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全方位球面画像処理に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

全方位球面画像処理に関する研究

于, 安水

http://hdl.handle.net/2324/2236237

出版情報:九州大学, 2018, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式6-2)

氏 名 于 安 水

論 文 名 全方位球面画像処理に関する研究

論文調査委員 主 査 九州大学 准教授 原 健 二 副 査 九州大学 教授 浦 濱 喜 一 副 査 九州大学 准教授 井 上 光 平

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

通常のカメラで撮影された狭視野角画像に対して180度視野角の魚眼レンズカメラや360度視野 角の全天球カメラで得られる魚眼画像や全天球画像などの広視野角画像が普及しつつある。特に、

全天球画像は、魚眼レンズカメラで周囲の全方向をくまなく撮影した複数枚の画像をひとつの画像 データに統合したもので、自動運転システム、防犯監視、管内壁検査、テレビ会議システムなど幅 広い用途への応用が期待されている。また、ワンショット撮影が可能なカメラやスマートフォン用 パノラマ合成ソフトの登場により、今後急速に普及が進む可能性が指摘されている。しかし、既存 の画像処理手法のほとんどは一般の狭視野画像を対象とするもので、幾何歪みを含み解像度が空間 的に不均一な全天球画像に適用可能な画像処理手法の確立が課題であった。さらに全天球画像は、

一般の画像と異なり、背景と比べて前景の面積の割合が小さく一見しただけでは内容を把握できな いことも多いため、視認性を向上させるための前景拡大や動画要約など視認性向上手法の確立が課 題であった。

本論文では、重合格子法や解析力学アプローチを用いて一般の狭視野角画像を対象とする既存の 特徴点検出手法、顕著性マップ生成手法、視認性向上手法を魚眼画像や全天球画像に適用できるよ うに拡張し、種々の新たな広視野角画像処理手法を提案している。これらの成果を参考論文 11 編 に精力的に発表するなど、画像処理分野で研究業績が認められているのに加え、以下の点で評価で きる。

第一に、魚眼画像と全天球画像の両方に極付近にグリッドが集中して計算効率が大幅に低下する という極問題が存在するが、この問題を回避することを可能にする重合格子法を導入することによ り、広視野角画像からコーナー抽出と顕著性マップ生成を実現する特徴抽出手法を提案している点 である。特に、重合格子を用いると広視野角画像が2枚の狭視野画像に分割されることから既存の 画像特徴点検出手法のコードを修正することなくそのまま利用できるという利点を指摘している。

第二に、上記の魚眼画像を対象とする特徴抽出手法が球面への写像と画像再構成を必要で計算負 荷がかかるのに対して、歪み補正を伴う微分フィルタを導入することにより、画像再構成を行うこ となく直接かつ高速に特徴点検出を行うことが手法を提案している点である。

第三に、全天球画像の視認性を向上させるための手法をいくつか提案している点である。まず、

全天球画像の視認性を向上させるため前景拡大手法として、解析力学に基づくバネモデルを用いて 全天周球面画像の指定された前景領域を相似拡大しつつ他の領域を最小限の歪みで縮小する手法を 提案している。ただし、本手法には最適性やメッシュの頂点が隣接多角形の内部に位置する保証が ないという欠点があった。この問題を解消するため、球面三角法に基づく球面多角形間の点対応を 用いて最適化問題として定式化してこれを解く前景拡大手法を提案している。これら二つの前景拡

(3)

大手法では、携帯端末などの小画面に表示する場合、視認性に限界があるという問題があった。こ の方策として、全天球画像から顕著領域を全てカバーする通過領域をもつ最短経路を探索する問題 を範囲付き球面セールスマン問題として定式化して得られる最適化問題を近似的に解くことにより 得られる経路を仮想視点経路として全天球画像を動画要約する手法を提案している。

以上要するに、本研究は、魚眼画像と全天球画像という超広視野角画像の極問題と空間不均一問 題に対応すべく、既存の画像処理手法がそのままでは適用困難であったのに対し、特徴点抽出、顕 著性マップ生成、前景拡大、動画要約など重要な画像処理を実現する手法を提案したもので、画像 工学上価値ある業績である。よって、本論文は博士(工学)の学位に値する。

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