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Stomach Englis

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Academic year: 2021

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胃癌:患者の手引き ESMO 診療ガイドラインに基づいた患者向け情報 日本語訳版発行にあたり 国を挙げて、がん対策が進められています。基本計画に沿い、様々な施策が計画・実施されて いますが、その取り組むべき施策のひとつに、「診療ガイドラインの作成と普及」があげられて います。 これまで、診療ガイドラインの作成は順調に進み、その数は 30 に達しています。しかしなが ら、患者用診療ガイドラインや解説の作成は、これに大きく遅れ、いまだその 1/5 の数にすぎ ません。“患者さんに、一刻も早く、より正確で、わかり易い情報を”、国外をも含む多くの関 係者の、そうした熱い思いに支えられて作られたのが本刊 [ESMO/Anticancer Fund Guides for Patients 日本語訳]です。ぜひとも身近においていただき、満足できるがん治療の選択のた めに、大いにご活用いただきたい、そう熱望しております。 最後になりましたが、ご協力いただいた皆様、特に、ご英断賜った Rolf A. Stahel 会長をは じめとする ESMO(欧州臨床腫瘍学会)の皆様、翻訳・刊行にご尽力いただいた日本癌治療学 会教育委員会、編集委員会の先生方、事務局の皆様に、心よりの謝意と敬意を捧げ、再度、本刊 が多くの方に活用されることを祈念して、巻頭の一文とさせていただきます。 日本癌治療学会 理事長 西山正彦

この度、ESMO (欧州臨床腫瘍学会)の発行する“ESMO Guides for Patients” を 「ESMO 患者の手引き」として日本語訳し、日本の癌患者さんに提供することになりました。 最近の癌治療の発展はめざましく、癌患者さんにとっては数多くの治療法の選択が可能になっ てきています。患者さんにとっては朗報です。しかし、いっぽうでは大量に発信される情報の中 で、癌に携わる医療従事者と患者さんとの間での知識のギャップが問題になっています。あふれ かえる情報の中で、癌に対する正確な情報を整理し、自分に最適な治療法を見つけ出すことは本 当に難しいことであろうと思います。このような情報の海の中で迷っている癌患者さんに対する ガイド役として、この「ESMO 患者の手引き」は作成されています。

この手引きは“ESMO/Anticancer Fund Guides for Patients” を、出来るだけ忠実に日 本語訳することにしてあります。ヨーロッパと日本では、保険制度を含む医療事情が若干異なっ ていますので、この手引きがそのまま日本の患者さんに当てはまらないこともあろうと思います。 もし判断に困ることがありましたら、主治医の先生に直接お聞きいただければと思います。 この手引きが日本の癌患者さんにとって有用な案内役となることを期待しています。 最後に、この手引きの作成に尽力いただいた日本癌治療学会教育委員会、そして編集委員会の先 生方に心から感謝したいと思います。 日本癌治療学会 編集委員会 委員長 小川修

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胃癌:患者用の手引き

ESMO 診療ガイドラインに基づいた患者向け情報

翻訳 熊本大学大学院 消化器外科学 岩槻政晃、岩上志朗、蔵重淳二、吉田直矢、馬場秀夫 この患者用手引きは、患者さんとご家族が、胃癌がどのような病気であるかをより理解し、 胃癌の状態に応じた最善の治療を受けることができるように、がん克服基金(Anticancer Fund)により準備されたものです。患者さんには、ご自身の胃癌の病状や病期によって、 どのような検査や治療が必要であるかを担当医に聞いていただくことをお勧めします。ここ に掲載されている医学的な情報は欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology: ESMO)の胃癌診療ガイドラインに基づいたものです。この患者用手引きは ESMO の協力のもとで作成され、ESMO の許可のもと配布されています。この手引きは医 師により執筆され、専門医向け診療ガイドラインの主要な著者を含む、ESMO 所属の二名 の腫瘍医によって監修を受けています。また、ESMO のがん患者ワーキンググループの代 表者にも監修を受けています。 がん克服基金(Anticancer Fund)に関する情報を更に知りたい場合は以下のサイトへアク セスして下さい: www.anticancerfund.org 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)について更に知りたい場合は以下のサイトへアクセスして下さ い: www.esmo.org *が付いた用語に関しては、巻末に注釈があります。 【日本語版を翻訳した日本癌治療学会より注記】 この手引きは欧州臨床腫瘍学会(ESMO)により 2012 年に作成されたものを、ESMO との契 約に基づき、日本癌治療学会が原文に忠実に日本語に翻訳したものです。

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目次

胃がんとは………4 胃がんの頻度は?………6 胃がんの原因は?………7 胃がんの診断は?………10 適切な治療を受けるには何が重要か?………12 胃癌の治療法は?………15 治療後にどんなことが起き得るか?………22 用語の説明………24

このガイドブックは Dr. Annemie Michiels (Anticancer Fund) により執筆され、Dr. Gauthier Bouche (Anticancer Fund)、Dr. Svetlana Jezdic(ESMO)、Dr. Alicia Okines (ESMO)、Prof. David

Cunningham (ESMO)、Dr. William Allum (ESMO)、 Pr. Lorenz Jost (ESMO がん患者ワーキンググルー プ)により監修されています。

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胃がんとは

この定義は米国 National Cancer Institute (NCI)の許諾を得て、改変しています。

胃がんは胃を形作る組織に発生する癌です。ほとんどの胃がんは粘液*などを産生、分泌す る粘膜という胃壁の内側から発生します。これは腺癌と呼ばれ、胃がんの 90%を占めます。 消化器系の解剖と胃壁の構造 胃の粘膜*とその下層は上皮*と粘膜固有層*で形成されている。深くなるにつれて粘膜下層*、固有筋層*、漿膜 下層*(図には示されていない)、漿膜*が形成されています。漿膜*は胃の外側を覆う膜です。 大腸 小腸 胃 肝臓 食道 胃 食道 食道胃接合部 幽門 十二指腸 胃底部 ひだ 粘膜 粘膜下層 固有筋層 漿膜

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その他の胃腫瘍に関する重要事項 この患者さん向けのガイドブックには、その他の胃腫瘍の関する情報は含まれていません。 主なその他の胃腫瘍には以下のようなものが含まれます:  胃悪性リンパ腫 免疫システムに関わる細胞から発生する胃壁の腫瘍です。多くの 胃悪性リンパ腫は非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫に関する詳細はこ ちらをご参照ください。 http://www.anticancerfund.org/cancers/non-hodgkin-lymphoma  消化管間質性腫瘍または GIST 胃壁のカハール間質細胞から発生するとされている まれな腫瘍です。消化管間質性腫瘍に関する詳細はこちらをご参照ください。 http://www.anticancerfund.org/cancers/gastrointestinal-stromal-tumors-gist   神経内分泌腫瘍 胃壁の神経や内分泌細胞から発生する腫瘍です。胃神経内分泌腫 瘍に関する詳細はこちらをご参照ください。 http://www.anticancerfund.org/cancers/neuroendocrine-gastroenteropancreatic-tumors 上記の腫瘍に対する診断や治療は、胃腺癌とは異なります。 ※【日本癌治療学会からの注記】上記リンクには日本語版はありません。

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胃がんの頻度は?

