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評価 IR の実践 課題共有セッション ( グループ討議 ) (3) ポスターの説明テーマ : 評価は人にあり 課題としては 1 評価結果が活用されていない 2 大学全体の視点から評価できていない 3 進捗管理や計画の見直しが大変 といった評価活動の設計面からの課題 4 学内が評価活動に協力的でない

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1班:評価は人にあり

○関隆宏(新潟大学)、吉田崇彦(兵庫教育大学)、小林忠之(鳥取大学)、江角真琴(島根大学)、 四十万香織(上智大学)、黒木麻由(名城大学) 1.議論結果の概要 (1)メンバー 1班は6名(ファシリテーターを含む)のメンバーからなり、全員が評価業務に携わっており、 職種別では教員1名、職員5名、大学設置形態別では国立4名、私立2名であった。 ファシリテーター以外のメンバーから示された個別課題の概略は以下のとおりであった。 ・評価関連資料の効率的な管理方法、教員の研究業績の効率的な収集・蓄積 ・大学全体の視点からの自己点検評価の実施方法及び自己点検評価報告書を取りまとめる体制、 評価結果の活用、データ収集の非効率性とデータ活用の非有効性 ・年度計画ごとに比重を置く場合の決定方法、年度計画の進捗管理 ・各部局からの効果や成果等の引き出しと実績報告書への記載 ・質保証に対する教職員の意識の醸成、3ポリシーと点検・評価、各種評価の一本化 (2)作業の流れ 各メンバーの自己紹介を行った後、各自の個別課題について説明した。ファシリテーターは各 自の個別課題のキーワードをオレンジ色の付箋にメモし、類似するものを近くに配置した。各自 の個別課題について(類似する課題はまとめて)、各メンバーの大学での状況等を簡単に紹介し、 意見交換を行った。 個別課題において共通的に見られる課題は、大きく「データ収集」、「進捗管理」、「報告書作成」 に集約できることから、ポスターの作成に向けて、これらの課題の原因や解決策を議論しながら、 各メンバーは自らの課題に関して、その原因と解決策をそれぞれ水色と黄色の付箋に記載した。 ポスター作成当初は、「データ収集」、「進捗管理」、「報告書作成」の3つの課題を個別課題と共 通課題に振り分け、それぞれについて原因や解決策をまとめる方向で進めていたが、原因や解決 策が似通ってしまうことも少なくなく、膠着状態に入った。そこで、上記3つの課題を共通課題 として扱い、メンバーの個別課題の内容を踏まえた場合に、具体的な業務内容より一段高い視点 である「制度設計」、「人」、「情報」の問題に整理すると分かりやすくなるという提案がなされた。 これを受け、まとめ方を変えて、「制度設計」、「人」、「情報」の3つの問題から、課題として各自 の個別課題を再配置し、前に各メンバーが水色や黄色の付箋に記した原因と解決策を整理するこ とでポスターの概形が固まった。 最後にテーマ(ポスターのタイトル)について議論した。原因にも解決策にも「人」に関わる 事項が多く示されており、これは評価活動における「人」の重要性を意味していることから、「評 価は人にあり」をテーマとすることで、時間内にポスターが完成した。

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(3)ポスターの説明 テーマ:「評価は人にあり」 課題としては、①評価結果が活用されていない、②大学全体の視点から評価できていない、③ 進捗管理や計画の見直しが大変、といった評価活動の設計面からの課題、④学内が評価活動に協 力的でない、⑤評価に携わる担当者が報われないと感じる、といった人的側面からの課題、⑥評 価に関するデータの収集・管理に係る教職員の負担が大きい、⑦報告書に成果や効果の記載がな い、といった情報収集面からの課題がある。 その原因として、①や②に関わって「評価が PDCA に組み込まれていない」、全体的には「当 事者意識の欠如」、「認識が共有できていない」、「コミュニケーション不足」が指摘できる。特に、 この3つは直接的には「人」に関わることであるが、同時に「設計」や「情報」にも通じる部分も 多く、まさに1班が掲げたテーマの「評価は人にあり」のキモになるところである。 課題の解決に向けて、以下のようなものが考えられる(最後の< >内は関連する事項)。 ・部局の評価への参加者意識の醸成 <人・設計・情報> ・評価結果のフィードバック、インセンティブへの反映 <設計・人> ・研修・セミナー等の実施 <人・設計・情報> ・各種評価の一本化(評価データの相互利用も含まれる) <設計・情報・人> ・評価業務を理解している人を増やす <人・設計・情報> ・キーパーソンを評価関連のWG に巻き込む <人・設計・情報> ・コアとなる教職員を押さえる <人・設計> ・評価業務の質を維持した引き継ぎ <人・設計・情報> ・良いことの吸い上げ(良いこと7割、改善3割) <情報> ・自分たちの活動を外に見せる <情報・人・設計> ・前向きな内容を話す <情報・人> ・部局へ足を運ぶ <人・設計・情報> このうち、最初に示した「部局の評価への参加者意識の醸成」は全ての解決策に大きく関わるこ とから、特に重要であると考えて特出ししている。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等 先に「部局の評価への参加者意識の醸成」の重要性を指摘したが、この実現に向けて「学内に おけるコミュニケーションをどのように図るか」がポイントとなる。 部局等にとって、計画の進捗管理や評価書作成に関連する業務は手間がかかる割に効果が見え てこないという疑問や不満がある。このことは、評価担当者が求めている情報やデータをうまく 得られない状況にもつながっている。 こうした問題を解決するためには、「改善のための評価」を意識付け、部局と評価担当者の相互 理解を図る取組を行うことが重要である。例えば、評価をやりっぱなしにしないための評価結果 のフィードバック、評価書を記載するための考え方などに関する研修やセミナーの開催、部局へ 足を運んで「顔の見える」関係の構築などは有効である。また、評価担当者の方でも、部局の警 戒感を減らすために、改善点ばかりでなく前向きな内容を取り上げることや、負担感を減らすた

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の効率的な収集と効果的な利用方法を考えたりすることによって、部局も前向きな気持ちで協力 するだろう。さらに、部局の参加者意識の醸成に取り組んでも、人事異動等の要因により、部局 の担当者が交代していくことも多々あるため、参加者意識が高く、コアとなる教職員を評価関連 の委員会やワーキンググループに巻き込むなど、評価業務を理解している人を増やすことも大切 である。

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1班 評価は

にあり

設計

評価結果が 活用されてい ない 進捗管理 計画の見直し 協力してくれ ない 大学全体の 視点から評価 できていない 評価に携わる 担当者が報わ れないと感じる (データの収集・ 管理) 評価に関する データの効率的 報告書に成果 や効果の記載 がない コミュニケー ション不足 当事者意識 の欠如 評価がPDCA に組み込まれ ていない キーパーソン をWGに巻き 込む 各種評価の 一本化 (評価データの 相互利用)

情報

評価結果の フィードバック インセンティブ に反映 部局の評価 への参加意 識の醸成 良いことの 吸い上げ 良いこと7割 改善 3割 自分たちの 活動を外に 見せる 前向きな内容 を話す 評価業務を 理解している 人を増やす 研修・セミナー 等の実施 質を維持した 引継 部局へ 足を運ぶ コアとなる教職 員を押さえる (教員の業績収集) システムを利用 しなければ幅広 いデータの収集 ・管理は難しい 教員、事務職員 の負担も大きい な収集、管理方 法が必要である。 教員、事務職員 の負担も大きい 認識が共有 できていない

