• 検索結果がありません。

都 市 農 業 の 現 状 と 課 題 に つ い て

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "都 市 農 業 の 現 状 と 課 題 に つ い て"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

都市農業をめぐる情勢について

(2)

目 次

Ⅰ.都市農業の現状

(1)農業経営の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

(2)住民や地方自治体の意向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

Ⅱ.都市農地政策の経緯

(1)都市計画法制定時における市街化区域内農地の位置付け ・・・・・・ 4

(2)バブル期における宅地化の促進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

(3)都市農業の振興・都市農地の保全に向けた対応 ・・・・・・・・・・ 6

(4)都市農地に関する現行の税制措置 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

Ⅲ.都市農業振興基本法の概要

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

Ⅳ.都市農業振興基本計画の概要

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(参考)都市農業の多様な役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(3)

○都市農業に関連する指標 農家戸数 農地面積 販売金額 (推計) 全 国 215.5万戸 447.1万ha 5兆8,366億円 都市農業 (対全国比) 22.8万戸 ( 11% ) 7.2万ha ( 2% ) 4,466億円 ( 8% ) うち生産緑地 1.3万ha ( 0.3% ) ○ 都市農業とは、一般的に「市街化区域内農地とその周辺で営まれる農業」をいうことが多い。 ○ 市街化区域内農地は全農地の2%程度であるが、都市農家の戸数や販売金額は全国の約1割を占める。 ○ 都市農業は、①新鮮で安全な農産物の供給、②身近な農業体験・交流活動の場の提供、③災害時の防災空間の確保、④やすらぎや潤い をもたらす緑地空間の提供、⑤国土・環境の保全、⑥都市住民の農業への理解の醸成といった多様な役割を果たしている。 Ⅰ.都市農業の現状 (1)農業経営の状況

1

注1:全国の数値のうち、農家戸数は「農林業センサス」(平成27年)、農地面積は「耕地及び作付面積統計」(平成28年)、販売金額は「農林業センサス」 (平成17年、平成22年)による。 注2:都市農業の数値のうち、農家戸数、販売金額は、平成23年に農林水産省が実施した「都市農業実態調査」(都市農業者を対象としたアンケート調 査)及び「農林業センサス」(平成17年、22年)、「耕地及び作付面積統計」(平成24年)、「固定資産の価格等の概要調書」(平成23年)、「都市計画年 報」(平成23年)を用いた推計。農地面積は、「固定資産の価格等の概要調書」(平成28年)、「都市計画年報」(平成28年)による。 注3:都市農業の「農家戸数」は市街化区域で営農している農家数であり、併せて市街化区域以外でも営農している農家を含む。「農地面積」は市街化区 域内農地面積。「販売金額」には、市街化区域以外での生産分も含まれる。

(4)

17 1 15 7 27 76 68 41 65 9 5 10 9 4 6 7 7 5 3 5 5 7 2 35 7 7 20 20 5 1 2 0 20 40 60 80 100 全 国 東京特別区 横浜市 名古屋市 大阪市 米 野菜 果実 花き いも類 畜産 その他 (%) ○ 個々の経営を見ると、まとまった農地がないこと等から、経営規模は一般に小さい。 ○ 生産面では、消費地の中での生産という条件を活かし、野菜を中心に多様な作物を生産する農業者が多い。 ○ 売上げについては、100万円未満の農業者が6割程度。一方、温室等の施設を利用し年に数回転の生産を行うことなどで相当の売上げを あげる経営も存在。農家所得については、不動産経営所得の割合が大きい点に特色。 ○主要都市における農産物の部門別農業産出額の割合 資料:農林水産省「生産農業所得統計(平成27年)」、「平成27年市町村別農業産出額(推計)」 ○農家1戸当たり経営耕地面積

2

資料:農林水産省「都市農業実態調査(平成23年)」、「農林業センサス(平成27年)」 資料:農林水産省「都市農業実態調査(平成23年)」、「平成27年農業経営統計調査」 注:「都市農業実態調査」における農家所得は、農家の自己申告による大まかな数字を基に推計した試算値で あり、あくまでも目安として示したものであることに留意。 ○農産物の年間販売金額(農家数割合) 資料:農林水産省「都市農業実態調査(平成23年)」、「2010年世界農林業センサス」 61 18 13 7 73 13 6 7 0 10 20 30 40 50 60 70 80 100万円未満 (販売なし含む) 100万円以上300万円未満 300万円以上700万円未満 700万円以上 都市農家 全国平均 (%) 75 64 93 143 0 20 40 60 80 100 120 140 160 都市農家全体 三大都市圏 特定市 地方都市 全国平均 (a) 全国平均の5割 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全国平均 都市農家 農業所得 約25% 不動産 経営所得 約65% その他 の所得 農業所得 約30% 不動産経営 所得を含む 商工業等 約10% 給与所得等 約25% その他の 所得 農家所得 496万円 (100%) 農家所得 610万円 (100%) ○農家所得

