大規模地震津波を想定した避難施設の評価と 配置計画に関する研究
高知工業高等専門学校 環境都市デザイン工学科教授
竹 内 光 生
研究の内容と構成
第2章 避難施設計画に関する従来の研究と本研究の位置付け
・住民の避難行動 ・避難経路 ・施設配置 第1章 序論
・研究の背景 ・目的 ・内容
第7章 道路区間の閉塞を考慮した避 難場所の最適配置解析
第3章 津波の侵入方向を考慮した住民の避難行動モデルの構 築と避難施設利用領域の推定
第6章 道路区間の閉塞 を考慮した避難経路の解 析
第4章 施設容量を考慮 した避難場所の整備状況 の評価
第5章 津波の侵入方 向を考慮した避難場所 の最適配置解析
第 1 章 研究の背景
明治以降,我が国で
100
人以上の死者・行方 不明者が出た地震の件数:19
件そのうち地震・津波の複合災害件数:
10
件次回の
M8.4
規模の南海地震が想定されている.その発生時期は,我々や子供や孫が遭遇する 確率は,ほぼ
100%
とされる.また,浸水予想市街化区域の拡大
わが国は地震・津波対策の必要な国である.
研究の目的
我が国に繰返し来襲する巨大地震津波に備 え,逃げるを前提とした人的被害の最小化
現状の避難施設,道路網の評価
予想最大地震・津波規模を設計条件として,
距離的・時間的カバー領域に,浸水予想領 域の住民が避難することのできる緊急一時 避難場所を配置する可能性の検証
施設最適配置問題は,昔からの課題
第 2 章 施設配置問題
ボロノイ図(連続空間:施設配置の基礎理論)
仮定:施設の利用者は,利用者の居場所から一番近い距離 の施設を利用する.
仮定:利用者は,施設までの距離を直線距離で判断する.
組合わせ最適化問題(離散的空間)
総移動量(人・
m
)を最小化するように施設配置 総所要時間を最小化するように施設配置総到達率を最大化するように施設配置 列挙法
混合整数線形計画法(
MIP:Mixed Integer Programming)
住民の避難行動
避難速度
大人
1.42m/s
,子連れ1.02m/s
老人
0.948m/s
,老人グループ0.751m/s
0.833m/s(500m/10
分)
・・・1
近隣住区に1
ヶ所の避難 場所避難開始遅れ
避難を要すると判断するまでの認知時間 避難準備の時間
避難行動を開始しようとするまでの意思決定時間 これらは,互助,共助可能時間でもある.
避難経路(2地点間)
直線(
1
本)最短経路(
1
本)道路網
生起確率(到達率)最大の経路(
1
本)道路網
道路区間の閉塞率
ネットワークの連結信頼性確率(複数の経路)
道路網
道路区間の閉塞率 代替路で補完
本研究の位置付け
従来および現状
主な課題は,高台に向かう浸水予想域および境界域の住民 の避難行動問題である.
「逃げない」,「逃げ遅れる」→適正な情報,組織的対応 → 逃げられる.
「逃げられない」 → 移転
本研究
避難困難な地域の検証問題がある.
避難移動距離検証問題 施設容量検証問題
避難場所配置問題は,一般施設の配置問題と異なる.
GIS
を用いた住民避難行動モデルの構築とMIP
手法の検証第 3 章 津波の侵入方向を考慮した 住民の避難行動モデルの構築
(xc,yc) (xp,yp)
(xs,ys)
X Y
海岸 避 難 所 現 在地
安 全 側
危 険 側
境 界線
安 全側 危険 側
境界線の式
y(x)=-{(xp-xc)/(yp-yc)}×(x-xp)+yp
従って、安全側:
(y(xs)-ys)
×(y(xc)-yc)
≦0
危険側:(y(xs)-ys)×(y(xc)-yc)>0海岸線地点からの浸水領域のシミュレーション 計算結果の事例(須崎市,標高
6m
未満)避難困難領域
(須崎市,標高6m未満,500m/10分,経路距離換算係数1.2,半径417m)
第 4 章
津波高さ別の浸水状況
(須崎市)津波高さ 3m 6m 9m
浸水面積(km
2
) 2.33 5.33 7.76 浸水地域に住む人数(人) 4,639 8,249 11,552津波が到達する施設数 4 8 10
地震発生から津波が到達する
までの時間(分) 25〜28 25〜30 25〜29
津波高さの違いにより浸水領域等に大きな相違が生じることが 明らかになった.
