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孤立の街London : The secret agentにおける都市 生活者の孤独と腐敗した社会

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孤立の街London : The secret agentにおける都市 生活者の孤独と腐敗した社会

著者 押本 年真

雑誌名 主流

号 36

ページ 78‑95

発行年 1974‑07‑25

権利 同志社大学英文学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014906

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78 

孤立の街 Loodon

一‑The Secret Agentにおける都市生活者の孤独と腐敗した社会一一

押 本 年 真

Things fall  apart;  the centre  cannot  hold;  Mere  anarchy  is  loosed  upon th World, W. B. Yeats 

The Secret  Agent  (1907)を読了した後では誰も Conradを海洋小説 家と呼ぶことは出来ない. この小説の三年前に出版された Nostromoに おいては, ;海が小説の展開に或る程度の重要性をもって描かれるのだが,

The Secret Agentにおいては,わずかに Winnie Verlocの英仏海峡へ の身投げが間接的に描かれるのみで,海は小説の主要な展開に無縁である

といって過言でない.

この小説の舞台は,近代文明の産物である大都市 Londonである.作者 Conradは 29歳の時,自由意志で英国を選び,帰化した人である.だが,

自ら選んだ国 当時まだ日没するζとなき大英帝国の首都,冠たる議会政 治の中心地の描写にしては,彼の描き出すLondonは,暗く,孤独の雰囲 気に満ち,不吉である.

そのような描写をした理由の一半は,無論,アナーキストを装った二重 スパイが自痴の義弟を使って引き起こした Greenwich天文台爆破未遂事 件と妻によるスパイ殺害という,きわめてグロテスグな小説の素材に合う 背景を設定せんとしたことにある. この素材会が実際に 1894年2月中旬に 起った GreenwichBomb Outrageをヒントとしていることと, storyの 持つ政治性の故に,この作品は政治小説とみなされ,当時の英国の政情や,

(3)

孤立の街 London 79  Conradの現実の世界への態度といった側面から,時に論じられる.

然、し, Norman Sherryの実際の事件と小説の内容の meticulousに近 い比較検討の論文も, But Conrad's  insistence upon Winnie Verloc  as the central五gureof the story derives from her importance in the  imaginative process which turned a public event into a domestic drama." 

と述べて,この小説の中心が,実際の事件との類似性よりも,想像力によ り Winnie Verlocを軸とする家庭の問題に変えられている点が重要だ とし,そこに作者の芸術性を認めている.又, Conrad自身Author'sNote  において何度も thestory of VTinnieVerloc," Mrs. Verloc's story円 とい7た表現により, この作品の主人公が羽Tinnieであると主張してい

さらに注目すべきことは, 出版直後に警かれた書評の中で, Edward  Garnettが,この小説の thereal  heroine円 は thetrivial五gureof  Mr. Verloc's mother‑in品w円だとし,彼女が白痴の息子 Stevieの為に

と念じて,自ら進んで救貧院へ行くという自己消滅を図るのだが,皮肉に も老母のその行為が, 息子と娘 Winnieの禍根となる経過を Conradは

serene impartiality"でもって, さりげなく巧く書いていると賞讃して いる.当時,全く的外れの書評に,間間,立腹することの多かった Conrad は上の書評に非常に喜び,三日後には礼状を書き, afiendishly penetrat‑ ing eye円で mypoor old womon"が theheroineであるという最も

秘められた意図をよく見抜いてくれた,と述べている.

作家が自己の作品について述べたζとを鵜呑みすることは intentional fallacyに陥る危険がある故に,上に引用した Conradの言葉を額面通り

に受けとる必要はないし, E. Garnettが彼の友人であったという事情を 割りヲ

l

いてみなければならないだろう.又,小説の主人公が, Winnieな のか,その母親かという問題を追求するのが,本小論の課題でもない.

ただ,The Secret  Agentが,把え真弘、作品であることの一例であるがラ lrving Howeは,この小説を論じて, Conradはアナーキストを,ゆがめ

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80  孤立の街 London

て描きすぎたと不満を述べている.その点は,或る程度,認めるとしても,

この小説を, farfrom fully realized but realized just enough to enable  us to see how Conrad thwarts and denies his  own gifts."と論断して,

some dramatic principle of contradiction

, 

some form of  resistance;  in a word, a moral positive to serve  literary endsa ."が欠如した失敗作

であるとの評価には,首肯しがたい.