世界的にみると、胃がんは東アジア、南アメリカ、東ヨーロッパに多く見られます。ヨーロ ッパでは胃がんは 5 番目に頻度が高い癌ではありますが、西ヨーロッパでは比較的少ない 癌です。男性は女性の約 2 倍の頻度で見られます。その多くは、60~80 歳代に診断され ます。ヨーロッパでは、2008 年に約 150,000 人の方が胃癌と診断されています。地域 や国により胃がんの発生頻度が異なるのはおもに、食事習慣や遺伝的因子によると思われま す。 ヨーロッパでは生涯のうち、男性で平均 100 人中 1~2 人、女性で平均 100 人中 0.5~1 人が胃癌と診断されると言われています。世界の中でも、ヨーロッパの中でも胃癌の頻度に 地域差がよくみられます。胃癌の頻度は東ヨーロッパやポルトガルで高く、生涯のうち、男 性で 100 人中 4 人、女性で平均 100 人中 2 人までが胃癌に罹患します。

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胃がんの原因は?

現時点でも、胃癌がなぜ発生するのかは明らかではありませんが、いくつかの危険因子*は 明らかになってきています。危険因子*は胃癌発生のリスクを高めますが、それは必要十分 条件ではなく、危険因子*そのものが、癌の原因となるわけではありません。これらの危険 因子*を有していても多くの方は胃癌になりませんし、これらの危険因子を全く有さない方 でも胃癌になることもあります。 胃癌の主な危険因子*は :  環境因子:Helicobacter pylori (ヘリコバクター ピロリ: H.ピロリ)は胃内に生息する細菌であり、 慢性炎症や胃潰瘍*の原因となります。この状況 が数十年間も続くと癌へ進展し得ます。しかしな がら、感染はまず、癌へ変化しうる、しかし必ず 癌になるわけではない前癌状態(萎縮性胃炎、化生、異形成など)を経由します。 この段階ですでに病変として検出することができ、癌へ進展する前に治療すること もできます。もし、治療されないままであれば、ヘリコバクターピロリに感染した 方の 1%は最終的に胃癌を発症すると言われています。  世界人口の約 50%がヘリコバクターピロリに感染していると言われています。感染は便 や唾液を介して成立し、とくに社会経済的、環境的に恵まれていない状況と関連してい ると言われています。この感染は抗菌剤により治癒が見込めます。ヘリコバクターピロ リ感染は最も重要で、さらに最も治療可能である胃癌の危険因子*です。  生活習慣: o 栄養:  高塩分食、例えば(燻製や塩漬けなど) 塩分保存食などは胃癌のリスクを増加さ せます。塩分の存在は、よりヘリコバク ターピロリの感染を起こしやすくさせ、 感染を悪化させると考えられています。 その他に、胃粘膜*に障害を与え、これが 直接、癌化へつながることになり得ます。  保存肉などの硝酸塩*や亜硝酸塩*を高濃 度に含む食物の摂取は胃がんのリスクを 増加させます。  ビタミン A やビタミン C を含む果物や野菜は胃癌の予防になり得る ことは証明されています。 o 喫煙:胃癌の頻度は、喫煙者では約 2 倍です。 o

職業:石炭、金属、ゴム産業に従事している職業の方は、わずかに胃

癌の危険が高いと言われています。

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o

身体活動度が高い方は胃癌のリスクを半減するという研究もいくつか

あります。

 改善できない因子: o いくつかの遺伝的要因は胃癌のリスクを高める可能性があります。  E-cadherin と言われる蛋白*に関わる稀な遺伝子変異は胃癌のリスク が非常に高いです。この変異*による胃癌は遺伝性びまん性胃癌と呼 ばれ、非常に予後*が不良です。そのため、この変異*がある方には、 こまめな検査や予防的な胃切除を考慮する必要があります。  他の臓器にも癌をきたしやすい、いくつかの遺伝子変異は胃癌のリス クも高めると言われています。例として、乳癌や卵巣癌のリスクを高 めると言われる BRCA1 と BRCA2 遺伝子の変異*や大腸癌のリスク を高める二つの遺伝的素因である遺伝性非ポリポーシス(またはリン チ症候群)や家族性大腸ポリポーシスが挙げられます。  第一度近親者(両親、兄弟、子供)に胃癌の既往がある場合は、その 方の胃癌のリスクは高まります。  原因は明らかではありませんが、血液型がA型の方は胃癌のリスクが 高いと言われています。 o 性別:胃癌は女性と比較し、男性に多く見られます。この性差の原因は明ら かになっていませんが、女性ホルモンであるエストロゲンに予防効果がある かもしれません。  健康状態: o 他の胃腫瘍、例えば粘膜関連リンパ組織型(MALT)リンパ腫などの治療を 受けた方は胃癌のリスクが高くなります。これはおそらく MALT リンパ腫の 原因がヘリコバクターピロリの感染によるためと思われます。 o 胃酸が食道へ逆流する胃食道逆流症は、食道胃接合部癌のリスクを高めます。 o 胃切除術の既往:胃潰瘍などで以前、胃の一部を切除された方は残存した胃 に癌が発生する可能性が高くなります。これは、胃切除により胃酸の産生が 低下し、それにより胃に生息する細菌が繁殖し、胃癌のリスクを高める化学 物質を産生することが原因かもしれません。 o 胃ポリープは胃の粘膜内で良性の発育をします。腺腫と呼ばれるポリープは 時折、癌へ進展します。腺腫は診断がつけば、胃カメラ(細くて柔らかいラ イトの光る内視鏡と呼ばれるチューブ)をのどから胃の中にいれて切除を行 うことができます。 o 悪性貧血は新しい赤血球を作るのに必要なビタミン B12 の食物からの吸収 が不足する状態です。悪性貧血の患者さんでは、貧血(赤血球数の減少)に 加えて、胃癌のリスクも増加します。

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その他の因子、例えば肥満、Epstein-Barr ウィルス感染*(伝染性単核球症の原因)、まれ な疾患であるメネトリエ病*なども胃癌のリスクに関連していることが疑われています。し かし、一貫した証拠はなく、その機序は明らかではありません。

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胃がんの診断は?

胃癌の疑われる状況は様々です。残念ながら、その兆候はしばしば分かりにくく、よくある もので、その他多くの病態にも当てはまるものです。初期の段階の胃癌では、その多くは全 く症状がありません。そのため、その段階では胃癌が疑われないことが多いです。次に示す ような症状がいくつか出現し、持続する場合はさらなる検査が必要となってきます:  腹部の不快感や痛み  わずかな食事でも生じる腹部膨満感  胸焼け、消化不良、胃酸過多、げっぷ  嘔気や嘔吐、とくに血液混じりのもの  腹部腫脹、液体貯留  食欲低下  原因不明の著明な体重減少 胃からのわずかな出血も貧血の原因となり、長く続けば倦怠感や息切れなどの症状が出現し ます。 日本や韓国では胃癌の罹患数が多いため、50 歳以上の方には検診がすすめられ、その結果 によって、経過観察が行われています。 ヨーロッパでは、胃癌の罹患数がそこまで多くなく検診の意義が乏しいため、推奨されてい ません1 胃癌の診断は下記のような検査に基づいて行われます。 1. 身体検査 医師は腹部を、異常な腫れや痛みがないかな どを診察します。また、左鎖骨の上にしこりがないかを 診察しますが、これは胃癌がこの付近のリンパ節*に広 がることがあるからです。 2. 内視鏡検査 上部消化管の内視鏡的検査では、医師は細い、柔 らかい、ライトの光るチューブを喉から胃内へ通します。これ により、食道、胃、小腸の始まりの部分まで観察することがで きます。もし、異常な領域があれば、器具を内視鏡から通して 生検*(組織標本)を採取することができます。これらの組織標 本は検査部の専門医によって調べられます(病理組織検査*を参 照)。 1 検診は、癌の症状が出現する前に早期の段階で発見することを目的とする検査です。検診は安全に行うことが でき、多くの患者さんの癌を発見することができるならば推奨されます。そのためには検診で発見された癌の治 療効果が、癌の症状が出現してから発見されたがんの治療効果を上回ることが証明されることが必要です。