しかし,波の到達時間には大きな差が出ないと予測される.地 震発生時には規模に関係なく即座に避難を開始することが肝要で あると言える.
避難場所選択行動の違いによる各避難場 所の利用者数の推定(須崎市,標高
12m
以下避難)0 200 400 600 800 1000 1200 1400
人 数
(人)
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 避難場所番号
0 200 400 600 800 1000 1200 1400
人 数
(人)
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 避難場所番号
Case1
(任意の方向の最も近い避難場所を選択)Case2
(高台の方向の最も近い避難場所を選択)各避難場所に避難してくる人数に大きなばらつきがみられる.
各避難場所に避難できる人の割合
(須崎市,標高
12m
以下避難)時 時 時
3m 6m 9m
( 任 意 の 方 向 の 最 も 近 い 避 難 場 所 を 選 択 ) Case1
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
避難場所の種類と収容人数
1 1000 公民館 10 350
2 1000 11 1450
3 1000 12 1450
4 1500 13 750
5 1500 15 150
6 650 16 −
7 100 17 1000
8 400 18 350
9 200 19 800
14 200 20 250
21 100 22 300
その他
(ホテル・マ ンション等)
種類 避難場所
番号
収容人数
(人) 種類
学校
市役所・庁舎
市民センター
公園・神社
避難場所 番号
収容人数
(人)
病院
山(高台)
施設容量制限および避難場所選択行動の 違いによる各避難場所の利用者数の推定
(須崎市,標高
12m
以下避難)Case1
(任意の方向の最も近い避難場所を選択)0 500 1000 1500 2000 2500
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 避難場所番号
人 数
(人)
4番目に近い避難場所 に避難する人数 3番目に近い避難場所 に避難する人数 2番目に近い避難場所 に避難する人数 1番目に近い避難場所 に避難する人数
0 500 1000 1500 2000 2500
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 避難場所番号
人 数
(人)
4番目に近い避難場所 に避難する人数 3番目に近い避難場所 に避難する人数 2番目に近い避難場所 に避難する人数 1番目に近い避難場所 に避難する人数
Case2
(高台の方向の最も近い避難場所を選択)2
番目,3
番目,4
番目に近い避難場所に避難せざるをえない人も相当数存在する. その 割合は,Case2
よりもCase1
が大きい。施設容量制限時、各避難場所に避難でき る人の割合
(須崎市,標高
12m
以下避難)時 時 時
3m 6m 9m
( 任 意 の 方 向 の 避 難 場 所 を 選 択 ) Case1
時 時 時
3m 6m 9m
( 津 波 の 侵 入 方 向 と 反 対 側 の 避 難 場 所 を 選 択 ) Case2
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
0 20 40 60 80 100
1 4 7 10 13 16 19 22 避難場所番号
(%)
第 5 章 既設避難場所の分担エリア
(津波を考慮しない)
①・既 1154 410 214 186
②・既 126 176 16 126
③・既 525 262 81 154
④・既 42 186 7 157
⑤・既 315 221 37 118
⑥・既 459 482 120 262
平均移動 距離(m) 避難所
番号
集積人口
(人)
最大移動 距離(m)
総移動距 離(人・km)
既設避難場所の分担エリア
(津波を考慮)
①・既 787 416 161 205
②・既 168 194 23 137
③・既 315 262 43 262
④・既 357 323 71 198
⑤・既 147 241 19 127
⑥・既 960 449 272 284 総移動距
離(人・km)
平均移動 距離(m) 避難所
番号
集積人口
(人)
最大移動 距離(m)
既設避難場所と避難場所候補地点
①・既 市民文化会館 1350 ⑪ 東古市町
