日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「에」の比 較研究

全文

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「 에 」の比 較研究

曺, 美庚

京都学園大学・梅花女子大学 : 非常勤講師

http://hdl.handle.net/2324/6106

出版情報:京都学園大学経営学部論集. 11 (3), pp.83-122, 2002-03. 京都学園大学経営学部学会 バージョン:

権利関係:

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THE KYOT O GAKUEN LT NI VERSI TY REVI EW FACULTY OF BtJ SI NESSADMI NI STRATI ON

Vo l .l l. No.3 Ma r C l 12 0 02

口 本 譜 の格助詞 「 に」と

二 一 ㌦ ∵‑ . : I ‑ ‑ :‑ ー : ; ‑ :: I ‑ I

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美 庚

学経営学部論集 抜刷

H 巻 第 3号

2002年 3

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(京都学園大学経営学部論集 第11巻第3号 2002年3月 83頁〜122頁) 83

    日本語の格助詞「に」と

韓国語の格助詞「喝の比較研究

醇 美 庚

亙.鱈:じめに

 日本語と韓国語はよく似た言語だと言われている。事実,文法構造の枠組み        ユ)

という点では非常に似ており,ほとんど平行的に捉えることができる。しかし ながら,日本語と韓:国語は各々固有性を有する別個の言語であり,類似性以上 に相違点も数多く存在している。それ故に両者は完全に一致するものではない。

これまで,日韓両言語の対照研究は音韻文法,語彙などの各方面で多数の研 究がなされてきたが,助詞に関する対照研究はそれほど多くないのが現状であ

る。

 そこで,本稿では日韓両言語の同質的特微とされている助詞に注冒し,その 中でも意味用法上一致する所の多い現代日本語の格助詞「に」と現代韓国語の 格助詞繍」をとりあげ,両助詞の機能と意味用法を個尉的に対照し,これら の類似点と相違点を明らかにしたい。このような目的のために本稿は次のよう に構成されている。まず,格助詞「に」と國」の機能的な側面を対照し,日 本語の格助詞「に」の方が韓:国語の格助詞「喝よりも機能的に幅が広いこと

1)梅田博之「韓国語と日本語一対照研究の問題点」配本語教育』第娼暑,臼本語教育学会,1982

 李 吉鹿「韓旨両国語の文法体系に関する比較研究:格助詞の機能と分剤『応周欝語学』第8−2 号, 1976年, pp,135−167

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を明らかにする。次に,両格助詞の意味用法を対照するための準備段階として,

両格助詞の意味分類を考察する。そして,意味分類の考察から導いた新たな分 類に沿って両格助詞の意味用法の対応関係を検討し,その対応範囲を考察する。

 なお,本稿で用いられる用例の資料文献については,次のような略称を用い ることにしたい。

《日韓対訳本》

 [柿]柿の木のある家  [港]港の少女  [坂]坂道  [伊]伊豆の踊子  [百]百日党先生

《韓日対訳本》

 [韓]韓国の民話

 [会]韓国語会話(日本語圏)

 [縮]縮み志向の日本人  [に]にわか雨

 [母]母の初恋

顯.格助詞ギに壌と畷』の機能対照

 日本語における格助詞「に」と韓国語における格助詞「婦」は,各々,文の 中でどのような機能を果たしているのだろうか。本節は,これら両助詞の機能 を対照し,両者聞の相違を明らかにすることに目的がある。そこで,日本語の 格助詞「に」の機能についてまず考察し,次いで韓国語の格助詞繍」の機能

について考察することにする。さらに,この二つの考察を踏まえて,両助詞の 機能を対照することにしたい。

嘱.格助詞「に」の機能

 格助詞「に」の最初の機能は連用修飾語を作る機能である。この機能は,後 続する述語が表す意味内容を詳細に限定するものであり,例えば,次のような 例文がある。

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      臼本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞r輔」の比較研究(曹)      85   ・海にいく。

  ・大阪にいます。

この連用修飾語をつくる「に」は,その前にくる体言と後に続く述語の語彙的 意味の性格によって,その意味関係が複雑多様である。

 格助詞「に」の第二の機能は,対等闘係を表す機能である。この機能は,「に」

の前後にある対等な語句を接続させる機能であり,次のような例文がある。

  ・東男に京女。

  ・ペンにインキがあります。

この場合,「に」の後は体言が続くが,連用修飾語を作る機能の場合にはおお むね述語が続く。また橋本進吉氏は,この機能の「に」を格助詞の機能とは扱       1)

わず,並立助詞という別の助詞をたててこの機能を説明している。

 第三の機能は,主語を作る機能である。例えば,次のような例文がある。

  ・天皇陛下には,午前十時三十分,皇居を御出発。

これは,「には」の形で体言に付き,主語を作るものであり,特に敬意を表す べき主語に対して用いられる機能である。

窯.格助詞F噌」の機能

 格助詞「叫」の最初の機能は連用修飾語を作る機能である。連用修飾語を作 る助詞は,韓国語の文法においては,普通,連用修飾語という言葉を使わず

「副詞格助詞」という用語を使う。それは,体言に続き,まるで副詞のように 述語を修飾するからである。

  ・意想鰯 銀含鋪湾(ソウルにいます)

  ・望豆望磯司包醐看叫(日曜日に学校へ行く)

王〉橋本進吉『助詞・助動詞の研究毒岩波書店,⑲71年,p,121

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  ・丁丁丁丁 手丁丁・叫(自動車に注意する)

この連用修飾語を作る機能においては,日本語の格助詞「に」の場合と同様に,

「司l」の前にくる体言と後に続く述語の語彙的意味の性格によって,その意味 関係が複雑に分化されている。

 格助詞「嫡hの第二の機能は,対等関係を表す機能である。これは「喝の 前後にある対等関係の語句を接続するもので,次のような例文がある。

  ・藏醐 望三遍 上三フ}銀奮擁叫(ペンにインキにノートがあります)

  ・ユ 叫瞬ス回1ユ 叫暑(その親にその子)

  ・曽子残 曽子暑 刃暑晶晶(研究に研究を重ねる)

この機能は,日本語の格助詞「に」の場合と同様に,韓国語の格助詞「蝋の 場合においても,並列助詞(韓国語の文法においては「。1含豆入l」などと名付        2)

けている)の範疇にいれている人もいる。また,連用修飾語を作る擁」の後 ろは大体述語が続くが,この対等の関係を表す場合は,「吼の後ろに体言が

続く。

3。格助詞「に」と「婦」の機能の対照

 これまで,日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「喝の機能について考 察してきた。それを踏まえた上で,両助詞の機能を対照してみるとおおよそ次

のことがいえる。すなわち,日本語の格助詞「に」は,連用修飾語を作る機能,

対等関係を表す機能,そして主語を作る機能の三つの機能を持つのに対し,韓 国語の格助詞「禰」は,連用修飾語を作る機能と対等の関係を表す機能の二つ の機能しか持たない。従って,日本語の格助詞「に」の方が,韓国語の格助詞

「喝より,機能の面において幅が広いと言えよう。

2) 崔 絃培『♀司豊薯』正音文化社,1983年,p,619

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彌本語の格助詞「に」と韓閣語の格助詞「鰯」の比較研究(曹) 87

欝.両格助詞の意味分類

格助詞「に」と「蝋は機能だけでなく意味用法においても相違が予想され る。本節では,両格助詞の意味用法を対照するための準備段階として,「に」と 國」の意味分類について考察する。

堪.日本語の格助詞「に」の意味分類

 これまで,格助詞「に」の意味分類について多くの著書や論文が発表された。

各々の学者の分類基準や方法にはそれなりの妥当性が認められるが,なかでも 最も包括的で詳細なものとして,佐久問鼎の『現代日本語法の研究』と国立国 語研究所の『現代語の助詞・助動詞』の両著書があげられる。佐久間鼎は助詞        1)

「に」の用法を以下のように二十項目に分類している。

!)在処・居どころ・動作の場所 → 存在および動作をいい表す語につく。

  ・学校は神田にある。

2)時間または場合

  ・毎朝六時にチャンと起きる。

3)ゆきつく場所(到着点)

  ・とうとう東京駅についた。

4)成りゆく状態,変成する(した)事態   ・万事失敗に帰した。不成功に終わった。

5)〜のために,〜をめざして(目的)

 [名詞(動作性)/動詞造語形]+に+(動詞)

1) 佐久間蕪『現代日本語法の研:究』厚生閣,1979年,pp.147−163

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6)入をめあてにして,動作の向けられる相手   ・それをあたしにおっしゃって下さらない?

