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氏名前田

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Academic year: 2021

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氏 名 前田

マエダ サト

悟 志

学 位 の 種 類 博士(社会学)

学 位 記 番 号 人博 第

108

号 学位授与の日付 平成

29

6

15

日 課程・論文の別 学位規則第5条第2項該当

学 位 論 文 題 名 消費社会におけるエスニック・ヒエラルキー

―画一化=多様化相克論再考―

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 玉野 和志 委員 教 授 中尾 啓子 委員 教 授 丹野 清人

【論文の内容の要旨】

社会学の分野に限定されないが,広く人文系の諸分野において,昨今の後期近代,ある いは第二近代と呼ばれるグローバル化がさらに深化した時代性のなかで,文化が画一化さ れることが多いのか,あるいは多様性が増大しているのか,という議論は比較的にポピュ ラーである.この命題にたいする諸々の論調は,それが批判的であれ,礼賛的であれ,よ りいっそうの消費社会化について言及しており,それが疎外につながるであるとか,ネオ リベラリズム批判であるとかになる.多くの議論が,多様性は一定程度担保されながら,

画一性も同時に増えるという主張に収斂しつつあるようだ.しかし,いずれの議論におい ても取り上げられ方があくまでも限定的であるか,ひどい場合にはほぼ等閑視されている 要素に,序列がある.画一性が目指す方向を規定するのも,多様性の各々に個性を付与さ れるのも序列ゆえである事を本研究の中心的な命題としている.

本研究では,序列の存在を示すことから着手した.また序列がリベラリズムによって隠 蔽されやすくなっていること,人々がそれを認識しづらいことを示した.続いて,次のよ うな領域を社会学的な視座でみつめることで,ヒエラルキーと消費社会のつながりを提示 した.市場という場で,消費者対する資本・経営側の働きかけとして,マーケティング論.

生産という場における労働者に対して,資本・経営側の働きかけとして,ダイバーシティ・

マネジメント,リーダシップ論,異文化適応理論をとりあげた.最後に,文化産業の動向

をとりあげ,韓流のグローバル市場での扱われ方と,拡散側の意図の交錯を,その影響を

受ける米国での韓国系米国人と韓国人の様子を,ロサンジェルスでのフィールドワーク(聞

き取りとアンケート)から垣間見た.浮かび上がってきた人々の分節化の過程と,ア・ポス

テリオリに「モダン」が規定される様,それらとエスニック・ヒエラルキーのつながりを

(2)

記述した.

示されたのは次のことであった.文化の多様性を「寛容」な態度で受け入れる側の人々 がいて,受け入れてもらう側の人々がいる.互恵的であるはずだが,互恵的であるという 認識はあくまでも政治的に正しい表現である.非対称な関係は,抱かれるリアリティに分 断をもたらし,文化の異化を育む.非対称な関係はダイコトミーではなく,複数の段階を もった序列をなしている.序列化されている対象はシニフィアンをもつあらゆる消費財や サービス,振る舞いコードであり,それらを消費したり,行為する人々である.消費社会 が深化した後期近代においては,記号表現がより重要になり,それによって人々も序列化 される.この序列は人々を分断し,文化の異化をもたらし,それによって多様性は維持さ れるが,同時に序列は人々の上昇志向によって,画一化,同化の方向にも作動する.後期 近代に特徴的なグローバル化の深化は,このような機構によって画一性と多様性の両方を 同時に増大している背景の中心には,序列があったといえる.

最終的に明示的にしなければならなかったことは, 「普遍性」が社会的に構成される過程

であった.本研究はその一端の提示にとどまったが,今後,さらなる状況証拠の積み重ね

が必要である.

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