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パネル 2012年度せんだいメディアテークでの企画

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Academic year: 2021

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パネル 2012年度せんだいメディアテークでの企画

著者 東北学院大学文化財レスキュ―班

URL http://id.nii.ac.jp/1204/00000324/

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活動日誌とカルテ

 東北学院大学博物館では、一時保管している資料をクリーニングする際、手当たり次第にクリー ニングするのではなく、文化財がもつ、ひとつひとつの情報や、その日にどういった活動を行っ たか、ということを記録する必要があると考えています。ここでは、活動日誌とカルテという記録・

情報共有ツールを用いています。

【活動日誌】

 文化財レスキューがスタートした段階にはじまり、一次洗浄の 段階から現在行っている二次洗浄の活動内容を記録したものです。

 日付、天気、活動時間、参加者、活動内容といった基本情報に、

必要に応じて絵などを加えながら、日々の活動内容を詳細に記入 しています。このように、クリーニングをしている環境や、クリー ニングをしている人間が資料にどう向き合っていったのかを、具 体的に記していくことで、カルテだけでは理解できない資料の情 報を記録することができます。

 現状…材質(金属、木、紙など)、点検結果 ( 塩害、カビの発生     など)を記入します。

 処置内容…文化財に施した洗浄内容を記入します。

 処置後の状態…一次洗浄による状態の変化や、二次洗浄の有無を記入します。

 写真…一次洗浄、二次洗浄を終えるごとに写真を撮影し、それぞれ裏に貼り付けます。

 カルテを使用することにより、それぞれの資料が現在どのような状態になっているのかを明確にし ておくことができます。そして、膨大な資料を整理し、安全に収蔵することにも役立てられています。

これからのための “記録”

 左に記載した活動日誌やカルテは、現在クリーニングを行っている私たちの情報共有のた めのツールとして用いることができる他に、レスキューを行っていない外部の人に、東北学 院大学博物館が被災文化財をレスキューするためにどのようなことを行っているのか、行っ てきたのかを、分りやすく伝えるためのツールとしても用いることができます。

 今日までを振り返ると、津波や台風などといった大規模災害は度々くり返されてきました。

しかし、文化財をどのようにレスキューしたかという記録は過去に残されていません。また、

そのような研究活動も今まで、行われてきませんでした。

活動日誌

カルテ

保存科学の研究者から話を聞いている様子 活動日誌をつけている様子

 東北学院大学が一時保管し、クリーニングを行っている資料は、宮城県石巻市鮎川(旧牡 鹿町)の「石巻市鮎川収蔵庫内」にあったものです。鮎川という地は、鮎川港があり、捕鯨 で栄えた町です。三陸沿岸ということもあり、今まで何度も巨大な津波の被害に遭遇してき ました。レスキューし終えた文化財は、もともと資料が収集・保管されてきた鮎川に返すこ とが最終的な目標となります。したがって、私たちが行っている活動を記録していくことは、

今後大規模な災害に見舞われた際に、被災した文化財に対してどう対処することができるの か、その参考になるという点でとても重要です。

 現在、“記録” していることが地域のこれからを考えていくことに、どう生かしていくこと ができるかということは、今の段階ではまだ、はっきりとは分かっていません。しかし、そ のような中でも、科学的な観点から、文化財の保存を考える、保存科学の分野でも既に研究 は始まっています。私たちが行っている活動は、それ自体が、地域の歴史や文化を背負って いる文化財をいかに後世に伝えていくことか、という新たな取り組みであり、新たな取り組 みを生み出すベースづくりでもあるのです。

【カルテ】

 レスキューした資料の一点一点に番号をつけ、その資料がどの ような状態にあるのかを「文化財レスキューカルテ」にまとめ、

パソコンでデータ化し管理しています。

 カルテには次のような項目が設定されています。

「記録する」ということ

 活動の記録という意味だけでなく、クリーニングを行っている私たちが文化財レスキュー活動に関する 情報を共有する媒体にもなっています。

参照

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