Howeが,l¥iostromoに関しては鋭利な洞察にみちた好意的な批評をし ながら ,The Secret Agentに関しては, うなずき難い論を展開するのは,

余りにも,政治思想、の流れの中でζの作品を見ようとするために,一個の 作品としては,見落される部分がある為だろう。

これに反し,この小説中の私的,家庭的生活の側面を重視した批評の一 例であるが, Christopoer Cooperの Conradand the Human Dilemma  (1970)は, この小説の諸側面を, the  Police, The Anarchists, Verloc,  the domestic situationと分け, 順次論じていくという,素朴とさえいっ てよい構成であるが,一篇の小説の全体像を把握しようとする卒直な研究 態度は好感がもてる.

この小論においては,以上述べたことを踏えて,① この小説には政治 への関心が反映されている,① 然し,作品全体を理解する為には,狭義 の政治的現象以外の面, 特に domestic dramaの側面が重要である,① Londonの描写,及び一見 mlnorな登場人物が①と関連した意義を持つ,

の三点を立脚点とし,この小説を支えている,時間に関するironyに富ん だ技法に着目して論を進め,主題をいくらかでも明らかにしたい.

Thg Secret l'igent は,Lord Jim, Nostromo, Chanceの如くには,時 が複雑に頻繁に前後に交錯はしない.然し,この小説を真に味読する為に は,第八章の時間的配列の巧妙さに気づ、くことが不可欠である.最初の三 章が straightforwardに展開した後で,小説中の時は第四章で一転して,

Greenwich公園での爆破事件は既に起ったこととして扱われている.そ

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孤立の街 London 81  して五,六,七章では,事件当日の警察の反応,捜査当局の内部での意見 の食い違い,警察の高官と政治家の裏工作を含んで detective storyの 要素ももちながら storyは進行する.この段階で,読者は公園で爆死した

のは Stevieであると推論するに足る根拠を知る.

ところが第八章においては,時は事件の約一ヶ月以前にさかのぼり,

¥Vinnieの母親が救貧院へ行く臼の様子が詳しく捕かれ, Stevieも生き生 きとした役割を演じる.時間の巧妙な配列以外に注目すべきことは, Con‑

radの細部にまで及ぶ言葉の使用 kの自己慮である. 即ち, Christoph

Cooperも同様のことを指摘しているが, 第 四 章 に There is  a man  blown up in Greenwich Park this  morning.円 (Italics mine.]とある.

ところが,それ以前の描写において St巴町Vleは, a hal狂f

を与えるように表現され,第八章においても老母が彼を thatpoor boy " 

としばしば呼び¥章全体もまた Stevieの子供っぽさを強調し, 五ctional presentで描くので,決定的な証拠を未だ知らない読者をして, この幼稚 な Stevieは,公園で死んだ男 (aman)ではないとの錯覚を起させる.

実に此の章は, certainlydeceptive."である.

第九章で死んだ男が Stevieであるとの決定的な事実が vVinnieと読者 に知らされる直前に, このように生き生きと描くことは,この小説の全体 を被っている物事の成り行きの ironyを一層痛切なものとするのである.

そのような効果をあげる為の asubtle time‑shift technique円は,小説 を注意深く再読する際に倍加する興味をもって気付くことができる.

第八章自体を少し分析的にみると,ここにはLondonに住む人々の貧し さ,生活のつらさが描かれている. 既述したように Winnieの老母は,

よき立派な娘むこである Verlocの負担を少しでも減らす為に,病弱で不 自由な身で自ら救貧院へ行く手続ぎをし,現代版「楢山節考」ともいうべ き口減らしを敢行することによって,その分だけ,知恵遅れで,やっかい 者の息子 Stevieが,より確りと可愛いがられることを目論んだ.欽んだ

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くれで短気な a licensed  victual1erとの結婚生活とその後の苦労の多い 未亡人生活の中で,常に実利的打算をしながら生きることを強いられてき た被女にとって,これも一つの打算に基づくとはいえ,稀なる他者への為 の自己犠牲である.

然し,彼女のこの秘めた意図を, 実の娘の Winnieは察することが出 来ないー母親から計画を打ち明けられた時, Whateverdid you want to 

1]) 

do that for?"と驚いて叫び,母親を見送っていった日の夜ですら Mo‑

ther's done what she wanted to do.  There's no sense in it  that 1 can  see."と言うのみである Winnieは, 幼年期からの生きることがつらい 年月の司に, nottkingaoticeof the inside  of  facts ,?を彼女の人生 哲学としてしまい,他者の心を思いやることができない.羽Tinnieは,む しろ母親の救貧院行ぎを世間の人がどうみるかが心配だし,母親が遠慮し て家具の中からがらくたを選んで持ってゆく際も,一番気に入りの品を選 んだと思い込む.