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胃内視鏡の際には、超音波内視鏡を同時に行うことができます。超音波端子を喉か ら胃内へ進めます。これによって胃壁のそれぞれの層構造や近傍のリンパ節*や他の 臓器を画像で見ることができます。この検査は胃壁の中、近傍の組織やリンパ節にど れぐらい癌が広がっているかを見るものです。内視鏡の間に超音波を見ながら医師が が疑わしい病変の小さな組織(生検*)を採取することもできます。 3. 放射線学的検査 CT 検査では、癌が局所そして他の部分にどのように進展している かを調べます。また CT をガイドにして生検*を行うこともできます。その他、胸部 X 線や PET などのような追加の検査が、癌の転移*と呼ばれる遠隔への広がりを除 外するために行われることもあります。 4. 病理組織*検査 生検*標本(胃内視鏡検査の際に採 取された組織標本)は検査部で病理医*によって調べ られます。これを病理組織検査といいます。顕微鏡や その他の検査で、病理医*が癌の診断を確定するとと もに、その癌の特徴に関する情報を提供します。 病理組織検査*は、腹腔鏡検査*や腹腔内洗浄液*や手 術で切除された腫瘍組織などに対しても行われます。 腹腔鏡検査*は通常、胃癌の診断が確定している時や手術が予定されている時に行わ れます。これは癌が胃に限局しているか、手術で完全な切除が可能かどうかを確か めるのに有効です。患者さんのお腹に小さな傷をあけ、そこから細い、柔らかいチ ューブを挿入します。チューブの先端にはカメラが内蔵されており、臓器の表面や 近傍のリンパ節*を近接して観察することができます。また、小さな組織を採取する ことができ、転移*の可能性を調べることができます。また、腹腔内を洗浄し、洗浄 液を回収し、検査部へ回して癌細胞の有無を確認します。これを腹腔内洗浄細胞診* と言います。 手術で腫瘍が切除された後は、腫瘍やリンパ節*は検査部でも調べられます。これは 生検*の結果を確定し、癌のさらなる情報を得ることができるので非常に重要です。

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最適な治療を受けるには何が重要か?

医師は最善の治療を決定するにあたり、患者さんご本人のことと、癌 のこと両方に関するあらゆる側面からアプローチする必要があります。 患者さんに関わる情報  既往歴  身体所見  全身の健康状態  採血検査の結果(貧血*の有無、肝機能、腎機能など)  胸部、腹部、骨盤内 CT 検査の結果 癌に関わる情報

病期診断 医師は癌の程度や患者さんの予後*を評価するために病期診断を行います。TNM 病期分類が 通常、用いられます。腫瘍の大きさと周囲臓器への浸潤程度を組み合わせ(T)、リンパ節*転 移(N)、そして癌の他臓器への転移*(M)を用いて、癌の状態を下記のいずれにあるかを分類 します。 病期診断は治療方針を正しく決定するのに、基本的なことです。病期がそれほど進行してい なければ、予後*は比較的良好です。病期診断は通常、臨床・放射線学的検査後と手術後の 2 回行われます。これは、手術が行われた場合は、手術で切除した腫瘍やリンパ節*の検査 結果が病期診断に影響を与えることがあるからです。 下記の表は、胃癌の様々な病期を示しています。3 ページ目の胃壁の層構造の図を参照して ください。 定義は専門的な部分がありますので、より詳しい情報については担当医にお尋ねすることを おすすめします。 病期 定義 Stage 0 異常細胞が上皮と呼ばれる胃壁粘膜*の最内側の層に見られる。この病期 は上皮内癌とも呼ばれる。 Stage I 腫瘍が完全に粘膜*に浸潤しリンパ節*転移を伴わない、または、腫瘍が 筋層や漿膜下層*まで浸潤しているが、リンパ節*転移を伴わない。 Stage I は Stage IA と IB に分けられる。 Stage IA 異常細胞が粘膜*深層(粘膜固有層)または粘膜下層*に見られるが、リ ンパ節*転移は認めない。 Stage IB  異常細胞が粘膜*深層(粘膜固有層)または粘膜下層*に見られ、1-6 個のリンパ節*転移を認める。 または  異常細胞が筋層や漿膜下層*まで浸潤しているが、リンパ節*転移を 伴わない。

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Stage II Stage II 群は腫瘍の深さの程度とリンパ節*転移の個数により様々な組み 合わせがある。  異常細胞が粘膜*深層(粘膜固有層)または粘膜下層*に見られ、かつ 7-15 個のリンパ節*転移を認める。 または  異常細胞が筋層や漿膜下層*まで浸潤し、かつ 1-6 個のリンパ節*転 移を認める。 または  異常細胞が漿膜*に見られるが、リンパ節*転移を伴わない。 Stage III 腫瘍が筋層、漿膜下層*、漿膜*まで浸潤し、かつ 15 個以下のリンパ節* 転移を認める または周囲臓器へ浸潤を認めるが、リンパ節*転移を伴わ ない。腫瘍は肝、肺、リンパ節*などその他の臓器へ広がっていない。 Stage IIII は Stage IIIA と IIIB に分けられる。

Stage IIIA  異常細胞が筋層や漿膜下層*に見られ、7-15 個のリンパ節*転移を 認める。 または  異常細胞が漿膜*まで浸潤し、かつ 1-6 個のリンパ節*転移を認め る。 または  腫瘍は周囲臓器へ浸潤を認めるが、リンパ節*転移を伴わない。 Stage IIIB 異常細胞が漿膜*に見られ、7-15 個のリンパ節*転移を認める。 Stage IV 15 個以上のリンパ節*転移を伴う、または腫瘍が胃周囲の臓器または他 の臓器に転移している: - 腫瘍が胃周囲臓器に浸潤し、かつリンパ節*転移を認める。または - 腫瘍は胃周囲臓器に浸潤をしていないが、15 個以上のリンパ節*転 移を認める。または - 遠隔転移*、つまり他の臓器に癌が広がっている。

生検*の結果 生検*は検査部で調べられることとなります。この検査を病理組織検査*と呼ばれます。外科 的切除後に切除した腫瘍やリンパ節*が 2 回目の病理組織検査*で調べられます。これは生 検*の結果を確定し、癌のさらなる情報を得ることができるので非常に重要です。生検*の結 果には下記のようなものが含まれます: o 組織型* 組織型には腫瘍を構成する細胞の特徴が記されます。多くの胃癌は腺癌の組 織型で、これは腫瘍細胞が胃の最内側層(粘膜)の細胞にある程度、類似し ていることを表します。腺癌は、いわゆるびまん型または未分化型と呼ばれ るものと、腸型または高分化型と呼ばれるものに分けられます。分化とは、 あまり特異的な機能を有さない細胞が、特異的な機能を有する細胞へ変化す る生物学的な過程を示します。分化型腫瘍細胞は正常の胃細胞とより近く見 え、緩徐に増殖しますが、未分化型または低分化型腫瘍細胞は正常の胃細胞 と全く異なり、急速に増殖します。びまん型または未分化型の胃癌の治療は より困難なことがあります。