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2班:評価とIRのクロスポイント

○大野賢一(鳥取大学)、小野沙希子(明治大学)、松岡尚志(創価大学)、白石和章(上智大学)、 ビヴォーネ純子(人間文化研究機構総合地球環境学研究所) 1.議論結果の概要 2班は、国立大学・教員(ファシリテーター)、私立大学・職員(課長、課員2名)及び関係機 関・職員(課員)の計5名であり、評価業務に携わりつつ、IR 業務にも係わっているメンバーで した。 議論を行うにあたり、各々が自己紹介も兼ねて自組織の評価や IR の体制や現状について説明 しました。また、各自が持ち寄った資料を基に、自組織における課題について説明するとともに、 その内容に対して、ファシリテーターがコメントしつつ、メンバー間で議論及び情報共有を行い ました。この情報共有において、各メンバーから出された主な個別課題(課題・原因)は、以下の とおりである。 ■各組織における主な個別課題 課題 原因 執行部の意識不足 評価作業が担当教員の「業務」となっていること。逆に多く の人間が関わると総花的になってしまう。評価によるインセ ンティブやペナルティが明瞭でないこと。 現場の「評価」への意識不足 作業を依頼されて提出した後、何がどうなっているかフィー ドバックがない。自分の業務と関係ないもののように考えて いる。 IR の意義がわからない 自然発生ではなく押し付けられたものという理解。IR が何 で、それによって何がどうなるか情報不足。 「評価」への負担感 「評価」が担当部署の負担になっているため、昨年度と同様 の記述内容になっている個所が見受けられる。 IR 部署についても、評価部署と似たような課題と原因があると考えられます。上記の情報共有 を踏まえて、意見の集約及びポスター作成を行った。具体的な作成手順は、以下のとおりである。 ■ポスター作成の流れ 1. 自組織の個別課題の中から、重要な課題を2~3個選び、黄色の付箋に記入。 2. 似たような課題(黄色の付箋)を取りまとめ、それらに対して、自身が考える原因につい てオレンジ色の付箋に記入。 3. <課題>と<原因>をセットにしたもの(事例)について、グループ討議を行い、業務別 として「評価」(緑色枠)と「IR」(青色枠)に振りわけた。なお、課題に対する原因が多

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岐にわたるものについては、別途配置した。 4. 評価と IR に区分された事例を踏まえ、評価と IR の結節点(共通事項)について再度グル ープ討議を行い、テーマを決定した。 5. 共通事項の解決策は「評価側からの提案」という形で示すとともに、その具体的な取組に ついても明記した。 6. 全体を俯瞰し、別途配置した課題との関係性も考慮し、最終的にポスターを作成した。 ■ポスターの説明(発表時の原稿) 2班の松岡と申します。2班は評価系のグループで、テーマは評価とIR のクロスポイントと 決めました。われわれの問題意識としましては、評価を担当する方々とIR を担当する方々が、 大学の中で割と分断されている、または、非協力的であるというような状況の大学を想定して 議論を行いました。 評価側の課題としましては、評価作業を行ってもあまり実績や改善につながらず、意味がな いのではないかと。評価のための評価で終わっているケースがある。また、IR に対する認識と しても、例えば認証評価をするだけであれば、そんなに高度なIR は不要なのではないかと。デ ータを集めるだけだったら、高度な分析をしないでも成り立つのではないかとの評価側の認識 がある。また、IR 側の問題意識としては、大学内における立ち位置のあいまいさであるとか、 周知不足であるとか。例えば、「IR は評価のためにあるのではない。評価の下請け組織ではな い」というようなご意見をもつIR 担当者もいると聞いています。 こういった不幸な分断の構造の中、われわれとしては、IR に対する溢れんばかりの愛情と期 待を込めて、評価活動における一つの提案として「評価活動のPDCA の中の C から A」を示し ました。このC から A の部分に、IR の専門的な能力や専門的な力をお借りしたい。特にここ に注力して、IR からご協力をいただければ、ただ単に評価のための評価で終わっていた評価報 告書がより高度な分析、専門知識、また、高品質な根拠資料によって、それが初めて改善につ ながるのではないかと。 改善につながることよって、成功体験が蓄積されます。それによって執行部の認識も変わり、 IR がより周知され、プレゼンスも上がっていき、全体として大学の改革、改善も進み、ウィン ウィンの関係が構築されるのではないかと、そういった意味で IR と評価は協力してやってい けば、ものすごい大学の中で力を発揮できるのではないかという結論に至りました。 従いまして、評価とIR のクロスポイントは C から A。ここで評価と IR はつながることがで きるのではないかということが提案の要旨です。 【質疑応答】 小湊)ちょっと進行からの質問ですがいいですか。話の流れの筋としては非常に分かりやすい んですけども、具体的にじゃあC から A のクロスポイントという話のときに、どういう協力や 連携の体制ってあり得るんですか。その辺って議論されました? 松岡)はい。特に具体的な話までは出ていなかったと思いますが、やはりC の段階で課題、長

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所を抽出したときに、コメントいただいた大学の中では、根拠なしにそういう課題を上げられ ているところがあると。そこをしっかりとした分析データに基づいて、より掘り下げることに よって課題を解決する方向に持っていけるのではないかというコメントをいただきました。す いません、回答になっているか分かりませんが。 小湊)いいですよ。ここは大学の組織の在り方にも関わる話なので、どう設計していくのかっ ていうのは、多分、大学によっていろいろ違うんでしょうね。多分、一つの肝なんだろうなと 私も思いながら話を終わります。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等 2班が掲げたテーマ「評価とIRのクロスポイント」に対して、以下に示した項目が「改善に 活かすコツ」になるのではないかと考えます。 ○ PDCA を CAPD でまわす。 ○ 評価や IR がどう使われ、そこに現場の情報がどれほど活かされることをフィードバック する。 ○ 改善するためには、改善すべきところが見えなければならない。評価とIR で見える化し、 その次の提案を組織に応じた形で行う。 ○ 評価担当者とIR 担当者のコミュニケーションを密に行う。 ○ 評価やIR の活動を通じて、組織内にデータを元に議論できる場(文化)を醸成する。 ○ 評価担当者とIR 担当者を同じ空間に置き,気軽に話せる環境づくり。 各部署で行われる評価業務やIR 業務は、扱う対象(データ、情報、根拠資料等)は異なれど、 各部局での判断・決断、執行部による意思決定等の場面において重要な機能(ツール)であると 考えられます。しかしながら、学内を見渡すと実践できている部署は局所的であり、それぞれの 部署が有機的に結びついて一つのシステムとしては構築できていないのが現状だと思います。 有機的連携の手段として、情報(データ、評価結果、特色や改善点等)の活用や各部署との情 報共有(コミュニケーション)がありますが、やはり重要となるのは「関係者の意識改革」なん だと思います。各人が意識することで、部署間における業務の進め方、組織間(縦の系列と横の 部署)の情報共有の仕方が変わってくると思いますし、これらを継続することで業務のルーティ ン化やエビデンスに基づく効率的な会議等に繋がると思います。 評価やIR の部署(もしくは担当者)が、大学運営に関する意思決定や改善の全てに関与するこ とは難しいかもしれませんが、お互いの組織が協力し、長所と短所を活かした連携を行うことで、 「PDC→A」となる機会を作り出せる組織体になっていけば良いのではないでしょうか。

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2班

評価とIRの

クロスポイント

執行部・担当 者の意識 評価が薄い 指標の策定 データ マネジメント データへの 無理解 評価への 不信感 高度なIRは 評価に不要 評価結果の 活用 アンケートの 活用 ネタの集め方 評価への 負担感 評価への 理解 他学部の 特色の共有 IRの組織上 の位置づけ そもそもIRとは 何?という段階 組織内での自 己点検・評価、 IRの理解・ 知名度向上 IRが 身近ではない IRの周知不足 IRへのニーズ が的確に把握 されていない データの収集 整理 評価のために あるわけでは ない!