7)物をめあてにして,動作の向けられる対象。動作(影響)の及ぶもの。

  ・その品物にさわってはいけません。

8)使役・命令の向けられる相手。何々される入。

  ・ナニサ,夕灘公におごらせるのが気の毒よ。

9)動作の手段としてのよりどころ   ・机にもたれる。

10)比較の標準としてのよりどころ   ・何しろ都に遠い山の中の事だ。

U)影響を蒙り作用を受けるについてその由来,因由,出所。

  ・あの暑さに弱った。

!2)受身の作用の由来するところ   ・先生にひどく叱られた。

13)「〜として」の意味   ・帯に短く,たすきに長い。

14)同伴・添加・「つきもの匪」とりあわせ」・対比   ・月にむら雲,花に風。

15)物事を列挙するとき   ・筆に紙に墨に硯に筆立。

16)割あて,割合を示すとき

  ・日に三度,食前に飲んで下さい。

17)動詞を重ねてその意味を強める   ・いそぎにいそぐ

18)「〜を〜に」(〜にして)を略したという形

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      田本語の格助詞「に」と三訂語の格助詞「鰯」の比較研究(曹)

  ・パンをひるめしにたべる。

19)種々の語につけて副詞を形づくらせる。

  ・無事に暮らす。

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2①動作者用語につけて敬意をあらわす(尊敬の意味を表すべき主語を示す)

・あなたにもお揃い遊ばしまして〜

      ラー方,『現代語の助詞・助動詞善においては,次のように分類されている。

1)動作作用の行われる空問的な場所の定位・位置を示す。いわぼ,事物の存  在する場所。また,事物を存在させる場所。

  ・二人が三四日たいざいするつもりの,みずうみ館は,その湖水のすぐそ   ぼの右がわにあった。

2)尊敬の意を表すべき主語につける

  ・天皇陛下には,午前十時三十分皇居を御出発。

3)動作作用の行われる抽象的な場所の定位を示す

  ・すくなくともベルリン封鎖解除に関するソ連の態度の急変には,そうし   た判断による意図が蔵されているだろう。

塗)動作作用の行われる時・場合を示す

イ)時……1947年9月にアメリカで封切り以来,興行成績のベストテンに   入った喜劇である。

ロ)場合・事態……〜,普通施肥量の場合には逆に正方形植がよい結果を得   ている。

5)割合・割当の基礎iを示す

  ・母乳は一日に一回以上与えて夏中は絶やさないこと。

2) 國立国語研究所匿現代語の助詞・助動言託秀英出版,1971年,pp,135弓51

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6)動作作用の到達する地点・状態

 イ)到達点・行き着く所(時・人なども含めて)・方向   ・広川自民党幹事長は19日朝大阪から岡山に着いたが,〜

 ロ)成り行く状態・結果

  ・〜中央の対外策がどのようなものになるか,非常に注目を要するものが    ある。

 ハ)変化・帰着させる状態

  ・〜,全国選挙区は全廃して府県単位一本に改めたいとの意向が強く〜

7)動作作用の向けられる対象の事物   (人を目あての動作作用の相手)

  ・〜,鯉子に遠まわしの言葉で,赤ちゃんは男か女かと聞くと,〜

  (物事に向けられる動作作用の対象)

  ・〜,今秋審査にとりかかって明春から店開きをする予定という。

8)動作作用がなんのために行われる(存在する)かの目的を表す  イ)動作終止形(動作性名詞を含む)につく場合

  ・われわれは社会の現実と,これを改善するに必要な手段と条件について,

 ロ)動作連用形(動作性名詞を含む)につく場合

  ・続いてジェリイが応召したので別れを告げにスーザンを追ってくる。

 ハ)[〜ために]

  ・本予備会議の開会は急速に新政治協商会議を開き民主連合政府を成立さ    せ,全中国を統一させるために必要な一切を準備することである。

9)動作作用のよりどころ・由来

 イ)動作作用の手段としてのよりどころ……ラクダにはこりている二人,〜

 ロ)動作・状態を構成する内容……一個の入聞が,殊に青春にとむ若者また    は〜

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      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「嫡1」の比較研究(曹)       91

 ハ)比較の基準となる事物……大衆の一部の人々には新聞記者に似たこの文    体が〜

 二)評価の基準となる事物……鉄その他赤ちゃんの発育に必要な成分が不足    してくるため〜

 ホ)影響をこうむり,作用を受ける場合の影響・作用の由来・出どころ   ・君に教わったとおりにやったけれど,だめだったよ。

 へ)動機・きっかけ

  ・これをわらって見ていたガン吉とダンちゃん,あまりのこっけいさにご    んどはかわいそうになりました。

 ト)名目・理由(「として」の意味)

  ・〜ガン吉は内野ホームランという珍妙なてがらを立て,ホームラン賞に    ラクダをもらいましたが〜

10)動作・作用・状態の行われ方・あり方

  ・〜二少年の体はつぼめのように左右に飛びちがって,〜

 このように『現代語の助詞・助動言醜では,大きく十項目二十二種に意味分 類している。この分類ではさらに,慣用的な語句の用法まで提示されているが,

それらを含めると五十七種にも上る。前述した二つの著書の分類方法を比較し て見ると,内容面ではほとんど一致しているが,『現代語の助詞・助動詞』の 分類は佐久間鼎の分類項目以外に,

  ・動作作用を成り立たせる内容   ・評価の対象

  ・動作作用の行われ方・あり方   ・ギ〜には〜するが」

等の用法を追加分類しており,佐久間鼎の分類14,15,17項を格助詞から分

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離して並立助詞に含めている。

窯.韓:国語の格助詞「明1」の意味分類

 韓国語の格助詞「鰯」の意味分類については申昌淳の分類と金敏洗の分類を 中心に考察することにしたい。申昌淳の噛語文法研究』では,与位格として の「嫡柄Lを噛」と同じ環境で同じ格意味を表すものとみなしている。ただ し,「蝿と鹿西に関連される対象の性格が有情物か無情物かは前にくる 体言自体の特徴によって決定されると定義しながら,「噺と繍靖1」を同じ       3)

与位格として扱い次のように分類している。

1)存在する場所

  ・01論点 そ}脅醐 戴望 潮叫と舜(これは講堂にあったピアノだ)

2)間接的な客体

  ・斗嗜輔 書暑 靖午曙(的に銃の狙いを定める)