(5)

○住民の都市農業・都市農地の保全に対する考え方 ○都市部市区町村(行政)の都市農地保全政策に対する意向 4.5 2.7 7.3 4.5 9.3 38.5 10.0 16.6 20.7 17.1 25.0 22.9 28.2 20.8 33.1 33.3 24.4 34.1 31.4 23.1 30.3 33.1 32.4 36.6 27.3 30.5 10.3 29.5 12.7 10.8 14.6 9.1 5.9 - 9.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% ~500 ~1,000 ~1,500 ~2,000 ~5,000 5,000~ 全体 賛成 どちらかと言えば賛成 どちらでもない どちらかと言えば反対 反対 人口密度 (人/k㎡) 資料:農林水産省都市農村交流課調べ(市街化区域内に農地のある市区町村の農政担当部局への アンケート調査。回答数590自治体) (平成24年度) ※人口密度5,000人/k㎡以上の自治体 埼玉県:さいたま市、川口市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、 ふじみ野市 千葉県:船橋市、松戸市、習志野市、鎌ヶ谷市、浦安市 東京都:目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、立川市、 武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、 国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、羽村市、西東京市 神奈川県:横浜市、川崎市、藤沢市、茅ヶ崎市、大和市、座間市 愛知県:名古屋市 京都府:向日市 大阪府:大阪市、豊中市、吹田市、守口市、枚方市、八尾市、寝屋川市、松原市、大東市、 門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市 兵庫県:尼崎市、明石市、芦屋市、伊丹市 福岡県:春日市 沖縄県:那覇市、浦添市 三大都市圏 特定市 ○ 都市住民を対象とした各種のアンケート調査においては、都市農業の多様な役割を評価し、都市農地の保全を求める意見が多数。 ○ また、都市部市区町村(行政)を対象としたアンケート調査においては、人口密度が1㎢当たり5,000人を超えるような大都市の自治体にお いて都市農地を保全すべきとの意向が顕著である一方、小規模な市町村においては、消極的な意見が多い。 (2)住民や地方自治体の意向

3

資料:農林水産省「都市農業に関する意向調査」 (三大都市圏特定市の都市住民2,000人を対象に平成28年5月に実施したWEBアンケート) 38.9% 35.4% 6.7% 2.7% 16.5% 是非残して いくべき どちらかといえば 残していくべき 積極的に 宅地化すべき どちらとも 言えない どちらかといえば 宅地化すべき 保全すべき

74.3%

(6)

○ 高度経済成長に伴い都市への急激な人口流入と産業集中が進む中、無秩序な市街地の拡大を防止しつつ宅地開発需要等に対応してい くため、昭和43年、新都市計画法が制定された。 ○ 同法に基づき設定された市街化区域は、「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされ、その区域内の農地 については、事前に届出を行えば転用が可能となった。また、同区域において講じられる農業施策も、当面の営農継続に必要な効用が短期 な措置に限られることとなった。 ○ 一方、優良農地を主体とした農業地域を保全・形成し、農地の無秩序なかい廃等を抑制するため、翌昭和44年には農業振興地域の整備に 関する法律が制定された。同法に基づき指定された農用地区域は、「農用地等として利用すべき土地の区域」とされ、同区域内の農地の転用 は原則として許可されないこととなった。また、主な農業振興施策はこの区域を対象として計画的・集中的に実施することとされた。 市街化区域 農 用 地 区 域 農業振興地域 1,723万ha 472万ha (うち農地面積409万ha) 145万ha ○農振農用地区域内の農地と市街化区域内農地との関係 資料:農業振興地域、農用地区域面積:農林水産省農村振興局調べ(H28) 都市計画区域面積等:国土交通省「都市計画年報」(H28)、総務省「固定資産の価格等の概要調書」(H28) 線引き都市計画区域 概ね10年以内に優先的かつ計 画的に市街化を図るべき区域 (農地転用は事前に届出を行え ば可能) 農用地等として利用すべき 土地の区域(農地転用は原 則として許可されない) 各種の農業振興施策を計画的・ 集中的に実施 農用地区域内の農地 当面の営農継続に必要な農業施 策に限り実施 〔農業振興施策の基本的考え方〕 市街化区域内の農地 農地面積 7.2万ha (1)都市計画法制定時における市街化区域内農地の位置付け 市街化調整区域 382万ha Ⅱ.都市農地政策の経緯

4

(7)