さて,その救貧院行きの場面では, theCbof  Death itself円である ようながたびし車を老いぼれ馬が,不具の駅者に鞭打たれながら,揺れつ つのろのろと進んでゆく.御者の傍でそれを見ていたStevieは

J

Don't,"

1" 

Don't whip."と熱心に叫ぶ.御者が,老いぼれ馬を鞭打つのは,無論,

彼がとりわけ動物愛護の念に欠けるからでも,心が残忍邪悪な為でもなし 午前三,四時頃までも,飢えと寒さに耐えて働き,馬車代を稼がねば,妻

と四人の子供を養えない生活の為である.馬の負担を少しでも軽くする為 に,橋の上で御者台から飛び降りた Stevieに対して,御者は次のように

16) 

言う.臼Thisain't  an easy world."さらに ,Ard on 'osss,but dam' 

1'D 

sight 'arderon poor chaps like  m己.円

Stvleは,御者の言葉により,罵の苦しみのみでなく,多くの人聞の苦 しみに気づき,単に Bad!Bad!"と叫んでいたのが, poorbrute, poor  people."或いは Badworld for poor people."と叫ぶように変化する.

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孤立の街 London 83 

ζのようにして,周囲の人間の苦しみを痛切に感じ,激しい義慣を感じな がら,しかも実際には全く無力な Stevieの自己へのいらだちが,詰果的 には二重スパイの Verlocに利用されたことになる.

白痴の Stevieの肯定的な価値は決して過少評価されるべきではない.

Christopher Cooperは, Stevieis  probably the supreme example of a 

2

moral positive in Conrad's writings."とまで述べているが,そこまで断 言できるかはさておき,少くともこの小説の中で,彼のみが非利己的であ り,他人の苦しみを我が事のように感じ,他者に何かを与えようとする.

Stevieは自分の名前や住所といった merefacts"は忘れやすかったが,

21) 

丘 faithfulmemory of sensations円を持ち,又,彼は言葉を駆使できる 人間ではなかったので,その考えは明瞭さと正確さに欠けていたが,訟の 人々よりも w油 greatercompletenessd some profuaditpをもっ て,物事を直裁に感ずるのである.丁度,The Sound and the Furツの白痴 Benjyが,彼の感覚でもって Compson家, ひいてはアメリカ文明の「狂 い」を明らかにするように,この小説にあっては,矛盾の多い大都市London の中で,他の並みの人間は生活に追われ,疲れて無気力,無感動となり反 応しなくなっている事柄に対して, Stevieは敏感に反応するのである.

再び救貧院行きの場面に戻って,その設備の貧弱さと場所の狭さの故に,

近い将来,棺桶に入る為の訓練所としか思えない救貧院へ行くために,苦 しい悩み多い生活の試練に耐えてきた老女が,これまた目下,苦しい生活 に耐えている不具の御者のがたびし馬車に揺られながら9 娘に悲しみの涙 を隠している様子は,その馬車が,当時世界有数の経済大国の大蔵省の前 を通過するとき,激しい対照を感じさせ,又,その目的地の救貧院さえ,

ってを求めて散々拝み倒さなければ入れて貰えないことを,白痴のStevie ならずとも Badworld for poor people."と思わせるのに充分である.こ の対照感は, Sir Ethelredの登場するの Westminsterの雰囲気と, the early dirty 'night, the  sinister, noisy, hopeless, and rowdy night  of 

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84  孤立の街 London

2

South London円の,或いは I教授」とあだ名されるアナーキストの住

24) 

んでいる Islingtonの awilderness of  poor  houses"の雰囲気との断 絶感に共通するものである.

模範的な立憲君主制を敷き,議会制民主主義が開花している筈の英国で あるが,爵位を有するお偉ら方のする政治は, Londonの多くの人々の生 活をよくするものとなっていない. ここに,さまざまの病的で極端な思想 の芽生える土壌がある.アナーキストの一方の極に位置するMichaelisは,

worldplanndout like an immense and nice hospital, with gardens  and flowers, in which the strong are to devote themselves to  the nurs ing of the weak."を夢想し,他方の極巳立ち,小説中でより重要な役割 を演ずる「教授Jは, a world like shambles, where the weak would 

2

be taken in hand for utter extermination.円を望むのだ.

これらのアナーキストと同志として交わる Verlocは,某国大使館の密 偵で,警察への情報提供者でもあり,しかも表面的にはSoho街の商宿主 で,義母にもほめられる程の良き夫振りの四重生活を送っている.Verloc  という人物像のおもしろさは,四重生活を見事に使い分け得る人聞は,明 断ーな知力,機敏な行動力の人間だろうという通念を見事に裏切って,彼は 全く愚鈍で,怠惰な男である点である.彼にとっては,一寸した人間だと 他人に思われながら,安楽な生活が続くことが何よりの関心事である.彼 は,思想と呼べるものは持たず,他人の思想も理解できず,勢力問の対立 関係もよく分らない.だが,大使館の人事移動は,この Verlocの望む安 穏な生活を脅かした. Vladimir一等書記官より天文台を爆破せよとの奇 想天外な命令を受けて, Verlocは四十歳を過ぎて長年の収入源が急に危

うくなった男の不安と悩みにとりつかれる.