  ・ユ 叫層鰯瑚 巽書 奏叫 調(その学生に花を持っていってやれ)

3)行動を起こした根拠

  ・尋 幽遠 暑スレ譲01陣調蕩設叫(大雨に堀建小屋がながされた)

の行動の帰結点

  ・嫡禰 刈毫鰯 七六 鉄含月舜(昨日ソウルに帰ってきました)

5)動作・感情が向けられる対象

  ・血書輔 菩三一 昊 奏心添(生活に興味を持てない)

  ・エ薯ス}継紙1刈 三早ス1癖薔7} 叡叫(雇用者に全く配慮がない)

6)基準的単位

3) 申 墨淳『国語文法研究謝博英社,1986年,pp.207−211

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      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「司」の比較研究(曹)       g3

  ・望遇鰯 選電郎セ 社ヌ1(年に一度ある祭)

7)空間的な位置

  ・登朔 看朔 萢望曙井 馨叫 司鍛{斗(山に野につつじが満開した)

8)行動・状態の基準点

  ・0トol暑嫡柄1を 煽苦司芒 臭Ol叫(子供たちによく似合う着物だ)

9)時間

  ・叫潜8入1朔 亘層叫 碧管藪 葵(朝8時に校庭に集合すること)

三〇)原因・理由

  ・箒斜斗孟手省鰯 α171η}ス1鍛叫(寒さと飢えにここまできた)

1!)環境・条件

  ・◎1甥醐  望 身フ}唱目叫P(この雨にどこへ出かけますか)

!2)材料

  ・曽フ1叫 井号暑 愚刷層 唱ス1量 讐耳(煙につつまれた部屋で煙たく    もないの)

13)行動・状態の基準・範囲

  ・出入1誼鰯 蒼 司書 叫唄入1君媚 そ}叫(憩時間に行くところを5時間    に行く)

14)列挙

  ・響噺 叫望噌 早智η桝 戴告日叫(お餅に果物に揚げ物まであります)

15)担当部署

  ・華を婦 午丹 替著均戴葺P(会長に誰が選ばれたの)

16)対照・対比

  ・増 壁帽 手閃週叫(猫に小判)

17)慣用句

  ・〜禰 書様(に関して)/〜哺 閑胡(に対して)/〜鰯 鱗胡(に

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   よって)

 金敏沫の「国語の格について」においては,位格「朔」の分類を次のように     護)

行っている。

1)位格一空間的位置

  ・早硝鰯 盤身(i舞台にたつ)

2)位格一部署的位置

  ・手望醐 午辛暑 環音望叫P(主演に誰を配当しようか)

3)位格一作用の位置

  ・書層醐 71暑暑 釜叫(穀物に肥料をやる)

4)位格一事物の範囲

  ・嬰嫡 飛臨海力 書噌誹叫(花にれんぎょうが有名だ)

5)位格一時間的位置

  ・尋証井 9幽晦 靖聾◇i昏(学校が9月に開学だ)

6)位格一時問の範囲

  ・聾冒醐 尋遇 遺そ重}叫(月に1回欠勤する)

7)在格一存在

  ・暑◎1暑鰯 銀叫(石が野原にある)

8)回書

  ・舎含 暑醐 簿望叫(舎書 暑呈 斉剋叫:手段)(手を火に温める/

   手を火で温める)

  ㊥怒暑杢司鱗 逢畳身(墨号査司呈 昔話叫:原因)(雷の音に驚く/雷    の音で驚く)

4)金 敏沫「国語の格について」国語国文学,49・50合,国語圏文学会,エ970年,pp.337−357

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       賃本語の格助詞ヂに」と韓国語の格助詞圏」の比較研究(曹)      g5 9>共格:列挙

  ・雪叫 韓・覇 エ71輔 剤今・層冠01{斗(ご飯にお餅にお肉に食車いっぱい    のごちそうだ)

1G)慣用句

  ・を碍叫 暑胡(将来に関して)

  ・を謝朔 謝翻(将来に対して)

  ・を礪醐 面面(将来によって)

  ・を曙鰯 頭明層(将来において)

      W.『に」とゼ(鞠の意昧対応関係

 前節において考察した日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「噌」の分類        1)

基準を根拠にし,他の著書や論文をも参照して,本節では次のような新たな意 味分類を行った。これは,対照という観点から両分類を一つに統合したもので ある。この新たな分類に沿って両格助詞の対応関係を検討する。

履.「に」から見た韓:国語の格助詞「醐」との対応関係 1)存在場所を表す

a. 藁京に土地を買う。(教師,p.72)

a , 暑長寿 堂スi暑 入レ叫

b。空き地に家をたてる。(教師,p。72)

b , 剋斜鰯 唱暑 ろ!叫

1) たとえば,

 橋本進畜『助詞・助丁丁の研究2岩波書店,1971,pp.119−128  鈴木重幸舶本語文法・形態論』むぎ書房,1976年,pp,2!0−212  森田良行浮基礎日本語2一意味と使い方』角川書店,1980年,pp.372−379

 北lil千里『外国人のための日本語例文・問題シリーズ7』荒竹出版,1988年, pp.3級1, pp.125−130

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 c. 山の上にきれいな月が見える。(教師,p.72)

 c . 外甥・増 (痢轡 量ol 豆望跨

 この「に」は存在場所を表す。「に」の前にくる体言としては事物または人 も可能であるが,上記の用例Cのようにヂ〜の上/〜の下/〜の中/〜のそぼ」

などの語をそえて表すこともある。また,「に」に続く述語としては一般に「あ る/いる/残る/存在する/泊まる/住む」などの存在動詞と,形容詞「ない

/多い/少ない」などがくる。その他に「持つ/借りる/預ける/買う」など の所有物の存在場所を表す動詞,「現れる∬起きる」「生ずる」など出現物・発 生物の存在場所を示す動詞,「作る/建てる/こしらえる」など生産物の存在 場所を示す動詞,「見える/見あたる/聞こえる」など認知物の存在場所を示       2>

す動詞などがくることもある。韓国語の「蝿に翻訳される。

2)時・場合を表す

 a.春に島を出てから旅を続けているのだが〜(伊,p.亙8)

 ゴ.暑鰯 細書 し}皇} (靖響薯 靖捨言}エ 銀モ…禰,

 b.湯が島を朝の8時に出たのだったが〜(伊,P,97)

 b .昇フ}《1叫暑 φ睦 8入1鰯 昌一男セ瑚,

 この「に達は,時・場合を表す名詞につき,動作作用の行われる時・場合を 表す用法である。しかし,次のような場合には「に」が省略されている。

    ・きょう 東京へ行く/皇量  暑層鰯 君叫

3)到達点・方向を表す

a ジョンソンは駅に着くと,私のことなど忘れてしまったかのように,〜

2) 鈴木重幸, 前掲書, pp.101〜102

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      臼本語の格助詞「に」と韓一語の格助詞「婦」の比較研究(曹)      g7    (白,P.100)

 a .善金薯鰯噌望話し桝望暑喫明司壱昊。1,

 b.〜あすは天城を南にこえて湯が野温泉へ行くのだろう。(伊,p、!0)

 b .素望薯 叫叫フ1杢}暑 慧響*鰯/皇呈 穏朝 名一フ}k.薯苓立呈 巷 摂    ◇繊

 到達点・方向を表す「に」は,その前にくる体言としては抽象的・空間的な ニュアンスを持った名詞に限られるようであり,「に」に続く述語としては「行

く/来る/帰る/着く/とどく/すすむ/向かう」などの移動性動詞がくる。

到達点・方向を表す「に」は述語の性質によって韓国語では瞬b「立量」「暑

/甚」等に翻訳される。

 すなわちbにおいては,「明しではどうもすわりの悪い文になる。この場合,

「皇呈」におきかえると自然な文になる。「蝋をとらずギ立証」をとる動詞に は「向かう,磐試しも「進む,し斡レにも飛び立つ,冒◎}フ}叫」等がある。

4)変化の状態・結果を表す

鼠鳳h翻Cご

 変化の状態・結果を表す「に」は,

れも可能であり,

する/化ける」などの状態変化を表す自動詞,

などの状態変化を表す他動詞があげられる。韓国語では同1」をとらず「皇 おじさんは春になると,つい柿のことを忘れてしまいました。(柿,p.6)