三大都市圏の 特定市 三大都市圏の特定市 以外の市町村 市街化区域内農地 宅地並み評価 宅地並み課税 (長期営農継続農地制度の廃止) 宅地並み評価 農地に準じた課税 生産緑地 農地評価 農地課税 ○ 昭和60年代に入り、三大都市圏を中心として地価が高騰する中、市街化区域内の農地に対しては、その宅地化が強く求められることとなった。 ○ これに対応するため、三大都市圏の特定市においては、平成3年以降、農業者の意向を踏まえ、農地を「宅地化する農地」と「保全する農地」に 区分することとされた。その上で、「宅地化する農地」に対しては、固定資産税の宅地並み課税、相続税の納税猶予制度の不適用といった措置が 適用され、宅地化の促進が図られた。 ○相続税納税猶予制度の適用条件等 三大都市圏の 特定市 三大都市圏の特定市 以外の市町村 市街化区域内農地 猶予の適用なし 20年継続で免除 生産緑地 終身営農が必要 適用あり ○市街化区域内農地における固定資産税の評価・課税 市街化区域全域で適用あり (20年継続で免除) 長期営農継続農地制度※により、 実質的に農地課税 平成3年度税制改正 平成3年度税制改正 (2)バブル期における宅地化の促進 改正前 改正後 改正後 改正前 東京都の特別区並びに首都圏、中部圏及び近畿圏の既成 市街地・近郊整備地帯などに所在する市(計214市区) ○三大都市圏特定市(平成29年1月1日現在) 圏域名 都府県名 市 名 茨城県 (7市) 龍ヶ崎市、常総市、取手市、牛久市、守谷市、坂東市、つくばみらい市 埼玉県 (37市) さいたま市、川越市、熊谷市、川口市、行田市、所沢市、飯能市、加須市、東松山市、春日部市、狭山 市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座 市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高 市、吉川市、ふじみ野市、白岡市 東京都 (27市) 特別区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井 市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米 市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市 千葉県 (23市) 千葉市、市川市、船橋市、木更津市、松戸市、野田市、成田市、佐倉市、習志野市、柏市、市原市、流 山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ヶ浦市、印西市、白井 市、富里市 神奈川県 (19市) 横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、相模原市、三浦 市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市 静岡県 (2市) 静岡市、浜松市 愛知県 (33市) 名古屋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、 西尾市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高 浜市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清洲市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市 三重県 (3市) 四日市市、桑名市、いなべ市 京都府 (10市) 京都市、宇治市、亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、南丹市、木津川市 大阪府 (33市) 大阪市、堺市、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨 木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原 市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山 市、阪南市 兵庫県 (8市) 神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市 奈良県 (12市) 奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城 市、宇陀市 首都圏 中部圏 近畿圏

5

※10年以上営農を継続することが適当であるものとして市町村長の認定を受けた農地(長期営農 継続農地)については宅地並み課税と農地課税の差を猶予(5年間営農で免除)

(8)

三大都市圏 特 定 市 左以外の 都 市 計 生産緑地以外 12,077ha 46,459ha 58,535ha

(16.8%) (64.8%) (81.6%) 生産緑地 13,081ha 107ha 13,188ha

(18.2%) (0.1%) (18.4%) 計 25,158ha 46,565ha 71,723ha

(35.1%) (64.9%) (100.0%) ○ 市街化区域内にあって「保全する農地」と区分された農地については、平成3年以降、生産緑地地区として指定され、生産緑地法に基づき 長期間農地としての管理が求められることとなった。このことを受け、市街化区域内にあっても生産緑地については、効用が短期なものに限 定せず農業施策を実施できることとなった。 ① 良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷 地の用に供する土地として適しているもの ② 500㎡以上の規模の区域(市区町村の条例で300㎡まで引下げ可) ③ 用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備え ていると認められるもの ① 使用収益権者に農地としての管理を義務づけ ② 農林漁業を営むために必要となる施設の設置等に限り建築等が許可 ③ 主たる従事者が死亡等の理由により従事することが出来なくなった場 合、又は告示日から30年経過後、市町村長に買取り申出可能 ④ 買取り申出の日から3か月以内に所有権の移転が行われなかった場 合、行為制限が解除 ○ 生産緑地地区の指定要件 ○ 行為の制限、土地の買取り申出等 ○ 市街化区域内農地の区分別面積(平成28年) 資料:総務省「固定資産の価格等の概要調書(平成28年)」、国土交通省「都市計画年報(平成28年)」 注1:表示単位未満を四捨五入したため計と内訳は必ずしも一致しない。 2:「宅地化農地」は、市街化区域内の農地のうち生産緑地以外を指す。 ※ 107haのうち、和歌山市が75ha、次いで茨城県常陸太田市が8ha、同五霞町が7haとなっている。 (3)都市農業の振興・都市農地の保全に向けた対応 ○生産緑地法の概要(平成3年改正後) 当面の営農継続 に必要な効果が 短期な農業施策 のみ実施 効用が短期なも のに限定せず農 業施策を実施可 能 ○市街化区域内農地面積の推移