再び第八章に時間の構成上から着目すれは Verlocが爆破事件を如何 に実行すべきか困惑していた時i Ver10c の義母は救貧院へ行ったこと になる.その夜,母の居なくなった家で, Winnieは anacute pang of 

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孤立の街 London 85  2V 

loneliness "を感ずる. 同じ寝室の中で,夫は別の想いに耽り, a vast 

28) 

and hopeless desert "に居るような寂しさを感じ,胸中の全てを妻に打ち 明けたい衝動に駆られるが,神聖な家庭の平和を信じきったような彼女の 様子に,大きな断絶感をいだくのみである.

物事の表面にしか注意を払わない Winnieは, 母が居なくなってから,

一層ふさいできた Stevieと,十日聞の大陸旅行後, 尚ふさいできた夫の 共通の様子に気づき,一緒に散歩でもするよう,気をきかせて示唆をする.

夫と弟が一緒に散歩に出かける姿は, 服装の類似もあって, Might  be 

29) 

father and son,"と Winnieに独り言をつぶやかせる. 然し,乙のよう に彼女にとって理想的な家族関係の極致ともいえる図を生みだした散歩の 誘いと Stevieの従順さの推奨は,困っていた Verlocにとって,爆破事 件を代りにやってくれる者を,妻がわざ、と出してくれたようにさえ感じら れ,結局, Stevieは爆音と共に肉の破片と化す ironicalな結果となる.

Stevieは,母親と姉から繰り返し,義兄の Verlocは良い (good)人 であると吹き込まれていた.そして,その人の為に文字通り,火中に飛び 込むのも厭わぬ忠実な献身により死者となるのだが,彼の死は Conradの 初期の主要な作品と関連づけると次のように言える. 即ち Conradは,

Youth,や Tyρhoonでは, John Beardや MacWhirr船長の如く,単 一の目的に忠実で,素朴で無口な態度で生きてゆく男達を肯定的に描き得 たし,総じて,自己の生存が他者のそれと緊密に結びついているが故に,

規律,訓練,秩序, loyaltyが重視される英国商船隊の伝統を好ましく思 っていた.然し, Conradが此の世で好ましく思っていた,恐らく唯一の 人聞の結び、つぎのあり方も,英国の船という限定された場でしか有効であ り得なかった.陸の,とりわけ都市の生活は,その規模の広がりと複雑さ の故に,至る所に虚偽が満ち,海では有効であった素朴な信念は,人々の 生を支えるものとはならない.

粉みじんにされた Stevieの死は, loyaltyを肯定的な価値と信じていた

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86  孤立の街 London

Conradが,大都市 Londonにあっては,人は正にloyaltyをもっている が故に,他者に利用され身を滅ぼすことがあり得ると描く迄に,英国の陸 の生活で苦い変化をしたことを反映している.それはまた,小説中の他の 登場人物も含めて, ζの暗く孤独な街では,人々が loyalであり得る対象 が不在であることも示している.

Stevieを利用した Verlocの場合, loyaltyの不在は顕著である.爆破 事件の主犯であると発覚した時,彼は Heat主席警部に対して,如何に自 分が長い間 usefulで astraight man" [Italics  mine.]であったかを強 調し,彼の自白が警察にとっても多くの困ったことを暴露するだろうと逆

30) 

襲する.然し,四重生活者のひたむきな忠勤の自己宣伝とは矛盾である.

その矛盾の滑けいさに気づかね Verlocとは,自分が理解もせず信じても いないζとでも,私的な利益になることであれば何でもする典型的な,イ言 なき人間像である.彼は,複雑な生活を抜け目なく巧みに送っていた筈だ が,彼をまさしく役に立つ人間だと見なしていたより大きな力によって結 局は利用されていたにすぎない.