叫ス桝モ暑*哺/ol斜ス},ユ豊羅}曙早(遷薯31・恥綴念し 叫 水が氷になる。

暑◇1 餐{}*朔/ol/立呈 趣=}

液体から気体に変わる。

識神甥瞬 71翔*δ1/呈 越選葺

      その前に来る体言として事物と人のいず      その「に」に続く述語としては「なる/する/変わる/変化        「変える/改める/訳す/直す」

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(呈)」に翻訳され,瞬τ}(なる)」の場合に限って「◎1/フhに翻訳される。

5)比較・評価の基準

aぼわむ︒ごd♂

洋一にそっくりよ。(柿,p。38)

豆♀01ヌ1*噌/斗 舎・密鍛(>1

お金がもうかるので食費も人なみにはらい,〜(坂,p.140)

暑ol 電輯旦呈 剤司王 望}暑*噌/刺碧 曙エ AはBに等しい。

AセB*(痢/舛 1二二

…人の父親は百人の教師に勝る。

選入}三二 早認薯 霞入峯骨潮 丑ス}*醐/皇τ} 奨叫

 この場合の「に」は二つ以上の事物や人を成立条件とする,比較・評価を表 している。この場合,「に」に続く述語としては「似る/近い/遠い/異なる

/同じだ/くらべる/比する/勝る」などがある。cの「AはBに(と)等しい」

の場合,「に」を「と」に置き換えることができる。韓国語においては,閃碧」

「斗/叫」「〜旦τキ」等に翻訳される。

6)基準的単位

 a 日に三度食前に飲んでください。(佐久闘,p.305)

 a .尋早◇覇 晶晶 剤遭輔 三三補豆

 この用法「に」は「回数・基準量」などを表す基準単位である。「に」は前 後ともに数量を表す名詞がくる。「年に一度の休み」「万に一つののぞみ」のよ

うに副詞ないしは副詞的な性質を有し後続する述語との修飾関係をなす。一方

「二対三のスコア」などの「対」は「に」に代用されるもので,スポーツ用語         3)

の特殊語法に属する。韓国語では同1」に翻訳されている。

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      嫁掛語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「魏」の比較研究(曹)      gg 7)動作作用の目的

駄 〜,水をくみに来る村の人たちにじまんしました。(柿,p.16)

a .白金半*叫/着薯・}書八擢暑嫡柄1ス槻}強魯零}

b.学生さんがたくさん泳ぎに来るね。(伊,p.20)

b .聾碧暑◇1 露◇}魂望愚*婦/曽 皇丑

。. わかれのごちそう作りに,三太郎おぼさんも朝から手伝いにきていまし   た。(柿,P.6の

C . oP鐘潮 払出甘含 端司*哺/フ1剰胡 豊身呈尋手瑚目三 叫碧・早肩   王斗手*叫/司 舛 郎告月震

 動作の目的を表す「に」はa,bのように動詞連用形につく。また,動作性 名詞にドに」がっき,動作作用の目的を表す。この場合の述語は「来る/行く

/出かける/出る」などの意味の移動動詞がくる。韓国語では「〜(皇)呈ま ヂ〜フ1♀國」に翻訳されている。

8>態度・関心の対象

a. 〜,物好きか芸人の娘にほれたかで,荷物を持ってやりながらついてき   ている〜(伊,p.26)

a .調碍7ト 6糊屯 星}朝鋼 留嫡1蛸 薯鍔刈,碧畠 瑚手嘔・緒 叫書叫目   モ 葵皇呈,

b。 〜,紙屋は勝負に夢中だった。(伊,p.3塗)

b .香。軽}入トセ 告朝哺 層忍◎1盛砂 戴銀叫

。. 自動車に注意する。

c .ス}内感/幽魂鱗さ}叫

3>佐久間鼎『現代日本語法の研究』厚生閣,1979年,p.305

(20)

 d.都会にあこがれる。

 d .三入1*醐/暑 暑層尋舜

 この態度の対象を表す「に」の前に来る体言としては,人も,具体的な物も,

抽象的なものもくる。また「に」に続く動詞としてはaのような心理的態度と か,bのような態度的な動作を表す動詞がくる。心理的状態を表す動詞には「い

らだつ/あこがれる/あきれる/あまえる/みとれる/ほれる」などがあり,

態度的動作を表す動詞には「熱中する/注意する/さからう/なつく/したが       喚〉

う/賛成する/反対する/執着する/挑戦する」などがある。用例dは,動詞 ヂ暑層掛舜(あこがれる)」が韓国語では他動詞なので「鰯」をとらず「畠/暑」

をとることになる。

9)使役の対象

 a 〜,わずかぽかりのつつみ金を栄吉に持たせて帰した。(伊,ひ.68)

 a . 〜誉ol鰯 埜} 薯暑 畷Ol z7抹1鰯朗1 登調刈 呈隷身

 b.〜,時枝が雪子に味付けさせるというふうである。(母,p。126)

 b .三列鰯フ} 弁明亙婦翔 君畠 呈湾1 きト芒選曙

 この場合の「に」は使役の対象としての相手を表す。「に」に続く述語は本 動詞に接尾語「せる/させる」がついた派生動詞になって,主語に対しどのよ うに作用すべきかの許可,命令を下す。使役文の動詞は他動詞の性質を有し,

       5>

主語に対して消極的な作用をさせる。韓国語では繍刃hに翻訳される。

10)受身関係の出所

4)鈴木重事,前掲書pp、8餅90

 鈴木 忍『文法1,助詞の諸問題誰国際交流墓金,1985年,pp.98−100 5)  鈴木重辛, 前掲書, P.285

(21)

a︐a bb

c。

C,.

d d

   日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞ヂ婦」の比較研究(曹)      1劔

ケイ子はおばあさんにせきたてられて,ねまきに着替えると〜(港p.84)

翔01亙セ 莫珂日*鰯/朔瑚 ス碧毒讐。レ補 智臭立頭 巷◎レ鵯エ 銀皇

冑擁η}

遠足の途中で雨に降られた。(8本語教育ハンドブック,p。529)

*杢署王ぞ(弔 心底 朗斜ゑて斗

甥7}叫層(輯朔)嗅飯田(雨が降って(雨に)濡れた)

…一モ中,赤ん坊に泣かれてちっとも眠れなかった。旧本語教育ハンドブッ

ク,P.529)

響硝計画 凌廿叫71*鰯/井 暑朔層 釜晋三 昊 ゑ・舜(一晩中,赤 ん坊が泣いてちっともねむれなかった)

