児童 ・生徒 の休 日の昼食摂取実態 か らみた 家庭科授業改善
赤崎 展弓*・鈴木 明子* *・西野 祥子* * *
(平成
1 6
年1 0
月2 9
日受理)A bet t e m e nto fs t ude nt ‑ Sea t i nga nda ni mpr o ve me nto fal es s o n i nHo me ma ki ngc l a s so na na l ys i st he i rho l yd a y' sl unc hes
Ma yumiAKASAKI
*・Aki koSUZUKI * *・Syo ukoNI SI NO
***( Re c e i v e dOc t o b e r2 9 ,2 0 0 4 )
1.日 的
食生活 の変化 に と もな って,子 ど もたちの食生活 に欠食,孤食,偏食,生活習慣病 の増 加 な ど様 々な問題 が見 られ るよ うにな って きた。 それ らの問題 が 引 き起 こされ る原因 と し
て は,生活 ス タイルの深夜化,核家族化,運動不足 な どが考 え られ る。 子 ど もたちの身 の 回 りに食 べ物 が あふれ,比較 的 自由に食べ物 を手 に入 れ られ る環境下 で は,何 を どれだ け 食べれ ばよいか を決定 で きる, よ りよい食生活 を営 むための力 を身 につ けさせ る ことが急 務 で あ る。
近年飽食 の時代 といわれ,児童 ・生徒 の栄養摂取状況 は平均 す るとはぼ所要量 は満 た さ れて い る。 しか し,学校給食 が実施 され ない休 日に摂取 して い る児童 ・生徒 の食事 で は, ビタ ミンや ミネ ラルな どの摂取量 が少 ない ことが指摘 されて い る。 また,子 ど もたちのひ とり食べが全 国的 に広 が ってお り, それ につ なが って食生活 の さまざまな問題点 が起 こり, 健康上 の問題点 が非常 に深刻 にな るな ど,悪循環 の実態 が
NHK
「子 ど もたちの食卓」 プロ ジェク トによ って示 されて い る。
NHK
「子 ど もたちの食卓」 プ ロ ジェク トを は じめ多 くの調査 で は,朝食 や夕食 に関す る摂食状況 を調査 す る ことは多 いが,昼食 の摂取状況 に関す る調査 はあま り行 われて いな い。小学生 や中学生 は平 日の昼食 は学校給食 で とってお り,学校給食 につ いての調査 は行 われて い るが,休 日の昼食摂取状況 は非常 に多様 で あ るため,小学生, 中学生,高校生 を 対象 に した横 断的調査 は少 ない。さて,家庭科教育 にお いて食 べ る ことにつ いて どの よ うな ことを重 視 しな ければな らな いだ ろ うか。健康 に過 ごす ため に,食事 を選 んだ り,準備 した り,楽 しんだ り,心 の安定
*長 崎大学教育学部家政教育 **広 島大学大学 院教育学研究科
***西南学 院大学
86 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.44(2005年)
を持 った りす るために子 どもたちはどのよ うなことを学習すればよいのだろ うか。近年, スローフー ドをは じめと した社会教育 による 「食育」 とい う動 きや,平成
1 7
年度か らの栄 養教諭 の創設 などが進 め られ,家庭科 における食生活関連の学習の成果が問われている。そ こで,平 日に比べて比較的ゆ っくりと時間をか けることので きる休 日の昼食 に関す る 児童 ・生徒 の実態 を明 らかにす るとともに,家庭科授業改善 の視点 を探 ることを本研究 の
目的 とす る。
2.
調査対象 と方法小学校
4
年生 と6
年生,中学校2
年生,高校2
年生 を対象 とし,質問紙調査法で休 日の 昼食摂取状況 についてたずねた。調査項 目は,休 日の昼食 を誰 と食べ ることが多 いか,何 を, どこで食べ ることが多 いか,誰 と食べ ると楽 しいかである。 これ らの結果か ら,休 日 の昼食摂取状況を把握 し,問題点 をさ ぐることと した。調査対象者 は福岡県,大分県,佐賀県,長崎県の
4
つの県の小学校4
年生,小学校6
年 坐,中学校2
年生,高等学校2
年生 の合計3 7 2
名である。各学校 に調査を依頼 し, クラス単位で調査 を 実施 して もらった。質問紙 による無記名, 自記 式,集合調査である。調査時期 は
2 0 0 2
年9
月から11月であ った。回収率 は
1 0 0 %
であ った。調査項 目の誰 と食べ ることが多 いかについて は選択枝を設 け, その他の項 目については自由 に記述 して もらった。 自由記述 については読み とり, それをカテゴ リーに分 けて分析 した。
表1 調査対象者 (学年別 ・性別)人 小 4 ′ト6 中2 高2 合 計 男 子 4 9 5 1 5 1 38 18 9 女 子 4 4 54 4 2 4 3 18 3
合 計 9 3 1()5 9 3 8 1 3 72
3.