②・既 須崎公民館 400 ⑫ 青木町
③・既 社会福祉センター 500 ⑬ 新町1丁目
④・既 第二須崎総合庁舎 1000 ⑭ 東糺町
⑤・既 高陵地区建設協会 500 ⑮ 鍛冶町
⑥・既 城山 不定 ⑯ 原町1丁目
⑦ 南古市町 ⑰ 港町(南)
⑧ 浜町2丁目 ⑱ 港町(中央)
⑨ 浜町1丁目 ⑲ 原町2丁目
⑩ 新町2丁目 ⑳ 港町(北)
避難所
番号 場所 避難所
番号 場所
施設容量 (人)
3箇所の追加配置計画の分担エリア
(津波を考慮)
①・既 535 277 92 172
②・既 168 194 23 137
③・既 189 206 17 90
④・既 273 253 47 174
⑤・既 105 145 11 104
⑥・既 273 419 60 222
⑯ 436 283 61 141
⑫ 500 289 76 152
⑱ 255 344 31 123
避難所 番号
集積人口
(人)
最大移動 距離(m)
総移動距 離(人・km)
平均移動 距離(m)
避難場所配置数と移動距離の関係
100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
移
動 距 離 m
& 人・km
総移動距離人・km
最大移動距離m
避難場所配置数と分担エリア人口の関係
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
避難所数分 担 エ リ ア 人 口
(人)
H06 H01 H02 H03 H04 H05 H16 H12 H18 H11 H13 H09 H19
第6章 道路区間の閉塞を考慮した 避難経路の解析
高台への緊急1次避難
道路網の各ノード → 高台
避難路整備による道路網構成の評価
地震による道路区間の閉塞
経路=「避難路」+「その他の道路」
「避難路」:閉塞の危険性なし
「その他の道路」:閉塞の危険性あり
指標:到達率,総移動距離
避難経路の分析
経路の到達率と到達不能率
pi:道路網の2つのノード間リンクの閉塞率 Ps=Π(1−pi) :到達率(通過率)
Pb=1−Ps=1−Π(1−pi) :到達不能率
避難経路
「避難経路」=「到達率最大の経路」+「代替路」
乱数、代替路の効果、地震事後評価
「避難経路」=「到達率最大の経路」
最も重要な避難経路、避難経路網、地震事前評価
解析事例
モデル、須崎市
モデル
避難:高台←道路網の各ノード
道路網構成
ノード数:9 n1〜n9
リンク数:12 L1〜L12
高台:1 リンク長 横:100m 縦:60m
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台
迂回経路事例
(n2→高台:8通り)n1 n2
Height L1
n1 n2
L3
L7 L8
Height
n1 n2
n4 n5
n7 n8
L5
L7 L8
L10 L11
Height
n1 n2
n4 n5
n7 n8
L4
L5 L6
L7 L8
L10 L12
Height
n6
n9
(a) L1
通行可(b) L1
通行不可(c) L1,L3
通行不可(d) L1,L3,L11
通行不可n1 n2
n4 n5
L2
L3 L4
L7 L9
Height
n1 n2
n4 n5
n7 n8
L2
L4
L5
L7 L9
L10 L11
Height
n1 n2
n4 n5
n8 L2
L6
L7 L9
L11 L12
Height
n1 n2
n4
n7 n8
L2
L5 L6
L7 L9
L10 L12
Height
n3
n6
n9 n3
n6
n9 n3
n6 n3
n6
L3
(e) L1,L8
通行不可(f) L1,L8,L3
通行不可(g) L1,L8,L4,L5
通行不可(h) L1,L8,L4,L11
通行不可最大迂回経路
n2 n3
n4 n5
n6
n7 n8 n9
高台 高台
高台 高台
高台 高台 高台 高台
閉塞していない道路網リンクのうち最短経路 1万回計算時の最大移動距離より推定
迂回度
1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9
0 100 200 300 400
平時距離 被
災 時
/ 平 時
閉塞率0.4
1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9
0 100 200 300 400
平時距離 被
災 時
/ 平 時
閉塞率0.8
・中規模地震の場合(リンク閉塞率0.4),避難場所に近い場所ほど迂回度は高くなる.