隣に二階をたてられた。

*◇礫鰯翔2芸園ス1・湘ゑ身

◎1臭*醐/◎12奢暑 ス1激高 胡7}望暑叫(隣が二階を建てて日が あたらない)

 この「に」は受身文で,受身関係の出所を表すものである。受身文における

「に」は「〜によって」の意味であり,本動詞が表す作用の対象が主語になる。

       6>

述語として本動詞に「(ら)れる」がついて変化した派生動詞がくる。

 なお,用例b〜dのようにいわゆる迷惑の受身の場合は「喝をとりにくい。

       7>

このような迷惑の受身の表現は,臼本語の特殊性で説明される。すなわち,動 作作用の利害関係,主として被害・迷惑の意味を表し,主語はいつも有情物に 限られる心理的受身であって,韓国語にはない。b〜dに見るように,韓国語 においては能動態の表現の方が自然であり,その際 日本語の受身文で現れる

6) 鈴木重三,三三書,p.279

7)Mi粥onghon9『凝望紅教本譜民衆書林p380

(22)

102

ような話手の微妙な気持ちは現れないことになってしまう。また,日本語の受 身文は自動詞と他動詞のいずれも可能であるが,韓国語の場合は自動詞の受身 文は成立しない。さらに日本語には,「私は母にいやな肉を食べさせられた/

耳セ 嫡熔融井 入桝肩 器磯計ゼ エ71暑 膚銀L}」のように,いやであま りしたくもないことをしかたなくしたようなニュアンスの表し方,つまり,使 役受身の表現が存在しているが,韓国語では成立せず,直接的な能動表現を用 いた方がより自然に感じられるのである。

!1)原因の拠り所

 a. ゆうべの地震にたいへん驚きました。(教師,p.101)

 a .(羽並雪 ス1遭叫 目早 巻毅爪磨叫  b. 頭痛に苦しむ。

 b .早暮皇呈 調呈斜蝕身

 この用法は原因の拠り所を表すもので,「に」に続く述語としては自然現象・

生理現象・心理現象を表す動詞がくる。自然現象を表す動詞には「汚れる/焼 ける/そよぐ/まみれる/ぬれる/光る/すすける」などがあり,心理現象を        8)

表す動詞には「おどろく/あきれる/びっくりする/困る」などがある。この 用法は,用例aのような状態の対象を表すものと考えてもかまわないものもあ る。すなわち,「ゆうべの地震のためにたいへん驚きました」の意味にも,ま た「ゆうべの地震に対してたいへん驚きました」の意味にも解釈できる。韓国 語においては,繍」「(○)呈」に翻訳される。

12)動作・作用の行われ方,状態

8)  鈴木  忍, 前掲書, pp,99−105

(23)

      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「婦」の比較研究(曹)       103

 a. 四つに折りたたんだメモ用紙を出し,〜

 a .曙養*朔/豆三碧書司呈暑ス1暑屑硝,

 b.首をゆっくり左右に振りながら,〜

 b 。ユ7習暑 冠遍司 碍♀*明1/星 喜暑電層

 この用法における「に」は動作や現象の状態を表す名詞につき,動作作用の 行われ方・状態を表すものである。韓国語翻訳は「(o)呈」である。

13)相手としての対象       9)

 a. 太郎に金をかりる。

 a . 葺}呈(溺邦 暑含 馨司跨

      lG)

 b。 この話は私がおじいさんに聞いたのです。

 b .Ol Ol峠フ1ゼ 三井 聾叫心心碑擁1 暑薯 凌望月身

 この用法においては「に」の前の体言として人がきており,「に」に続く述 語としてはやりもらいの意を表す動詞と言語活動の意を表す動詞がくる。授受 の動詞は「やる/あげる/もらう/頂く/借りる/貸す/与える」などがあり,

言語活動を表す動詞には「話す/言う/教える/習う/聞く」などがある。韓 国語においては,「明柄しに翻訳される。

14)動作作用の向けられる対象

 a 新しいろうそくに火をとぼしながら,〜(港p。74)

 a 。 八轟 茎噌 暑薯 暑◇1矯

 b.ケイ子の知った入などが船に乗るときには,〜(港p.76)

 b .端Ol亙7} oトセ 入レ菅暑◇1 明*・零1/暑 量畔遇

9)鈴木重辛,前掲書,P.85 10) 鈴木重辛,前掲書,P.85

(24)

      11)

 c. 石垣にぶつかって膝がしらをすりむいた。

 c . 暑電話 早唄司層 早墨暑 凌叫

 この「に」は動作作用の向けられる麺象を表すもので,「に」の前は事物を        12)

表す名詞がきており,述語としては接着の性質を表す動詞がくる。用例bの場 合は「碍埠(乗る)」が他動詞であるから「函hをとりにくく,「畠/暑」をと

るのが自然である。韓国語では「喝「暑/暑」に翻訳される。

15)動作状態をなりたたせる内容・拠り所  a, 工場は駅に近い。

 a .晋智薯 曽(潮 フ}骨叫  b.わが国は資源に富んでいる

 b .♀歯し}葺セス総*鰯/司筈話説叫

 この「に」は何を拠り所として述語の動作や状態を成立させているか,その 内容・拠り所を表すものである。「に」の前にくる体言としては人も事物も可 能であり,述語としては「遠い/近い/等しい/乏しい/欠ける/富む/優れ る/似る/そっくりだ/ふさわしい/強い」などの状態を表す形容詞,形容動 詞,自動詞がくるが,他動詞はこない。韓:国語では「鋪1」「◎1/フ}」「暑/暑」

等に翻訳される。

16)思考の内容

 a。 それが不思議なことに思われました。(教師,p.121)

 aり.ユ唄司 司熱意 望*鰯/呈/湘唱 槽4賃餓叫  b.相談の相手を神にみたてている顔であった。(連,p.312)

11) 佐久問鼎,前掲書,p.153 12)鈴木重辛,箭掲書,p.87

(25)

      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「611」の比較研究(曹)      IG5  b .・ぽ毫囹 杢}翔暑 杢1*o 1/皇呈/淵馨 量ユ銀セ 望量◎独更u}

 この「に」は前にくる体言から何かを感じとる主観的感情を表している。「に」

に続く述語としては思考活動・反映活動を表す「見える/感じる/思われる/

聞こえる」などがくる。韓国語の翻訳は「(○)呈」擁柘燐軸「昊ol」等

である。

!7)同伴・添加・対比・とりあわせ  a. 東男に京女(大回,p,625)

 ゴ. 号高島スレ鰯 丑♀豆《靖ス}

 この用法は「に」の前後に体言と体言をならべる形式で,対比的な二つのも のを取り合わせ・添加することによって全体として何らかの意味に統一させる。

       13)

この用法は主としてことわざ・格言などに多く用いられる。韓国語においては

「喝に翻訳される。

18)列挙・並列

       1婆)

 a 今沼は人参にごぼう,白菜にねぎでございます。

 a ,皇慧薯 脅モ鰯 ♀曽,環手朔 (書鱒鵯目鶏       15)

 b. これにそれにもう一一つそっちの。

 b .o履醐 刈葵醐 空 尋舜 ユ響唄

 この「に」は前後に対等な関係にある語を接続させる列挙・並列を表すもの である。この「に」は述語を修飾する関係にあるのではなく,前後の体言を接 続する関係にある。韓国語では擁」に翻訳される。

13) 佐久間鼎,前掲書,P、153

14) 圏広野称『構造的意味論』三星堂,1967年,p.24 15)佐久間鼎,前掲書P.158

(26)