結果 と考察(1
)誰 と食べることが多いか休 日の昼食 を誰 と食べ ることが多 いですか, とい う問に対す る結果 は表
2
の通 りであ っ た。家族 と食べることが多いと答えたのは,全学年 とも男子 より女子の方が多 い傾向にあっ た。小学校 の2学年 とも約8割が家族 と食べ ることが多 いと答 えてお り,中学2年では約6割,高校2年で は約3割が家族 と食べ ることが多 いと回答 した。 自分 ひとりで食べ るこ とが多 いと答えたのは,小学
4
年 と6
年では約1
割,中 ・高2
年 の女子では約2
割,中 ・表2 誰と食べることが多いか (%)
小4 小6 中2 高2
男 女 罪 女 男 女 男 女
友達 .2.0 4.5 5.9 9.3 5.9 9.5 42.1 41.9 家族 ̲ 79.6 84.1 80.4 83.3 56.9 61.9 26.3 27.9 自分ひとり 8.2 9.1 ll.8 5,6 31.4 21.4 31.6 23.3 その他 0.0 0.0 0.0 0.0 3.9 7.1 0.0 4.7 無回答 10.2 2,3 2
,
0 1.9 2.0 0.0 0.0 2.3高
2
年 の男子では約3
割であ った。友達 と食べ ることが多 いと答えた小 ・中学生 は1
割未 満であ ったが,高校生で は4割 を上回 っていた。小学
6
年か ら中学2
年生 にか けて一緒 に食べ ることの多 い人 に変化がみ られ る。家族 と 食べ ることが多 いと答えた ものが少 な くな り, 自分 ひとりで食べ ることが多 い ものが ぐっ と増加 している。 家族 と一緒 に食事 をす ることが多 いと,栄養面や摂取量 につ いてある程 度満足 させ ることがで きる。 しか し, 自分 ひとりで食べ ることや友達 と食べ ることが多 く なるこの時期 には,健康 を守 るための知識 を獲得 させておかなければな らない。何 をどれ だけ食べた らよいか とい う栄養面 の知識や食品に対す る知識の獲得や, 自己の身体状況 の 把握 と, それに対応 した食事選択 の能力を確実 に身 につ けさせなければな らないと思 われ る。 また, ひとりで食べ ることについての問題 を考える機会を設 けて,他の人 と食べ る時 に得 られ る利点へ 目を向 けさせ ることも必要 である。 つ ま り,食べ方 について学習す る機 会を家庭科で設定 し,食事選択 につ いての判断力 と意思決定の力を身 につ けさせたい。さ らに,高校生 になると,友達 と食べ ることが多 いと答えた ものが家族 と食べ るや 自分 ひとりで食べ ることが多 いよ り多 くな っていた。友達同士が相互 によい影響 を与 えあ う力 を身 につ けさせ る学習が重要 とな って くる。
(2) どこで食べることが多いか
昼食 をどこで食べ ることが多いか とい う問に対す る結果 は表
3
の通 りである。 全学年 と も自宅で食べ るが最 も多か った。小学4
年,6
年 と中学2
年女子の約7‑ 8
割,中学2
年 男子 の約9
割,高校2
年 の約6
割が 自宅で食べ ることが多 いと答 えていた。学校で食べ ることが多 いのは高校
2
年で男女 とも約2
割であ り,他 の学年 とは異 なる傾向であ った。 ま た, レス トランなど外食す ることが多 いのは,高校2
年男子,小学6
年男子 と女子,中学2
年女子が約2
割であ った。 中学2
年男子 は, 自宅で食べ る割合が全体 で最 も高 く,外食 の割合が最 も低か った。誰 と食べ ることが多 いか とい う前 の問 に対す る結果 とて らしあわせ ると,高校
2
年では 勉強や部活動 などのために学校で友達 と食べている様子が うかがえた。表3 どこで食べることが多いか (%)
小4 小6 中2 高2
男 女 男 女 男 女 男 女