原因

課題

課題

原因

現場への フィードバック

評価

IR

評価側からの提案

Point ここだ!

PD

→A

・データの掘り下げによる精度の高い評価の実現

・高品質な根拠資料

改善実績の

増加

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3班:良い評価書を書きたい!!

○浅野茂(山形大学)、大澤弘之(京都教育大学)、世古和裕(三重大学)、米田佳奈子(島根大学)、 阿部剛史(大阪市立大学)、高橋智博(大学改革支援・学位授与機構) 1.議論結果の概要  第3班は、国公立大学及び評価機関において、計画立案、自己点検・評価、評価書作成等 の実務を担当する教職員で構成されていた。班の構成員が課題として認識していた「個別 課題」(本セッション実施に先立ち、システムに入力いただいた事前課題)として、以下の項 目が挙がっていた。  教育・研究・業務運営の改善のためにどのようなデータが必要であり効果的なのか、 自大学で精査されていないと感じている。  内部質保証を強化するための自己点検・評価のPDCA サイクルにどのように IR 機能 を組み入れ、収集整理した複数のデータを組み合わせ活用できるのか。  四半期毎の報告による進捗管理に加え、第3期からは数値目標の実績(状況)報告も 併せて行うようにするとともに、各計画の担当部署が掲げる指標に関するデータを収 集し、事務局で一元管理することを試みているが、どのようにすればうまくいくのか を模索している。  中期目標を達成するため、どのような計画や目標値を設定すればよいか、どのように 進捗管理をすれば、達成への近道になるのかなどで悩んでいる。  自己点検・評価や教員活動点検・評価(教員業績評価)等の評価基準が学内で均一化 できておらず、均一化させる方法や工夫を模索している。  大学内の情報を正確に収集する方法または工夫はないか。  業務実績報告書等で記載されている内容は精査できるが、記載されていないことを見 つけることが難しいため、取りこぼしが起こってしまう。  大学の評価分析、IR が進む中で、どのような情報を分析すればよいのか、どのような 指標・データが必要なのか、どのような提供方法がよいのかなど、各大学の状況を知 りたい。  上記の個別課題を、自己紹介と併せて実施したアイスブレークを通じて共有し、以下のプ ロセスを経てポスターを作成した。  ポストイットを用いた課題の洗い出し ・計画自体が曖昧または非現実的で、評価の段階では手遅れになってしまう。 ・計画の進捗を裏付けるエビデンスや根拠資料の収集が難しい。 ・優れた取組であっても、計画の実行部署は、当たり前と捉えていて、評価書に記載 してこない。そのため、優れた取組であっても、取りこぼしてしまう。 ・評価機関は、評価書に書かれている範囲で、その内容が確かであることを証明する エビデンスや根拠資料を用いて評価するが、大学側の記載が曖昧なケースが見受け

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られる。  課題の整理と構造化 ・計画策定上の課題:策定段階で事前調査(調整)が不十分であるため、評価の段階 で、計画で求められている自己評価ができない。 ・エビデンスや根拠資料の収集における課題:学内のデータ収集やモニタリングをど のように進めるのかが不明確であり、計画の進捗を客観的に説明することができな い。 ・現状把握の限界:企画または評価部署の担当者は、学内で行われている多種多様な 活動の全てを理解しているわけではないため、担当部署が記載してこなければ優れ た取組であっても、見落としてしまう。  原因と解決策の検討 ・上記の課題に共通しているのは、エビデンスや根拠資料が乏しいこと、そのことに より現実的な計画になっていない、といったことを原因と考えた。 ・この原因を解決するため、データの定義や収集先を整理しておくこと(前日の全体 会におけるデータカタログの作成と類似)、重要な情報は担当部署に照会するだけで なく企画評価部門でも蓄積しておくこと、現場にとって非現実的な計画を策定しな い、といったことが必要であるとの結論に至った。  上記のプロセスを経て作成した3班のポスターは「良い評価書を書きたい!!」というタ イトルでとりまとめた。まず、良い評価書を書くうえで、課題となるのは、自己評価を実 施する際、担当部署から提出される文案が計画で求められる記述になっていない、成果や 達成度を客観的に裏付けるエビデンスが示されていない、評価担当部署単独では優れた取 組の多くは分からない、といったことが挙げられる。次に、その原因はエビデンスや計画 の脆弱性にあると考えた。そして、解決策として、計画立案や自己評価において客観的な エビデンスを示せるよう、データの定義を明確にしたり、重要な情報であれば自ら元デー タを収集して集計・蓄積したり、現実に伴った計画を策定できるよう評価担当者が計画立 案及び担当部署と連携することなどが必要であるとの結論に至った。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等  自己評価においてエビデンスは不可欠であるが、計画立案時にエビデンスを意識して策定 することも重要である。  評価担当者は、受け身な立場にあるが、重要な事項については、IR 部署と連携する、ある いは自らデータを収集・蓄積して評価できるよう、積極的に働きかけていく必要がある。

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3班

良い

評価書を書きたい!!