19)資格・名目・手段       16)

 a 彼を先生に迎える。

 ぼ.ユ暑 回忌昭*哺/皇恩/立量絹 妻01出面        17)

 b. ごほうびにノートをやる。

 b . 慧*6魂/∫≧呈/≦≧呈ろ綿  きし旦暑  手叫

 この場合の「に」は「〜と(に)して」の意味を持って資格・名騒・手段を 表している。「に」の前にくる体言は動作性名詞ではなく,非動作性名詞がく

18)

る。韓国語では大体「(◇)豆」に翻訳され,「刈/端を加えて「(立)呈楠

「(立)呈硝」にして,意味をもっとはっきりさせることもある。

20)意味の強調

 a,考えに考えた末(大辞,p.625)

 a . 碧z}*(覇/司一コ 〜ぎ之種} 甚朔

 この用法は「〜する(した)上に,さらに〜する」の意味を持ちながら動詞 連用形にっき,さらに同じ動詞を続けた形で意味を強めている。すなわち,「に」

の前にくる連用形動詞に情態副詞のように次にくる動詞を修飾する資格を持た

 19)

せる。韓国語では羅列形の活用語尾「〜エ」の形で表現されるのが普通である。

2亙)尊敬表現

 a 天皇陛下には午前沁時30分,皇屋を御出発(現助,135)

 a . 電喜}端さ}凋刈芒 皇土!0入130薯,毒}盤含 著雪尋娯念淵叫

 尊敬を表す「に」の周法では「に」の前に動作性名詞,形容動詞,動作連用

16)大木隆二「格助詞「に」にみる文型のながれ」日本語学校論集6号,1978年,pp.111−129 17)大木隆二「格助詞「に」にみる文型のながれ」騒本語学校論集6号,1978年,pp.11!−129 18)大木隆二賂助詞罫に」にみる文型のながれ」薦本語学校論集6号,1978年,pp.111級29 19) 由田孝雄『日本文法学概論』宝文館ユ936年,pp.422−423

(27)

      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「輔」の比較研究(曹)      沁7 などがきて,「お(ご)〜になる」の形式で相手に対する尊敬を表現する。人 を直接指さないでその場所や方角などを代わりに立てて主体を間接的に尊敬す ることもある。韓国語の翻訳は一定ではなく,大体「〜圃刈〜苛入1謝の意味 に通じる。

22)副詞語尾として用いられる

(D すでに(◇回),大いに(ヨ端),ついでに(君エ呈),…度に(尋遇明D,

  一概に(盛暑肉皇呈),常に(脅杢}),一時に(義人國),不時に(暑入1醐),

  更に(肩薯6D,急に(者司)

(2) さいわい(に)(叫響司),ことさら(に)(望早漏),たちまち(に)(薯   望),あまり(に)(瞬早),さすが(に)(斗曽),とかく(に)(ス}環),是   非(に)(早瘡),すぐ(に)(叢話〉

(3)静かに(乙鳥司),自然に(井望司),念入りに(噌層凌),正直に(書瑚司)

 この用法では「に」が副詞語尾として用いられている。(1)の場合はいつも

「に」をとるもので,文展開能力のない体言に展開能力を与えて副詞としての 修飾機能をもたせる。②はすでに副詞としての資格を持つ語に「に」がっき,

      20>

副詞的修飾機能を明確にしている。(3>は形容動詞連用形の一種で,この場合の        21)

「に」も本質的に副詞語尾と同じ性格のものである。

 韓国語の場合「聾靖電喝「暑入極h「望入轄l」のような主として二音節の語 に現れる。この種の「喝は日本語の「に」に比べて非常に限られた範囲で用 いられる。

23)連語

20) 青木伶子「所謂翻詞語尾ジにまについて」歴代記念論集9号,明治書店,1977年,pp.952−955 21)此島正年噛語助詞の研究護桜楓社,1966年,p,72−74

(28)

 a. 〜に対して/〜哺 朝翻刈  b. 〜にとって/〜鰯 三明層

 C. 〜について,〜に関して/〜朔 著胡刈

24)「〜には〜が」の形

 a 行くには行くが少し遅れるかもしれない。(大辞,沿.625)

 a . 丹フ腫… フ}ス握} 釜量 葵暑刈王 呈暑・叫

 これは「に」の慣用句で,同じ動詞,形容詞を重ね,一応それを認めた上で,

      22)

後にその条件となる事柄を述べる言い方である。韓国語ではこのような場合,

述語の体言化形「〜7hによって表現される。つまり,「〜フ1セ〜ス複}」のよ うになるのが普通である。

25)「〜しょうとしても」の意を表す。

 a. あまりの祷けなさに,おこるにもおこれなかった。(大辞,p.624)

 & . 点出 尋碧翻刈 :聾暑 痢冑エ 胡三 邊・午叫 叡銀跨

 「に」が動詞終止形につき,後にくる動詞の可能否定形とともに「〜しよう       23>

としても」の意味を表す。韓国語では「〜浅(エ)胡三」の活用語尾に翻訳さ

れる。

26)環境条件

 a まあ,お前,子どもをおぶってこの雨にやって来たの。纏語,鼻319)

 a . 司 o}7i暑 (醤エ ◎i 瑚(期 銀覇

 この「に」は「雪」「風「雨」などの現象性を表す名詞について環境条件を

22)松村 明『暇本文法大辞典諺閥治書院,pp.62を625 23)松村 明『日本文法大辞典函明治書院,pp.62}625

(29)

      日本語の格助詞「に」と韓:国語の格助詞「(零」の比較研究(曹)       109

      2の 表すものである。この場合,動詞で示される動作はその現象の中で進行するこ

とを表す。韓国語では「蝿に翻訳される。

27)密着する対象

 a 橋の欄干によりかかって,彼はまた身の上滑を始めた。(伊,p,40)

 a .叫q潮 暴君叫 フ1朗碍,ユゼ 1斗入i く豊・硝碍馨畠 入1弩軍器

 密着する対象を表す「に」の場合,「に」の前にくる体言として空問とか物 を表す名詞がきており,述語としては「〜つく/〜つける」形と「もたれる/

       25)

のる/またがる/よりかかる/ぶつかる/ぬる」などの対象語がくる。韓国語 では「噌」「畠/暑」に翻訳される。

豊.「喝から見た日本語の格助詞「に」との対応関係 1)存在場所

 a ユ琶・9 司・セ(溺 絹セ 省楚}舎醐 告朝層 ユ唄書 看壱 刈早望暑潮

   (縮, 茎)。37)

a .彼らは空飛ぶ円盤の中に隠れてそれを拾う地球人たちの〜

 b. 碧豊噌 叫早三 薄暑含 望エ(韓診.8>

 b .家の中に誰もいないのがわかると,

 この「鰯」は存在場所を表す。「鰯」の前の体言と後ろに続く述語の条件と それに属される体言や述語の語彙的意味の性格は「に」の場合と同様であって,

日本語の「に匪に翻訳される。

2)時場合

a4)震語学研究会編『日本文法趨語論(資料編)誰!983年, p.319 25)鈴木重辛,繭掲書,P,82

(30)

110

 a. 出島望 10ぺ辱 威望盆(覇刈 豊し}府(会,p.34)

 a . 日曜日10時に秘露の前で会おう。

 b. Ol電 望豆藩論 早・合 曽三井目P(会, P.34)

 b .今度の日曜日に/ゆ何か約束ある?