学校 0.0 0.0 2.0 5.6 2.0 0.0 18.4 23,3 友人宅 2.0 0.0 0.0 0.0 3.9 0.0 0.0 2.3 レストランなど 16.3 ll.4 21.6 20.4 2.0 19.0 23.7 日.6 自宅 75.5 84.1 74.5 72.2 90.2 81.0 55.3 60.5 わからない 4.1 2.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 無 回答 2.0 2.3 2.0 1.9 2.0 0.0 2.6 2.3
計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0(3)何を食べる ことが多 いか
何 を食べ ることが多 いか とい う問 に対す る結果 は表
4
の通 りである。 イ ンス タン トも含 めた ラーメ ンや うどん等 の麺類が最 も多 く,次 にご飯やチ ャー‑ ン等の一品物,弁当,外 食であ った。小学
4
年 の男子 で は, いろいろ ・組 み合 わせ( 2 8. 6%)
の記述 が多 く,女子 で は麺類88 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.44(2005年)
(23.3%)が多 か った。 小学 6年 で は男女 と も, 麺類 (46.8%,31.5%)が最 も多 か った。
中学 2年 で も男女 と も麺類 (43.1%,28.6%)が多 く,高校 2年 で は男子 は外食 (23.7%), 女子 は麺類 (18.6%)と弁 当 (18.6%)が多 か った。
4 0 %
を越 え たの は小学6
年 男子 と中学2
年 男子 で あ った。 小学 校家庭科 の学 習 内容 にイ ンス タ ン トラー メ ンも含 め た麺類 の摂取 につ いて の学 習 を組 み入 れ た ほ うが よい と思 われ る。 また,高校2年 で は,弁 当 と外食 をあわせ る と,男子 が34.2%,女子 が34.9%で あ り, 中学2
年 と比 べ る と ぐっと増 えて い る。 学校 で友達 と弁 当 を食 べ た り,外食 した り して い る様子 が うかが え る。 中学生 か ら高校生 にな る時期 に,弁 当や外 食 につ いての学 習 も必要 で あ る。表4 何を食べることが多いか (%)
小4 小6 中2 高2
ごはん 10.2 18.6 8.5 3.7 15.7 16.7 15.8 16.3 おにぎり 0.0 0.0 2.1 5.6 2.0 2.4 7.9 0.0 チャーハン等 6.1 20.9 4.3 3.7 13.7 7.1 0.0 0.0 麺類(含インスタント) 26.5 23.3 46.8 31.5 43.1 28.6 21.1 18.6 パン類 10.2 4.7 6,4 ll.1 0.0 ll.9 5.3 14.0 インスタント 冷凍食 品 0.0 0.0 0.0 3.7 7.8 7.1 2.6 0.0 卵料理 0.0 2.3 0.0 1.9 2.0 2.4 0.0 0.0 弁 当 6.1 2.3 4.3 3.7 3.9 2.4 10.5 18.6 外食 0.0 0.0 2.1 9.3 2.0 9.5 23.7 16.3 わからない 10.2 7.0 2.1 0.0 0.0 2.4 0.0 0.0
(4)誰 と食 べ る と楽 しいか
誰 と食 べ る と楽 しいか につ いての結果 は表5の通 りで あ った。小学4年 で は男女 と も家 族 が約6割 で,男女差 は見 られ なか った。 しか し,小学 6年 か らは男女差 が顕著 に表 れ, 男子 は家族 よ り友達 と答 え た ものが多 く,女子 は家族 が多 い とい う結果 で男女差 が み られ た。 また,女子 につ いて は,小学 6年 と中学 2年 で家族 と食 べ る と楽 しい と答 えて い る も のが小学
4
年 と比 べ ると若干少 な く,高校2
年 で はその半 分位 の割 合 の ものが家族 と食 べ る と楽 しい と答 えて い る。また,男子 の結 果 を学年別 にみてみ ると,小学 4年 で は家族 と食 べ ると楽 しい と答 え た ものが約
6
割 で多 か ったが,小学6