課題

原因

解決策

○計画で求められている記述になっていない

○成果を示すエビデンスが示されていない

○優れた取組が分からない

エビデンス

計画

がしっかりしていない

○データの定義を明確にする

○重要な情報を蓄積する

○現実に伴った計画を作成する

エビ デンス

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4班: IR 組織の設計と課題

○小湊卓夫(九州大学)、栗本英和(名古屋大学)、岩崎保道(高知大学)、 大林玲子(人間文化研究機構総合地球環境学研究所) 1.議論結果の概要 1.1 構成メンバー 第4班は4名(ファシリテータを含む)からなり、全員国立大学(教員3名)及び大学共同利用機 関法人(職員1名)の所属であった。全員がIR 組織の立ち上げあるいは IR 活動に従事した経験 を有するものであった。そのうち2人の教員はIR 室の活動に直接かかわる立場にあった。またメ ンバーそれぞれ活動経験も豊富であり、相互に知り合いであったため、簡単な挨拶の後、すぐに 意見交換に入った。 1.2 個別課題の内容 ファシリテータ以外のメンバーから出された個別課題は下記のとおりである。 ・組織を立ち上げたが、上手く機能していない ・IR 組織に対するコミットメントを得にくい ・関連する部署との連携が取りにくい ・学内での知名度が低く活動が認知されていない ・組織の目的が不明確である 総じて上記の課題が、複数の機関で見いだされたため、順番に課題を報告する中で、それぞれ の立場からコメントや改善方策につながりそうな話題の提供を行うなどした。ただ IR 組織とい っても、その位置づけや形態は大学によって異なるため、室設置の背景や現状も踏まえながら意 見交換を行った。 話し合いの中で、特に兼務組織における課題に対し多くの時間をさき、個別具体的な課題に対 し、それぞれの立場から意見を出し合いながら進めた。 1.3 成果ポスター作製の手順 一通り課題報告とそれに基づく意見交換を進めた後、ポスター作製に移ったが、ポスター作製 の構成を、組織体制とその組織の中で活動する上で重要と思われる観点「注目する観点」を整理 し、それぞれの体制上の課題や特徴を議論しながら作成した。 ポスター作製にあたっては、議論の整理あるいは修正といった観点から、付箋を使って「注目 する観点」に沿って課題や特徴を抽出し整理していった。 それとは別に、課題について意見交換を行った中で、どのようなIR 活動であろうとも、共通し て重要と思われる要素を3つくくり出し、組織が機能するあるいは機能させるための共通要素と してくくり出した。

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1.4 IR 組織の設計における論点整理-兼務体制と専任体制 ここ数年の間で IR 室が急速に立ち上がってきているが、どのように組織し活動をすればよい のかという点について議論が多くなされている。IR 組織自体は兼務体制か専任体制かによって区 別することもできる。 どのような体制であっても基本的な観点として、「IR への理解」「組織の作りやすさ」「責任体 制」「機動力」「情報収集力」といったものが挙げられ、それぞれの体制において課題や特徴が存 在する。  「IR への理解」においては兼務だと活動への理解に温度差が出やすいが、専任体制であって も専任とそれ以外の教職員との間に理解への差が出やすい。  「組織の作りやすさ」においては、兼務体制は、関連部署から人を出してもらうことで組織 しやすい半面、分析結果の活用が不明確になりやすい。それに対し専任体制では定員や人材、 経費が必要となりコストがかかる。  「責任体制」においては兼務の場合、兼務者同士の連携や報告先との連携が取りにくく責任 体制が不明確となりやすい。専任体制は責任が明確な半面、専任の者が外れた時活動の継続 性を担保しにくくなる  「機動力」においては兼務体制では迅速に動きにくい場面が出るが、専任体制では迅速に動 きやすく、意思決定者と直接コミュニケーションしやすいし、執行部の命令を使いながら活 動をすることが可能となり、業務を進めやすくなる。  「情報収集力」では兼務だと職員が多く含まれる可能性があるので、集めやすいが、専任体 制では情報収集に時間がかかり、勝手に集めているように見られることもあり、孤立しがち である。 それぞれに課題と特徴はあるものの、そのようなIR 組織を機能させるためには、先ずは、意思 決定者の明確なビジョンや質活動の位置づけが必要である。次に担当者の仕事や大学に対する誇 りやプロフェッショナリズムが求められる。その上で、担当者は関連する部署や関係者との相互 理解を図りコミュニケーションを密にとっていく必要がある。 そこに共通するのは大学の存在意義を共通に持ち、大学活動を横断的・俯瞰的視点で見ること のできる資質を持つことが重要であると思われる。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等 IR 組織を大学の中でどのように位置づけ、活動目標をどう設計するかが、基本的には重要であ る。しかし現実にはその部分が極めてあいまいであり、担当者自らが室の存在意義を考えざるを 得ない場面が多々存在する。そういった時、執行部との密なコミュニケーションは極めて重要で あると思われる。ようはIR 室を活用してもらうためのニーズをどのように引き出し、把握するの かといったことに関わる活動だからである。 ただ、どのような活動であっても、大学の掲げるミッションやビジョンを如何に共有し、そこ に向かって、自身の活動を組織化することは大変重要である。 その上で学長のビジョンが示され、IR が位置づけられると、IR 室としての存在意義が明確に なり、活動がしやすくなるであろう。

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そして示されたビジョンに則り、関係各所とのコミュニケーションを通じて相互理解を図るこ とで、大学諸活動の横断的・俯瞰的視点を獲得することにつながり、ますますIR 活動をしやすい 環境づくりと人材育成に寄与することになると考える。

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4班 IR組織の設計と課題

専任とそれ以外の 教職員のIR理解 度の差が大きい (-) 学長の指示が 明確でない (-) IRへの理解

兼務兼任体制

専任体制

責任者

IR

責任 者

IR

組織

組織の 作りやすさ 責任体制 機動力 情報収集力

機能

する/させるための

共通要素

IRに対する 理解の温度差 (-) 分析結果の 活用が不明確 (-) 組織形成が しやすい (+) 専任以外の教職 員に目的・意図、 作業内容が伝わり にくい、理解されに くい (-) 定員、人材、 経費が必要 (-) 責任体制が 不明確 (-) 連携体制(ヨコ とタテ)の弱さ (-) フットワークが 遅い (-) 教育・研究など 各分野の意見 が集まりやす い (+) (事務系の職 員も含むので) 情報収集が しやすい (+) IR専任の教員 がいる (+) IR専任の職員 がいる (+) →主担当が明確 1人抜けただけ で致命的 (-) 機構やネットワー ク型より少人数で 話がしやすく迅速 に動ける (+) 学長と直接話せる ・学長の意図・思 いを聞ける ・「学長の命令」を 使える (+) 情報収集に時間 と労力がかかる (-) 限られた人のみで 決めて、勝手に やっているように 取られる (-) 学長・執行部VS学 部・教職員の対立 構造になりやすい IR室員が孤立。 嫌がられる。(-) (関係者の)相互理解 (コミュニケーション) (従事者の)大学愛・誇 り (ロイヤリティ) (明確な) 学長のビジョン みんなで 大学を護ろうと 一致団結できるか? 選出者/代表者 横断的・ 俯瞰的視点 大学の存在意義 (共通認識) 注目する観点