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o 潰瘍*の存在 潰瘍*とは、胃の内側の層が炎症により細胞死が起こり、この層が破壊される ことを言います。潰瘍*を伴う癌は潰瘍*を伴わない癌と比較し、治療抵抗性 であることが多いです。 顕微鏡下で生検*を調べるほかに、病理医*は腫瘍細胞の遺伝子に関わる情報が得られる特定 の検査を行うこともあります。これらには FISH*や免疫組織化学検査*などがあります。 o HER2 の発現 腫瘍細胞の中には HER2 と呼ばれる遺伝子が過剰に発現していることがあり、 これは細胞内の染色体*の一つのなかに HER2 遺伝子のコピーが多くあるこ とを示します。HER2 遺伝子の存在は、細胞の増殖や浸潤に影響を与える蛋 白*の産生に関わります。そのため、進行または切除不能(手術のできない) 胃癌の患者さんの治療法を決定する際に重要な要素となります。HER2 のコ ピーを多く発現していれば、HER2 陽性胃癌または HER2 過剰発現と呼び ます。逆に発現していなければ HER2 陰性と呼びます。

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胃癌の治療法は?

治療計画を立てるにあたり、それぞれの医療専門スタッフによるチー ムを形成します。これには通常、集学的検討また腫瘍症例検討会と呼 ばれる様々な専門家によるミーティングも含まれます。このミーティ ングでは、治療経過について前述した関連情報をもとに議論されます。 腫瘍内科医(薬剤による癌治療を行う)や腫瘍外科医(手術による癌 治療を行う)、腫瘍放射線科医(放射線による癌治療を行う)、消化器 内科医(胃腸疾患の専門医)、放射線科医*、病理医*などにより、集学 的治療の意見が交わされます。 最初のステップとして、まず癌が手術可能(切除可能)か、つまり手術により腫瘍が完全に 切除できるかどうか、または手術不能(切除不能)か、つまり腫瘍が完全に切除できないか を判断します。手術可能と判断される腫瘍には、胃の周囲臓器への浸潤を伴うものの合併症 なく切除できるものも含まれます。腫瘍が近接臓器やリンパ節*に非常に接している場合や 大血管に近接しているまたは遠隔臓器に転移している場合は切除不能と判断されます。 TNM 分類には切除可能か切除不能かの明確に分けるラインはありませんが、より早期の病 期であれば切除可能であることが多いです。 手術は癌の治癒を目的に行われる唯一の治療です。手術が不可能であれば、症状の軽減や患 者さんの生存期間を延長する目的でその他の治療を行います。 下記に示した治療法にはそれぞれ利点、リスク、禁忌があります。可能性のすべてを知るた めに、がん専門医にすべての治療における予想される利点やリスクを尋ねることをお薦めし ます。治療によっては複数の選択肢があるので、その選択には、それぞれの治療の利点とリ スクを十分考慮する必要があります。 限局した胃癌への治療計画(Stage 0~III かつ切除可能) 内視鏡的治療 内視鏡的粘膜切除 または EMR は粘膜*に限局し、通常、潰瘍を伴わない 2cm 以下の病変 に行われます。医師は小さなチューブを喉から胃内へ通し(胃内視鏡と同じように)、腫瘍 を切除します。最近では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により、より大きな腫瘍に対し ても切除可能となってきました。ESD も小さなチューブを喉から胃内へ通しますが、手技 が異なり、より大きな腫瘍の切除が可能です。この手技は通常、臨床試験*に参加された方 に行われる治療です。

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手術 手術では胃の一部またはすべてと一緒に腫瘍を切除することとなります。 どの程度の切除になるかは病期によります。切除断端に正常の胃組織を 付けた形で腫瘍を切除し、胃に近接したリンパ節*とともに切除すること が重要です。 胃切除  病期が Ib から III の胃癌では、胃の一部または全体を、外科的に切除を行います。こ れを医学用語で胃切除と言います。もし、腫瘍が胃の入口から十分に距離があるな らば、胃の上部は残すことが可能です。これは胃亜全摘術と呼ばれます。もし、腫 瘍が胃の上部にあれば、胃の下部を温存し、食道の最下部に沿って胃の上部を切除 します。胃下部 1/3 は新たな小さくなった胃として、食道の下部とつなげます。  もし、腫瘍が胃全体に進展している、もしくは胃の上部に存在するならば胃をすべ て切除する胃全摘術が行われます。この場合、食道に小腸をつなげ、パウチとして 胃の代用となり、食物が以下の消化管を通過する前に貯留させます。 リンパ節*の切除 胃の一部もしくは胃全摘術の場合でも、少なくとも 15 個の胃周囲のリンパ節*もまた切除 されます。胃からのリンパ液を濾過する非常に小さなこの臓器は、切除後に正確な病期診断 のため病理医*によって調べられます。病理医はリンパ節*内に腫瘍細胞、すなわち胃からの 腫瘍の拡散がないかを確認します。切除されるリンパ節が多ければ多いほど、よりよい生存 率が得られることがこれまでの研究で明らかですが、合併症が増加しますので、そのため、 この手技は全身状態が良好な方だけに推奨されます。 その他の臓器の切除  例えば膵臓のような近接した臓器に腫瘍細胞が浸潤している場合、患者さんの全身 状態が良ければ、これらの臓器も同時に切除します。胃の左側に脾臓が位置します が、腫瘍が胃の脾臓側に位置する場合は、脾臓も合併切除されます。これは脾臓に 非常に近いリンパ節*が存在するため、胃と脾臓の間にあるリンパ節*を確実に切除 できるからです。  胃癌に対する手術は通常、開腹手術で行われます。腹腔鏡*手術も行われますが、そ の利点に関してはまだ明確にはされていません。腹腔鏡手術では、腹部の小さな創 から小型のカメラと手術器具を挿入し、手術を行います。大きな創ではないので、 患者さんが回復までの時間は短縮されるかもしれません。現在、腹腔鏡手術が開腹 手術と同様の効果があるか、とくにリンパ節*が十分に切除できるかどうかの研究が 行われています。

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手術の合併症 術後に起き得る合併症には出血、血栓、臓器損傷などが挙げられます。その後、患者さんは 胸焼け、腹痛や胃で通常吸収されるビタミンの欠乏症に悩まされることがあります。このた め、ビタミン補給薬が処方されます。胃切除後の患者さんは、少なくてもしばらくの間、食 事は少なめにして頻回に摂取しなければなりません。栄養士は患者さんが新しい食習慣を身 につけることができるようにサポートします。胃の手術後、数か月は下痢になることもよく あります。 脾臓を摘出した場合は、免疫が低下することがあり、患者さんは脾臓の摘出前後にいくつか のワクチンを接種したり、抗菌剤を毎日服用することになります。感染のリスクが高まるこ とを理解しておくことが重要であり、またそのため医師の診察を受けしばしば抗菌剤を服用 する必要があります。 全体的に、これらの特殊な処置が成功するには医師の経験が非常に重要となります。あらか じめ外科医にその経験について尋ねることは重要です。 補助療法 補助療法とは手術に追加される治療を言います。補助療法は化学療法のみの場合もあれば放 射線療法と組合せる場合もあります。補助療法は術前(ネオアジュバント)や術後に行われ ます。補助療法の目的は術前であれば、腫瘍サイズを縮小させ、より切除し易くることであ り、術後であれば、胃やリンパ節*に術後残存した癌細胞を根絶することです。 現在、ヨーロッパで広く行われているのは術前と術後の化学療法です。 術前と術後(周術期)化学療法 化学療法の目標は腫瘍細胞を死滅させるまたはその増殖を止めるために薬剤を使用すること です。全ての患者に最適となるような単剤の薬物療法も併用療法もありません。その選択は、 上記の関連情報を考慮して、集学的に検討される必要があります。 3 剤の併用(エピルビシン* ‘E’、シスプラチン* ‘C’と 5-フルオロウラシル* ‘F’)、 略して ECF がよく使用されます。これらの薬剤が術前、術後に投与されます。その他のよ く用いられる併用として E と C にカペシタビン*(X)を加えた、略して ECX があります。 ECF と同様の結果が得られています。 その他の補助療法 次にあげる補助療法のオプションがよい成績をあげていますが、周術期化学療法と比較した 結果が必要です。したがって、これらは現在、研究段階です。  化学放射線療法:化学放射線療法とは、化学療法と放射線療法を組合せて行います。 放射線療法は放射線を用いて、癌細胞を死滅させる治療で、癌の領域を特異的に狙 って行う治療です。 1. 補助化学放射線療法:化学放射線療法を術後に癌が再燃しないように行います。 5-フルオロウラシル*とロイコボリン*の 2 種類の化学療法を 5 週間の放射線療 法の前後と放射線療法中に行います。改善すれば、その他の状況でも有効になる かもしれませんが、現在のところ、手術の際にリンパ節*がほとんど摘出されて

