• 検索結果がありません。

触媒的ベンザイン発生法を鍵とする新規合成法の開 発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "触媒的ベンザイン発生法を鍵とする新規合成法の開 発"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

触媒的ベンザイン発生法を鍵とする新規合成法の開

著者 武田 麻

URL http://hdl.handle.net/10236/11283

(2)

2012 年度 修士論文要旨

触媒的ベンザイン発生法を鍵とする新規合成法の開発

関西学院大学大学院理工学研究科 化学専攻 羽村研究室 武田 麻

ベンザインは高ひずみ構造に由来する多様な反応性を示す高反応性活性種である。これま でに,種々のベンザインの発生法が開発され,さまざまな有機合成反応に利用されてきた。

しかし,一般性の高い効率的発生法は少なく,特に,芳香環上に官能基を持つ置換ベンザイ ンの発生は位置選択性や官能基選択性の観点から限定されている。このような背景の下,本 修士研究では,官能基選択性に優れた穏和なベンザイン発生法の開発を目指し,特に,これ までに報告例のない触媒的ベンザイン発生法の開拓を主眼として研究を行った。また,新し いベンザイン発生法を基盤とする新規有用反応の開発についても,検討した。

1. 触媒的ベンザイン発生法の開発と位置選択的官能基化

先に当研究室では,アルキニルリチウムを触媒とする触媒的なベンザイン発生の開拓と,

これを利用した位置選択的な官能基導入法を開発している 1)。すなわち、ヨードトリフラー トと各種求核剤の共存下,触媒量のアルキニルリチウムを作用させると,芳香環上に様々な 官能基を導入することができる(式1)。しかし,この反応に利用できる求核剤は,アルキニ ルリチウムよりも相対的に反応性が低い必要があるなどの制限もある。

そこで,ベンザイン発生剤となる触媒について再検討した結果,n-BuLiが有効であり,こ れを利用して上述の方法では困難であった官能基の導入もできることが分った。例えば,ヨ ードトシラート1とリチウムエノラート2の共存下,–78 °Cで10 mol%のn-BuLiを作用させ ると,エステル基が導入された化合物3が収率90%で得られる(式2)。また,この触媒反応 を利用して,様々な炭素官能基を導入することができた。

さらに,この触媒反応を利用して,芳香環上に種々のヘテロ官能基を導入することができ た。すなわち,ヨードトシラート1とリチウムアミドの共存下,–78 °Cで10 mol%のn-BuLi を作用させたところ,アミノ基が位置選択的に導入された化合物 4 が収率良く得られる。ま

I OTf

LiC CR Li Nu cat.

I Nu

Nu:

Cl, Br, I O

etc.

(1)

I OTs

I

–78 → –10 °C

1 3

THF 2 90%

(10 mol%) n-BuLi

OBn OBn

Ot-Bu OLi i-Pr

i-Pr Ot-Bu

O (2)

(3)

た,ハロゲン化リチウムを求核剤として用いたところ,クロロヨードベンゼン 6 が位置選択 的に得られた。

2. ベンザインのヨードアリール化反応の開発

ビアリール結合を含む化合物は,天然に数多く存在し,重要な生理活性を有するものも少な くない。また,軸不斉ビアリール化合物は,不斉合成に利用されるなど,ビアリール化合物 の効率的な合成法の開発は,有機合成化学の重要な課題である。これに対して,先述の触媒 的ベンザイン発生法の応用・展開として,求核剤としてアリールリチウムを用いて適切な条 件で反応を行うと,ビアリール化合物が効率良く合成できることを見出した。すなわち,オ ルト位にメトキシ基を有するアリールリチウム8のTHF溶液に–78 °Cでヨードトシラート7 を加えると,ベンザインのヨードアリール化反応が起こり,C2位にヨウ素原子を持ったビア リール化合物9が収率良く得られた(式3)。

3. ベンザインの二量化によるビフェニレンの合成

ビフェニレンIは,独特なπ共役構造に由来する化学的性質に興味が持たれる が,これらを合成する一般性の高い合成手法は限られている。これに対して,上 述の触媒的なベンザインの反応を検討している中で,ビフェニレン化合物が収率

良く得られることを偶然見出すことができた。すなわち,ヨードトリフラートに MeLi を作 用させると,ベンザインの二量化が進行し,ビフェニレン I が得られるというものである。

そこで,これを基盤として構造論的に興味の持たれるテトラセンの二量体13の合成を試みた。

すなわち,ビフェニレン11をナフトキノン14との二重環付加反応を行った後,芳香族化に よってテトラセンキノンの二量体12を合成することができた(式4)。現在,化合物13への 変換について鋭意検討中である。

1) T. Hamura, Y. Chuda, Y. Nakatsuji, K. Suzuki, Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 3368–3372.

I OTs

n-BuLi (10 mol%)

I Oi-Pr 0 °C

44%

LiOi-Pr

5 6

OBn

OBn LiN(SiMe3)2

–78! 25 °C

72%

4

LiCl –78 °C

I Cl OBn

81%

I N(SiMe3)2 OBn

I OTs

Li I OMe

OMe –78 °C, 90 min

THF 8 72%

7 9

2

(3)

MeLi THF, 0 °C I

OTf 65%

O O O

10 11

13 R'

R'

R'

R'

1) DPT, 14 CHCl3 2) H2SO4 toluene

O

O

O

12 O

(4)

O

14 O

I

参照

関連したドキュメント

ナミン誘導体の立体特異的合成法を開発することに成功した。更にこ れらの化合物合成的有用性を示すべくDiels 一Alder

本研究では新規チオフェン系共重合体を合成することを目的として、三塩化鉄を酸化剤とする酸化重合法 を用いて、チオフェンと

The metal atom, which accepts some electrons from the halogen ligands and can be isoelectronic with the platinum group metals, catalyzed hydrogenation of alkenes

Under catalysis by PtCl 2 -2LiI, (Z)-vinylsilanes reacted with aromatic aldehydes at the position b to silicon, affording allyl silyl ethers in good to high yields. We also

1n および 2a が全く消費されていないことから,S N Ar 反応が進行していないことが分 かった. ところが,2-クロロベンズアルデヒドの

論文審査の結果の要旨 加藤 淳也 氏の博士学位申請論文は、加藤氏によって見出された S N Ar/Knoevenagel

34% (3 steps) Scheme 21 O CO 2 Et 45c EtO 2 C CO 2 Et 2-シクロへキセノン誘導体 45d は次のように合成した (Scheme 22)。既出のアルコール

で反応させたところ、22 のエノール化及び分子内Alder-Rickert反応が進行し、4-フェニルインダ ン構造を持つフェノール 23 が得られた。フェノール 23