6

資料:総務省「固定資産の価格等の概要調書」、国土交通省「都市計画年報」 ※ 0 2 4 6 8 10 12 14 16 H5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 (万ha) 143,258ha 71,723ha 15,164ha 生産緑地地区面積 13,188ha 市街化区域内農地面積

(9)

(4)都市農地に関する現行の税制措置 ○ 農地に関する税制は、高額な税負担により農業経営の維持が困難となる可能性があることに配慮した制度となっている。 ○ 市街化区域内農地に係る相続税、固定資産税は、生産緑地とそれ以外の農地の区分などに応じ、課税条件や評価が異なる仕組みとなって いる。 ○ 平成30年度税制改正において、都市農地の貸借の円滑化に関する法律案の成立を前提に、生産緑地を貸借しても相続税の納税猶予措置 が継続されることとなったところである。 ※三大都市圏の特定市以外の市町村の 市街化区域農地は、評価は宅地並と なるものの、課税の際には負担調整 措置(税額の増を前年度比最大+10% までに抑制する措置)が講じられる。 ○相続税納税猶予制度の適用条件等 (注1) 営農困難時の貸付けとは、猶予期間中に身体障害等により営農継続が困難となった場合の農地の貸付けをいう。 (注2) 基盤法による政策的貸付けに係る特例は、市街化区域を除いて認められている。 (注3) 既適用者に対する経過措置として、①既存の納税猶予適用農地を引き続きすべて自作する場合は、20年継続免除を適用、②適用農 地を貸し付けることも可能(この場合、適用農地はすべて終身利用する必要。) ○固定資産税 三大都市圏の特定市 三大都市圏の特定市以外の市町村 市街化区域内の農地 宅地並評価・宅地並課税 宅地並評価・農地に準じた課税(※) 生産緑地地区 農地評価・農地課税 農地評価・農地課税 農振農用地等 農地評価・農地課税 農地評価・農地課税

7

三大都市圏の 特定市 三大都市圏の特定市以 外の市町村 納税猶予期間の終了事由 とならない貸付け 農地転 用規制 生産緑地法上の規制 市街化区域内の農地 適用なし (20年継続免除) 適 用 営農困難時の貸付け(注1) 事前 届出 - 終身又は30年間農地として管理 開発行為の制限 生産緑地地区 (終身営農が必要) 適 用 (終身営農が必要)(注3) 適 用 営農困難時の貸付け(注1) 都市農地に係る新法による政策的貸付け 農振農用地等 適 用(終身営農が必要) 営農困難時の貸付け(注1) 基盤法等による政策的貸付け(注2) 許可 -

(10)

8

(5)平成30年度税制改正大綱 平成30年度税制改正の大綱(平成29年12月22日閣議決定)(抄) 二 資産課税 5 租税特別措置等 (国 税) 〔延長・拡充等〕 〈相続税・贈与税〉 (1) 農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、次の見直しを行う。 ① 相続税の納税猶予 イ 次に掲げる貸付けがされた生産緑地についても納税猶予を適用する。 (イ) 都市農地の貸借の円滑化に関する法律(仮称)に規定する認定事業計画(仮称)に基づく貸付け (ロ) 都市農地の貸借の円滑化に関する法律に規定する特定都市農地貸付け(仮称)の用に供されるための貸付け (ハ) 特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律(以下「特定農地貸付法」という。)の規定により地方公共団体又は農業協同組合 が行う特定農地貸付けの用に供されるための貸付け (ニ) 特定農地貸付法の規定により地方公共団体及び農業協同組合以外の者が行う特定農地貸付け(その者が所有する農地で行うもので あって、都市農地の貸借の円滑化に関する法律に規定する協定に準じた貸付協定を締結しているものに限る。)の用に供されるための 貸付け ロ 三大都市圏の特定市以外の地域内の生産緑地について、営農継続要件を終身(現行:20年)とする。 ハ・ニ (略) ホ その他所要の措置を講ずる。 ② (略) (注)上記①イ及びロの改正は、都市農地の貸借の円滑化に関する法律の施行の日以後に相続又は遺贈により取得する農地等に係る相続税 について適用する。 なお、同日前に相続又は遺贈により取得した農地等について相続税の納税猶予の適用を受けている者については、選択により、上記①イ の適用ができることとし、その場合には、上記①ロも適用する。

(11)

○ 平成27年4月には、都市農業の安定的な継続を図るとともに、多様な機能の適切かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資する ことを目的として都市農業振興基本法が制定された。 Ⅲ.都市農業振興基本法(平成27年法律第14号)の概要