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2. 術前化学放射線療法:術前のみ化学放射線療法を行いますが、いまだ研究段階の ため、臨床研究*として行われるものです。  補助化学療法:これは術後に化学療法を行う治療です。アジアで行われた研究では、術 後に補助化学療法を受けた患者さんは生存率が延長しましたが、ヨーロッパの患者さんで同 様の結果が得られるかは、さらに研究が必要です。 局所進行切除不能胃癌への治療計画(切除不能 Stage III、IV) 腫瘍が切除不能と判断されるのは、腫瘍が胃周囲臓器(大血管など)に浸潤している場合、 その他の臓器へ進展している場合、患者さんが大きな手術を受けられない全身状態の場合な どがあります。 局所進行切除不能胃癌の患者さんには、症状を軽減するために化学療法*を行うことがすす められます。その後、化学療法*が奏効すれば、手術へ向けて再評価することができます。 化学療法は全身の癌細胞を標的とし、腫瘍細胞を死滅させ、その増殖を抑制します。切除不 能胃癌に対する化学療法*については、次章で説明します(stage IV に対する治療方針)。 患者さんによっては手術を再検討され、術前化学放射線療法(手術を行う前に行う化学放射 線療法)も受けることがありますが、この治療戦略についてはまだ研究段階です。 進行・転移*を伴う胃癌への治療計画(Stage IV) このような症例では、腫瘍が胃周囲の臓器へ浸潤している、または 15 個以上のリンパ節* 転移を伴う、またはすでに他の臓器に転移しています。 進行・転移*を伴う胃癌の患者さんに対する治療は:  主な治療の目標は、生活の質を維持する、または改善することです。患者さんは 個々に適切な支持療法を提供される必要があります。  実際の治療の目標は、患者さんご本人とご家族で議論されるほうがよく、患者さん ご本人は積極的にすべての決定に参加しましょう。患者さん本人の希望が常に考慮 されなければなりません。  患者さんによっては化学療法*を推奨されない、あるいは選択されず、支持療法(症 状緩和)のみを受ける方もいます。 Stage IV 胃癌の患者さんに対する治療は下記のものが挙げられます:  全身の癌細胞を標的とした化学療法*や標的療法による全身的治療  局所の癌細胞だけを標的とする手術や放射線療法

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全身的治療 この病期の方には、化学療法*や標的療法を行うことで、生存率が改善します。腫瘍細胞を 死滅させ、その増殖を抑制することで、その結果、症状の改善や生命予後を延長します。 化学療法 化学療法*に用いる薬剤は、その化学構造や作用機序により分 類されます。胃癌の治療に用いられる薬剤は主に、白金製剤、 アントラサイクリン系*、ピリミジン系、タキサン系などがあ ります。これらの薬剤は通常、その効果を高めるために併用し て投与されます。 さまざまな組み合わせで薬剤が投与されますが、それぞれ利点 や副作用があります。薬剤の選択には、個々の患者さんの状態やそれぞれのレジメンで起き うる副作用を考慮する必要があり、選択可能なレジメンは以下の通りです:  シスプラチン*のような白金製剤と 5-FU*に代表されるフッ化ピリミジン*の併用が 最も多く使用されます。  抗腫瘍効果を高めるために白金製剤とフッ化ピリミジンにエピルビシン*などのアン トラサイクリン系*の薬剤を上乗せすることがあります。この例として ECF 療法が あります(エピルビシン*:E シスプラチン*: C 5-FU*: F)。しかしながら、最近の研 究で、ECF 療法のうち、5-FU* (F)をカペシタビン*(X)に、シスプラチン*(C)をオ キサリプラチン*(O)に置き換えが可能であることがわかってきました。このように して ECX 療法や EOX 療法などの新たな組み合わせが可能となりました。5-FU を カペシタビンに置き換える利点として、静脈ポートなどの、薬剤の投与に必要な一 時的なアクセスデバイスが不要になることです。静脈ポートとは頚部の大血管にチ ューブを挿入し、胸部の皮下に埋め込んだリザーバーに接続し、そこから薬剤を投 与します。化学療法*を行う間は挿入しておきますが、6 ヶ月までは問題ありません。 このデバイスは投与のたびに血管に針を刺す必要がなく、患者さんの不快感や、刺 入部の損傷を避けることができます。  別の方法として抗腫瘍効果を高めるために白金製剤とフッ化ピリミジンにドセタキ セル*を上乗せすることがあります。この併用レジメンは、病勢コントロール期間と 生存期間を延長しますが、感染から生体を防御する白血球が不足する白血球減少と いう副作用がより多く起こります。  イリノテカン*、5-FU*とロイコボリン*が併用されると、シスプラチン*と 5-FU* と同様の効果が得られるので、投与が可能ですが、化学療法*の第一選択としては使 用されません。 白金製剤、(フッ化)ピリミジン*、タキサン系、アントラサイクリン系*は、それぞれの副 作用が異なる別の種類の化学療法*です。しかし、これらすべての薬剤は、生体の免疫シス テムに影響を与え、重篤な感染症のリスクを高めます。 最初の化学療法*を行ったにもかかわらず、癌が進展した場合は、さらに化学療法に十分に 耐えられる患者さんであれば、新たな薬剤の投与または併用療法を行います。この治療戦略 をセカンドラインの化学療法*と呼びます。最初の化学療法*に当初は効果が見られたものの、 その後、進展した場合も行います。イリノテカン*は標準治療に効果がない場合に、予後を 延長するという報告もあります。

