English Activities as a Component of Integrated Studies in Elementary School
教科・領域教育専攻 言語系(英語)コース 長 岸 和 美
1. はじめに
平成 10 (1998)年に文音階、より告示された 新学習指導要領によれば、公立小学校でも総合 的な学習の時間の中で英語活動が可能になる。
総合的な学習の時間は、今回の改訂で初めて特 設されたもので、あり、今、注目を集めるところ のものである。特に、小学校における英語教育 は、前子段階であり、平成 4年度から順次英語 教育に関する研究開発学校が指定されている。
平成8年度からは全国全ての都道府県に各1校 の研究開発学校が指定されている。さらに平成 1 2年度からは、新たに3校が指定され、平成 1 3年度からもまた2校が追加指定されている。
この5校は、小学校における英語活動の全国規 模における取り組みを前提として、教科として の「英語科Jの実現の可能性を研究課題として 実践している。
このような動きから考えると、子どもたちが 英語活動を通じて教育改革の柱としてうたわれ ている「生きる力Jを身につけるために、親市 がどのように支援することができるのかを探る ことは重要であると考えられる。本研究は、
2002年度から始まる「総合的な学習の時間」の 榊且みの中で教えられる英語の可能性を探るこ
とを目的として行われるものである。
2.研究背景
国際化が急速に進展する中で、広い視野を持
指 導 教 官 材 す 裕 三
って異文化を理解し、異なる文化や習慣をもっ た人々と偏見を持たずに自然に交流し生きてい く資質や能力の育成は、非常に大切なことであ るといえる。
新指導要領の表現から考えると、英語活動は、
総合的な学習の時間に位置する国際理解の一例 としてとらえられている。つまり、知識や技能 に偏ったものではなく、全人的な発達を願って 入れられたものだということができる。中央教 育審議会の答申の中でも国際理解教育の充実が 指摘されており、国際理解教育を総合的な学習 の中に位置づけようとするのは、国際的な協調 が不可欠となっている現代では当然のことと考 えられる。
自ら学び、自ら考える力や豊かな人間性など の「生きるカ」をつけるには、自分の存在に自 信を持たせる必要がある。そのためには、子ど もたちに安心して表現できる場を与え、子ども たちが、「できた」という成施惑、英語を通して 新しいことを知ったという学びの欲求の充足感、
教師や友達と触れ合うことができたという学び の場における自分の存在感を味わうことが大切 であるD 違ったものに対する受容の態度、自己 を確立し、尊重する態度を身に付け、国際社会 の中で共生していこうとする資質を育くむには 英語活動が有効であると考える。
3.研究
総合的な学習の中での英語活動の可能性を 考察するため、 10か月間、 15回の授業観察 を行った。ALTは、年度末に代わったが、 E王RT と児童は同じである。
授業は全て、担任と ALTのティーム・ティ ーチングの形で行われた。ピデ、オに撮った授業 は、全て文字起こしされ、その中から、部分的 に切り取って分析された。その後、授業者にイ ンタビューして確かめられた。
4.結果の分析
総合的・横断的な活動であり、国際感覚を養 うのに効果的である部分が取り出された。部分 的に切り取られたデータは、他を認める場、新 しい発見の場、自己表現・コミュニケーション の場、情報発信・交流の場という4つの視点か
ら分類され、特徴が述べられた。
5.考察
まず初めに、 4つの視長から考察された。自 己表現・コミュニケーション活動の機会が少な いということがその1っとして考えられたが、
その要因としては、クラスの人数が多いことと、
ALTの、生徒の発音を正そうとする態度が考え られた。また、他を認める場も量的に少ないの ではないかととらえられた。しかし、これは、
教師の発話ヰ様々な活動の中に埋め込まれてい ると考えられるものなので、部分的にそれだけ を取り出すことは難しいということが要因の1 つであろうことが指摘された。
次に、カリキュラムに基づいた考察が行われ た。観察された英語活動は、 HRTとALTが指 導上の役割を分担した形で行われている。前半 は、カリキュラムに沿った英語活動が系統的に 行われ、後半は、学級担任の裁量で海外の現地 校との交流を視野に入れた英語活動が行われて いる。前半の英語活動で学んだ英語表現を国際
交流学習に役立たせようとしている点で、意義 のある英語活動が行われていると言える。観察 校は、総合の中の英語としてカリキュラムを独 自に作り、 ALTとのティーム・ティーチングと いう形で実践している。しかし、 ALTは中学校
との兼務であり、常に在校しているわけではな いので、 HRTが ALTとの話し合いの時間を毎 回確保するというのは難しい。また、日本語を 十分に話すことのできないALTとHRTが、共 に授業の計画を立案することも困難である。
最後に、英語の音をカタカナに置き換えるこ ととカタカナ語についての考察が加えられた。
6.結論と今後の課題
本研究は、今、英語活動が行われている学校 を4校取り上げ、そのうちの1校に焦点を当て た質的研究である。その中で、英語活動が国際 的な資質を育てる上で有効であるかどうカ検討 された。子どもが持つ興味と英語活動を結びつ けることの難しさを理解しつつも、小学校にお ける英語活動の有安対生と学級担任が主体となっ た英語活動の推進を提案したい。全国の研究開 発学校の研究方向を見てみると、文部科学省は、
教科としての英語を試していると言ってもさし っかえない。が、今、私たちにできることは、
今いる小学校教師が現場で国際理解教育を行う ことである。将来は、ALTの総宣により、 HRT、 あるいはJ四 とALTとのティーム・ティーチ ングがどの小学校でも実現するとしたら、その 可能性に期待するところである。
教育は長期的な観点からとらえられるべき もので、あって、英語活動が実際に子どもたちの 成長に何をもたらしたのか測るものさしはない。
中学校へと進んだ子どもたちがどのような成長 を遂げていくのか、小学校と中学校が協力して、
継続的な研究がなされる必要がある。