8

①都市農業の安定的な継続 ②都市農業の有する機能の適切・十分な発揮→良好な都市環境の形成 基本理念等を定めることにより、都市農業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進 目 的 都市農業の定義 市街地及びその周辺の地域において行われる農業 基本理念 ◆都市農業の有する機能の適切・十分な発揮とこれ による都市の農地の有効活用・適正保全 ◆人口減少社会等を踏まえた良好な市街地形成に おける農との共存 ◆都市住民をはじめとする国民の都市農業の有する 機能等の理解 国・地方公共団体の責務等 ◆国・地方公共団体の施策の策定及び実施の責務 ◆都市農業を営む者・農業団体の基本理念の実現 に取り組む努力 ◆国、地方公共団体、都市農業を営む者等の相互連 携・協力 ◆必要な法制上・財政上・税制上・金融上の措置 都市農業振興基本計画等 ◆政府は、都市農業振興基本計画を策定し、公表 ◆地方公共団体は、都市農業振興基本計画を基本 として地方計画を策定し、公表 国等が講ずべき基本的施策 ① 農産物供給機能の向上、担い手の育成・確保 ② 防災、良好な景観の形成、国土・環境保全等の機能の発揮 ③ 的確な土地利用計画策定等のための施策 ④ 都市農業のための利用が継続される土地に関する税制上の措置 ⑤ 農産物の地元における消費の促進 ⑥ 農作業を体験することができる環境の整備 ⑦ 学校教育における農作業の体験の機会の充実 ⑧ 国民の理解と関心の増進 ⑨ 都市住民による農業に関する知識・技術の習得の促進 ⑩ 調査研究の推進 施策推進のための三つのエンジン

(12)

1 農産物を供給する機能の向上並びに担い手の育成及び確保 ・福祉や教育等に携わる民間企業による都市農業の振興への関与の推進 ・都市住民と共生する農業経営(農薬飛散等対策)への支援策の検討 2 防災、良好な景観の形成並びに国土及び環境の保全等の機能の発揮 ・関係団体との協定の締結や地域防災計画への位置付けなど防災協力農地の取組の普及の推進 ・屋敷林等について、緑地保全制度の活用促進、地域住民による農業景観の保全活動の展開 3 的確な土地利用に関する計画の策定等 ・将来にわたって保全すべき相当規模の農地については、市街化調整区域への編入(逆線引き)の検討 ・都市計画の市町村マスタープランや緑の基本計画に「都市農地の保全」を位置付け ・生産緑地について、指定対象とならない500㎡未満の農地や「道連れ解除」への対応 ・新たな制度の下で、一定期間にわたる営農計画を地方公共団体が評価する仕組みと必要な土地利用規制の検討 4 税制上の措置 新たな制度の構築に併せて、課税の公平性の観点等も踏まえ、以下の点について検討 ・市街化区域内農地(生産緑地を除く)の保有に係る税負担の在り方 ・貸借される生産緑地等に係る相続税納税猶予の在り方 5 農産物の地元での消費の促進 ・直売所等で取り扱う農産物等についての効率的な物流体制の構築の推進 ・学校給食における地元産農産物の利用のため、生産者と関係者の連携を強化 6 農作業を体験することができる環境の整備等 ・市民農園等の推進に向け、広報活動や体験プログラムの作成等に知見を有する専門家の派遣 ・都市住民が農業を学ぶ拠点としての都市公園の新たな位置付けを検討 ・福祉事業者等が農業参入時に必要となる技術・知識の習得等を支援 7 学校教育における農作業の体験の機会の充実等 ・都市農業者等の学校への派遣の拡大と、統一的な教材の整備等を推進 ○ 平成28年5月には、都市農業振興基本法に基づき、都市農業の振興に関する施策についての基本的な方針、都市農業の振興に関し政府 が総合的かつ計画的に講ずべき施策等について定める都市農業振興基本計画が閣議決定された。

9

・都市農業の農家戸数、販売金額は全国の1割弱を占め、食料自給率の一翼を担う ・都市農業は都市住民の多様なニーズに応え、地産地消、体験農園、農福連携等の施策の モデルを数多く輩出 ・我が国の農業を巡る国際環境が厳しくなる中、農業や農業政策に対する国民的理解を醸 成する身近なPR拠点としての役割 ・「集約型都市構造化」と「都市と緑・農の共生」を目指す上で都市農地を貴重な緑地として明 確に位置付け ・都市農業を都市の重要な産業として位置付け ・農地が民有の緑地として適切に管理されることが持続可能な都市経営のために重要 【基本法の政策課題】 都市農業の多様な機能の発揮 ・農産物を供給する機能 ・防災の機能 ・良好な景観の形成の機能 ・国土・環境の保全の機能 ・農作業体験・交流の場の機能 ・農業に対する理解醸成の機能 農業政策上の再評価 都市政策上の再評価 都市農地がもたらす良好な景観 (東京都世田谷区) ・都市農地の位置付けを、「宅地化すべきもの」から都市に「あるべき もの」へと大きく転換し、計画的に農地を保全 ・コンパクトシティに向けた取組との連携も検討 ・都市農地保全のマスタープランの充実等土地利用計画制度の在り 方を検討 土地の確保 都市農業の安定的な継続のため、多様な担い手の確保が重要 ・営農の意欲を有する者(新規就農者を含む) ・都市農業者と連携する食品関連事業者 ・都市住民のニーズを捉えたビジネスを展開できる企業等 担い手の確保 保全すべきとされた都市農地に対し、本格的な農業振興施策 が講じられるよう方針を転換 農業施策の本格展開 露地栽培による障害者雇用農園 (茨城県つくば市) 都市農業振興に関する新たな施策の方向性 【講ずべき施策】(特徴的なものを中心に記載) Ⅳ.都市農業振興基本計画(平成28年5月13日閣議決定)の概要