・大規模地震の場合(リンク閉塞率0.8),迂回する余裕はなく,できるだけ最短経路で逃げる必要がある.
避難路の配置
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台
避難路
避難路 避難路
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台
Case1
(避難路左)一定(避難路なし)
Case3
(避難路右)Case2
(避難路中央)リンク閉塞率
2ランク 避難路
pi
=0
その他の道路
pi
=0.1
〜0.8
高台への到達確率
0 20 40 60 80 100 120
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
閉塞率 到
達 確 率
一定 case1 case2 case3
到達確率の順位
1. Case1
2. Case2
3. Case3
4.
一定特に、
Case1
は、リンクの閉塞率が大きい場 合に到達確率大。
総移動距離
1 1.05 1.1 1.15 1.2 1.25 1.3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
閉塞率 被
災 時
/ 平 時
一定 case1 case2 case3
放物線ピーク
迂回可能→
迂回困難
0.4
→0.5
〜0.6
避難の方向
Case1
:高台方向Case2
:高台+迂回Case3
:迂回方向須崎市の事例
(避難路の設定:その1)数値地図
2500
空間データ基盤 道路幅員
3m
以上道路網構成
ノード数:
249
最大リンク数:716
(往復)
高台:2
須崎市の事例
(避難路の設定:その2)(c)及び海岸線1 (d)及び海岸線2
到達確率
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
閉塞率 到
達 確 率
一定
(a)国・県道
(b)国・県道・アクセス路 (c)及び海岸線1
(d)及び海岸線2 (e)及び海岸線3 (f)及び海岸線1〜3
到達確率の変化
国・県道の効 果大
アクセス道の 効果大
海岸線の効果 は今後の検討 課題
総移動距離
0 0.5 1 1.5 2 2.5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
閉塞率 被
災 時
/ 平 時
一定
(a)国・県道
(b)国・県道・アクセス路 (c)及び海岸線1
(d)及び海岸線2 (e)及び海岸線3 (f)及び海岸線1〜3
総移動距離の変化
国・県道による 迂回可能大
アクセス道によ る高台方向可能 大
海岸線の効果は 今後の検討課題
最短距離経路網の解析結果
右側の高台は城山、左側の高 台は糺鴨神社である。大きい
〇印で示している。
2つの高台の分担域のノード が示されている。
2つの高台に向かって、Tree 状に集合する避難経路の状況 が示されている。道路上に歩 行の障害となるものが無く、
短時間に最も早く避難しよう とする場合の方向が示されて いる。
城山の分担域は、ほぼ昭和の 南海道地震時の浸水領域であ る。津波の進入方向を「津波 の進入」として矢印で示す。
城山(高台)に向かうこのリ ンクの始点ノードから50m 以内に法生寺があり、昭和の 南海道地震時に多くの人が避 難している。
最大到達率の経路探索
最大到達率の経路(積の式)
Ps
=Π(1
−pi)
変換式logPs
=Σlog(1
−pi) Li
=|log(1
−pi)
|最大到達率の経路(和の式/ダイクストラ法)
Ls
=ΣLi
Ps
=10
^(
−Ls)
閉塞率2ランク:
0,0.1
閉塞率=閉塞率のランク+リンク長/10万 リンク長:最大約400mとなっている。
避難経路網の解析結果
(閉塞率一定:避難路なし)
2つの高台に向かって、
Tree
状に集合する避難経 路の状況は、最短距離経 路時の避難経路と類似し ている。経路上のノード数によっ て経路の到達率の値が決 まるために、ノード数の 少ない経路を避難経路と して探索している。
最短距離経路時の分担域 はほぼ満足されている。
しかし、糺鴨神社の分担 域にある一部のノードか ら、城山に向かう避難経 路が伸びている。
避難経路網の解析結果
(避難路:国道・県道・アクセス路及び海岸線1〜3)
2つの高台に向かって、
