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文教ペンギンルームにおける子育て支援のための 関係力育成プログラム実践 (第4報) -「文教ペンギンルームニュース」を通して振り返るセンター活動のこれまで-

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237 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報) はじめに  本報告は,「文教ペンギンルームにおける子育 て支援のための関係力育成プログラム実践」(後 藤・川端2011,川端・後藤他2012,後藤・川端 他2013)の第4報とする.文教ペンギンルームと は,北海道文教大学子育て教育地域支援センター の通称名である.このセンターは,2010年4月に 開設され,保育や幼児教育,特別支援教育を学ぶ 学生たちが高度な臨床実践力を身に付けるための 支援や,地域で生活している乳幼児と母親への子 育て支援を主軸とした活動を進めている.これら の活動は,「関係力育成プログラム」をベースと して展開している(後藤・川端2011,川端・後 藤他2012).また,毎月,活動予定や報告事項な どをまとめた「文教ペンギンルームニュース」を 発行・配布し,北海道文教大学ホームページへも 公開している.文教ペンギンルームニュースは, 文教ペンギンルームスタッフと,学生,文教ペン ギンルームに来室する親子が,相互に情報を共有 しあい,関係力育成プログラム実践を進めていく うえで重要な役割を担っていると考えられる.そ こで,本報告では,「文教ペンギンルームニュース」 を通して,文教ペンギンルームのこれまでの活動 を振り返ることとする. 1. 「文教ペンギンルーム」と「子育てトライア ングルあいあい」 (1) 「文教ペンギンルーム」の始まり  前述したように,文教ペンギンルームは,北海 道文教大学子育て教育地域支援センターの通称名 である.こどもに親しみやすい動物を通称名に組 み入れるという発想から,様々な動物が候補にあ がった中,助けあいながら子育てを行うといわれ るペンギンの生態が「子育て支援」というセンター のコンセプトに合致したため,「文教ペンギンルー ム」という通称名となった.現在では,小さなこ 資料

文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第4報)

−「文教ペンギンルームニュース」を通して振り返るセンター活動のこれまで− 川端 愛子・後藤 守 (2012年12月26日受稿) 抄録: 本報告では,北海道文教大学子育て教育地域支援センター(通称文教ペンギンルーム)が発行 してきた「文教ペンギンルームニュース」を通して,これまでのセンター活動を振り返った.その結果, 文教ペンギンルームニュースは,文教ペンギンルームに関する多様な情報が掲載されており,記述内容 は,(1)子育てトライアングルあいあいに関する情報提供,(2)子育て支援学生ボランティアぺんぎ んに関する情報提供,(3)テーマ曲「ペンギンルームのおともだち」に関する情報提供,(4)文教ペ ンギンルームにおける公開講座に関する情報提供,という 4 点に大別することができた.  この振り返りを通して,これらの文教ペンギンルームニュースは,センター活動において,単なる報 告事項の伝達にとどまらず,文教ペンギンルームスタッフ,学生,来室している親子が,ともに文教ペ ンギンルームを作ってきた「子育てトライアングル」の世界を示すうえで大きな役割を果たしていると 考えられた. 北海道文教大学人間科学部こども発達学科・北海道文教大学子育て教育地域支援センター

