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Academic year: 2021

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(1)

糖尿病患者さんは癌(がん)やアルツハイマー病に

なりやすいことをあなたは知っていますか?

(2)
(3)

2007年Asahi.comより

(4)

第63回日本癌学会(2004年福岡)において愛知県がんセンターよ り「糖尿病患者は、そうでない人に比べて癌になる危険性が1.4倍 高い」と発表されました。 名古屋市を中心とした中部地区における「がん」死亡率の疫学調査 (2003年)によると、糖尿病患者の4割近くが「がん」で亡くなり、日 本人一般の3割より高くなっています。

(5)

日本糖尿病学会誌で1991年から2000年の全国の糖尿病患 者18、385名の死亡原因が報告されています。これは中部労 災病院の堀田饒先生の研究で、全国調査結果です。 糖尿病患者の死亡原因疾患の 第1位は癌34.1% 第2位血管障害 (脳9.8%、心臓10.2%) その他感染症、腎障害となっています。 患者さんの1/3は癌で亡くなりますが、これは日本人一般の 死亡原因と同じです。ただ女性より男性の発癌頻度が高くな っています。

糖尿病になると癌になり易い

(6)
(7)

肺癌 肝臓癌 咽頭癌 食道癌 胃癌 大腸癌 すい臓癌 腎臓癌 子宮頸癌 男性 1.5倍 2.2倍 2.3倍 1.7倍 1.4倍 1.9倍 1.9倍 女性 1.6倍 1.9倍 1.6倍 1.9倍 米国立がん研究雑誌2005年11月号に「糖尿病患者は大腸癌になる危険性 が、そうでない人より3割高い」という論文が発表されました。

糖尿病と『がん』の関係

(8)

糖尿病外来での頻度: 平成11から13年の間に私の糖尿病外来患者であった575名 中422名にヒトヘモグロビン法を2回連続で施行し、1回以上 陽性となった患者84名(19.9%)のうち了解の得られた者 (76名)に大腸内視鏡検査を実施した。大腸内視鏡検査を実 施した76名中、5mm以上のポリープ切除37名(48.7%)、大 腸癌8名(10.5%)、正常27名(35.5%)であった。ヒトヘモ提 出した糖尿病患者全体から見ると8.8%に大腸ポリープ1.9%に大腸癌が発見されたことになる。

(9)

では、何故、糖尿病に癌が起こり易いのでしょうか?

残念ながら確定した研究報告は出ていません。推定されることは、 ①高インスリン血症に伴うインスリン抵抗性 ②IGF-1(インスリン様成長因子-1)の増大 ③肥満や運動不足 ④酸化ストレス などが考えられています。

(10)

がんで死なないためには、検診を受けることが最も重要

糖尿病が進展すると合併症を起こし、糖尿病による動脈硬化病 変(心筋梗塞、脳梗塞など)によって死亡する人も少なくないので すが、2型糖尿病患者ではがんで死亡する人も多いとされていま す。血液,尿検査だけでは、がんを早期発見することはできませ ん。がんの早期発見のために年1回は胸部X線検査、上部消化 管検査、便潜血の有無、腹部超音波検査、乳がん、子宮癌検査 を受けられるといいでしょう。

(11)
(12)

認知症老人数 (万人)

認知症老人数

(13)

0 1 2 3 1985年 1992年 1998年

脳血管性認知症 アルツハイマー型 認知症 レビー小体型 認知症

認知症の病型別有病率の経年変化

久山町男女826名、65歳以上、性・年齢調整 清原裕, CODE AC, 2007 2.4 1.8 1.6 1.3 1.4 2.1 2.9 1.9 2.4

(14)

0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 (+) (-) (+) (-) 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症 (+) (-) (+) (-) 相 対 危 険 度 相 対 危 険 度 耐糖能異常と高血圧の有無別に見た認知症発症の相対危険度 久山町男女826名、65歳以上1985-2000年、多変量調整 清原裕, CODE AC, 2007 4.2 5.6 4.1 1.0 4.6 2.3 0.9 1.0