Tree
状に集合する避難経路の状況 が示されている。ノードから国道・県道上を迂 回し、高台に向かう避難経路 の状況が示されている。
南側の海岸に近いノードから,
海岸線1〜3の避難路に向かっ て,
Tree
状に集合する避難経 路の状況が示されている。海岸から高台に延びる避難路 の本数が多いほど,避難経路 は単純化される状況を示して いる。
最短距離経路時の分担域はほ ぼ満足されている。
連結信頼性解析(乱数による解析結果 )
代替路の効果
移動距離と到達率(閉塞率0.1
)総移動距離 最大移動距離
平均移動距離 平均到達率 最小到達率 一定(避難路なし)144727 2863 581 0.95 0.62
(a)国・県道 141130 2716 567 0.97 0.68
(b)国・県道・アクセス路
131651 1989 529 0.97 0.68
(c)及び海岸線1 131255 1893 527 0.97 0.68
(d)及び海岸線2 131246 1989 527 0.97 0.68
(e)及び海岸線3 130523 1989 524 0.97 0.68
(f)及び海岸線1〜3
129761 1893 521 0.97 0.68
総移動距離 最大移動距離
平均移動距離 平均到達率 最小到達率最短距離経路 123143 1566 495 - -
一定(避難路なし)
135229 1694 543 0.39 0.13
(a)国・県道 285722 2216 1147 0.58 0.31
(b)国・県道・アクセス路
152007 1610 610 0.78 0.42
(c)及び海岸線1 154235 1726 619 0.80 0.42
(d)及び海岸線2 156399 1610 628 0.81 0.42
(e)及び海岸線3 147316 1610 592 0.80 0.42
避難経路網(生起確率最大の経路の解析結果 )
第7章 道路区間の閉塞を考慮した 避難場所の最適配置解析
住民の避難経路選択行動
通過率が最大となる経路を探索.
迂回行動の発生.
避難路(閉塞率
0
)配置の変化による総到達率の検証.避難路配置に対応した最適避難場所配置位置の検証.
高台方向制限や施設容量制限を追加した場合の最適 避難場所配置位置の検証
混合整数計画法( MIP)
目的関数(総到達率の最大化)
Maximize W=ΣΣ
PsijXij
制約条件
Σ
Xij ≦ Pi
:移動人口の制限 ΣZj = K
:施設数の制限−
Zj + Xij/Pi ≦0
(ただし, Pi
>0) :設計変数の関係式 ΣXij ≦ Mj
:施設容量の制限解析モデル
Case1 Case2 Case3 Case4
(避 難 路 な し ) (避 難 路 左 ) (避 難 路 中 央 ) (避 難 路 右 )
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
X Y
X Y
X Y
X Y
避難路 避難路 避難路
高台 高台 高台 高台
・
避難路リンク閉塞率0.0
・その他リンク閉塞率
0.4
解析条件
到達率の計算結果(高台のみ)
Case1 Case2 Case3 Case4
3.84 5.88 4.84 4.22
総 到達率
0.43 0.65 0.54 0.47
平均
解析の条件
高台
K Pi
経路 避難所 の配置 位置 避難 施設容 量 計算例1
既知2 1
避難 経路 任意の方 向 制限な し 計算例2
既知2 1
避難 経路 高台 方向 制 限な し 計算例3
既知2 1
避難 経路 高台 方向 制 限あ り計算例 1 (任意方向)
避難所を1カ所追加することにより、到達率は改善される。
計算例1では、到達率の改善幅の大小関係は、
Case4>Case3>Case1>Case2である。
また、改善後の到達率の大小関係は、Case2=Case3>Case4>Case1であ る。
到 達 率 の 計 算 結 果
計算例 1 (施設配置:任意方向 施設容量:考慮なし) ,
Case1 Case2 Case3 Case4
5.72 7.00 7.00 6.76
総到達率
1.88 1.12 2.16 2.54
改善幅
移動人口の視覚的表現(計算例1)
それぞれのモデルにおいて、ノードから施設へ避難する到達率を最大化するために、最も 効果的な位置に、1つの避難施設が配置されている。