(13)

(参考)都市農業の多様な役割 ○ 都市農業は、①新鮮で安全な農産物の供給、②身近な農業体験・交流活動の場の提供、③災害時の防災空間の確保、④やすらぎや潤 いをもたらす緑地空間の提供、⑤国土・環境の保全、⑥都市住民の農業への理解の醸成といった多様な役割を果たしている。 新鮮で安全な農産物の供給 ○ 消費者が求める新鮮で安全な 農産物の供給、「食」と「農」に関 する情報提供等の役割 災害時の防災空間 ○ 火災時における延焼の防止や 地震時における避難場所、仮設 住宅建設用地等のための防災 空間としての役割 国土・環境の保全 ○ 都市の緑として、雨水の保水、地 下水の涵養、生物の保護等に資 する役割

都市農業の多様な役割

農業体験・交流活動の場 ○ 都市住民や学童の農業体験・交 流、ふれあいの場及び農産物直 売所での農産物販売等を通じた 生産者と消費者の交流の役割 心やすらぐ緑地空間 ○ 緑地空間や水辺空間を提供し、 都市住民の生活に「やすらぎ」や 「潤い」をもたらす役割 都市住民の農業への理解の醸成 ○ 身近に存在する都市農業を通じ て都市住民の農業への理解を醸 成する役割

10

(14)

○ 市場外流通の拡大(東京都の例) ○学校給食に地元産の食材を採用している学校数の割合(東京都) ①新鮮で安全な農産物の供給 ○ 都市での農業生産は野菜が中心であり、消費地の中で鮮度の高い農産物が生産されている。 ○ 生産された農産物は、消費地の中での生産という特性を生かし、農協・市場へ出荷されるだけでなく、直売等により販売されている。 ○ また、学校給食等に対し、新鮮で安全な野菜を納入する取組も幅広く行われている。 個人直売 (含宅配) 27% 個人直売 (含宅配) 26% 共同直売所 16% 共同直売所 24% スーパー ・小売店 ・生協 8% スーパー・ 小売店・生協 16% 2% 学校 給食等 9% 市場 44% 市場 23% その他 3% その他 2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 10年前 現 在 75% 53% 資料:東京都教育委員会「平成25年度東京都における学校給食の実態」より

11

○ 主要都市における農産物の部門別農業産出額の割合 資料:東京都産業労働局農林水産部 「平成23年度都市農業実態調査(野菜生産農家の出荷・販売に関する実態調査)」 ○ 都市住民の地場産野菜の購入意思 84.8 81.5 90.1 95.0 0 20 40 60 80 100 82.8 74.5 98.4 100.0 0 20 40 60 80 100 全 都 計 部 計 部 計 町村部計 東京都(平成24年度実績) 小学校 中学校 (%) (%) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 以前(10年前) の考え 地場産野菜 を購入したい と考えるか 積極的に 購入したい 26.6% 時々購入したい 46.9% 特に 思わない 13.4% 考慮して いない 13.1% 21.1% 44.4% 17.0% 17.6% 資料:農林水産省「都市農業に関する意向調査」 (三大都市圏特定市の都市住民2,000人を対象に平成28年5月に実施したWEBアンケート) 17 1 15 7 27 76 68 41 65 9 5 10 9 4 6 7 7 5 3 5 5 7 2 35 7 7 20 20 5 1 2 0 20 40 60 80 100 全 国 東京特別区 横浜市 名古屋市 大阪市 米 野菜 果実 花き いも類 畜産 その他 (%) 資料:農林水産省「生産農業所得統計(平成27年)」、「平成27年市町村別農業産出額(推計)

(15)

3,273 3,382 3,596 3,811 3,968 4,092 4,113 4,178 4,223 4,223 2,536 2,643 2,829 3,030 3,153 3,231 3,250 3,328 3,366 3,370 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 (農園) (年度) ○市民農園の開設数の推移 ○ 農作業体験を希望する都市住民は多く、これを背景として市民農園の開設は年々増加傾向にある。また、農園主のきめ細かい指導の下で 利用者が農業体験を行う「農業体験農園」も広がってきている。 ○ 都市において農産物の直売が広がる中、直売所を介した生産者と消費者の交流も拡大している。 ②身近な農業体験・交流活動の場の提供 資料:農林水産省都市農村交流課調べ