(15)

1

2

3

耐 糖 能 異 常 (-) 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症 相 対 危 険 度 レビー小体型認知症 1.0 1.0 1.0 1.6 3.1 0.9 久山町男女826名、65歳以上1985-2000年、多変量調整 清原裕, CODE AC, 2007 (+) (-) (+) (-) (+) 耐糖能異常の有無別に見た認知症発症の相対危険度

(16)

=加齢現象とは無関係に、1型、または、2 型糖尿病患者に発症する中枢神経合併症 症状: • 記憶障害 • 学習障害 • 認知障害 • 痴呆

糖尿病性認知症とは何か?

糖尿病性認知症

(17)

1. アルツハイマー型認知症

病因: • 脳内のインスリン不足 • 脳内のインスリン作用障害 • 高血糖による脳内の酸化ストレスの亢進 海馬領域の中枢神経細胞アポトーシスの亢進

糖尿病性認知症

2. 脳血管性認知症

病因: • 脳虚血性疾患

(18)

扁桃体 海馬 MRI image 糖尿病では、健常人に比べて、海馬や扁桃体の萎縮 や神経細胞死が亢進している

糖尿病患者では、海馬、扁桃体にApoptosisが起きる。

(19)

アルツハイマー病の原因物質である

βアミロイドは、

画像診断 (アミロイドPET)で診断できるようになってきた

(20)

インスリン

糖とりこみ

(肝臓, 脂肪, 骨格筋)

細胞死を防ぐ

(脳神経細胞, 網膜細胞, 血管内皮細胞)

インスリンには、細胞死を抑制する重要な働きがある

糖尿病性認知症には、インスリンが密接に関係する

(21)

視床 扁桃体 海馬 脳内のインスリン 受容体の局在

脳内のインスリンの重要性について

• 膵臓から分泌されたインスリンは、血液脳関門や、脳室周囲器官を 通って脳内に入る 脳内インスリンは、神経細胞アポトーシス亢進を抑制し、 認知・記憶障害の進展防止・改善に貢献している。

(22)

Okouchi, Antioxid Redox Signal, 2007 IDE インスリン -アミロイド IRS↓ PI3K↓ Akt↓ -sAPP -アミロイド release IDEsynthesis↓ -アミロイド↑ GSK-3↑ GSK-3

-secretase↑ Tau phosphorylation↑

Apoptosis↑ Insulin receptor 糖尿病とアルツハイマー型認知症が関連するのは、脳内で、 インスリンと-アミロイドの作用が、密接に関係しているからである インスリン -アミロイド↑

(23)

糖 尿 病

発症機序

脳梗塞 潜在的脳虚血 AGEs 酸化ストレス アミロイド 代謝の破綻 (IDEの減少) 動脈硬化 微小血管病変 糖毒性 インスリン

脳の病理学的変化

脳血管性病変 加齢による変化 アルツハイマー病様変化

認知症

遺伝的素因

糖尿病と認知症の関係

Biessels GJ, Lancet Neurol, 2006 他の生活習慣病

(24)

食後高血糖が、アルツハイマー型の

糖尿病認知症の発症に関連する

(25)

どちらが合併症を進行させやすいでしょう

?

Del Prato S:Int. J. Obesity,26(Suppl3),S9-S17,2002.