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5班:大学規模別の課題と解決策

○佐藤仁(福岡大学)、岡部康成(帯広畜産大学)、尾原敏則(琉球大学)、下田明(女子美術大学)、 姉川恭子(早稲田大学) 1.議論結果の概要  5 班のメンバーは、大規模総合大学で IR を担当している方と、小規模単科大学で IR を担 当されている方に大きく分かれました。そのため、それぞれのメンバーが抱える個別課題 についても、総合大学と単科大学の事情に大きく分けることができました。一方で、規模 は異なっていても、抱える課題が同じ場合もありました。そうした議論を踏まえ、ポスタ ーでは大学規模別に課題を捉えるという視点を取り入れることにしました。  ポスター作成においては、まず各メンバーが抱えている課題を付箋紙に記入していきまし た。その際、総合大学の方と単科大学の方で付箋の色を分け、規模別の課題を分けること にしました。その後、似たような課題を集約し、まずは規模別の課題を類型化しました。 そして、その課題が規模に起因する、つまり規模によって異なる課題を抽出しつつ、一方 で規模に関わらず共通する課題を明確化する作業を行いました。それらをまとめ、抽出さ れた課題をどう解決していくかを、メンバー全員で検討しました。  ポスターでは、上述したように、大規模大学の課題と小規模大学の課題を分けて示してい ます。まず大規模大学では、部署間の連携に大きな課題があります。特にデータ収集に関 して、部署によって異なるデータベースを活用していたり、それぞれの部局がデータや情 報を抱え込んでいたりしている状況の中で、いかにデータを連携しながら収集するかが課 題として提示されています。また、その他という形で示されたのは、規模が大きいゆえに データ公開にかかる規定やシステム作りが難航している点、卒業生の数も多いことから卒 後調査が難しくなる点、各教員の授業改善等といったミクロレベルに落とし込む難しさが 挙げられました。  一方で、小規模大学の課題としては、まず非組織的な活動が挙げられました。IR 活動が個 人に依存していることや、個々の対応で済んでしまうために IR が全学的に広がらないこ と、IR を動かすシステムがないこと(個の判断で常に対応していること)が示されました。 もう一つは、資源の問題であり、上述と同様に個人に依存するため、単独部署の設置やシ ステム構築を進める資源が足りない点が挙げられました。  以上は、それぞれの規模ごとの課題ですが、一方で共通する課題としては、人材・組織の 要素が挙げられます。特に全学にIR 活動を普及させる点において、人材開発(データを活 用する力等)の重要性が共通点として挙げられました。  これらの課題を解決する方策を項目ごとに検討しました、大規模大学における連携の課題 については情報の共有を少しずつ進めていくこと、データ収集については技術的に解決で きるかどうかを検討することが出されました。小規模大学における非組織的活動について は、IR の活動を見える化することや、あまりシステムに縛られないように個で動ける範囲

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と組織化すべき範囲のバランスを考えることが挙げられました、資源については、予算や 人をつけてもらうために執行部の理解を深めるようにする点が示されています。これらの 課題解決の根幹をメンバーで考えたところ、「活動の見える化」というキーワードが出され ました。情報共有、人材育成、理解の促進等、それぞれの解決策を進めていくには、IR 担 当者や部署が何をしていて、それによって何が変わるのか、自分たちの活動をきちんと学 内に見える化していくことが重要だとの結論を導き出しました。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等  活動の見える化:IR 担当者や部署が何をしているのか、それを構成員に知ってもらうこと が、様々な課題を解決する上でも重要だと考えました。例えば、小規模大学の場合、IR 業 務が個対個(IR 担当者と学長や学部長といった関係)になることが多く、そこでの活動の 実績や内容を組織として蓄積し、広めていくことが難しい状況にあります。また、組織化 されていないがゆえに、業務フローのどこに位置づく機能なのかが、伝わりづらいことが あります。一方、大規模大学の場合、多様な部局が存在するため、そもそもIR が何を意味 するのかの理解を深めてもらうことが難しい状況にあります。また、IR をどう活用すれば よいのか、という点についても、なかなか理解が進みません。こうした状況を解決するに は、IR の側からきちんと自分たちの活動や考えを見える化していくことが必要となると考 えました。  人材育成:上述した見える化とも関係しますが、それぞれの部署でIR をどう使うのか、ど う使うことができるのか、ということについて、理解を深めるための人材育成が必要だと 考えます。そうした理解を深めた職員が、IR 部署に異動する可能性もありますし、逆に IR 担当者が他部署でデータの活用を進めることで、よりIR 機能の推進が可能となります。

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5班 大学規模別の課題と解決策

部局のニーズ と業務量の すり合わせ IRが出す データの公開 範囲の模索 教育IRの専 門職の配置 IR・評価部門 と教育部門の 連携 IRをどう各部 署が活用でき るかを理解して もらうこと データベース の連携 各部局の データ収集 各課が有するデー タ連結の難しさ (独自のデータ ベースやデータの やりとり) 担当部局によ り依頼の差が 大きい 組織体制の 整備 教学IRへの 理解不足 学内のIR共 通認識の低さ 分析結果が 大学全体に 広がらない 制度が不明確 でIRが組織化 されていない 教員にIR推 進担当いない 人材、人員の 不足 事務職員の 能力育成 卒業生調査の 難しさ (対象者の選 定等) ミクロレベル(各 教員や授業)へ の落とし方 IR機能の 継続性 IR単独部署 設置が困難 システム構築 困難(予算・ 人材)

非組織的活動

・活動の見える化

・バランスを考える

資源

・執行部の理解

人材・組織

・SDの活用

・全学的理解

連携

・情報の共有

データ収集

・技術的側面

活動の見える化でIR機能を

浸透させる

大規模

小規模

連携

データ収集

その他

人材・組織

資源

非組織的活動

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6班:IR 活動のキモ

○山本鉱(九州工業大学)、押海圭一(総合地球環境学研究所)、加藤慎矢(筑波大学)、 永井博昭(群馬大学)、中山伸朗(浜松医科大学) 1.議論の概要 <各機関からの課題等を報告:概要> 総合地球環境学研究所 ①データカタログを作成したものの,データ形式や記述ルールが統一されていないため,他 機関での管理方法が知りたい. ②第二期中期目標中期計画期間の実績データと比較する形で第三期の目標管理を行っている ものの,パフォーマンスの向上や改善に繋がるような活動ができているか分からない.PDCA サイクルが機能するような取り組み方法や,改善に対する IR 担当者の関わり方について意 見交換したい. 筑波大学 ①部署毎で独自に IR を行っている状況にあり,IR 業務を担当する部署が明確ではない. ②評価や報告に必要なデータを収集するにあたり正確性を担保することが難しいことから, 学内データの収集に関し,他大学の取り組み状況が知りたい. ③本学における教員組織である「系」の研究力を把握する際に,他大学の類似学部・研究科 等と論文情報を基にしたベンチマークを行いたいと考えている.しかし,他大学の任意の 学部に所属する研究者の論文情報を取得することは難しく,実現方法を考えている. 群馬大学 ①教員による各種データの入力が行われない場合,学内データベースの精度が低くなる.こ のような場合,データベースを活用して研究面での分析を行うことが難しい. ②IR 業務を担当する部署が明確ではく,所管すべき部署と異なる部署で IR 分析が行われて おり,分析結果が活用されにくい状況にある. ③研究分析用データベースの構築が求められているものの,どのような分析を意識したデー タベースを構築すれば良いか分からない. 浜松医科大学 ①有料の学術文献データベース以外のデータベースを基に研究力を分析している事例があれ ば知りたい. ②論文情報を基に独自で国際共著率を計算しているが,簡素な方法で計算できる方法があれ ば知りたい. ③被引用数を基にした分析を実施するにあたり,NISTEP の分析方法を参考にして良いのかど うか分からない.活用する文献タイプや対象年数を含め,他大学での実施方法を知りたい. 九州工業大学 ①幅広く学内データを収集することを目指しているが,収集から整理までを,専従職員が 1 名しかいない IR 室が担うことは難しい.そこで,各部局においてデータ収集・整理が行え