 この「噛は時・場合を表す名詞に付き,動作・作用の行われる指定された 時・場合を表す用法である。日本語の「に」に翻訳される。bのような場合,

「に」が省略されることもある。

3)到達点・方向

aゴb㌶cご

煽奄 ・醤輔 響鍛奮申斗(韓P.18>

ある島に着きました。

層含鰯 吾叫

ソウルへ行く/ソウルに行く。

◎}量《痢;翔 社叫

*李君に行く/暴君のところに行く。

 この「嫡1」は到達点・方向を表す。用例Cは「に」と「朔」の前にくる体言 の条件において相違を見せている。韓国語は「。1量朔瑚 詮しもで十分である が,日本語は「李暦に行く」の文は不自然で,「李君」を「李君のところ」と かえて,「ところ」という空聞的ニュアンスを持たせると自然になる。

の比較評価の基準

a 闘志召噌7}η}金ス樽璃旦凶音堺ε糊セ癖戴むし(縮P。!40)

a .原形質に近い自然の姿をあらわすものです。

b.呈モ昇早井薯ス翻1零曽尋静振叫擁叫(縮P.153)

b 。すべての木が盆栽に向くと言うわけではありません。

(31)

      日本謡の格助詞「に」と韓国語の格助詞ド婦」の比較研究(曹)      111  この場合の「婦」は比較評価の対象を表しており,述語としては比較評価の 意味をもつものを伴う。濤本語の「に」に翻訳される。

5>基準的単位

 a 重}望朔 選遇 弓層寛}誹 a .一月に一度欠勤する。

 この「婦」は回数・基準量などを表す基準単位である。「喝の前後にはと もに数量を表す名詞がくる。臼本語の「に」翻訳される。

6)態度・関心の対象

 a 硝井 01 懸守 豊蟹書 7}超唄薯 ユ 州書旦叫,(縮 13)

 a .私がこの本に関心を寄せた理由は,内容そのものより〜

 この態度・関心の対象を表す繍」に続く述語には,次のようなものがある。

  他動詞…7ト遇u}(持つ),と超癖(感じる),叫立身(願う)

  自動詞…義心叫(腹が立つ),壮叫(生じる)

  形容詞…ロ擾}尋叫(すまない),翌叫(深い)

  その他…望磐Oi身(熱心だ),刈鯉oi叫(最高だ)

また,意味をより明確にするために「〜噌 噌翻楠を用いることもある。日 本語の「に」に翻訳される。

7)使役の対象

a. 邊・踊1;禰 碧畠 せ司端 重}て斗(洪,P,エ70)

ゴ.馬に荷物を運ばせる。

わ. 午Ol暑選急増 望1手暑 望フ『種}し}(洪, P、170)

b .妹にボタンをつけさせた。

(32)

 この「噺は使役の対象としての相手を表す。繍」に続く述語としては「さ せる」の意味を持つ使役の動詞がくる。日本語の「に」に翻訳される。

8)受身関係の出所

 a 6瞬ス回囲早ス1著畠暑叫

 a .お父さんに叱られる。

この「喝は受身関係の出所を表すものである。日本語の「に」に翻訳される。

9>原因の拠り所

 a 潤}毫}・珊 せ調セ 聖心・、

 ぎ. 風に番羽る旗:

 b. 谷零・期 セ三幅 畑谷身。(洪,P.賀1)

 む .感激*に/で涙を流した。

 この用法は原因の拠り所を表すものである。この場合の「喝はF〜婦暑φし と代替可能である。日本語の「に」または「で」に翻訳される。

10)相手としての対象

 a 臭垂 越劇毒矯 暑直鎖(重層セ 魁望新身。(韓P.13)

 a .羽衣を天女にかえしてはいけません。

 b. 暑出潮端 三豊・手妻(洪,P.170)

 b .弟に本をやる。

 相手としての対象を表すこの用法は,体言として人がきており,述語として は授受の意味を表す動詞と言語活動を表す動詞がくる。欝本語の「に」に翻訳

される。

(33)

      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「朔」の比較研究(曹)      113

1D動作作用の向けられる対象

 a Oト興層 午零胡避 (遷量含 靖暑購 司調且月,

 a .病に疲れた顔を鏡に映してみると  b. λ嚢 誓茎(甥1 暑薯 暑◇輯,

 b .新しいろうそくに火をとぼしながら

 この「喝は動作作用の向けられる対象を表すもので,「喝の前は事物を 表す名詞がきて,述語としては接着の性質を表す動詞がくる。日本語の「に」

に翻訳される。

12)動作状態をなりたたせる内容

 a. 望叫 跨エ尋セ 薯冠71含潮 層乗号層溝到 を暑鰯 溝曽尋碑  a .日米という通信技術の先進国同士の結びつきにふさわしい。

 b. 電墨筆 且念暑 紐曽董} 刈入醤醐 零く薯し}叫  b .現代の姿を反映した叙事詩に優れていた。

 この國」は,どのような根拠に基づいて述語の動作や状態を成立させてい るのか,その内容・様子等を表す用法である。日本語の「に」に翻訳される。

13)同伴・添加・対比・とりあわせ  a 量(澗 峨熱暑,巽鱒 醤}菅  a .月にむら雲,花に風

 この用法では國」の前後に対等な関係にある語がきて,対比的なふたつの ものをとりあわせ,一つに統一された意味を見せている。日本語の「に」に翻 訳される。

14)列挙・並列

(34)

114

 a, 雪朔 金噌 を 膚躰斗  a .ご飯にお酒によく食べた。

 この用法における繍」は体言を羅列し列挙する機能を果たす。この場合の

「醐」は「鱗/叫」で表すこともできる。名詞の下に用いられて二つ以上の体 言を同等な資格で列挙する。日本語の「に」に翻訳される。

15)意味の強調

 a 日干哺 曽干暑 7i看尋叫.

 a .研究に研究を重ねる。

16)連語・慣用句

 a 〜噌 銀(>i擁/〜にとって  b.〜鰯 遠山層/〜に対して  c. 〜嚇 扇面・補/〜に関して

17)環境条件

 a ◇1 瑚鰯 (場導翔 夏扇P  a .この雨にどうやって来たの

 この「喝は自然現象を表す名詞に付いて,環境条件を表すものである。日 本語の「に」に翻訳される。

18)密着する対象

 a. じ}3桝 毫}え}d瞬 7嬬鴫,

 a .嬌の欄干によりかかって,〜

(35)

      日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「(蛸」の比較研究(曹)

19>具格

 a. 望馨暑鰯 羅馬 嘆セ身.(←手毅,望豊暑呈 響含 タセ叫)

 a .煉炭の火に/でご飯をたく。

 b. 曽曾◎1 噴7糊 穀身(←材料,響蝕ol 噴フ1呈 穀qう  b .部屋の中が煙りに満ちる。

c.曽?}。1号華墨フ國/呈フ}号殻跨

。 .部屋の中が菊の香り*に/でいっぱいだ。

115

 この嫡hは手段道具,材料等を表す具格である。繍」のかわりに手段 道具,材料を表す助詞「(o)呈」に置き換えると意味が明確になる。日本語 においては「で」「に」に訳される。

