シシャモ(柳葉魚)及びコマイ(氷下魚)の乾製品の成分について
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(2) . 第23巻 第2号. 北海道教育大学紀要 (第2部 C). 昭和48年3月. シシャモ (柳葉魚) 及 びコマイ (氷 下魚) の. 乾製品の成分について 鴻. 橋. 高. 北海道教育大学札幌分校水産化学研究室. I Comーponents of Dr on the Chemi i i ed Spi r nchus ca l l i i 」 anceol s(TILESIUS) achna Cod 「E1 egi nus grac atus(HIKITA)and 頓ア K6 TAKAHAsH1 Depar i i tmentof Chemi ido Uni ty of Educat t on s s ry of Fi shery ver , ,Sapporo Branch , Hokka. Summary Chemi l components of dr l i i i tus(HIKITA)and 帆′achna cod were ca ed Sp r nchus l anceo a l i tud s ed and gave thef ol owi ng results; f wat i i inchus l i 1 8% o tus(H工KITA) t ( ) About the dr a er ed Sp r s ed of 16 anceol , , they cons , d h d d f f l f f i 4 h d d 6 i 3% o cru e o ,1. 49 9% o c 3% o as , an as ort e r i t e n ru e pro e sh,they , . , 20 h bd l h h b d land ash, and, comparing male with fen i i 【 コ 1 ale were r ch in o , t e o y engt , t e o y ight the content f water and ash ofthe mal l so we e were richer than those ofthefema e , ,and l of the fen in and crude oi i fthe the contents of crude prote ・ale were r cher than those o male .. i ed (n) Aboutthe dr. he i 8% of water 5 2% of wachna cod r opened products contained 36 , ,t , ,4. l 0% o fash ond only l i 2% of crude o ein, 14, crude prot , , f wa fc 3% o Noルopened products contained 1 7 4% o in and 2 t 1% of e r rude prot e , , , , 63 l i crude o ,. 緒. 言. シシャモ及びコマイは共に本道の特産品で, 乾製品として多くの人に知られている が, その成分 については分析 されたものは見当らない. 之は一般に副食品と して用い られることが少なく, 多く は酒の肴として用い られ, 又一地方の産物であることに依るものと思われる, 1 ) は 北 海 道 太 平 洋 岸 の 八 雲 か ら厚 岸 に 分 布 す る が eo函粥s (HIK工TA) シ シ ャ モ SP汐初 物 那 加”c ,. ー 1に多数棚上, 産卵した が, 現在ここでは殆ど見 られない, ここ数年来の 以前は噴火湾に注 ぐ遊楽ノ 主な産卵河川は日高地方で, 鵡川, 沙流川, 十勝川 (大津川) , 釧路地方では, 新釧路川, 茶路川, 阿寒川, 尾幌川, 別寒辺片川な どである. 0月 下旬~12月 上旬で, 沿岸付近に生息し, 生後2年で成熟し, 湖河し, 産卵する, 産卵期は1 川に依り多少異なるが, 東にある川ほど遅くなる傾向がある. 多くは暗夜に川岸に沿って棚上 し, 川 口 か ら 1~4km 以内, 水深およそ 60cm の浅瀬で, 川底に砂磯のある所を選んで産卵する. 棚 上親魚は早くて 2~3 日間, 通常5日間, おそくて7 日間で産卵を終えて海へ入り, 多くはサケと同.
(3) . VOI .23 , No .2. i Journalof Hokkaido Univer ion(Sec i ty of Educat I C) t s on l. Ma r ch l973. じ様にいわゆるホッチャリとなって死ぬが, 稀に生き残り, 満3年魚又は満4年魚として 2年魚と 共に棚上産卵するものもある. 卵は卵膜上に付着腹があり ァュ卵と同じ機構で砂際に粘着する. 勝 化に要する日数は水温 に依って大きく左右されるが, 通常85日前後である. 稚魚は海へ入って生 育する。 棚上 して来る親魚の体長は, 雄では 1 34~135mm, 難 で は 118~121 mm く ら い の も の が 多く, 一般に雄の方が大きい. 主と して塩干物とされるが, すこぶる美味である . 2 ) は氷魚又は氷下魚とも呼ばれるが マ ダラに似て下顎 コ マ イ E‘ eg溺z sg ‘ ) γαα偽 (TILES工US , は上顎より短かく, あごにひげがある. しかしマ ダラと異なり体はやせ形であり, 体長にしても40 cm を越えるものは殆どない, 尚著 しい特徴は, 第 6番目 (時には第8 又は第1 0番目) の 脊椎か. ら後の脊椎の側突起の端が膨大していることで, このような特徴を持つタラは他にない. 日本海か ら北洋にわたる沿岸水域に分布する. その南限は仁川と北米の Poget Sound で, 本州の北部沿岸 ではどの辺まで分布している かよく判っていない. 北海道では釧路西南の白糠沖及び霧多布~落石 2~4月 の 2回である. 