各ノード人口は、高台あるいは追加避難施設のいずれかに避難している。また、各ノード 人口は、できるだけ避難路に沿って、高台あるいは追加避難施設に避難している。
高台と反対側の避難施設場所を利用するノードが存在する。
Case1
ではn5,
n6,
n7
である。Case2
ではn3
である。Case3
ではn7
である。Case4
ではn5,
n8
である。高台と追加避難施設の分担エリアは、明確に、2つのエリアに分割される。
Case1 Case2 Case3 Case4
(避 難 路 な し ) (避 難 路 左 ) (避 難 路 中 央 ) (避 難 路 右 )
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
高台 高台 高台 高台
:避難路 避難路 避難路
避難路
計算例 2 (高台方向)
避難所を1カ所追加することにより、到達率は改善される。
計算例2では、到達率の改善幅の大小関係は、
Case4=Case3>Case1>Case2である。
また、改善後の到達率の大小関係は、
Case2=Case3>Case4>Case1
であ る。計算事例1と比較して、避難所を高台方向のみから探索するために、
表 到 達 率 の 計 算 結 果
計算例 2 (施設配置:高台方向 施設容量:考慮なし) ,
Case1 Case2 Case3 Case4
5.48 6.76 6.76 6.14
総到達率
2.00 0.88 1.92 1.92
改善幅
移動人口の視覚的表現(計算例2)
それぞれのモデルにおいて、ノードから施設へ避難する到達率を最大化するために、最も 効果的な位置に、1つの避難施設が配置されている。
各ノード人口は、高台あるいは追加避難施設のいずれかに避難している。また、各ノード 人口は、できるだけ避難路に沿って、高台あるいは追加避難施設に避難している。
各ノードの避難人口は、高台側の避難施設に避難する。
高台と追加避難施設の分担エリアは、明確に、2つのエリアに分割される。
Case1 Case2 Case3 Case4
(避 難 路 な し ) (避 難 路 左 ) (避 難 路 中 央 ) (避 難 路 右 )
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
:避難路 避難路 避難路
避難路
高台 高台 高台 高台
計算例 3 (高台方向,施設容量制限)
避難所を1カ所追加することにより、到達率は改善される。
計算例3では、到達率の改善幅の大小関係は、
Case4>Case1>Case3>Case2である。
また、改善後の到達率の大小関係は、
Case2>Case4>Case3>Case1
であ る。計算例2と比較して、施設容量制限を受けたCase1とCase3の到達率は
到 達 率 の 計 算 結 果
計算例 3 (施設配置 高台方向 施設容量 : , : Mj=3 )
Case1 Case2 Case3 Case4
5.25 6.76 6.04 6.14
総到達率
1.41 0.88 1.20 1.92
改善幅
移動人口の視覚的表現(計算例3)
Case1 Case3
(避 難 路 な し ) (避 難 路 中 央 )
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
n1 n2 n3
n4 n5 n6
n7 n8 n9
L1 L2
L3 L4
L5 L6
L7 L8 L9
L10 L11 L12
:避難路 避難路
高台 高台
それぞれのモデルにおいて、ノードから施設へ避難する到達率を最大化するために、最も 効果的な位置に、1つの避難施設が配置されている。
各ノード人口は、高台あるいは追加避難施設のいずれかに避難している。また、各ノード 人口は、できるだけ避難路に沿って、高台あるいは追加避難施設に避難している。
各ノードの避難人口は、高台側の避難施設に避難する。
高台と追加避難施設の分担エリアは、明確に、2つのエリアに分割されない。
Case1
では、n9
の避難人口が、追加避難施設の分担エリアを通過して、高台に避難する。Case3では、n3,n6,n8,n9の避難人口が、追加避難施設を通過して、高台に避難する。
第 8 章 本研究のまとめ
想定される最大規模の地震・津波に備えるための適切な避難 場所・避難経路を確保するための実用的・合理的な評価手法 を提案した.