HbA

1C

が同じでも・・・・・

HbA1C:6.5% 200 100 血糖値 (mg/dl )

(26)

食後高血糖の抑制が重要

食後2時間血糖値を140mg/dL以下に維持する (IDF(国際糖尿病連合)ガイドライン)

食後高血糖 ⇒ 酸化ストレス亢進 ⇒ 糖尿病性合併症

•Glucose spike •Glucose fluctuation •細小血管合併症 •大血管合併症 •認知症 •膵癌 •α-GI •グリニド製剤 •Insulin 【特に超速攻型】 •GLP-1

(Abbatecola AM, Neurology. 2006) (Paolisso G , Diabetes Metab. 2003 )

治療法

(27)

食後高血糖、肥満が、アルツハイマー型の糖尿病

性認知症を発症させやすくする

(28)

23 24 25 26 0 3 6 9 12 Glibenclamide

MMSE score

ヶ月 0.038 0.039 0.040 0.041 Repaglinide 0 3 6 9 12 ヶ月

Cognition composite score

Repaglinide

Glibenclamide

グリニド製剤で、食後高血糖を改善することにより、

認知症の進行を遅らせることが出来る

(29)

アルツハイマー型認知症を含む合併症にならないために、

血糖コントロール (

HBA1c と共に 食後血糖

)を改善しましょう

220以上 180~220未満 140~180 未満 80~140 未満 食後2時間血糖値 (mg/dL) 160以上 130~160未満 110~130 未満 80~110 未満 空腹時血糖値 (mg/dL) 6.5~8.0未満 8.0以上 7.0~8.0 未満 6.5~7.0 未満 5.8~6.5 未満 5.8未満 HbA1c(%) 不良 不十分 不可 コントロールの評価とその範囲 指 標 (日本糖尿病学会編集:科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,2004 ) ・血糖コントロールの指標と評価

(30)
(31)

Behavioral analysis of working memory

Thirumangalakudi L, J Neurochem. 106:475-485, 2008

高脂肪食は、認知・学習障害を悪化させる

(32)

高脂肪食は、脳内に、アルツハイマー病の

原因物質である

-amyloidを蓄積させる

(33)

高脂肪食は、脳内の細胞死(アポトーシス)

シグナルを亢進させる

(34)

酸 化 コ レ ス テ ロ ール (7-h y d roxyc h ol est er ol C on tr ol 500n M 1 μ M

Nelson TJ, Biol Chem. 2005

24h 96h

高脂血症と認知症の因果関係 1

酸化コレステロールは、脳神経細胞 (海馬神経細胞)の

アポトーシスを促進させる

(35)

高脂血症と認知症の因果関係 2

酸化コレステロールは、脳内のIGF, Insulinシグナルを障害する

(36)

酸化コレステロール (hydroxycholesterol ) IRS↓ PI3K↓ Akt↓ -sAPP -アミロイド release IDEsynthesis↓ -アミロイド↑ GSK-3↑ GSK-3

-secretase↑ Tau phosphorylation↑

Apoptosis↑

IR, IGR-R

酸化コレステロールは、脳内に容易に移行し、

IGF、インスリンの抗アポトーシスシグナルを障害する

インスリン, IGF

Sharma S, Neurobiol Dis. 32:426-32, 2008

(37)

糖尿病性認知症にならないために

A

HbA1cを6.5%以下にコントロール.

B

食後2時間血糖値

120mg/dl

D

LDL-C < 120mg/dl

(38)

アルツハイマー型認知症にならないため

にコントロールできる危険因子①

高血圧

アルツハイマー病:2.3倍(フィンランド/2001) 脳血管認知症(アメリカ/2000) 

高脂血症

脳血管性認知症(アメリカ/2000) アルツハイマー病:2.1倍(フィンランド/2001) 

糖尿病

アルツハイマー病:3.1倍(日本/2005) 脳血管性認知症(スウェーデン/2002)

(39)

肥満

アルツハイマー病・女性(スウェーデン/2003) 

メタボリック・シンドローム

内臓脂肪蓄積・高中性脂肪血症・高血圧・高血糖の2つがある

認知機能の低下(アメリカ/2004) 

ホモシスティン

アルツハイマー病(アメリカ/2002) 

タバコ

アルツハイマー病など認知症(オランダ/1998)

アルツハイマー型認知症にならないため

にコントロールできる危険因子②

(40)

頭部外傷

アルツハイマー病など認知症(アメリカ

/2000)

悲観的姿勢

悲観的性格と不安傾向の性格の併せ持っている

人は

40%多く認知症になりやすい(アメリカ/2005)

アルミニウム?