その Verlocと七年間生活を共にした Winnieには,頭の弱い Stevie が彼女の味気ない人生で唯一の生きる目的であった.だが,彼女の弟への 溺愛は一種の固定観念となり,他の事柄に対する感│生や判断力を狂わせる 異常なものとなっていた.彼女はもっと若い日に,弟と病弱で足の不自由 な母親との生活を考えて,近所の肉屋の未だ経済的に独立していない息子 とのロマンスをあきらめねばならなかった.金回りがよく,表面的には寛 30  大で紳士ぶったAdolphVerlocと, someefforts and even a few tears " 

を伴いながらも Winnieが結婚した背景には, 生活の苦しさ,貧しさが ある.そして当時,母親は彼女の結婚の意図に秘められた寂しさを気づい てくれなかった.それ古文,彼女は一面で哀れむべき人である.然し彼女は,

他者を余りにも自分にとっての有用性の面からのみ判断するようになり,

結婚という最も私的な人間の結び、っきで何が不可欠であるかも念頭にない

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孤立の街London 87  女性である.夫との関係は,有利な商売上の契約の如くに彼女には常に意 識され,真の信頼とか愛はもともと両者の間では不在である.

Verlocが二重スパイという仕事柄,この物に動じない Winnieという,

自分の内面生活にかかわってこない女性を,便利な存在として利用したこ とは疑いないが, Winnieもまた,失 Verlocを,寛大で扱いやすい重宝 な人として利用したことも明白である.波女は, Sohoの屈のカウンター の後に座っている時などに,自身をいやしからぬ家庭の立派な奥様と思い,

自己満足に浸るのだが,彼女の夢想と生活の実態とのずれは,その暗い庖 内で彼女の結婚指輪が withthe  untarnished  glory  of  a piece  from  some splended treasure of jewels, dropped in a dust.bin.円という光り

3:t 

方をしている描写に象徴される.彼女は}真に内面的な人間の結び、つきを 希求することのない人で,そのような彼女は,夫を殺してから,自殺する までのわずかな時間内に, Ossiponという,いま一人の別な男にだまされ る苦さを味わわねばならない.

Verloc家という私的な範囲から, 特殊犯罪部次長と Heat主席警部と いう二人の警察官僚の登場する場面に目を向けた場合, ζの小説が, Lon‑

donという巨大な街に住む人々にとって,共通に信ずるものが不在である こと,それ故に真の秩序も不在であることを描いているのは,より明白で ある.警察の高官である次長は公共の秩序を維持するのが任務である.然 し,彼は警視庁内の奥まった部屋の事務机に座明りながら,彼の仕事を常に 意の染まぬものと感じ,さまざまの個人的想念にとりつかれているe 披は 遠い熱帯の植民地では,任務に戸外スポーツにも似た危険と興奮を味わい ながら,すぐれた業績をあげ得た.だが,本国に帰札世間的には素晴し い結婚をし,出世もした彼の胸には,いやしがたいむなしさが去来する.

英国では,投所の組織は複雑で,その効率は悪く,新聞報道次第で感情的 に変化する世論を考慮しながら,彼の仕事を進めなければならない.大都 市の治安の元締めであり,多数の部下を掌握している筈の彼は,実は何事

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88  孤立の街 London

も確りと把握しているとは感じ得ず,夕方にクラブで仲間とホイストを楽 しむ時にのみ,部下の助けを借りずに自分の真価を発揮できる生き甲斐を 感ずるのである.

次長が, いわば生きながら死んだ人になったのは, 彼の生活の中での

「公」と「私Jの混同が一因となっている.彼が現在の地位についたのは,

彼の実力以上に,妻の友人である貴夫人が引き立ててくれたからである.

彼は妻に常に不満を持ちながらも,妻を通して知り得た此の貴夫人との私 的な接触により公的な地位を得たことを片時も忘れず,老貴夫人への顧慮 が,授の判断の中で最優先する.天文台爆破未遂事件は,彼のこの処世術 にも衝撃を与えた.時代に遅れて生まれた感のある世間知らずの貴夫人は,

産業主義の社会の経済的実力者を粗野で貧欲な成り上り者と嫌悪する余り に,全資本の絶滅による世界の再生を空想するアナーキストの一人 Mich‑

aelisを保護していたからである. Theinstinct of self‑preservation was 

3

strong within him.円と描かれる次長は,爆破事件の捜査が進展して Mich‑

aelisが容疑者に浮び上ってくるようなことになれば, 老貴夫人は彼に対 して立腹し,決して許してくれないだろうと心配して, Michaelisが事件 の枠外になるような方針を立てる.それ故に,部下の Heat警部に対する 彼の態度は優柔不断なものとなり, Heatの方はこの直属の上司に対して,

公務になにか私的な思惑をからませているらしいという一種のinsincerity を感じている. この両者は,公的な場における信なき人間の姿の典型とい って過言でない.