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別の方法として、最初の化学療法*から 3 ヶ月以上経過した後に再発した方には、抗腫瘍効 果がある可能性もあるため、同じ内容の化学療法*を再度、チャレンジすることを検討する 必要があります。 標的療法 標的療法は癌細胞の増殖を抑制するために、癌細胞に存在する特異的な標的に作用する薬剤 です。化学療法*に上乗せすることにより、その治療効果を高めます。胃癌に使用できる唯 一の標的療法はトラスツズマブ*です。これはある種の胃癌の腫瘍細胞表面に過剰発現して いる HER2 と呼ばれる蛋白*を標的とする薬剤です。通常、HER2 陽性胃癌の患者さんに、 シスプラチンとフッ化ピリミジン*と併用して投与します。そのため、FISH*や免疫組織学 検査*で HER2 の過剰発現が確認された患者さんには、この併用療法を考慮する必要があり ます。その他の標的薬剤として、セツキシマブ*、パニツムマブ*、ベバシズマブ*などがあ りますが、現時点では胃癌に対しては研究段階であり、臨床試験*以外では投与しないよう にする必要があります。 手術と放射線療法 手術と放射線療法は stage IV 胃癌の患者さんの症状を緩和することがあります。 放射線療法 消化管からの出血や、腫瘍による閉塞のため食事ができない局所進行、再発胃癌の患者さん には、放射線療法が症状を緩和することができます。また、放射線療法は胃や転移した骨の 痛みも和らげることができます。放射線療法は癌が存在する領域に直接、放射線を照射して 癌細胞を死滅させることが目的です。 手術 手術により腫瘍を切除することで、腫瘍の増殖により生じうる閉塞、出血、穿孔などの合併 症を時に防ぐことができます。しかし、個々の患者さんの状態に合わせて、手術の介入に対 する忍容性や意義を集学的チームで十分に検討する必要があります。 化学療法、標的療法の副作用 癌を克服するための薬剤には好ましくない副作用が生じえます。多くの化学療法、標的療法 の副作用は治療終了後には通常、元に戻ります。これらの副作用をある程度、予防または軽 減する方法がいくつかあります。この点についてはあらかじめ担当医と話し合っておく必要 があります。

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化学療法*の主な副作用には:  倦怠感(すべての薬剤)  脱毛(エピルビシン*、ドセタキセル*)  嘔気、嘔吐(すべての薬剤、とくにシスプラチン*)  下痢(ほとんどは 5-FU、カペシタビン*、オキサリプラチン*)  口内炎または口腔潰瘍(すべての薬剤)  血球減少(すべての薬剤) 白血球*の減少は感染症のリスクが高まり、治癒しづら くします。赤血球の減少は貧血*をきたし、倦怠感や息切れを引き起こします。血小 板の不足は容易にあざができたり、出血を引き起こしたりします(鼻血や歯肉出血 など)。  多くの化学療法は胎児の発育に有害です。そのため、治療中はバリア避妊法を行い 治療中の妊娠を避けることが重要です。  不妊や早期閉径。  すべての化学療法*の薬剤により血液が粘質となりやすく、下肢や肺などの血栓症の リスクが高まります。 これらとは別に、それぞれの薬剤に副作用があります。下記によく見られる副作用を示しま すが、みなさんに同じような副作用が、同じ程度に起きるわけではありません。  5-FU*とカペシタビン*は手のひらや足の裏の痛みを生じます。これは手足症候群と 呼ばれ、ヒリヒリしたり、しびれたり、痛みが出たり、乾燥したりします。まれで はありますが、心臓を栄養する動脈がけいれんし、狭心症*のような胸痛を起こしま す。シスプラチン*は聴力の低下や腎機能障害を起こすことがあります。腎機能は治 療前に採血で調べます。これを予防するために、治療中は水分を多くとることが重 要です。  エピルビシン*は、まれに心筋に障害を与えますが、通常治療前からに心疾患を持っ ている方が数ヶ月にわたり使用した時のみおこります。もし、心疾患があれば、治 療前に心機能が十分であるかを検査することになるでしょう。また、日光にも過敏 になり、以前、放射線療法を受けられた方は、その部位が発赤することがあります。 治療の数日後に、尿が赤やピンク色になることがあります。これは血尿ではなく、 薬剤そのものの色です。  オキサリプラチン*は、一時的、あるいは永久的な神経障害をきたし、指やつま先が うずき、しびれてピリピリする感覚を生じます。  イリノテカン*は汗や唾液の分泌が多くなり、涙目や、けいれん性の腹痛や時折、激 しい下痢も生じます。  ドセタキセル*は体液貯留や一時的な爪の変色、かゆみを伴う皮疹を生じます。また、 カペシタビンで述べたように手足症候群や単なる手足のしびれや痛みが生じること もあります。およそ 4 人に 1 人の割合で、初回または 2 回目のドセタキセル*の投 与時にアレルギー反応が見られることがあります。  トラスツズマブ*(ハーセプチン)は、しばしばアレルギー反応がみられ、悪寒、発 熱、蕁麻疹、気分不良、呼吸困難、喘鳴、頭痛、顔面紅潮、脱力などがみられます。 心臓の問題が生じることがありますが、通常は治療の中止により改善します。 しかしながら、多くの副作用は治療することで、それらで苦しむことはあまりありません。 そのため、主治医や看護師に感じた症状をすべて伝えることが重要です。

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治療後にどんなことが起き得るか?

いったん治療が終了すると、治療関連の症状はあまり生じません。  不安や睡眠障害、うつ状態などは治療後においても、まれで はありません。これらの症状を呈する患者さんは、心理学的 なサポートを受けることで症状が改善することがあります。  記憶障害や注意散漫のような症状は化学療法*の副作用として よく見られ、一般的には数ヶ月のうちに元の状態に戻ります。  倦怠感は治療後数ヶ月の間、続くことがあります。自身の活 動レベルが、6 ヶ月から 1 年の間に、元に戻っていくのを実感する方が多いです。 胃切除後は、患者さんは新たな食習慣を築く必要があります。栄養士*はこれに慣れるよう にお手伝いします。胃の上部を切除することで、食物からのビタミン B12 が吸収されにく くなります。定期的な血液検査を行い、ビタミン B12 の注射が必要となります。胃切除術 後は、数ヶ月の間は下痢になることもよくあります。また、胸焼けや腹痛で苦しまれる方も います。 脾臓を摘出すると、免疫力が低下することがあります。患者さんは脾臓の摘出前後にいくつ かのワクチンを接種したり、抗菌剤を毎日服用することになります。感染は重症化するリス クがあるため、医師の診察を受け、時には抗菌剤を開始することが重要です。 医師による経過観察 治療が完全に終了した後は、医師は経過観察を以下の理由でお勧めします:  治療による副作用の評価とその治療をするため  心理学的なサポートと通常の生活に戻るための情報を提供するため  いち早く再発*を診断するため 経過観察のための受診は定期的に行われます。しかしながら、さらに重要なことは、ご自身 が、体重減少、倦怠感、疲労感、呼吸困難などの再発*が疑われるような症状が出現したと きに、主治医に連絡を取ることです。 経過観察で受診した際は、腫瘍医は:  問診  診察  血液検査  必要があれば、新たな症状の原因を調べるために、放射線学的検査や内視鏡検査 (医師が細い、柔らかい、発光チューブを喉から胃内へ通して行う胃の検査)を行 うかどうかを決定します。 手術を受けた患者さんは、創部の観察や腸管の吻合の状態に問題がないかの確認のため、外 科医への定期受診も予定されます。

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通常の生活

癌が再発するかもしれないと思いながら、人生を送るのは大変つらいことですが、癌の再発 *のリスクを下げるには、たとえば、ビタミンが豊富な果物や野菜を十分に摂取することな どが言われてはいるものの、特別な方法は、今日において知られていません。 癌になったこと自体や治療を受けたことにより、通常の生活には、なかなか戻れない方もい ます。身体のイメージ、倦怠感、仕事、感情、生活様式に関わる悩みが浮上するかもしれま せん。これらの悩みを親族や友人、担当医に相談することは一助になるかもしれません。ま た患者団体や電話相談などでサポートを受けたいと思う方もいます。 もし胃癌が再発した場合は