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238 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013 どもたちにも「ペンギン」「ペンギンルーム」と 呼ばれて親しまれている. (2)文教ペンギンルームにおける「子育てトラ イアングルあいあい」の取組  文教ペンギンルームでは,地域で生活している 乳幼児とその母親を対象に,木曜日及び金曜日を 中心に,関係力育成プログラムを理論ベースとし て,「子育てトライアングルあいあい∼おかあさ んと一緒に大きなブロックで遊ぼう∼」の活動を 行ってきた.「子育てトライアングルあいあい」 の支援のスタイルは,「トライアングル」の構造 を持っている.これは,「文教ペンギンルームの スタッフと学生」,「こども」,「母親」の三者が互 いに作っていく取組であるという意味である.と もに同じ時間と空間を共有して遊びを進めるなか で,三者の持ち味を出しあいながら,遊びの世界 を広げるという考え方である.ここでは,「教える」 「教えられる」というような一方向的な指導姿勢 というよりは,互いに学びあう存在であるという, 双方向的な関係性を重視している.  また,「あいあい」には,こどもと母親が,親 子という単位だけでなく,それぞれが独自の力を 発揮できる存在であるという,関係性の捉え方が 込められている.つまり,それぞれの親子におけ る「I (あい)& I (あい)」の部分に着目し,こども, 母親,文教ペンギンルームスタッフ・学生が,そ れぞれに持っている力を生かしあうことを目指す ことから,子育てトライアングル「あいあい」と いう名称が生まれたという経緯があった. (3)文教ペンギンルーム「子育てトライアング ルあいあい」に関する記事  子育てトライアングルあいあいの取組は,北海 道新聞「るーと36」において取材され,2011年1 月13日の記事として掲載された.また,2011年 2月26日には,北海道新聞の現代かわら版の記事 において,「選ばれる大学作り」という視点から, 子育てトライアングルあいあいの取組が紹介され た.さらに,文教広報27号においても,この取 組が紹介されている.これらの記事については, 文教ペンギンルームのホームページにおいても紹 介している(資料1,資料2,資料3参照). 2.文教ペンギンルームニュース  文教ペンギンルームでは,文教ペンギンルーム ニュースを毎月発行している.これは,子育て教 育地域支援センター運営委員会の承認を得て発行 しており,ホームページへも公開している.これ までに発行してきた文教ペンギンルームニュース の内容は,次の4点に大別することができる. (1) 子育てトライアングルあいあいに関する情報 提供  文教ペンギンルームニュースでは,「子育てト ライアングルあいあい」の開催日程や内容などに ついて,毎月掲載している.木曜日と金曜日の 10:00 ∼ 11:30の時間帯を基本として,月ごと に予定を計画し,文教ペンギンルームニュースを 通して情報提供する形をとってきた.ここでは, まだ文字を読めない小さなこどもたちにも楽しめ るよう,色彩やイラストにも工夫がなされている. そして,下部に文教ペンギンルームのロゴマーク を載せることにより,「ペンギン」「ペンギンの親 子」というイメージを視覚的にわかりやすく表現 している(資料4 ∼資料10参照). (2)子育て支援学生ボランティア「ぺんぎん」に 関する情報提供  文教ペンギンルームでは,こども発達学科の有 志の学生により,「子育て支援学生ボランティア ぺんぎん」の活動が行われている(資料6,資料 7,資料8参照).子育て支援学生ボランティアぺ んぎんの学生たちは,文教ペンギンルームの子育 てトライアングルあいあいの活動や,子育て支援 センターめぐみの(プレイセンター)での活動を 行っている.  また,子育て支援学生ボランティアぺんぎんで は,定期的に「ぺんぎんミニ研修会」を行い,子 育て・教育支援について自主的に学習している. 「関係力育成プログラム」に関するロールプレイ 学習や特別行事の企画・実施も行ってきた.

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239 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報)

資料1 北海道新聞「るーと36」に掲載された文教ペンギンルームに関する記事

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240 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013

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241 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報)

資料4 文教ペンギンルームニュースでの「子育てトライアングルあいあい」に関する 情報提供(2010年11月号,2011年3月号,4月号,7月号)

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242 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013

資料5 文教ペンギンルームニュースでの「子育てトライアングルあいあい」に関する 情報提供(2011年9月号,10月号,11月号,12月号)

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243 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報)

資料6 文教ペンギンルームニュースでの「子育て支援学生ボランティアぺんぎん」に 関する情報提供(2011年8月号,2012年2月号,3月特別号,4月号)

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244 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013

資料7 文教ペンギンルームニュースでの「子育て支援学生ボランティアぺんぎん」 に関する情報提供(2012年5月号,6月号,8月号,10月号)

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245 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報)

資料8 文教ペンギンルームニュースでの「子育て支援学生ボランティアぺんぎん」 に関する情報提供(2012年12月特別号)

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246 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013 (3)テーマ曲「ペンギンルームのおともだち」に 関する情報提供  文教ペンギンルームでは,来室しているこども たちのために,オリジナルのテーマ曲「ペンギン ルームのおともだち」を作り,いつも「子育てト ライアングルあいあい」の活動の始まりと終わり に参加者全員で歌っている.この曲には,その日 に参加してくれたこどもたち一人一人の名前が入 るようになっており,コールアンドレスポンスの 考え方を取り入れて構成している.この歌は,今 では,こどもたちの間で定着しており,歌が始ま ると,まだ言葉を話さない小さなこどもも,手を 叩いて楽しそうにリズムに乗る様子が見られてい る.音楽にのせて,他のこどもの名前を呼ぶ,自 分の名前が呼ばれるという体験を通して,こども たちの中に,一緒に遊ぶという「心の土台」が自 然と作られていくことをコンセプトとしている (資料9参照).  資料9 テーマ曲「ペンギンルームのおともだち」に関する情報提供 (2011年6月特別号)

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247 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報) (4)文教ペンギンルームにおける公開講座に関 する情報提供  文教ペンギンルームでは,北海道文教大学公開 講座の一環として,2010年から毎年9月に,地域 で生活している親子を対象にした関係力育成プロ グラムに関する公開講座を実施してきた.これら の情報についても,文教ペンギンルームニュース に掲載してきた(資料10参照). 資料10 文教ペンギンルームにおける公開講座に関する情報提供 (2012年10月特別号)