自身の内面の無秩序の故に直接の部下を信用もできなければ掌握し得た とも感じ得ない次長は,私的な思惑の故に,国務大臣の Sir Ethelredへ 裏工作をした後で,自身で Verloc捜査を行なおうとする.その際の彼と Londonの描写は, この小説の暗さと孤独と無秩序の雰囲気をよく伝えて いる。彼が退出する警視庁周辺の様子は aslimy aquarium from which  the water had been run off."と表現され, a murky, gloomy damp‑

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孤立の街 London 89 

34) 

ness円が彼の姿を包むのである.さらに場末の英国独特のイタリア料理を 食わせるいかさま料理店に近づ、いた時には, He had a sense of loneli‑ ness, of evil  freedom.  It  was rather pleasant.円とあるように,人聞が 産み出したものであるにも拘らず, もはや人聞が充分に制御することが不 可能に近い程困難になった大都市のいかがわしい雰囲気に解けこみながら,

次長は大都市のもつ匿名性の中に身分を秘して気楽に歩きまわる時,誰も 自分を知らないことから孤独を感ずると共に,悪への一種の自由な解放感 を味わう.

次長が Verloc家のある Brett Streetへ行く前に一寸した変装をする と,いかさま料理崖のいんちき料理やその常連が denationalized円であ るように,技自身が Andhe himself had been unplaced.  It would  have been impossible for  anybody to  guess  his  occupation."  [Italics 

mine.]と表現されるように得体の知れない容貌へと変ってゆく. Conrad  の描く世界の中で,国民的,人種的,職業的,社会的等の特性や個性を喪 失することは総じて負の価値を意味している.例えば,Heart  of Dark‑

3

nessの Kurtzの成長には, 全ヨーロッパが関わっており, the  half  caste円と呼ばれ,それ故に彼は一種の denationalized円な存在であり,

39) 

多才ではあるが最後まで職業の不明な男で,いわば大地を粉微塵に蹴って

4

告ぶらりんのような人間であり, 自己崩壊をとげていったように. 又, Conr必の描く船長の幾人かが,船という逃れようもない小宇宙的な場で,

困難に際して自己の持場を守り責任を全うする姿が肯定的に描かれるのと 比較する時,上に引用した次長の描写は,とりわけ unplaced円という 語は,陸の複雑さと矛盾に満ち連帯を欠いた都市文明の中では,公共の秩 序の責任者が責任を回避できる余地を持つことを端的に示し Conradの 文明に対する批判が奈辺にあるかを示唆している.そして,水を抜かれた 水族館のような,あるべき状態ではない文明社会の中に多勢の人間がいる のである.

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Heat主席警部は,単純な性格の持主である故に,次長のようにさまざ

4U 

まのことを感じはしない. :1,皮は an average married citizen円と或いは a kind man, an excellent husband, a devoted  father"4$  と表現される ように,いわば愛すべき一小市民の傾向が強い.然し,彼もまた一市民な りの危険さを持っている. Heatの家庭生活については特に措かれていな いが,彼が自己の個人生活を豊かにするために職務に精励し,昇進の階段 を一歩づっ上ってゆこうとした,家庭を重んじ職場では実務!抗の男であっ たことは確かである.彼には,社会全体のあるべき秩序といった視野は欠 けている.彼は,窃盗犯を主に扱っていた頃は,仕事そのものよりも,警 官という職柄,間間得られる thevulgar love of domination over our 

4

fellow‑creatures"を味わっていた.だがフ窃盗犯という,誤って悪の道に 入りはしたものの,他の市民と同じ conventionalな観念を持つ人間を拍 手にすぐれた業績をあげた Heatは,特殊犯罪部の主席警部への昇進は,

仕事から面白さとやり易さが減じることであるという皮肉な結果となるこ とを発見せねばならない.平凡で conventionalな考えの持主であるHεat には,アナーキズムとは馬鹿なことであり,アナーキストは気狂いとしか 思えない.とζろが,この馬鹿なことより生じるものは,しばしば人心を 扇動し,外交関係に影響を与える.かくて Heatは,よく訳の分らないま まに,アナーキストという彼にとって得体の知れない人聞を相手に仕事を しなければならない.然も,民主主義を標傍する英国には,彼が命ぜられ たような任務が行ないにくいさまざまの建て前がある.

この不得手な部門に配属された,古参刑事の如き Heatは,主席警部と いう地位を維持し,さらに成績をあげる為に,某国大使館のスパイである Verlocと七年にわたり私的に接触し, そのいかがわしい人物より得た情 報を利用してきたのである.しかも Heatは,公的に報告しない復のその ような行為が公務にそむくものであると思わず,自らは治安を守る職務に 励んだと思い込んでいる.彼と次長の会話の中で, private"という語が

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孤立の街London 91 

4

頻出する部分は,彼の中で如何に公と私の観念が倒錯しているかをよく示 している. このやや愚鈍な Heatも, さすがに捜査によって Verlocを 利用してきた事実が明るみに出るζとを恐れ,主席警部という身でありな がら,犯人の Verlocに逃亡を教唆する.

