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・スラブ分岐器(一部の床板厚さの薄いもの)

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑322. 固体潤滑剤含有焼結合金を用いた分岐器床板の転換性能について 西日本旅客鉄道株式会社. 1.はじめに. 正会員 ○山根 寛史. 同. 正会員. 本野 貴志. 同. 正会員. 高尾 賢一. ・スラブ分岐器(一部の床板厚さの薄いもの). JR西日本(以下、「当社」という.)では,在来 線における分岐器ポイント部の円滑な転換を維持す. ・可動ダイヤモンドクロッシング ・ノーズ可動クロッシング. るため,床板への注油および清掃作業を駅係員が昼 間の列車間合いにおいて実施している.このため,注 油および清掃作業の削減は,駅係員の安全性向上の. 3.メタル床板の概要 メタル床板は,固体潤滑剤(特殊グラファイト) を均一に分散させた「Cu-Su-Ni」系の強化銅合金を. 観点から当社にとって重要な技術課題であり,これ. 裏金である鋼板表面に焼結させたものを分岐器床板. までも注油による潤滑不要な分岐器用床板(以下、 「無給油床板」という.)の開発1)に取り組んできた. 一方,ベアリングを用いた無給油床板では,全て. 本体に溶接接合したものである.表1に基本的な物 性値を,図1にメタル床板の構造を,図2に本稿の 試験で使用したメタル床板の外観を示す.. の分岐器形式に対応できないという課題がある.こ. 表1 メタル床板の物性値. のため,ベアリングによらない無給油床板の検討に. 項. より,注油および清掃作業が削減可能な分岐器形式 の拡大が求められる. そこで,軸受け部材などに使用される固体潤滑剤 を含有させた焼結合金に着目し,これをトングレー. 目. 物性値. 硬度(HRM). 100. 引張強度(MPa). 135. 接着面せん断強度(MPa). 110. ルの摺動面に配した分岐器床板(以下, 「メタル床 板」という. )について,室内試験による転換性能評. 合金層. 価を行ったので,本稿にて報告する. 2.分岐器無給油化の現状と課題. 裏金(鋼板). 現在,当社では標準的な無給油床板として、ロー. 0.8mm以上. ラーベアリング床板を採用し,列車頻度の高い駅構 図1 メタル床板の構造. 内を中心に整備を進めている. ベアリングを用いた無給油床板(ローラーベアリ ング床板のほか,ボールベアリング床板 中心に使用実績のある転換補助装置. 2). や欧州を. 3). 等,以下総称. して「ベアリング床板」という.)では,①PC まく らぎや軌道スラブなどの下部構造物上面とトングレ ール底面の間の限られた空間にベアリングを収納す. まくらぎ メタル床板. る必要がある,②トングレール転換時に開口した側 のトングレールがベアリングに乗り上げるため,4mm. 図2 メタル床板の外観. 程度の上下変位が生じるといった特性を有している. このため,次に掲げる形式の分岐器では必ずしも. 4.室内転換性能評価試験. ベアリング床板が適用できないという課題があり,. (1) 試験概要 ベアリングによらない無給油床板が求められる. キーワード 分岐器,無給油床板,転換力,潤滑剤,ベアリング 連絡先 〒530-8341 大阪府大阪市北区芝田 2-4-24 西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 施設部 TEL 06-6375-8960. ‑643‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑322. メタル床板を無給油状態で用いた際の転換性能を. 金層の厚さの関係(一例としてトングレールが摺動. 評価するため,実機(P50N8-201 片軌きょう)を用い. する第1床板中央部の推移)を示す.図4より,無. た試験装置による繰り返し転換試験を実施した.. 給油による 100 万回の連続転換後も給油した場合の. 表2に試験条件を,図3に試験装置の概要を示す.. 一般床板の転換力を下回った状態を維持したことが. 試験期間を通して,一定間隔で転換力およびメタル. 確認できる.図5より散水により錆びを生じさせた. 床板の合金層の厚さを測定した.なお,繰り返し転. 状態でも,砂撒きにより異物を介在させた状態でも,. 換を行うため,焼き付き防止の観点から一般的な電. 給油した場合の一般床板の転換力と同等以下となる. 気転てつ機ではなく,機械式シリンダーを用いた.. ことが確認された.また,図6より繰り返し転換試. 表2 転換性能評価試験の条件 環境条件 無給油 無給油・散水 無給油・砂撒き. 転換回数 100 万回 1 万回 1 万回. 測定間隔 10 万回毎 1 千回毎 1 千回毎. 1400. 開口→密着(試番2) 開口→密着(試番3) 一般床板(給油). 1200 転換力(N). 試番 1 2 3. 験後も合金層に大きな変化は認められなかった. 密着→開口(試番2) 密着→開口(試番3). 1000 800 600 400 200 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5 0.6 0.7 転換回数(万回). 0.8. 0.9. 1.0. 図5 転換回数と転換力の関係(試番2,3). 合金層の厚さ(mm). 1.6. 1.4 1.2. 15㎜*. 35㎜*. 55㎜*. 75㎜*. 95㎜*. 115㎜*. *床板先端部からレール方向の距離を示す. 1 0.8 0.6 0.4 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. 100 101 102. 試番1. 試番 試番 2 3. 転換回数(万回). 図6 転換回数とメタル床板の合金層の厚さの関係. 図3 試験装置の外観. (トングレール先端が摺動する床板中央部の例). (2) 試験結果 試験結果として,図4に試番1における転換回数. 5.おわりに. と転換力の関係を示す.なお,比較のため一般床板. メタル床板を用いた繰り返し転換試験を実施し,. に給油して転換した際の転換力 1)も併せて示す.. 転換性能の評価を行った.繰り返し転換後も給油条. 1200 開口→密着. 転換力(N). 1000. 件化の一般床板の転換力を下回り,損耗が認められ. 密着→開口. 一般床板(給油). ないことから,無給油により適用可能な性能を有し. 800. ているものと考えられる.今後は,営業線における. 600. 実機試験を実施し,引き続き性能評価を行っていく.. 400. 【参考文献】. 200. 1) 三津田,本野,唐須:「ローラーベアリング床板の. 0 0. 20. 40 60 転換回数(万回). 80. 開発」,新線路,Vol.67,No.9,2013.. 100. 2) 新版軌道材料編集委員会編: 「新版 軌道材料」,p169,. 図4 転換回数と転換力の関係(試番1). 鉄道現業社,2014.. また,図5に試番2および3における転換回数と. 3) 池田:「分岐器転換補助装置(オーストロロール). 転換力の関係を,図6に転換回数とメタル床板の合. ‑644‑. の試験敷設」,新線路,vol.66,No.7,2012..

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参照

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