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248 北海道文教大学研究紀要 第 37 号 2013 おわりに  本報告では,北海道文教大学子育て教育地域支 援センター(通称文教ペンギンルーム)が発行し てきた「文教ペンギンルームニュース」を通して, これまでのセンター活動を振り返った.その結果, 文教ペンギンルームニュースは,色彩やイラスト, 写真を添えることなどにより,まだ文字の読めな い小さなこどもたちにも楽しみを感じさせる工夫 がなされていることがわかった.  また,このニュースには,多様な情報が掲載さ れているが,記述内容は,(1)子育てトライアン グルあいあいに関する情報提供,(2)子育て支 援学生ボランティアぺんぎんに関する情報提供, (3)テーマ曲「ペンギンルームのおともだち」に 関する情報提供,(4)文教ペンギンルームにおけ る公開講座に関する情報提供,という4点に大別 することができた.(1)については,子育てト ライアングルあいあいの活動の日程や内容を中心 にまとめられている.(2)及び(4)については, 活動場面の写真を掲載しており,具体的な活動の 様子が視覚的にわかりやすく表されている.そし て,(3)については,文教ペンギンルームオリジ ナルのテーマ曲を歌うことで,こどもたちの中に, 一緒に遊ぶ「心の土台」が自然と作られることを 目指すという,曲の持つ意味性が示された.この ことは,文教ペンギンルームが活動のベースとし ている「関係力育成プログラム」に通底するもの と捉えられる.  これらの振り返りを通して,文教ペンギンルー ムニュースは,センター活動において,単なる報 告事項の伝達にとどまらず,文教ペンギンルーム スタッフ,学生,来室している親子が,ともに文 教ペンギンルームを作ってきた「子育てトライア ングル」の世界を示すうえで大きな役割を果たし ていると考えられた. 謝 辞  本報告をまとめるにあたっては,多くの方々に 大変お世話になりました.とりわけ,文教ペンギ ンルームの広報について様々なアドバイスをいた だいた,北海道文教大学入試広報部の新田 隆部 長に,心より感謝申し上げます.新田部長には, 文教ペンギンルームのロゴマークを作成していた だきました.また,ホームページ掲載にご協力い ただいた,須田製版の齊藤 尚さんに深謝申し上 げます.  そして,積極的に活動に取り組んでいる「子育 て支援学生ボランティアぺんぎん」のみなさんか らは,多くの刺激をいただき,本当にありがとう ございました.  さらに,母親アドバイザーの齊藤修子さん,平 井 梓さんをはじめ,文教ペンギンルームの活動 に参加してくださったお子さんと保護者のみなさ んに心より深くお礼申し上げます. 文 献 1) 後藤 守・川端愛子:文教ペンギンルームに おける子育て支援のための関係力育成プログ ラム実践(第1報)−関係力育成プログラム による学生支援を通して−.北海道文教大学 研究紀要,35:127 ‐ 140,2011. 2) 川端愛子・後藤 守・植木克美・中島 平・ 熊井正之・渡部信一:文教ペンギンルームに おける子育て支援のための関係力育成プログ ラム実践(第2報)−PF NOTEプロトタイプ による可視化資料を用いた学生の行動観察力 の育成を通して−.北海道文教大学研究紀要, 36:173 ‐ 184,2012. 3) 後藤 守・川端愛子・後藤広太郎:文教ペン ギンルームにおける子育て支援のための関係 力育成プログラム実践(第3報)−教職志望 学生の行動観察力の育成のための「関係力育 成プログラム」について−.北海道文教大学 研究紀要,37:219 ‐ 235,2013.

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249 文教ペンギンルームにおける子育て支援のための関係力育成プログラム実践(第 4 報)

Implementation of a Program in Interpersonal Skills Education for Supporting

Child-Rearing in the Bunkyo Penguin Room (Report No. 4)

A Review of Child-rearing Education Community Support Center Activities through Now, from the Bunkyo Penguin Room News

KAWABATA Aiko and GOTOH Mamoru

Abstract: This report reviews the activities conducted through now by the Child-rearing Education Community

Support Center (Bunkyo Penguin Room) at Hokkaido Bunkyo University, from information in the Bunkyo Penguin Room News published by the Center. It finds that the Bunkyo Penguin Room News contains a diverse range of information concerning the Bunkyo Penguin Room and that its content can be grouped into the four main categories of (1) providing information on the Ai-Ai Child-rearing Triangle, (2) providing information on student Volunteer Penguins who assist with child-rearing, (3) providing information on the theme song "Penguin Room no otomodachi" ("Penguin Room friends"), and (4) providing information about open classes held at the Bunkyo Penguin Room. This review suggests that these issues of the Bunkyo Penguin Room News not merely serve as means of communicating reports on Center activities but also play an important role in depicting the world of a "child-rearing triangle" in which Bunkyo Penguin Room staff, students, and mothers and children coming to the Center have built the Bunkyo Penguin Room together.

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参照

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