このように,The Secret  Agentにおいては,共通に信ずるもの,目標 とするものが一切存在せず,秩序を維持すべき職責の者も私的利益の保 持にのみ関心のある腐敗した状態に陥った虚無的な世界が捕かれている.

そこでは真の愛とか信頼は不在であり,人聞は相手を利用するという形で しか注の人間と結びつかない.そして,各自が打算的な目論みをもって事 に当たるのだが,それらは裏目に出てironicalな結果となることが,第八 主主を言成上の軸として次々と示される.

この腐敗した,いかさまの秩序の中で多くの人々は貧しく苦しい生活を 送っている.その状態に対して,稀に憤激をあらわに示す人間が出てくる.

然し, StVleの感傷的な humani tarianismは伺の効果もあげない.又,

幾人かのアナーキスト達は,社会の現状に怒りを感じている点のみは共通 しているが,被らの社会の現状把握も変革の方法論も互いに全く食い違っ ている. もしも,アナーキズムを人聞が互いに支配し,支配されることの ない理想的な状態で共に生きてゆく世界を志向するもの,と肯定的にとら えるならば, この小説中の少人数のアナーキスト達がお互いに相手を蔑視 し,反告しあうさまは,作者 Conradの彼らに対する否定的評価を暗示し ている.詰司は,彼らの怒りもまた,各自の欲望が満たされなかった不満 に基くものであり,彼らの主張とはその上を大義名分で包んだものにすぎ ない.

一方, この矛盾と腐敗にみちた Londonの中に asnumerous as  the  sands of the seashore円と表現される程に充満している大衆は,自己を取

り巻く状況を把握する知力にも気力にも欠け,新聞の報道するsensational な事件には一時的に騒ぎ立てるが Greenwich天文台爆破未遂事件の爆

(16)

92  孤立の街London

音さえ, P.艮りない浜の真砂に吸い込まれる音のように彼らには忘却されて しまう.

丁度,砂粒のイメージがそうであるように, この小説に出てくる全ての 登場人物は,ぱらぱらで,内面的には,詩人の言葉を借りるなら 四ch

4

in his prison"の状態にある.小説中に白痴の Stevieが暇つぶしの楽し みの為に,無数の円を紙に描く場面が出てくるが, a rendering of cos‑

41

mic chaos円を暗示しているその多くの円は, 各自が自己を中心として個 の壁に閉じ込って生きていることを示している.そのような揮沌とした世 界の中で Greenwich天文台の爆破を企てる事件とは9 人々がわずかに 共通に信じている時間的,空間的基準の中心さえもが脅かされていること を示している.

Conradはこの作品を, 一度は憧慣を抱いて選んだ国に対する深い失望 感を味わって描いたに違いない. ζの小説中の某国大使館とはロシアのそ れを意味していることは定説で, Thomas Mannが1926年に記したよう

4$ 

に PolishRussophobia円が表現されており,イギリスびいきの立場から ロシア的なものへの調刺がむけられているのだが, 同時に大切なことは Conradが現実の英国の社会に決して満足していず,心理的に距離を置い て批判的に見ている点である.

この小説の 15年後に発表されたThe Waste Landの冬の日の褐色の

4

霧に包まれた UnrealCityを連想させる ConradのLondonの描写は,

人聞が営々として築きあげてきた文明の産物が,全ての人間に孤独を,時 には敵意さえ感じさせることを表わしている. Conradが,彼が生きてい た頃の周囲に多かったといわれる楽天的な文明の進歩の世界観に対して,

冷やかに反発していたことは,初期の Heartof Darknessに thedust‑

5

bin of progress円とか thedead cats of civi1ization円といった表現が 見出されることからもうかがわれるが,The Secret Agentを書いた Ed‑ ward朝半ば過ぎの時点では,その批判はさらに強まったと考えられる.

(17)

孤立の街 London 93  彼はアフリカの奥地へ迄行かなくとも, 自らの住む荷に広大な闇と虚無を 実感したのだ. この小説を構想している時, その背景として浮んできた都 市のイメージを彼は次のように記している.

Then the vision of an enormous town prsenteditself

, 

of a mon

strous town more poplllous than some continents and in its  man‑

mad mightas  if  indierent to  heaven's  frowns  and smiles;  a  cruel devourerof theτvorld light.  There was room enough thre to  place any story

, 

depth enough  there  for  any passion

, 

variety  enough there fornysetting, darkness enollgh to bury nve millions 

51) 

of lives. (Italics  mine.) 

