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患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関する研究 

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Academic year: 2022

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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業) 

  総合研究報告書 

 

患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関する研究 

研究分担者  執印太郎  高知大学教育研究部医療学系臨床医学部門・泌尿器科学

   

研究要旨 

本研究は、患者自らが研究者と協働し、最新の IT 技術を用いてデータベースを構築す るための端緒となる。希少疾患や難治性疾患患者による患者主体の患者レジストリを作成 し、最新の IT 技術を用いてデータベース化する。患者報告アウトカム(Patient‑Reported  Outcome; PRO)をテキストマイニング等の手法を用いて解析する。この研究により、希少 疾患や難治性疾患に対する全人的、個別的、継続的データを蓄積することができる。これ らのデータは新規医療技術開発の際の臨床評価項目として使用可能であり、患者主体の医 療の実現に向けて、医療の質を改善することが期待される。欧米では徐々に PRO が評価基 準として用いられているが、我が国ではまだ用いられていないため、フォン・ヒッペル・

リンドウ(VHL)病患者会の協力を得て、我が国でも患者レジストリの作成や、PRO を用い た新規医療技術開発の可能性を検討した結果を述べる。 

   

共同研究者 

田村  賢司(高知大学・泌尿器科学) 

山崎  一郎(高知大学・泌尿器科学) 

新開真由美(ほっと Chain(患者会))   

A.研究目的 

難治性疾患の新規治療技術の開発のためには 病気の経過を患者ごとのレジストリとしてまと め、疾患単位で参照できるように収集する必要が ある。このため、本研究では患者主体の患者レジ ストリとPROを含めたデータベース構築の可能性 を検討する。 

B.研究方法 

  VHL 病患者会の協力のもと、平成 24 年度は、

インターネットを介して、患者自らが研究者と 協働して患者レジストリの作成を行った。平成 25 年度は、患者レジストリに登録された患者に 紙媒体の自己記入式質問票を送付し、自己記入 式質問票の回収率と回答率を検討し、PRO が新規 医療技術開発の際の臨床評価項目として使用可 能性を評価した。 

(倫理面への配慮) 

患者団体、患者支援団体が中心となり、調査視

点が調査対象と重なるために、倫理的問題がおき にくいが、患者レジストリの作成には、患者の自 発的な入力や協力を前提とするだけでなく コン ピュータ上での情報管理や文書管理を徹底した 上で、個人情報の扱いに関する十分な説明を行っ たうえで行う。

C.研究結果 

患者レジストリの登録サイトのユーザーイン ターフェイスは秀逸で、非常に操作しやすいも のであった。我々は VHL 病の全国疫学調査をお こなってきたが、VHL 病の様に複数の診療科を受 診する疾患では、患者の重複登録の問題が生じ る。このため正確なデータベースの構築には時 間と労力が必要である。本研究のシステムであ れば信頼性の高い患者レジストリを構築できる と考える。PRO の回収率は 51%、回答率は 88%

と高率であった。有効な薬剤のない希少疾患患 者において、直接利益をもたらす可能性のある 臨床試験であれば、積極的な参加が期待できる と考えられた。したがって信頼性や妥当性を担 保された PRO は、本邦においても新規医療技術 の評価に十分使用できる可能性が示された。 

D.考察 

近年、欧米では新規薬剤の臨床試験の評価項

(2)

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業) 

  総合研究報告書 

 

目に患者の症状や QOL を反映しやすい PRO を用 いられてきているが、本邦では PRO を積極的に 使える環境がなかった。この研究では、IT 技術 を駆使して患者レジストリの作成や PRO の信頼 性や妥当性の検討を行った。有効な薬剤のない 希少疾患や難治性疾患患者は、新規医療技術に 関する関心が高く、本研究で試みた様な患者レ ジストリへの積極的な参加が期待できる。自己 記入式質問票にも積極的に回答しており、PRO の信頼性や妥当性も担保されると考えられた。

この様に患者が積極的に参加できるシステムに より患者の症状や QOL や療養環境を反映した治 療研究が可能になる。治療研究・治験における PRO 評価の方法を確立し、 閲覧可能にすること で専門研究者がおこなう治療技術開発研究が支 援され、研究期間の短縮も期待される。 

E.結論 

希少疾患や難治性疾患における患者レジスト リと PRO の組み合わせは、新規医療技術開発の 際の重要なデータベースとして使用できる可能 が示された。 

F.研究発表  1.論文発表 

1. 執印太郎、篠原信雄、矢尾正祐、山崎一郎、

田村賢司、鎌田雅行.von Hippel‑Lindau 病全国疫学調査における腎癌の臨床的解 析、日本泌尿器科学会雑誌、2012;103(3):

552‑556. 

2. 執印太郎、矢尾正祐、篠原信雄、山崎一郎、

田村賢司.本邦von Hippel‑Lindau病に伴 う褐色細胞腫の特徴:全国疫学調査とその 解 析 結 果 、 日 本 泌 尿 器 科 学 会 雑 誌 、 2012;103(3):557‑561. 

2.学会発表    該当なし 

G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む) 

1.特許取得 

  該当なし  2.実用新案登録 

  該当なし  3.その他 

該当なし 

参照

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