避難経路解析では,
GIS
道路網の道路区間(リンク)ごとの属 性データ,距離,所要時間,通過率(1−閉塞率)のいずれか を主,他を従とした解析が可能である.施設配置問題では,一般に用いられている列挙法では解くこ とが困難とされる規模の施設容量問題を,定式化し,
MIP
で解 くことができる.施設容量の制限を加えた場合など,2番目,3番目に近い避 難場所への避難行動の動線に,他の避難場所に向かう避難 行動の動線と織込み現象が発生するなどその検証が必要で ある.
追加事例. 8-2005. 3 漁村における津波対策基本方針検討委員会
避難歩行速度低減率を考慮した避難行動分析
上ノ加江の地域特性 上ノ加江の地域特性
総人口夜間892人,昼間815人 (2000年国勢調査)
世帯数404世帯
65歳以上全体の4割 高齢化 上ノ加江の道路延長9252m
幅員1m未満→約
4 %
2m未満→約39 %
3m未満→約57 %
4m未満→約79 %
全体的に見て狭幅員※多少のガレキは乗り越えて避難
上ノ加江小学校
追加事例.
避難歩行速度低減率算定法 避難歩行速度低減率算定法
F=[W 1 ×F 1 /(W-W 3 )+W 2 ×F 2 /(W-W 3 )+{W-(W 1 +W 2 +W 3 )}
×1.0/(W-W 3 )]×T
避難歩行速度低減率(F)の算定諸量
W 全幅(m) F 交差点間における低減率 W1 変状のあるブロック塀(m) F1 ブロック塀:0.7 W2 新耐震以前の平屋建て(m) F2 建物:0.5
W3 新耐震以前の2階建て(m) T 昼間:1.0,夜間:0.9
幅員 低減率
追加事例.
避難速度の実証実験実証実験
•
道路状況イメージ•
採用値採用値 基本速度 20名グループ走行速度(最後尾) 1.596m/s
疲労係数 C
1=0.9 援助率 C
2=0.9 現実率 C
3=0.8
ブロック塀倒壊による低減 F
1=0.7 建物倒壊による低減 F
2=0.5
昼夜率 T=0.9
1.22m
2/ 1.034m/s 項目
1.596×0.9×0.9×0.8より 基本速度
に係る低
減率
漁村にお
ける避難
避難速度
にかかる
低減率
避難路幅
追加事例.
基本モデルによる避難速度低減率判定法 基本モデルによる避難速度低減率判定法
模 式 図 概 要 参 考 事 例
避 難 可 能 ブ ロ ッ ク 塀 高 さ
w1=H分 閉 塞 低 減 率 (案 ): 0.7
避 難 可 能 w2=1.0〜 3.0m閉 塞
低 減 率 (案 ): 0.5 避 難 不 能 w3=1.0〜 3.0m閉 塞
低 減 率 (案 ): 0 項 目
変 状 の あ る ブ ロッ ク 塀
平 屋 建 て 新 耐 震 以 前 の 建 物
2 階 建
て 小学校小学校
(高台)(高台)
追加事例.
ブロック塀や家屋による障害
ブロック塀や家屋による障害linklink
各要素が影響を与える
各要素が影響を与える link数 link 数
ブロック塀ブロック塀
平屋建て 平屋建て
2階建て 2階建て
22
64
74
※総link数 263
要素 link 数 割合( %)
ブロック塀 22 8
平屋建て 64 24
2階建て 74 28
合計 160 61
小学校小学校
(高台)(高台)
追加事例.