もし癌がまた出てきたときは、再発*と呼ばれ、その程度により治療を行います。再発*は胃 やその他の臓器にも起きえます(転移*)。 もし、再発が胃や、最初に発生した部位の周囲に起きた場合は、医師は切除可能か不可能か を再度、評価します。治療法は再発*の程度によりますので、集学的チームで検討されます。 腫瘍内科医(薬剤による癌治療を行う)や腫瘍外科医(手術による癌治療を行う)、腫瘍放 射線科医(放射線による癌治療を行う)、消化器内科医(胃腸疾患の専門医)、放射線科医*、 病理医*などにより、集学的治療の意見が交わされます。 もし癌が肝臓や肺などの遠隔臓器に再発した場合は、転移*と呼ばれます。その形式の再発 は「進行・転移*を伴う胃癌への治療計画(Stage IV)」の段落で述べた治療を行う必要が ありますが、最初に受けた治療によって行う治療は変わってきます。 再発*した場合は、主治医に臨床試験*の参加が可能かどうかを尋ねることをお勧めします。 これは、まだ他では行えない新たな治療法を試すことができますし、今後、胃癌になった患 者さんへ役立つかもしれない新たな治療を試すことの一助にもなります。

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用語の説明

FISH/蛍光 in situ ハイブリダイゼーション 病理医によって行われる遺伝子や染色体の変化を確認する手法です。FISH によって特異的 な遺伝子や染色体の変化が見つかり、その患者さんの癌がどのような種類のものかを知るこ とができます。 5-FU フルオロウラシル 大腸癌、乳癌、胃癌、膵癌に使用される薬剤です。またある皮膚疾患にもクリーム剤として 使用されます。DNA の合成を阻害して、癌細胞を死滅させます。5-FU またはフルオロウ ラシルとも呼ばれます。 亜硝酸塩 亜硝酸塩は主に食品防腐剤として製造され、硝酸塩と亜硝酸塩いずれも発色剤や加工肉の保 存期間を延ばすために使用される。 アントラサイクリン 様々な癌に使用される抗腫瘍性抗生物質です。 イリノテカン 転移を伴うまたは 5-FU による治療後の再発した結腸直腸癌に対して、単剤または他剤との 併用で効果がみられる薬剤。他の癌腫の治療薬としても検討されています。イリノテカンは 細胞分裂や DNA 修復に必要な酵素を阻害することで、癌細胞を死滅させます。トポイソメ ラーゼ阻害剤、カンプトテシン類似体の一つです。 栄養士 栄養士は食物や栄養が健康に与える影響に関わる専門家です。食事療法士、栄養学者とも言 われます。しかしながら、国によっては食事療法士と栄養学者に必要なトレーニングに重要 な違いがあります。国によっては独学であっても、栄養の専門職といえる国もあります。 エピルビシン リンパ節転移を伴う早期の乳癌の治療薬として他剤と併用して使用される薬剤です。その他 の癌への治療にも検討されています。エピルビシンはアントラサイクリン系抗腫瘍性抗生物 質です。エレンスやエピルビシン塩酸塩とも呼ばれます。 エプスタイン・バー(Epstein-Barr)ウィルス エプスタイン・バーウィルスは EBV と略されますがヘルペスウィルスの一種です。ほとん どの方が一生の間、EBV に感染します。子供うちに多くは感染しますが、通常、症状はな く、幼少期にかかる症状の弱い疾患と区別がつきません。EBV はまた生涯にわたり体内の 免疫細胞に潜伏感染しますが、それが胃癌の発症のリスクになることもあります。 オキサリプラチン 進行再発結腸直腸癌に他剤と併用して使用される薬剤。その他の癌の治療でも研究されてい ます。オキサリプラチンは細胞内の DNA に結合し、癌細胞を死滅させます。白金製剤の一 つです。また、エロキサチンとも呼ばれます。

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潰瘍/潰瘍形成 皮膚、臓器の内腔、組織の表面の断裂。潰瘍は細胞が炎症を起こし、死滅し、剥がれ落ちる ことで形成されます。潰瘍は癌やそのほかの疾患と関連があることがあります。 カペシタビン カペシタビンは代謝拮抗剤に属する細胞毒性薬剤です。カペシタビンは体内で 5-FU へ 変 換される「プロドラッグ」で、正常組織より腫瘍組織でより変換されやすいです。ピリミジ ンの類似物質である 5-FU は注射薬ですが、カペシタビンは錠剤です。 ピリミジンは細胞 の遺伝物質(DNA や RNA)の一部です。体内では 5-FU は In the body, 5-FU はピリミ ジンと置き換わり、新たな DNA 合成に関わる酵素を阻害します。その結果、腫瘍細胞の増 殖を阻害し、腫瘍を死滅させます。 化学療法 薬剤により癌細胞を死滅させ、腫瘍の増殖を抑制する癌治療の一種です。これらの薬剤は通 常、患者さんの静脈内へ緩徐に注入されますが、癌の局在によって、直接、手足であったり、 ときには肝臓であったり、経口投与ができるものもあります。 危険因子 病気を進行させる機会を増加させるなにかです。がんの危険因子として例を挙げると、年齢、 年齢、特定のがんの家族歴、喫煙習慣、放射線または特定の化学製品への暴露、特定のウィ ルスまたは最近への感染、ならびに特定の遺伝子変化があります。 狭心症 非常に激しい胸痛。心筋への血流が不十分で酸素不足になった際に生じます。 固有層 固有層は上皮の直下に存在する疎性結合組織からなる薄い層で、上皮とともに粘膜を構成し ています。粘膜という用語は常に上皮と固有層をまとめたものを指します。 再発 がんまたは病気(通常は自己免疫疾患)が再び起きることです。通常、がんまたは病気は存 在しない、発見されない一定期間があった後に起こります。これはもともとの腫瘍(原発)が あった同じ部位か、体内の別の部位で起こる可能性があります。再発がんまたは再発病とも 呼ばれています。 シスプラチン 様々な癌の治療に用いられる薬剤。シスプラチンには金属白金が含まれています。DNA 障 害と DNA の分裂を阻害することで癌細胞を死滅させます。シスプラチンはアルキル化剤の 一種であり、プラチノールとも呼ばれます。 硝酸塩 硝酸塩は土壌、水、食物内に通常存在しています。大気中で水溶性ガスとして存在しうる窒 素化合物であり、ヒトや動物に対し有害となります。一旦、体内に取り込まれると硝酸塩は 亜硝酸塩に変化します。