年 にな ると,友達 と食 べ る と楽 しい と答 え る割 合 が家 族 と食 べ る と楽 しい と答 え た もの よ り多 か った。 中学2
年 で も,高校2
年 で も同様 に家族 よ り友達 と食 べ る と楽 しい と回答 す る割 合 が高 い。 さ らに, 小学 6年 か ら, 楽 しい と思 え る人 が誰 もいない とい う回答 もみ られ,楽 しい と思 え る人 が誰 もいな い と答 え たのが最 も 多 か ったの は中学2
年 で約1
割 もいた。一方,女子 につ いて は, 中学
2
年 まで は家族 と食 べ る と楽 しい と答 え た ものが友達 と食 べ ると楽 しい と答 え た もの よ り多 か った。高校2
年 で は,家族 と食 べ る と楽 しい と答 え た ものが友 達 と食 べ る と楽 しい と答 え た ものの約 2倍 の65.1%で あ った。 年齢 が上 が るにつ れて友達 と食 べ る と楽 しい と答 え た ものが増 えて い るが, 中学2
年 か ら高校2
年 の間で急 に友達 と食 べ る と楽 しい とい う答 えが増加 して いた。年齢 が上 が るにつれて,男女 と もに家族 よ り友達 とのつ きあいをを優先 して い ることが わか った。 そ して特 に女子 にその傾 向が強 い ことがわか った。
表5 誰と食べると楽 しいか (%)
小4 小6 中2 高2
男 女 男 女 男 女 男 女
友達 28.6 31.8 43.1 37.0 39.2 42.9 44.7 65.1 家族 59.2 56.8 39.2 50.0 31.4 50.0 21.1 27.9 いない 0.0 0.0 5.9 1.9 ll.8 2.4 7,9 0.0 その他 10.2 ll.4 5,9 9.3 ll.8 4.8 23.7 4.7 無 回答 2.0 0.0 5.9 1.9 5.9 0.0 2,6 2.3 計 100.0 一oo.0 一oo.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(5
)誰 と食 べ る ことが多 いか と誰 と食べ る と楽 しいかの ク ロス表 6,表 7,表8,表9は,誰 と食べ ることが多 いか とい う問 と誰 と食 べ ると楽 しいか とい う設 問 を クロス した結果 を学年別 に示 した もので あ る。
小学
4
年 で は, 自分 ひ と りで食 べて い ることが多 い と答 え た8
人全員 が,家族 や友達 と 食 べ ると楽 しいだ ろ うと答 えて い る。 家族 と食 べ ることが多 い と答 え た ものの うち約1 /3
が友達 と食べ ると楽 しいだ ろ うと答 えて い る。 また,友達 と食 べ ることが多 い と答 えた3 人 は全員家族 と食 べ ると楽 しいだ ろ う答 えて い る。
小学 6年 で は, 自分 ひ と りで食べ ることが多 い と答 え た人 の うち6人 は,家族 や友達 と 食 べ ると楽 しいだ ろ うと答 えて い るが,
3
人 は楽 しい と思 う人 は誰 もいない, と回答 して い る。 家族 と食 べ る ことが多 い と答 えた ものの うち約半数 が友達 と食 べ ると楽 しいだ ろ う と答 えて い る。 また,友達 と食べ ることが多 い と答 えた うちの女子2
人 は家族 と食 べ ると 楽 しいだ ろ う答 えて い る。中学
2
年 で は, 自分 ひ とりで食べ る ことが多 い と答 え た人 の うち2 1
人 は,家族 や友達 と 食べ ると楽 しいだ ろ うと答 えて い るが,2
人 は楽 しい と思 う人 は誰 もいない と答 え,家族と食 べ る ことが多 いのに楽 しい と思 う人 は誰 もいない と
4
人 が答 えて い る。 家族 と食 べ る ことが多 い と答 えた男子 の約1 /3
が友達 と食 べ ると楽 しいだ ろ うと答 えて い る。 また,友 達 と食べ ることが多 い と答 えた うちの男子1人 は家族 と食べ ると楽 しいだ ろ う答 えてい る。高校
2