12

資料:農林水産省「都市農業に関する意向調査」 (三大都市圏特定市の都市住民2,000人を対象に平成28年5月に実施したWEBアンケート) ○都市住民の市民農園への関心 (立川市内) レジ周辺が生産者と 消費者の接点に (藤沢市内) 売り場広告により 情報を発信 <農産物直売所の様子> 資料:東京都産業労働局農林水産部 「平成23年度都市農業実態調査(野菜生産農家の出荷・販売に関する実態調査)」 ○生産者が考える直売所出荷の良いところ 24.4% 32.5% 33.6% 64.7% 67.8% 大きさや荷姿など品物の規格が厳しくない 価格が良い または安定している 味や品質についての反応が得られる 少量多品目の野菜を出荷できる 自分で価格を付けることができる うち都市的地域 0% 20% 40% 60% 80% 100% 以前(10年前) の考え 市民農園など を利用したい と思うか 思う 25.3% どちらとも 言えない 38.2% 思わない 36.5% 20.9% 45.5% 33.7% 共同直売所に出荷経験のある認定農業者に「共同直売所の良いところ」を問うた アンケートの結果

(16)

③防災空間の確保 ○ 建築物の密集する都市において、農地は貴重な空き地でもあり、火災時における延焼の防止や地震の際の避難場所・仮設住宅建設用地 等として多様な役割を果たし得る。 ○ このような機能に着目し、農家や農協、地方公共団体により防災協力農地の協定締結が進められている。 ○防災協力農地の役割(65市区) 資料:農林水産省都市農村交流課調べ(平成29年)

13

○延焼シミュレーションによる農地の延焼防止機能 (出火後、6時間経過後の延焼の拡大状況) 出典:(一財)農村開発企画委員会「都市農業の振興推進報告書」(平成24年度) ①農地A、B、Cが現状のまま農地であった場合 ②農地B、Cが住宅地となった場合 ③農地A、B、Cが住宅地となった場合 北東の風 風速4m/s 北東の風 風速4m/s 北東の風 風速4m/s 火元 火元 火元

農地 農地 宅地化された 農地 宅地化された農地 ○防災協力農地の取組実施市区(平成29年3月31日現在 三大都市圏特定市) 農地Aがあることから、その西側への延焼を防止 農地B、Cが宅地化されたことから、その西側へ延 焼が拡大 農地A、B、Cが宅地化されたことから、その西側へ 延焼が拡大 農地A、Bがあることから、その西側への延焼を防止 都府県名 市区数 取 組 市 区 埼玉県 10 川越市、草加市、朝霞市、志木市、和光市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、 吉川市 千葉県 3 船橋市、柏市、八千代市 東京都 31 世田谷区、杉並区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、八王子市、立川市、 武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、 日野市、東村山市、国分寺市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、 武蔵村山市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市 神奈川県 6 横浜市、川崎市、藤沢市、秦野市、大和市、海老名市 愛知県 6 名古屋市、瀬戸市、春日井市、小牧市、稲沢市、大府市 京都府 2 城陽市、向日市 大阪府 7 堺市、貝塚市、守口市、寝屋川市、大東市、高石市、四條畷市 合 計 65 避難場所 48 資材置き場等への利用 38 生鮮食料品の優先供給 33 仮設住宅建設用地 27 その他 25

(17)

大いに 期待する 14.2 大いに 期待する 15.4 期待する 43.8 期待する 44.3 あまり 期待 しない 11.7 あまり 期待 しない 11.8 まったく 期待しない 6.1 まったく 期待しない 6.1 どちらとも いえない 24.2 どちらとも いえない 22.4 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 やすらぎを与える 緑地空間としての 役割を期待しますか 景観の良い緑地空間 としての役割を期待 しますか ④やすらぎや潤いをもたらす緑地空間の提供 ○ 都市農地は、市街地の中で貴重な緑地空間、水辺空間を提供しており、都市住民の生活に「やすらぎ」や「潤い」をもたらす役割を果たして いる。 ○ 住宅政策においても、住宅の供給等を着実に進める際には、地域ごとの住宅需要を見極めるとともに、地域の実情に応じた都市農地の保 全の在り方に留意するとの考え方が示されている。 ○都市住民の自宅周辺の農地への期待 ○都市農業の営まれている風景 (「農」の風景<景観コンテスト>(JA東京中央会)受賞作品より)