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るような事務職員を育てるべく,能力向上に資する研修(SD)を実施したいが,実施方法 や実施内容が分からないため,類似の研修を実施している機関があれば,意見交換したい. <報告後の情報提供> 各機関からの報告後に,その機関にとって参考になる情報があれば他の機関から提供しあった. <共通課題の洗い出し> 各機関からの報告内容を整理したところ,分析データの収集,精度,活用に共通した課題があ るとの見解で一致した. <ポスター作成> ポスターは 3 つの課題に対する根本原因と,解決策を「IR 活動のキモ」の観点でまとめた. ■収集 問題 ・データの所在を把握できていない ・データをもれなく収集できていない ・データの統合ができていない(フォーマットがバラバラ) ・データ入力に対する過度の負担感がある 対策 ・学内の調整を行う(企画評価や研究推進といった部署などと) ・業績 DB との連携(Researchmap、ORCID 等) ・大学間で協定を結び,データを共有できるようにする ・各部署の橋渡しをする 【IR 担当者が中心となって実施する】 ■精度 問題 ・精度の良いデータが収集できていない 対策 ・買えるデータは買う(教員の負担減) ・インセンティブを与える仕組みを作る(インセンティブのメニューも作成) ・データベースの購入 or 開発を検討する ・入力に対する義務 or 奨励を検討する ・自動化(システム化?)を図る ・データクレンジング技術の開発 ・データマネジメント研修の実施 【IR 担当者が中心となって実施する】 ■活用 問題 ・DB を有効活用できていない ・分野によっては論文が出ない(ノーマライズできていない) 対策 ・資源の再配分にデータを活用する ・各教員が自分で入力するデータを評価と結びつける ・業績に対するインセンティブ(逆のインセンティブ) 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等 各機関の報告内容にもある通り,6 班は分析やそれに必要なデータ収集などに対して課題を感 じている担当者が集まった.そのため議論を通じて,今後のデータの利活用や,分析結果の執行

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グループ討論を通じ,所属機関内で分析結果を改善にまで繋げるという文化や意識が無い状態 では,IR が根付きにくいという見解で一致した.これにより,IR 活動に必要なデータの収集も進 まないばかりか,分析に必要な精度も担保できず,結果の活用にまで至らない状況が生じ易いも のと考えた.このような連鎖から脱却し,IR を根付かせていくためには,IR 担当者が部署間の情 報の橋渡し役を担っていくことや,事務職員の資質向上に繋がるようなデータマネジメント等の 研修を行い,機関内で存在意義を高めていくことが重要である,という結論を見出した.

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↑ インセンティブの メニューを作る

6班

IR活動のキモ

収集

精度

活用

データの所在 を把握できて いない データ入力に 対する過度の 負担感 精度の良い データ収集が できていない データをもれ なく収集でき ない データの統合 ができていない (フォーマットが バラバラ) DBを有効活用 できていない 分野によって は論文が出 ない (ノーマライズ できていない) 買えるデータは 買う (教員の負担減) 資源の再配分 にデータを活 用する インセンティブを 与える事ができ る仕組みを作る 学内の調整 (企画評価と研 究推進など) 業績DBの連携 (Researchmap、 ORCID等) 大学間で協定を 結んで、データを 共有できるよう にする データベース 購入 or 開発 の検討 入力に対する 義務 or 奨励 自動化(システ ム化?)を図る データクレンジン グ技術の開発 各教員が自分 で入力する データを評価と 結びつける 業績に対する インセンティブ (逆のインセン ティブ) データマネジ メント研修 IR担当者が 橋渡しをする

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7班:EBPM の組織文化を創造する IR

EBPM(Evidence-Based-Policy-Making)

○白石哲也(清泉女子大学)、菰田孝行(東京医科大学)、井芹俊太郎(法政大学)、 飯田真由美(東洋英和女学院大学)、松尾幸治(金沢工業大学) 1.議論結果の概要 1.属性及び個別課題 松尾(職員): ① 大学として KPI の設定などが必要であり、課題となっている。 ② 部署は立ち上がったが IR 人材の育成が必要な状況である。 菰田(教員): まず、医大という特性があり、国際認証の必要性に合わせて IR 室を設置した。 ① 現状は認証評価への対応がメイン。しかし、評価後の IR の在り方を考えなくてはいけな い。 ② 外的要因から設置されたので、IR が学内に浸透しておらず、課題である 井芹(専門職員): 現状はトライアル段階、成果を示していくことが必要。 ① 活動目的やリサーチクエスチョンは未だ明確とは言い難い状況 ② データの収集から接続まで、効率的なデータマネジメント体制の構築や手法の開発も課題 ③ 依頼対応型や部分最適型ではなく、対象が多様・分散的な中で、多変量解析を実施する難 しさ。 飯田(職員): ① 情報提供から改善まで:IR 担当者が兼務しているため IR の独立性をどう保つか ② 情報提供をどうすれば良いか(部署を跨いだデータ管理に課題)。 ③ データ管理やセキュリティをどうするか ④ IR のメンバーに社会調査系・心理系教員がいて、分析を担当している 白石(職員): ① 組織的な活動となっていない ② IR は浸透しているが、負担が大きい

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2.作成プロセス ① ブレーンストーミングを行い、まずはお互いの IR に関する考えや意識などの共有を 20 分 ほど行った。 ブレストの際に出てきた意見の一部 ・最も数字を見てほしい人が見ない(職員の方が数字を見ていて、教員の方が少ない) ・数字見せるとテーマによっては興味を惹かれる ・入試は興味が惹かれる。大学の資源配分にも教学にも絡むので。 ・学内プロジェクトで話題になっていることをベンチマーキングしたら反響が大きかった。 ・お金(資源配分)に関する話題はインパクトが大きい ・課題改善に資することをしたくとも、学内で敵を作りかねないテーマは自発的にしづらい ・カリキュラムの半期ごとのチェックを実施している ・組織的で継続的な改善活動がしたい ・継続的にアウト・プットしていくといい ・記名の問題がある ・実態把握や「記述」だけなら無記名アンケートでもよいが、実際の改善活動の検討や因果の 説明を考えるのであれば、記名式にしないと分析は難しい ② 課題の抽出 お互いに何が課題かをポストイットに4つほど記入してもらい、共有した。それらを分類し て、4 つの共通課題を見つけた。また、自分たちがどのような組織にしたいのかも同時に考え た。 【共通課題】 ・データマネジメント ・人材育成 ・IR ユニットの位置づけ、役割 ・情報のアウトプット 【構築したい組織】 ・きちんとしたエビデンスに基づく PDCA が機能する組織 ③ ポスターに着手 4つの共通課題を中心として意見交換を行い、それをまず体系化することにした。そして、 体系化することで見えてきたことを中心に、これらの課題にどのように対処するのかの検討 し、ポスターを作成した。