ストレス?

その他(有機溶剤、農薬、電磁波)?

アルツハイマー型認知症にならないため

にコントロールできる危険因子③

(41)

コントロールできる保護因子①

1週間に1回魚または海産物を食べる人は認知症になり にくい(フランス/2002) 

ビタミン

B、C、 E、葉酸、ニコチン酸) VEとVC併用:アルツハイマー病(アメリカ/2004) 葉酸:認知機能の低下(オランダ/2005) 葉酸:オレンジ、イチゴ、濃緑色の葉もの野菜、大豆など ニコチン酸:アルツハイマー病と認知機能の低下 (アメリカ/2002) ニコチン酸:肉、魚、大豆、ナッツ、コーヒーなど 

抗炎症剤

アルツハイマー病(アメリカ/2002)

(42)

コントロールできる保護因子②

女性ホルモン

アルツハイマー病(アメリカ

/2002)

飲酒

(適量)

認知症:

42%(オランダ/2002)

適量:ビール中瓶程度 

運動

アルツハイマー病(カナダ

/2002)

趣味

認知症(アメリカ

/2003)

趣味:読書、ゲーム、楽器演奏、ダンス

(43)

コントロールできる保護因子③

教育

10代にIQが高い人は認知症になりにく(アメリカ/2005) 

職業?

銀杏エキス?

ニコチン?

セレン?

食品:ウナギ、魚介類、小麦胚芽、レバー、肉類など 

カレー?野菜ジュース?

その他

(44)

コントロールできない危険因子

年齢

アルツハイマー病は加齢と共に増加する 

性別

男性より女性に多い 

遺伝

一部のアルツハイマー病は遺伝する 

アポリポ蛋白E4

この蛋白をもっている人はなりやすい(ADの40%ほど)

(45)

脳を守るための10の方法①

アメリカ・アルツハイマー病協会提唱

. 頭が第一

健康は脳からです。最も大切な身体の一部である大脳を 大切にしよう。

2.脳の健康は心臓から

心臓によいことは脳にもよい。心臓病、高血圧、糖尿病、 脳卒中にならないように、できることを毎日続けよう。これ らの病気があるとアルツハイマー病になりやすい。

(46)

脳を守るための10の方法②

3.自分の値を知ろう

体重、血圧、コレステロール、血糖を望ましい値に保とう。

. 脳に栄養を

脂肪が少なく抗酸化物(ビタミンEなど)の多い食品を摂 ろう。

. 体を動かす

身体の運動は血液の流れをよくし、脳細胞を刺激する ことになるかもしれない。1日30分歩くなど心と体を活き 活きさせるためにできることをしよう。

(47)

脳を守るための10の方法③

6.心のジョギングを

あなたの脳を活き活きさせ、ものごとに関心をもつことに よって、脳の活力を高め、脳細胞と細胞間のつながりが 生まれます。読む、書く、ゲームをする、新しいことを学ぶ、 クロスワードパズルをしてみよう。

7.他の人とのつながりを

体と心と社会の関係を組み合わせた余暇活動は認知症 を防ぐ最もよい方法かもしれません。人と付き合い、会話 を交わし、ボランティアをし、クラブに加わり、学習してみ よう。

(48)

脳を守るための10の方法④

8.頭の怪我をしない

頭の怪我をしないように注意しよう。シートベルト を使 い、転ばないように家の中を整頓し、自転車に乗るときは ヘルメットをかぶろう。

. 健康な習慣を

不健康な習慣を避け、タバコを止め、飲み過ぎなように しよう。

10.前向けに考え今日から始めよう

あなたの明日を守るために今日からできることをしよう。

参照

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