14

資料: (一財)農村開発企画委員会「都市農業の振興推進報告書」(平成24年度) (東京都、愛知県、大阪府在住の都市住民を対象としたアンケート) 第3 大都市圏における住宅の供給等及び住宅地の供給の促進 (1)基本的な考え方 ③住宅の供給等及び住宅地の供給を着実に進める必要。その際 には、地域ごとの住宅需要を見極めるとともに、地域の実情に 応じた都市農地の保全の在り方に留意することが必要。 ○住生活基本計画(全国計画) 平成28年3月18日閣議決定(抄) 59.7 58.0 『地域と共に残す 小柳町の田園風景』 (東京都府中市小柳町) 『古き伝統を今も守 る舎人ライナー高野 駅前のハス田』 (東京都足立区扇)

(18)

○都市農地の貯水機能 ⑤国土・環境の保全 ○ 都市農地は、樹林地等とともに都市の緑を形成する主要な要素となっている。これらの都市の緑は、ヒートアイランド現象(都市の中心部に おける高温地域の発生)の緩和、大雨の際の雨水の保水、地下水の涵養等により、国土・環境の保全の役割を果たしている。 練馬区による試算では、 練馬区内の畑は、区内 の全小学校71校の プールと同じ程度の水 を蓄えることができる とされている。 ○緑地・農地の地下水涵養に果たす役割 資料:小金井市環境基本計画(平成17年10月) 資料:練馬区ホームページ「都市農業・農地が持つ様々な役割」(平成22年9月) ○都市農地周辺のヒートアイランド現象の緩和効果

15

大阪府岸和田市における都市農地周辺の気温分布図(2004年8月11日午前11時) 出典:竹下伸一ら「都市農地がヒートアイランドにもたらす影響」環境技術Vol.35No.7(2006) 小金井市域における水収支 平成15年 推定(単位mm/年) 台風26号により浸水した見沼田んぼ(さいたま市)の田畑(平成25年10月) (写真提供:NPO法人 水のフォルム) 水田(黒塗 り部分)の 多い地区 ▲A ▲B 風上に水田のある地点Aの方が風上に宅地が密集して いる地点Bと比べて気温が低くなっている。 ○雨水の保水機能の発揮例

(19)

0% 20% 40% 60% 80% 100% 農地はない 日常生活の中で 農地を目にする 機会がある 是非残していくべき 57.3% どちらかといえば 残していくべき 32.0% どちらかといえば宅地化 など都市開発を進めるべき 4.3% 21.3% 34.6% 8.0% 3.4% どちらともいえない 32.7% 4.9% 積極的に宅地化など都市 開発を進めるべき 1.5% ⑥都市住民の農業への理解の醸成 ○ 農業・農地が身近に存在することで、都市住民が農業に触れる機会も増加する。都市農業には、このような関わりを通じて都市住民の農業 への理解を醸成する役割も期待される。 ○農業体験学習を通じた児童の意識の高まり ○農地とのかかわりと農地保全に対する考え方

16

お米や野菜を栽培する大 変さを改めて知った 農業に興味を持った 街中にある田んぼや畑は ずっと残してほしい 家族で農体験できる市民 農園をもっと増やすべきだ 農家の人の話をもっと聞き たい その他 資料:国土交通省「集約都市形成のための計画的な緑地環境形成実証調査」(平成25年度) ○農業体験農園利用者の農業に対する考え方 農家の仕事に対して 感謝の気持ちや敬意 を持っている 東京にも農業や農地 が残ってほしいと思っ ている 農家の経営が成り立 つような政策や仕組み が必要だと思っている 農業を振興して自給率 を上げるべきだと思っ ている その他 資料:東京都農業会議「農業体験農園利用者アンケート(平成21年)」 (練馬区内) 親子による野菜収穫 9.1% 26.7% 28.5% 38.2% 77.5% 78.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 27% 81% 82% 82% 88% 0% 20% 40% 60% 80% 100% <農業体験農園の様子> (日野市内) 入園者との交流会(餅つき) 資料:農林水産省「都市農業に関する意向調査」 (三大都市圏特定市の都市住民2,000人を対象に平成28年5月に実施したWEBアンケート) 大阪府高石市において小学5年生を対象に農業体験学習(かかしづくりを行い農地に展示する等の 体験学習)を行ったのち、「学習会を受けてどう思ったか」を問うたアンケートの結果

参照

関連したドキュメント

シートの入力方法について シート内の【入力例】に基づいて以下の項目について、入力してください。 ・住宅の名称 ・住宅の所在地

都市中心拠点である赤羽駅周辺に近接する地区 にふさわしい、多様で良質な中高層の都市型住

児童について一緒に考えることが解決への糸口 になるのではないか。④保護者への対応も難し

平成 28 年度については、介助の必要な入居者 3 名が亡くなりました。三人について

② 現地業務期間中は安全管理に十分留意してください。現地の治安状況に ついては、

本部事業として「市民健康のつどい」を平成 25 年 12 月 14

このいわゆる浅野埋立は、東京港を整備して横浜港との一体化を推進し、両港の中間に

本部事業として第 6 回「市民健康のつどい」を平成 26 年 12 月 13