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3.ポスター説明 第 7 班では「EBPM の組織文化を創造する IR」と題して発表を行った。EBPM とは聞きなれな い用語だと思われるので、簡単に説明しておきたい。EBPM とは Evidence-Based-Policy-Making の略語であり経済学や公共政策分野で近年用いられる用語である。これは、エビデン スを基にした問題の理解、コミュニケーション、政策の設計、評価、提言を実現していこうと いう取り組みであり、近年内部質保証の文脈で求められる「PDCA サイクル」の概念に近い。 しかし、エビデンスをすぐに意思決定や資源配分、改善活動へ繋げるサイクルを実現すること は現実的には難しいため、まずは「エビデンスに基づいて議論する組織文化を IR から定着さ せていこう」というのが、第 7 班が導き出したテーマである。 次に、内容について説明していきたい。第 7 班では、4 つの EBPM 組織を構築する際に生じ る共通課題を抽出・体系化し、どのように対応していくかを検討している。そこでの前提とし て、IR 担当が、組織的かつ継続的に、既存の分析より質の高い情報を提供していくことが必 要となる(EBPM)。では、EBPM 組織を構築することを目指した際に生じる共通課題とはなん であろうか。ポスター中央をご覧頂きたい。まず、「組織的課題」がある。例えば、「IR 組 織の位置づけ」「業務負担」「独立性」などである。組織的課題を深堀すると「分析結果のア ウトプット」が課題であることに気づく。そこには「報告機会が限定的」であることや「統計 分析手法の問題」、「受け手の問題」などが挙げられる。さらに、「DM(データマネジメン ト)」の課題もあろう。DM の範囲を、データの収集から分析の準備までとすれば、たとえば 「(問いを検証するための)記名式アンケート実施の難しさ」や「効率的なデータ整形・整備 の問題」などがある。また、組織的課題には、「人材育成」に関する課題もある。組織的継続 的に IR を進めていくには、人材の問題は欠かせない。しかし、実際には難しくせっかく育っ ても異動してしまうと、一からやり直しになる。 さて、このように EBPM 組織を構築していくためには、様々な諸課題が生じることが分か る。ここでは、これらへの対応についてまとめてみたい(ポスター右下)。 組織的課題 原因 対応 IR 機能の分散と遍在に伴う IR 組織の役割や 位置づけなどの問題 各部局のIR 的役割の整理、既存の情報よりも 質を高めたエビデンスの継続的提供 執行部のデータリテラシーの水準、目的や問い が不明確 質の高いアウトプットの継続、それに伴う双方 向的コミュニケーションの実現 人材 原因 対応 人材不足、属人的・異動などにより非継続的 研修等により組織的に育成、IRer に必要な能 力やスキルを1 人に求めるのではなく、チー ムや組織で埋め合せ

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Out Put 原因 対応 報告対象が不明確 主体的・積極的な情報発信(ボトムアップ)、 組織的に報告機会を構築 →コミュニケーションの起点となる IR 担当者のリーダーシップの欠如 情報提供対象者、各部署への積極的なヒアリン グ、コミュニケーション →報告と併せて、協力的関係を構築 DM(データマネジメント) 原因 対応 IRer のデータリテラシーの欠如による DM 人材の登用、IRer の DM スキルの向上 コスト・ベネフィット意識の不足 常に分析で明らかにしたいこと及びそこから 得られる示唆と、そのためにかかる時間・コ ストを常に対比 定型的分析を明確に(分析の形と便益が定ま れば、そのためのDM も最適化される) 以上が、課題が生じる原因と対応である。ここでは、すべての課題について触れたわけではな いが、EBPM 文化の構築は不可能でないことはわかる。第 7 班では、組織的継続的に改善を 促すための組織の在り方はIR にとって非常に重要だと考えた。 また、今回の発表は第7 班全員が私立大学の IR 担当者であることから、国公立大学への応 用がどこまで可能か分からないことに注意したい。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等  IR の課題について議論されたが、大学間である程度統一されたアセスメント方法やベンチ マークの設定などが進んでいくと、EBPM の推進にもつながると感じた。  本学のIR は昨年設置のため、分析結果に基づく議論を行う土壌ができていない。議論に結 びつかなくても定期的に分析報告を行い、その中でも反応の良かった部分を掘り下げて伝 えることで受け手は分析結果に興味を持ち、データリテラシーは高くなるのではないかと 感じた。  IR を立ち上げたばかりの大学は前任者・経験者がいないため、他部署に IR 理解者を作っ ていくことが人材育成に繋がると思った。  各部署へのデータ提供の依頼やその分析結果を伝える中で、各部署のデータの作り方改善 のきっかけが生まれる等、IR 担当者のコミュニケーション力が IR 定着には重要と感じた。  IR を機関内で有効に機能させるためには、機関内の活動のサイクルや政策議論の中に IR の分析を位置づけることが大切だと思うが、そのためには IRer による主体的働きかけも

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必要。  目的やリサーチクエスチョンが必ずしも明確でない機関内におけるIR 活動は、IRer の情 報と能力に基づくボトムアップ型の情報発信を積極的に行い、それを基にした議論のサイ クルを作り出すことも大切。  IR の活動を、一時的、属人的活動でなく組織的継続的活動に繋げるためには、「組織の知 性」を組織的に高める取り組みは不可欠であると思う。

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7班

EBPMの組織文化を創造するIR

EBPM(Evidence-Based-Policy-Making)

前提:エビデンスをもとにした議論・意思決定を支援するために

組織的に継続的に質を向上させた情報提供

EBPM組織モデル構築にともなう共通課題

○組織

 原因

• IR機能の分散と偏在

• 執行部のデータ・リテラシー

 解決

• 各部局のIR的役割の整理

• 質の高いアウトプット

○人材

 原因

• 人材不足、非継続的

 解決

• 育成(組織的)

OutPut

 原因

• 報告対象が不明確

• IR担当のリーダーシップ(調

整、交渉能力)と機会

 解決

• 何かしらの分析・発信

• ヒアリング

○DM

 原因

• IRerのデータリテラシー

• コスト、ベネフィット意識の

不足

 解決

• DM人材の登用

• Outputの形を明確に

前 提

IRの独立性が 保てない IR業務の範囲が 多くなりすぎている IRユニットの 位置づけ、役割 兼務なので 業務量が多い IR「機能」が分散 的・偏在的に存在 するなかで、IR部 局が果たすべき役 割は? 報告機会が 限定的 学内からの 分析のリクエスト 分析報告を行っ ても受け手に差 がある IRの学内への 浸透 分析結果の 学内への説明 多変量解析の 選択と使用 各種調査の 一元化 データの作り方が 部署・担当者に よってばらばら データベースの 整理 記名式アンケート の導入が難しい 課外学習の把握 データマネジメント のコスト(時間)と アウトプットの関係 IR人材の 育成 担当者が 異動したら どうなるか IR的人材の 流動と普及

私立・総合・医科・工・女子、大・中・小(5大学)