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漿膜 漿膜は漿液を産生する薄い細胞層で構成される滑らかな膜です。漿膜は心臓、肺、腹腔内臓 器を覆い包んでおり、筋肉の動きの摩擦を少なくするために潤滑液を産生しています。 漿膜下層 漿膜下層は固有筋層と漿膜の間にある組織です。この用語は組織病理学で用いられ、特に癌 の病期に関連があります(例えば、胃癌の病期)。 上皮 「上皮」という用語は、管腔臓器や腺組織を覆い、人体の外表面を構成する細胞のことを指 します。上皮細胞は臓器を保護するまたは包み込む役割を果たし、その多くは粘液やその他 の分泌物を産生します。 生検 病理医による検査のために細胞または組織を採取すること。病理医はその組織を顕微鏡で調 べ、その細胞または組織に対して他の検査を実施します。生検の手技には様々な種類があり ます。最も一般的なものとしては以下があります:(1)切開生検:組織の一部だけを採取 する方法;(2)摘出生検:しこりや疑わしい領域の全体を摘出して調べる方法;(3)針生 検:針を用いて組織や体液のサンプルを採取する方法。太い針を使用する場合は、コア生検 と呼ばれます。細い針を使用する場合は、穿刺吸引生検と呼ばれます。 セツキシマブ セツキシマブはモノクローナル抗体です。セツキシマブはいくつかの腫瘍細胞表面に発現し ている EGFR に結合するように設計されています。その結果、腫瘍細胞は腫瘍の増殖や進 展や拡大に必要なシグナルを受け取ることができなくなります。結腸直腸癌の 79~89%と、 頭頸部扁平上皮癌の 90% に EGFR の発現が見られます。 赤血球 血液細胞の中で最も多い種類です。血液が赤く見えるのはこの細胞があるからです。主な機 能は酸素の運搬です。 染色体 髪の色や性別などの遺伝情報をコードする遺伝子がまとめられたもの。ヒトでは 23 対の染 色体があります(計 46 本の染色体)。 洗浄細胞診 術中に生理食塩水を腹腔内へ入れて、それを吸引する手技です。吸引した液体を検査部へ提 出し、癌細胞の有無を解析します。 組織病理学 顕微鏡を用いた病的な細胞や組織の研究。 蛋白 アミノ酸で構成される必須栄養素です。人体をはじめとして多くの生命体が機能するには必 要不可欠です。細胞間の輸送、伝達や化学変化に重要であり、細胞の構造維持にも機能しま す。

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突然変異 遺伝子を形成する DNA において、塩基対の並びが変化すること。遺伝子変異により、必ず しも遺伝子が永久的に変化するわけではありません。 トラスツズマブ トラスツズマブはモノクローナル抗体です。トラスツズマブは HER2 に結合するように設 計されています。HER2 に結合することにより、免疫システムに関わる細胞を活性化し、腫 瘍細胞を死滅させます。トラスツズマブはまた腫瘍を増殖させる HER2 シグナルを抑制し ます。乳癌の 1/4、胃癌の 1/5 の方に HER2 が過剰発現しています。 ドセタキセル ドセタキセルはタキサン系の抗腫瘍薬に属します。ドセタキセルは細胞の分裂や増殖に必要 な細胞骨格を破壊させないようにします。細胞骨格が安定すると、細胞は分裂できず、死滅 します。ドセタキセルは血球細胞などの非癌細胞にも栄養を与えるため、副作用が生じます。 転移 体内の一部に生じた癌が別の部位に広がること。広がった細胞で形成された腫瘍を転移巣ま たは転移と呼びます。転移巣には原発巣と同様の細胞で形成されています。 内視鏡 管状の器具を体内へ挿入し、観察する医療行為です。様々な種類の内視鏡があり、体内の特 定の部位を観察できるような設計になっています。 粘液 粘液は人体の内表面を覆う粘膜から分泌される潤滑物質です。粘液には蛋白、抗菌酵素、抗 体、塩分が含まれています。粘液は呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器、視覚、聴覚にある上 皮を保護します。 粘膜 ある臓器や体腔の湿潤した内壁。 粘膜にある線は粘液を産生します。 粘膜下層 消化管において、粘膜下層は、高密度の不規則な結合組織の層または粘膜を支持するゆるい 結合組織であり、ならびに粘膜を下層の大半の平滑筋に連結させます(縦の筋肉の層の内で 環状に走行している繊維)。 白血球 感染に対する生体防御としての免疫担当細胞です。 パニツムマブ パニツムマブは、モノクローナル抗体です。パニツムマブは、腫瘍内にある一定の細胞表面 に認められる、EGFR に結合するように設計されています。その結果、腫瘍細胞が増殖や進 展、拡散するために必要な EGFR 経由の伝達を、腫瘍細胞はもはや受けることができませ ん。パニツムマブは、KRAS 変異がある腫瘍細胞で機能しません。これは、腫瘍細胞の増

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殖が EGFR 経由の信号によってコントロールされなくなり、EGFR が遮断された場合でも、 増殖し続けるからです。 貧血 赤血球またはヘモグロビンの不足によって特徴付けされる状態。ヘモグロビンを含む鉄は肺 から全身へと酸素を運びますが、貧血状態ではこの酸素運搬は減少します。 病理医 組織病理学(顕微鏡を用いた病的な細胞や組織の研究)の専門医。 腹腔鏡検査 小さな傷とカメラの補助で腹腔内や骨盤内に手術器具を挿入して行う手術。 ベバシズマブ ベバシズマブは体内の特定の細胞に発現しているまたは循環している特異的な構造体(抗原 と呼ばれます)を認識し、結合するモノクローナル抗体です。ベバシズマブは血管内皮細胞 増殖因子 (VEGF)という血中に循環し、血管を増殖させる蛋白に結合するように設計された ものです。VEGF と結合することによりベバシズマブはその効果を阻害します。その結果、 癌細胞は血流が途絶え、酸素や栄養が枯渇し、腫瘍の増殖を抑えます。 放射線科医 X 線や CT、MRI(磁気共鳴映像法)などの画像装置を用いて、疾患や損傷を診断する専門 医です。 膜組織 生物学的に膜組織は、(1) 異なる内部構造を覆う細胞内にある層、 (2) 細胞と周囲を隔てる 層、(3) 細胞とその他の組織を隔てる層(基底膜や粘膜のような)と定義されます。 メネトリエ病 胃壁に巨大ひだを増殖する胃の疾患。組織の炎症や潰瘍も伴っています。この疾患により胃 の腺組織は萎縮し、蛋白を含む液体が漏出することにより、腹痛、嘔吐、全身のむくみが見 られます。メネトリエ病は 50 歳以上の成人に見られる稀な疾患です。 免疫組織化学検査 免疫組織化学検査または IHC は、生体組織にある抗原に特異的に結合する抗体の性質を用 いて、細胞に発現する抗原(例えば蛋白)を検出することを指します。これらの抗原を蛍光 染料や酵素、コロイド金などのマーカーで可視化します。免疫組織化学染色は、がん性腫瘍 に見られる異常細胞の診断に広く用いられます。 予後 その疾患のたどると思われる結果または経過:回復の見込みまたは再発の見込みのことです。 臨床試験 新たな医療行為が人々にどれだけ有用かを試験する研究の一つです。これらの研究には、疾 患のスクリーニング、予防、診断、治療など様々な種類があります。臨床研究とも呼ばれま す。

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リンパ節 結合組織嚢によって囲まれるリンパ組織の円形の腫瘤。リンパ節はリンパを濾過したり、保 存したりします。それらは、リンパ管に沿って存在します。リンパ腺とも呼ばれています。 ロイコボリン 葉酸を阻害する物質、とくに抗腫瘍剤であるメトトレキセートの副作用を軽減するために使 用される効果的な薬剤。ロイコボリンはある種の貧血の治療や結腸直腸癌に対してフルオロ ウラシルと併用で使用されます。他の癌腫や疾患の治療薬としても検討されています。ロイ コボリンは葉酸の一種です。化学的予防薬、化学増感剤の一種です。フォリン酸とも呼ばれ ます。

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参照

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タップします。 6通知設定が「ON」になっ ているのを確認して「た めしに実行する」ボタン をタップします。.

( 同様に、行為者には、一つの生命侵害の認識しか認められないため、一つの故意犯しか認められないことになると思われる。