閉塞閉塞linklink&&通行可能通行可能linklink
要素 link数 割合(%)
閉塞link 66 25 通行可能link 197 75 合計 263 100
閉塞
閉塞link数&通行可能
link数&通行可能link link 数
数 閉塞link数 66通行可能
link
数 197高台に到達できない
『node数27&人数142』
小学校小学校
(高台)(高台)
追加事例.
障害障害linklinkを想定した避難経路解析を想定した避難経路解析
所 要 時 間 ( m i n ) n o d e 数 人 数 0 〜 5 未 満 1 5 1 5 5 〜 1 0未 満 6 0 2 5 1 1 0 〜 1 5 未 満 3 8 2 1 3 1 5 〜 2 0 未 満 4 3 2 0 1 2 0 〜 2 5 未 満 1 2 7 0 到 達 不 可 能 2 7 1 4 2
合 計 1 9 5 8 9 2
移 動 距 離 ( m) n ode数 人 数
0〜 300未 満 24 127
300〜 600未 満 64 270 600〜 900未 満 36 195 900〜 1232未 満 44 158
到 達 不 可 能 27 142
合 計 1 95 892
所要時間別
所要時間別 node数&人数
node数&人数
移動距離別
移動距離別 node数&人数
node数&人数
安全に避難可能 総人数266 全体の割合30%
小学校小学校
(高台)(高台)
追加事例.
linklinkの整備を想定した避難経路解析の整備を想定した避難経路解析
小学校小学校
(高台)(高台)
避難経路網に特に影響を与 えると思われる4つのlink の幅員を6mに拡幅
閉塞するlink(link数1)
通行可能幅員はあるがきわ めて狭い(link数3)
追加事例.
linklinkの整備を想定した避難経路解析の整備を想定した避難経路解析
小学校小学校
(高台)(高台)
所 要 時間 ( min) node数 人 数 0〜5未 満 18 107 5〜10未満 86 351 10〜15未満 59 283
15〜20未満 5 9
20〜25未満 0 0
到 達不 可 能 27 142
合計 195 892
移 動 距 離 ( m) node数 人 数 0 〜 300未 満 27 158 3 00〜 600未 満 95 477 6 00〜 900未 満 45 115 900 〜 1232未 満 1 0
到 達 不 可 能 27 142
合 計 195 892
所要時間別
所要時間別 node
node数&人数
数&人数移動距離別
移動距離別 node数&人数
node数&人数
安全に避難可能 総人数458 全体の割合51%
追加事例.
避難場所を2ヶ所に設置 避難場所を2ヶ所に設置
小学校小学校
(高台)(高台)
所要時間(min) node数 人数 0〜5未満 36 155 5〜10未満 108 430 10〜15未満 24 165
15〜20未満 0 0
20〜25未満 0 0
到達不可能 27 142
合計 195 892
移 動 距 離 ( m) node数 人 数
0〜 300未 満 58 286
300〜 600未 満 102 451
600〜 900未 満 8 13
900〜 1232未 満 0 0
到 達 不 可 能 27 142
合 計 195 892
所要時間別
所要時間別 node数&人数
node数&人数
移動距離別
移動距離別
nodenode数&人数 数&人数
安全に避難可能 総人数585 全体の割合66%
追加事例.まとめ
上ノ加江を事例として,2004. 8-2005. 3 漁村におけ る津波対策基本方針検討委員会で実施した分析結 果である.分析結果を踏まえ,その後,避難場所が 追加,避難路が整備されている.
現在,本研究では、避難誘導計画問題は、避難場所 は,浸水予想領域外の高台と内側の緊急避難場所 の2つに区分する必要があるとしている.
また,避難誘導計画問題は、(1)高台の選定問題、
(2)高台に向かう経路問題、(3)高台に向かう途中に ある避難場所選択検証問題の3段階,の以上を踏ま えた避難経路・避難場所整備問題であるとしている.