組織

DM

人材

最適化 必要性 活性化

アウトプット

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8班:現場の IR への理解促進と定着に向けて

~実は IR っておいしいよ~

○末次剛健志(佐賀大学)、織田さかえ(大阪市立大学)、山嵜公貴(明星大学)、 江嵜由美子(久留米工業大学)、岩谷吉高(鈴鹿工業高等専門学校)、 本田孝之(人間文化研究機構総合地球環境学研究所) 1.議論結果の概要 (1)各メンバーが持ち寄った主な個別課題 ○IR業務の組織体制・運用方法についての課題 ・改革を進めるためにトップに提言をする部署ではあるが、他部署との摩擦が起きないか。 ・データ分析は集約して実施すべきか、当該業務の担当部署ごとにすべきか(集約型か分散型か)。 ・自大学のデータ以外に、他大学のデータをどこまで収集し活用するのが有効か。 ・自大学のデータにおいて、過去数値にどこまでこだわればよいか(傾向をつかむだけなのか、 ファクトとして捉えるか)。 ○既存のデータ活用を企図したIR体制の確立に向けての課題 ・データに基づく意思決定の意義を今後広めたいが、IRに対する理解者を広め、各担当がそれ ぞれ効率的にデータを収集・活用し、効果的な資料作成の実践者を増やす方法をどう考えるか。 ・各担当業務のデータがデータベース化されておらず、管理方法もはっきりと決まっておらず、 散在しているデータの全体像も見えない中で、どれからどう進めるか。 ・各種調査、計画策定・実行、自己点検・評価に対応するデータが統合的かつ効果的に収集され、 他機関との客観性のある比較ができ、改善点を抽出し、意思決定に役立つデータ提示に至るま での道筋をどう考えるか。 ・収集したデータはどこまで学内公開できるか。また、2次利用はどこまで許容できるか。 ・教員業績データを集約して、ファクトブック作成やシーズ集原稿等に活用したいが、データ入 力率や更新頻度が低いため情報の精度が低く、結局毎回照会せざるを得ない。入力率や更新頻 度を上げるための工夫は何かないか。 ○適切な指標(計画)、進捗管理、自己点検・評価の高度化や評価結果活用に関する課題 ・学部ごとに異なる自己点検・評価や教員業績評価の評価基準の標準化を進める方法や工夫をど う考えるか。 ・評価者や被評価者が行う作業やその集約業務の負担軽減をどう進めるか。 ・中期計画や年度計画の進捗状況を客観的データで把握できる方法をどう確立するか。 ・評価結果について、各教員の自己改善をはじめとした更なる活用に向けてどう取り組むべきか。 ・適切な指標の設定、指標に基づく進捗状況,その結果といった記述を取りまとめる作業が難し く、そういったスキルをどう上げていくか。

(30)

(2)ポスター作成までの議論と結果 (当日の発表内容から) われわれ8 班は、最初に課題設定として、現状の課題は何かあるか話をしていく中で、IR を立 ち上げたときに、トップダウンで「こういうことを調べてほしい」といったオーダーがあって、 現場側の各部署に依頼をしてデータを出してくださいと依頼するわけですが、よくありがちなの が「なんでわざわざこんな余分な仕事させられるのか」とか「そのデータ使って何をやるの」と いった、現場側でメリットが見いだせずなかなかデータを出していただけない。その結果、執行 部やオーダー元に対して、まとまったレポートを作って出すとか、結果はこうなりましたという ものを、なかなか十分な形で出すことができない、ということで悩んでいるというお話。また似 たようなお話もいろいろありました。それで、『現場のIR への理解促進と定着に向けて~実は IR っておいしいよ~』というタイトルを考えました。 結論を先に言いますと、理解促進のためには、執行部に対してもそうですが、現場にも同じぐ らいコミュニケーションを小まめに行い、双方の調整をすることが IR の担当としては重要では ないか。また、現場にIR の活動を定着させるためには現場なりのメリットを実感してもらわない と、なかなか定着できないのではないかという結論に至りました。 具体的には、データ収集の段階と、活用・レポーティングの2つの段階に分け、それぞれ焦点 を当てて課題と解決策を考えました。 まず、データの収集で課題として挙がったのが、現場からデータを取りまとめて出すことにメ リットが見いだせないとか、よくありがちなことで「データ提出するのはいいが、執行部に提出 した後に、またその部署に何か課題として戻ってくるのでは」という警戒感を示されたり、とい った話も出ました。 その解決案は、具体例として、「うちに生のデータを出していただくほうが、そちらで加工して 出していただくよりも効率があがる」といった「具体的にどう効率性が上がって、そのことで現 場も楽になるということもきちんと示していく必要があるのではないか」といった意見がありま した。また、現場寄りのスタンスになるのも難しいところはあるものの、ある意味IR の担当者が 現場の援護射撃役になることもあるのではないか。執行部は言いたいことを言うかもしれないが、 現場としては現状こうなので、ということを一緒になってやって、グラフやレポートに取りまと めて出すことによって、できるのか、やっぱり難しいのかとか、客観的にきちんと理解を促進す るための援護役をIR が担うことで、決して現場の敵なのではない、支援者だということを、実際 に、継続的に一緒にレポートなり、そういうものにまとめて出していくことによって現場側の理 解を得ることができるのではないかという意見もありました。 次に、活用の段階からは、レポートなど最後にまとめるときに関する課題として、例えばIR が 何をやっていてどんなデータを持っているのか分からないと言われるとか、学内向けにレポート を出してもなかなか見てもらえないと。あとは、せっかく依頼されて作ったのに「ふーん」と流 されてしまうなど、そういうことが実際に起こるということで、それらについては活用事例の共 有、データカタログ・ファクトブックを作成して共有する、分析作業やレポート作成を進めなが ら依頼元と現場双方、小まめなコミュニケーションを両方に取って、意見をレポートに反映させ

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また、現場への理解を促す事例の補足です。データ収集の段階に関して、いくら「効率的にな るよ」とかきれいごとを言っただけでは全然分かってもらえないわけです。例えば教務部という 部署にIR からデータ提出を依頼したとします。生データは出したくないからと、教務部でできる ところまで分析までやってIR に提出するまでの時間と、最初から IR のほうで生データをもらっ てIR で分析した時間を精査してみてグラフ化したところ、その差が歴然としていて、それを教務 部に見せると、最初からIR に任せたほうがこんなに楽になるのだと。その効率化の度合いの見え る化をすることで、初めて IR の良さ、使い勝手の良さを理解いただけたということがありまし た。 もう一つは、活用の段階で、クライアントの求めに対し不十分な分析結果、ニーズに応えられ ていないアウトプットではいけないので、やはり途中で、出来上がる前にクライアントとの確認 作業を重ねていくことによって軌道修正・マッチングを行うことも必要でしょう。そうしたプロ セスを経て、BI ツールの活用も通して、今まで普通の目立たないグラフだったものが視覚的にも わかりやすい分析結果になることで、こんなに素晴らしい分析ができるという見える化の実現に よって、IR への理解促進が定着化しつつあります。 だから、学長直属に位置付けられたIR 組織だとしても、全然違うよ、利用してよって、みんな 利用していいものを作り上げて、みんなで大学のためによりよく頑張りましょうという感じで進 めたいなということです。IR に配属された皆さんが思われるような不安を、こういった形で解決 していきたいと思って、8 班は話し合った次第です。以上です。 2.グループ討論を通して感じた評価や IR を改善に活かすためのコツ、感想等 (発表内容に対する質問) 発表前のポスターセッションの時間のときに、ポスターの説明を聞いた他の班の方々から、い くつか質問を受けたのではないかと思いますが、その中で、これは確かにそうだなと印象強く残 ったものは何かありますか? (8班からの回答) 説明内容に共感していただいた部分というのが多いと思います。例えば「ふーん」という反応 にどう対応するか、また、データを下さいという依頼のシーンにおいても、どうして必要なの? 意義はあるの?といった反応にどう対応するか、など。そのような感じのことを皆さん深く感じ ておられると、多々感じました。 また、例えば、IR の担当として一生懸命作ったものでも、やはりコミュニケーションが取れて いないと徒労感に悩む結果になってしまうのだなと。 今後もコミュニケーションを取りながら、IR のメリットの見える化もしながら頑張っていきた いと、改めて思った次第です。

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