 帯鉄筋. 手を用いた鉄筋コンクリートとしている。 このような調整機能を有する鉄筋継手と して、閉合形状継手構造を基本としている。. フレア溶接. カバーエレメント. 図 4.8.1 閉合形状継手構造. 閉合形状継手構造を図 4.8.1 に示す。 既施工のエレメントに噛合せる JES 継. 手とそれにフレア溶接により定着された閉合形状の鉄筋、並びに帯鉄筋、補強鉄筋からなる構造 であり、左右の鉄筋が可変的に移動することにより、施工誤差を吸収する。また、この継手は、 けん引施工時の鉄筋籠の形状保持も優れている。. 4.8.2 構造解析における留意点 JES構造の構造解析において、調整エレメントは一般のエレメントと同様の構造部材として モデル化を行ってよい。断面力の抽出は、調整エレメント両端の継手中心間での最も不利な状態 に対して行うことを基本とする。 また、一般に、調整エレメントは鉄筋量により部材断面を決定するため、曲げおよびせん断の 小さい断面に配置することとする。. 107.
(3) JES 工法設計の手引. 東日本旅客鉄道株式会社. 【解説】 JES構造において、一般部のエレメントと調整エレメントでは部材断面が異なり、部材特性 も異なるものと考えられる。しかし、調整エレメントを単独でモデル化することによる断面力の 変化は些少であると考えられるため、一般の線路下横断構造物においては、特に調整エレメント を特殊な部材としてモデル化する必要はない。しかし、調整エレメントの剛性、変形特性などが 全体構造に与える影響が大きいと考えられる特殊な構造の場合は、別途これを考慮してモデル化 を行う必要がある。 調整エレメントの検討における設計断面力は、構造解析によって求められた各限界状態の設計 断面力のうち、該当区間の最も不利な値を抽出するものとする。一般には、図 4.8.2 を参考とし てよい。また、繰返し荷重が作用する場合には、調整エレメントの構造特性を考慮した検討を行 う必要がある。. 調整エレメント 調整エレメント. Mdmax. Sdmax. 設計曲げモーメント Md. 設計せん断力 Sd. (a)曲げモーメントの場合 図 4.8.2. (b)せん断力の場合. 調整エレメントの設計断面力の抽出. 調整エレメントは配置された鉄筋量により部材耐力が決定する、また、一般にJESエレメン トの方が大きな断面耐力を有するため、できるだけ設計断面力が小さい位置に配置する方が経済 的となる。ボックスカルバートの場合、曲げモーメントの正負逆転箇所近辺に配置されることが 一般的である。しかし、円形トンネルなどは、施工性からトンネル底部に置かれる例もある。. 4.8.3 曲げモーメントおよび軸方向力に対する照査 曲げモーメントおよび軸方向力が作用する調整エレメントの断面耐力は、圧縮側の鉄筋を無視. 108.
(4) JES 工法設計の手引. 東日本旅客鉄道株式会社. した単鉄筋断面として、「コンクリート標準」に基づいて求めてよい。ただし、閉合形状継手の 重ね継手長を 10φ以上確保し、補強鉄筋を各隅角部に1本以上配置するものとする。. 【解説】 閉合形状継手構造は、図 4.8.3 に示めす配筋で、重ね継手長が 10φ以上確保される場合、継手 鉄筋の水平部と曲げ加工された隅角部の定着力によって、通し鉄筋と同等の耐力が確保されるこ とが確認されている(付属資料6参照)。よって、この場合は通常の単鉄筋長方形断面により断 面照査を行ってよい。ここで、主鉄筋と補強鉄筋の標準的な組み合わせは表 4.8.1 のとおりとす る。. 補強鉄筋 補強鉄筋. 図 4.8.3. 補強鉄筋配置図. 表 4.8.1 主鉄筋と補強鉄筋の組合せ 主鉄筋径. 補強鉄筋径. D16. D13. D19. D16. D22. D19. D25. D19. D29. D22. D32. D25. D35. D29. 4.8.4 せん断力に対する照査 せん断力が作用する調整エレメントの断面耐力は、鉄筋コンクリート構造の場合に有効とみな される鉄筋の効果を考慮して求めてよい。. 109.
(5) JES 工法設計の手引. 東日本旅客鉄道株式会社. 【解説】 せん断耐力の算定は、「コンクリート標準 6.3」によってよい。このうち、閉合形状継手の主筋 の鉛直方向部分をせん断補強鉄筋として考慮してよい。. 4.8.5 構造細目 調整エレメントは、JES 継手部と鉄筋コンクリート部からなるため、溶接及び鉄筋コンクリート 構造は、それぞれ十分な耐力を有する構造としなければならない。. 【解説】 以下に、それぞれの構造における構造細目を示す。 ⅰ)重ね継手部のラップ長は、10φ以上を確保するものとする。この場合のラップ長は鉄筋の 直線部分でのラップ長とする。 ⅱ)鉄筋隅角部には、補強鉄筋を配置するものとする。その鉄筋径は、主鉄筋径により定まり、 表 4.8.1 に示すとおりとする。 ⅲ)鉄筋のJES継手への定着は、「鉄筋のフレア溶接設計施工標準」に従うものとし、鉄筋 種別、径により表 4.8.2 によるものとする。また、この表以外の鉄筋種別、径を使用する 場合および十分な溶接長が確保できない場合は別途、詳細な検討を必要とする。. 表 4.8.2 フレア溶接長の計算値(SD345)単位:mm 呼 び 径. 公称断 面積 (As). 溶接ビー ド幅(SI). D16 D19 D22 D25 D29 D32 D35. 198.6 286.5 387.1 506.7 642.4 794.2 956.6. 8 9.5 11 12.5 14.5 16 17.5. フレアK型溶接 溶接長(L) のど厚 (a). 計算値. 3.9 4.6 5.4 6.1 7.1 7.8 8.5. 62 76 87 101 111 124 137. 設計値 80 95 110 125 145 160 175. 「鉄筋フレア溶接継手設計施工標準」より. ⅳ)ラップ部の可動余裕は、エレメントの施工精度より定め、その最小値は 50mm を標準とす る。. 110.
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