鋤制限された範囲

 a. 列聾 暑 入ド書暑圃 ・慧冒ス1 鍛{} ol 7} 叡身  a .背の高い入の中で/にまぬけでない入はいない。

 b. ♀質し}丑} 噌告ス回1 6裕7㍗ 刈望 季{}7を  b 。わが国の名勝地*に/でどこが一番いいでしょうか。

 この場合「蝿の前にくる体言で範囲を指定し,「嚇に続く述語で範囲内 での評価を下す。そのため,厳密には「比較評価の基準達の範疇に属するもの

とみなされる。日本語の「で」に訳される。

21)部署的位置

 a 手騰馬 午下暑 環挙挙η}P  a 。主演に誰を当てようか

 この團」は部署的位置を表す。「輔の前にくる体書としては部署または 職責を表す言葉がくる。「喝に続く述語としてはその部署に当てる者がくる。

(36)

日本語の「に」に翻訳される。

V、格助詞『に』と『〔撫の意昧用法の対照

 第撮節と第W節において,格助詞「に」と「噌」の意味分類を考察し,対応 関係を検討してきた。本節では,これまで議論した両格助詞の意味用法を具体 的に対照・要約することにしたい。両格助詞の対応関係は表1のように表すこ とができる。

       衰唱 「に」に対する対応領域別分類 顕本語格助詞 韓国語の頬応 対  応  領  域

函1

①存在場所②時・場合③環境条件④密着対象 D基準的単位⑥漂因の拠り所⑦列挙・並列 G添加・対比・取り合わせ ⑨到達点・方向 I態度の対象・・関心の対象⑪受身の出所 K動作作用の向けられる村象

L連語としての複合助詞 M動作状態を成り立たせる内容

鰯翔 ①相手としての態象②使役の雌象 B態度・関心の秘画④受身関係の出所

(o)呈

①到達点・方向 ②変化の状態・結果 B資格・名目・手段④思考の内容

D原因の拠り所⑥動作作用の行われ方,状態 F副詞語尾

〜司 ①動作作用の霞的 暑/暑

①動作作用の向けられる対象

A態度の対象・関心の対象③到達点・方向

C動作状態を成り立たせる内容拠り所⑤密着の対象

9}/叫 ①列挙・並列 ②地瓦・評価の基準 旦叫 ①比較・評価の基準

。1/7を ①変化の状態・結果②受身関係の出所

〜エ 聖  ①強調

 表!からわかるように,日本語の格助詞「に」は韓国語「噌」「嫡切1」「(◎)

呈」r〜謝r畠/暑」r叫/聾」「皇叫」「。1/フhヂ〜エ 空」と対応している。

また,日本語の格助詞「に」の観点から韓国語の格助詞「喝との対応関係を

(37)

       臼本語の格助詞「に」と心髄語の格助詞「鰯」の比較研究(曹)

対応の程度によって分類しなおすと表2のとおりとなる。

       表窯 「に」に対する紺応程度の分布

117

対応関係 対応 領 域 韓国語の対応関係

①存在場所

②時・場合

③基準的単位 対応する ④使役の対象

D相手としての対象

嫡1

⑥同伴・添加・対比・取り合わせ

⑦環境条件

⑧連語としての複合助詞

①到達点・方向 呈,暑/暑

②態度の対象・関心の対象 垂/暑

③受身関係の出所 鰯/哺霜 。1/7!

部分的に ホ応する

④原因の拠り所 D列挙・並列

E動作作用の向けられる対象

輔/町端

量叫/:跨︒  /運百/畜

⑦動作状態を成り立たせる内容・拠所 。1/フ㍗.書/暑

⑧密着の対象 書/暑

⑨副詞語尾

①変化の状態・結果 呈,01/フ}

②比較・評価の基準 斗/斗, 才望

③動作作用の目的 暑/71 斜胡

④動作作用の行われ方・状態

対応しない ⑤思考の内容 呈/昊。1/年三

⑥資格・名目・手段 豆/呈襯

⑦意義の強調 〜エ/〜尋エ

⑧〜71芒〜ス1甦(〜は〜が)

⑨〜溝エ翻圧(〜ようとしても)

 一方,韓国語の格助詞嫡1」に対する意味用法の分析から,「噛は日本語 の「に」「で∬嫡と対応していることが示された。これを具体的にまとめた のが表3である。

 また,韓:国語の格助詞「魏1」の観点から日本語の格助詞「に」との対応関係 を対応の程度によって分類しなおしたのが表4である。

 さらに,図亙は両国語における格助詞ヂに」と「朔」の対応範囲を図式化し たものである。図1からわかるように,「に」と嫡しの対応において,日本

(38)

118

表3 補」に対する対応領域別分類 韓国語格助詞 礒本語の対応 対 応 領 域

①存在場所②時・場合③到達点・方向

④比較評価の基準⑤基準的単位

⑥態度・関心の対象 ⑦使役の対象 ⑧受身の出所

⑨原因の拠り所⑩網手としての対象

⑪動作作用の向けられる対象⑫意味の強調 ⑬動作状態を成り立たせる内容⑭連語・慣用句

⑮同伴・添加・対比・とりあわせ⑯列挙・並列

⑰環境条件⑱密着対象⑲昇格⑳制限された範囲

⑳部署的位置

で ①制限された範囲 ②具格③原因の拠り所

ヂφ」 ①時間的単位

表曝 瞬1」に対する対応程度の分布

対応関係 紺応 領 域 日本語の対応関係

①存在場所②時・場合③到達点・方向

④比較評価の基準⑤基準的単位

⑥態度・関心の対象⑦使役の対象⑧受身の出所

⑨原因の拠り所⑩相手としての対象 対応する ⑪動作作用の向けられる紺象

K動作状態を成り立たせる内容

⑬同伴・添加・対比・とりあわせ

⑭連語・慣用句⑮列挙・並列⑯意味の強調

⑰環境条件⑱具格⑲密着対象

⑳制限された範囲⑳部署的位置 部分的に

ホ応する ①制限された範囲②出格③原因の拠り所 に/で

対応しない 「φ」

語の格助詞「に」をカバーするために,韓国語では「鰯」をはじめとする数多 くの助詞が当てられている。しかし,それにもかかわらず「蝿がもっとも広 い領域をカバーしていることは注目される。一方,韓国語「喝の場合は,日 本語「に」が大部分をカバーしており,「で」や「画もまれながら使われてい

る。そこで,日本語「に」の意味範ちゅうを充足させるためには韓国語の数多 くの助詞が必要であり,逆に,韓国語の「蝿の場合はそのほとんどが「に」

の範ちゅうの中で表現が可能であるといえる。

(39)

日本語の格助詞「に」と韓国語の格助詞「州」の比較研究(曹)

   図1 格助詞「に」と「司1」の対応範囲

119

章勉(シ

VI.む す び

 これまで現代日韓両国語の格助詞,「に」と「州」の機能と意味用法を対照 し,それらの類似点と相違点を考察した。前述したように,格助詞「に」と

「州」の機能については次のことがいえよう。すなわち,日本語の格助詞「に」

は,名詞と共に連用修飾語を作る機能,対等関係を表す機能,そして主語を表 す機能の三つの機能を持つのに対し,韓国語の格助詞「州」は,連用修飾語を 作る機能と対等関係を表す機能の二つの機能しか持たない。要するに,機能の 面において,日本語の格助詞「に」の方が韓国語の格助詞「明1」よりその幅が 広いことになる。

 一方,格助詞「に」と「司1」の意味用法についても興味深い結果が出ている。

すなわち,両格助詞のカバーする意味領域が同一ではないことや意味論的観点 からみて両格助詞は多義的で,場合によっては同音異義的な属性を有している ことである。結局,両国語の文法体系において格助詞という文法要素の存在は 両国語を同質的位置におく要件となるが,実際には現代両国語の格構造と範

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