年 で は, 自分 ひ と りで食べ る ことが多 い と答 えた人 の うち1
人 は家族,1 6
人 は友 達 と食 べ ると楽 しいだ ろ うと答え,2
人 は楽 しい と思 う人 は誰 もいない と答 えて いた。家 族 と食べ る ことが多 いの に楽 しい と思 え る人 は誰 もいない と答 えた ものが1人 いた。家族と食 べ る ことが多 い と答 え た男子 1人 は楽 しい と思 え る人 は誰 もいない と答 えて い る。
表6 誰と食べることが多いかと楽 しいかのクロス集計 (小学4年)
珂 4 ‑ 1
間 4 ‑ 3
自分ひとり男 女 男 家族 女 男友達女 男その他女 男無回答女 合計いない 0
家族 2 3 24 21
1
2 2 55友達 2 1 10 12 2 27
その他 5 4 9
無回答 0
90 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.44(2005年)
表7 誰と食べることが多いかと楽 しいかのクロス集計 (小学6年)
問 4 ‑ 1
間 4 ‑ 3 自分ひとり男 女 男 家族 女 男友達女 男その他女 男無 回答女 合計
いない 2 1 3
家族 1 19 24 2 46
友達 ' 3 2 17 17 3 1 43
その他 5 5 2 12
無 回答 .
1
1表8 誰と食べることが多いかと楽 しいかのクロス集計 (中学2年)
, ] q 4 ‑ 1
問 4 T 3
男自分ひとり女 男 家族 女 男友達女 男その他女 男無 回答女 合計いない 1 1 4
1
7家族 4 3 10 17 1 2
1
38友達 9 5 9 7 2 4 1 37
その他 2 4 2 8
無 回答 2 2
表9 誰と食べることが多いかと楽 しいかのクロス集計 (高校2年)
p q 4 ‑ 1
間 4 ‑ 3
男自分ひとり女 男 家族 女 男友達女 男その他女 男無 回答女 合計いない 2 1 3
家族
1
2 8 5 4 20友達 .7 9 2 3 8 14 1 44
その他 2 1 4 1 3 1 12
無 回答 1 1 2
1
9 9 9
年 の足立 己幸氏 の朝食 につ いての調査結果 で は, ひ と りで食 べ る小学生 は2 6
.4%, 夕食 は7 . 3 %
で あ った。 昼食 につ いて の本調査結果 で も8. 6 %
と, 全国調査 の夕食 に近 い結 果 であ った。比較 的ゆ っ くりと過 ごせ ると思 われ る休 日の昼食 につ いての調査 なので, ひ と りで食 べ る小学生 は もう少 し少 ない と考 えて いた。 それぞれの家庭 にお いて個別 の事情 が あ っての ことだ とは思 われ るが,心身 の発達 の著 しい時期 にひ と りで食べ ることが もたらす食生活 に関す る多 くの危険 に注意 を向 けるべ きであ る。
ひ とりで食べ ることが多 く,一緒 に食べて楽 しい と思 え る人 はいない と答 えた児童 ・生 徒 は
7
人 もお り,家族 と食べ ることが多 いの に一緒 に食べて楽 しい と思 え る人 はいない と 答 えた児童 ・生徒 は5
人 もいた ことは,深刻 に受 け止 めな ければな らない。(6
)家庭科授業改善 の視点以上 の結果か ら,家庭科授業改善 の視点 につ いて述べ る。家庭科授業改善 の視点 は,千 ど もたちの食生活 を改善 す る視点 にな り, また,子 ど もたちの実践力 を育成す る機会 を与 え る ことに もつ なが る。
改善 は
2
つの方向か らの視点が考 え られ る。 まず,1
つ 目は,児童 ・生徒の実態 に即 し た改善である。2
つ 目は,児童 ・生徒の実態か らさ らによ りよい方向への改善である。1つ 目の視点である児童 ・生徒の実態 に即 した改善 とは,児童 ・生徒の食事摂取状況 を 容認 して, そ こか ら問題 を抽 出 して改善 してい く方法で,実践 を ともな った方法である。
麺類 の摂取が多か った小学
6
年生及 び中学2