日本の有名な哲学者の言葉をもじれば,

乙の時点には, Conradは既に,

孤独は海になく,街にある.それは 「大勢の人聞の『間』にある」と思52)  っていたのだ.都市文明とその中に生きる人間をこのように冷たく把えて 小説を創造することは, Conradにとって決して突然の変化ではない。海 を背景とする作品にかくれて目立たないが,最初の短篇集に既に London の中流家庭の生活の空虚さを扱った TheReturn"がふくまれているこ と,又, 1901年には, AmyFoster円で夫婦聞の深い孤独を扱っている ことを考え合せると, Conradは何よりも常に人間と人間の実際の結びつ きに深い関心を寄せ, その理想的状態を希求していたことが, このような 作品を生んだと思われる.

NormanSherry, "The Greenwich Bomb Outrage a TheSecret Agent" 

Conrad; The Secret Agent, ed. Ian Watt (London and Basingstroke; Macmil‑ lan, 1973), p.  226. 

2)  Joseph  Conrad, The Secret  Agent (Collected  Edition  of  the i:Vorks of  JosphConrad";  London・J.M. Dent Sons, 1960), pp.  xii‑xiii. 

(18)

94  孤立の街 London

3)  Ian vVatt  (ed.), Conrad: The Secret Agent, p. 44.元来は TheNation, 28  September 107に掲載された書評.

Ibid. p. 45.  1907101日付の書簡.

5)  Irving Howe,Conrad: Order and Anarchy," Politics and the Novel (Green wich, Conn. Fawcett Publictions,1957), pp. 95102. 

6)  Christopher Cooper, Conrad and the JIu.rnan Dilernrna (London: Chatto 

Windus, 1970), pp. 1861. 

Ibid.p. 27. C. Cooper 

Conrad's use of  the word man' forces us automatically into assuming  tI1at it is  Verloc who is  th victim,for, though we have  already  met  Stevie, our analysis of  him is  on purely mental and  emotional  grounc1s,  anc1 so we think of him as  a boy, though physically he is  a man. 

8)  7tecretAgent, p. 70. 

9)  Albert J. Guerar ,1cCOJ1rad the Novelist (Cambric1g,巴Ms.Harvarc1 Univer‑ sity  Press, 1966), p. 229. 

lゆ FredericR. Karl, A Reader's Gu.ide to Joseρ11 Conrad (New York: Farrar,  Straus anc1  Giroux, 1966), p. 85. 

11)  The Secret Agent, p. 153.  12)  Ibid., p. 178. 

13)  Jbi

p.154.  l Ibid.,p. 170.  15)  Ibid., p. 157.  Q)  Ibid., p. 167.  11J  Ibid., p. 167.  18)  Ibid., p. 167.  19)  Ibid p.171. 

20)  Conrad and the Human Dilernma, p. 30.  21)  7he Secret Agent, p. 168. 

22)  Ibid p.171.  2 Ibid.,p. 159.  24)  Ibid., p. 82.  2;))  Ibid., p. 303.  26)  Ibid., p. 303.  21J  lbid., p. 178. 

(19)

28)  Ibidηp. 179.  29)  Ibid., p.  187.  30)  Ibid., p.  211.  3D  Ibid., p.  187.  32)  1bidηp.213.

33)  Ibid., p.  113.  3事 Ibid. p.147.  35)  Ibid., p.  148.  36)  Ibid., pp.  149150. 

孤立の街 London 95 

JosephConrad, Heart of Darkness in Youth, Heart of Dar1mess and The  End of The Tether (Collected Edition of the Works of  Joseph  Conrad"; 

London; J. M. Dent & Sons, 1967), p.  177.  3$)  Ibid., p.  90. 

39)  Ibid pp.153154.  40)  11仇ーム p.144. 

41)  The Secret Agent, p.  172.  42)  Ibid p.119.

43)  Ibid. p.122.

4事 Ibid.,pp.  127128.  45)  Ibid., p.  306. 

46)  T. S.  Eliot, The Waste Land, 1. 413.  4

TheSecret Agent, p.  45. 

48)  Thomas MannJoseph Conrad's The Secret Agent," Conrad: The Secret  Agent, ed, Ian Watt, p.  102.本来は TheSecret Agentのドイツ語版が出たと

き,序文として附されたもの.

49)  T. S.  Eliot, The Waste Land, 11.6063 & 11.  207210.  50)  Heart of Darkness, p.  119. 

51)  The Secret Agent, p. xii. 

52) 

r

孤独は山になし街にある.一人の人間にあるのでなく,大勢の人間の『間』

にあるのである.J三木清, [J'人生論ノートJ! (新潮文庫, 1964), p.65. 

参照

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