年生 の男子 に対 しては, イ ンスタン トラー メ ンも含めた麺類 の摂取 についての学習を組 み入れた方がよい。 自分で昼食 を準備す る時 に,野菜類やたんぱ く質 を加 えて作 った り,塩分の摂取 を少 な くす るために汁を飲 まない など,具体的な方法を学習 させたい。また,昼食を自分 ひとりで食べ ることが多 くなる小学6年生か ら中学2年生 にかけては, 自己の身体状況の把握 と, ひとりひとりが 自分 の身体の状況 にあわせて,何 をどれだけ食 べればよいか とい う栄養面 の知識 を身 につ けさせ るとともに, それに対応 した食事選択 の 能力 を確実 に身 につ けさせなければな らない。
次 に,昼食 を友達 と食べ ることが多 くな り,友達 と食べ る方が楽 しい と感 じる高校
2
年 坐 では,弁 当や外食 などの異体的な事例 を取 り上 げて,一緒 に食べ る友達同士が相互 によりよい影響 を与 えあえ るよ うな力を身 につ けさせ る授業 を展開す る必要がある。
2
つ 目の児童 ・生徒の実態か らさ らによ りよい方向への改善 とは,食事が もっている意 味や意義 を考え ることであ り,食生活 に関す る考え方 を広 げてい く方法である。 足立氏 のい う悪循環 を断 ち切 るための学習である。
小学6年生以上では,一緒 に食べ ると楽 しいと思 え る人 は誰 もいないととい う回答 もみ られたよ うに,ひとりで食べ ることの欠点 について考える機会を設 け,食事 はコ ミュニケー ションを活発 に して くれた り,人間関係 を築 いて くれ るとい う,他の人 と食べ ることか ら 生 まれ る利点へ 目を向 けさせ ることが必要である。
また,高校
2
年生 になると,外食や弁 当を食べ ることが増 えて きている。 外食産業や販 売方法 など, 自分 たちを取 りま く食事摂取 に関わ る近隣の環境 について考え させ,望 ま しい会生活環境 を整備す る意義 を兄 いだ させ ることが重要 とな って くる。
「食事 につ いて,何 を食べ るかだけでな く, どう食べ るか, その中で も誰 と食べ るかを 考 え る必要がある」とい う考 えが取 り上 げ られ るよ うにな ったのは,足立 己幸氏の
1 9 8 2
年 調査か らの ことである。 それに もかかわ らず, それか ら1 7
年後 に実施 された同様の調査結 果 との比較か らも,ひとり食べの増加 とそれに伴 う問題の深刻化がさらに指摘 されている。家庭科 の授業 において は,栄養や食品 についての一般的な内容 の学習 によ って,基礎 ・ 基本 を しっか り習得 させ るとともに, ひとりひとりの児童 ・生徒の個 々の問題 に も着 目 し て改善 してい くよ うな授業を実施 しなければ,習得 した基礎 ・基本がいきて はた らかない 知識や技能 にな って しまう。 休 日の昼食準備のよ うな 日常生活のなかで, ひとりひとりの 児童 ・生徒が家庭科授業で学んだ ことを実践 していけるよ うになるためには,家庭科授業
における工夫が不可欠である。
最後 に,本研究 を行 うにあた って調査 に協力 いただいた福岡県,大分県,佐賀県,長崎 県の小学生,中学生,高校生並 びに実施 に協力 いただいた先生方 に感謝 いた します。 また,
「教科再編時代 の家庭科パ ワーア ップ研究会」 のメ ンバ ーである福岡教育大学 の柳 昌子先 坐,長山芳子先生,九州女子大学 の小林久美先生,福岡市立東住吉中学校 の松園美和先生,
92 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.44(2005年)
佐賀大学 の中西雪夫先生,大分大学 の財津庸子 に も調査実施 に協力 いただいたことを感謝 します。
なお,本研究 は, 日本家庭科教育学会九州地区会共同研究の助成 を受 けた研究 の一部 で あ り, 日本家庭科教育学会九州地区会第
8
回研究発表会( 2 0 0 4
年) において発表 した。参考文献
1.足立己幸 NHK「子 どもたちの食卓」 プ ロジェク ト,知 っていますか子 どもたちの 食卓, 日本放送 出版協会