又門別~静 内 沖か の水深 loom 前後の所が漁場で, 漁期は8~10月 及び1 ら襟裳岬にかけての沿岸近くで漁期は 12月~1月である,.このほか根室地方の沿 岸漁 業に とって 大切な魚で, 根室湾やそれに面する汽水湖では1~3月 の産卵期に, 氷下に 網を入れ て漁獲する. 日高, 釧路, 北見地方でも沿岸や汽水湖では, やはり厳冬のころ接岸したのを漁獲 している. ゴマ イは1~3月の厳冬の候に浅所に移動 し, 岸近くのやや深い氷下で産卵する. 従っ て産卵期の水温 loC で 56 日で癖化する. 初夏には体長 5cm 余り は氷点下か, それに近い. 受精卵は酵化適温 1 . になり, その後は急速に成長 し, その年末に平均 20cm ぐ らい に な る, コ マイ は 主 と して 中 型 機 船底曳網及び小手繰網で漁獲されるが, 汽水湖や沿岸では氷に穴をあげて, 氷下の魚を定置網や釣 で漁獲 しているところもある. これが本魚を氷魚又は氷下魚と呼ぶ所以である,. 実験及び考察 S1 , シシ ャモ につ いて. 1 ( ) 試料. 市販の風乾物で多少食塩がまぶされている. これをすり鉢の中で打砕, 混合し, およ そ粉末状態に した. 1 1 ( ) 分析方法は常法通りである が, 一般成分の平均値を求めた他, 雌雄及び魚体の大 小による 体成分の 相異も検討 した, 1 1 1 ( ) 分析結果及び考察. 分析結果を一覧表にすると次の第1表の如くである, 第1表 シシャモ乾物の一般成分. 雄. 雌 雌. i …. 雑. 平 均 値 雄. 雄 平 均 値 総 平 均 値. 体 長( cm) 11 I . 11 0 , 10 4 , 8 10 , 10 I . 10 7 , 12 O , 12 3 . 11 7 . 10 9 , 10 9 . 11 5 . ILI. 体. 重( ) g 5 5 . 4 7 . 4 4 . 4 O , 3 8 . 4 5 . 6 5 . 7 8 , 6 3 , 5 2 , 5 4 , 6 O . 4 5 ,. 水 分(%). 粗蛋白(%). 粗脂肪(%). 灰 分(%). 9 9 , 6 17 , O 14 . 2 18 . 16 1 ,. 2 51 , 49 1 , 53 I , 52 1 .. 14 7 . 14 2 . 14 6 .. 54 5 . ‐ O 52 .. 25 2 , 24 4 . 23 O . 19 2 . 2 19 . 22 2 ,. 48 8 . 6 48 .. 17 5 , 6 17 .. 45 7 , 49 O . O 47 .. 20 3 ,. 2 15 . 19 8 . 6 18 , 18 4 . 2 17 . 8 18 , 6 18 , 16 8 ,. (52). 47 8 . 49 9 .. 18 9 , 17 3 . 3 18 , 20 3 ,. 13 2 . 6 12 , 13 9 , 14 4 . 13 8 . 15 8 . 13 1 . 16 2 . 14 7 . 14 3 ,.
(4) . 第23巻 第2号. 昭和48年3月. 北海道教育大学紀要 (第2部 C). 以上の結果, 総平均値では, 水分1 6 8%, 粗蛋白49 4 3% となり, 相 9%, 粗脂肪2 0 3%, 灰分1 . . , , 当栄養価の高いものと言うことが出来る, 又灰分が14 3 徴である, 参 特 % を占めることは一つ の , 考のため数種の魚類乾製品の成分例を挙げると次の第2表如くである , 〉 第2表 各種魚類乾製品の成分例3. \\ 成 分 水 分 (%) 魚 種 \\\ ア. 粗蛋白 (%). 粗脂肪 (%). 55 4 ,. 27 1 ,. 灰 分 (%). ユ. 8 9 ,. タ タ ミ イ ワシ. 15 5 .. 71 0 ,. 4 5 ,. 8 4 ,. イ ワ シ(煮干). 17 8 ,. 7 58 .. 4 3 .. 8 19 .. タ. 10 3 ,. ラ. 21 8 .. O 58 ,. 1 5 ,. 18 8 ,. ニ シ ン(ミ カ キ). 39 9 ,. 40 5 .. 1 16 ,. 2 5 ,. イカ(ノツイカ). 19 7 ,. 56 4 .. 2 8 ,. 9 3 .. イ カ(スルメ). 25 9 .. 61 O ,. 5 5 .. 7 4 ,. こ れ に 依 っ て 見 る に, シ シ ャ モ の 乾 製 品 は ァ ュ ニ シ ン (ミ ガキ) 等 と 共 に 脂 肪 が 多 く, 又 ア ユ ,. イワシ (煮干) , タラ等と共に灰分の多いものに入る, 灰分の多いのは軽く塩でまぶしてあること と, 小骨が混入することによるものと思われる, 雌雄の別による相 異・体長より見れば, 雌平均 1 5 0 7 1 cm で雄の方が大きく, 体重 cm, 雄平均 1 . , 5g 6 0 より見ても, 雌平均 4. 平 雄 均 . g で共に雄の方が大きい. また水分, 灰分は雄の方が多い が , 粗蛋白及び粗脂肪共に雌の方が勝 っている, I 1 S , コ マイ に つ い て. 1 ( ) 試料. コマイ の乾物には開きにしたものと, 棒干しに したものとがあるが, 各々5匹宛市販. のものを求めて, その可食部をシシャモの場合と同様に打砕, 混合して試料とした, なおこれ等は 雌雄の判別が困難である, QI ) 分析方法は常法通りである. 1□) 分析結果及び考察 分析結果を一覧表にすると, 次の第3表及び第4表の如くである ( . 第3表 コマイ乾物 (開き干し) の一般成分. 成 分 水 分 (%) \ 番 号 \\\. 粗脂肪 (%). 2. 6 35 . 35 3 .. 2 42 , 43 1 ,. 1 4 . 1 5 ,. 3. 38 8 ,. 4. 4 36 , 38 1 .. 4 45 , 7 45 .. 1 3 , 1 0 .. 6 44 . 45 2 ,. 1 0 . 1 2 ,. I. 5. 平. 粗蛋白 (%). 均. 値. 36 8 ,. 灰 分 (%) 6 15 . 14 4 , 13 2 , 13 5 , 13 4 . 14 O ,. 第4表 コマイ乾物 (棒干し) の一般成分. 成分. 番号. 平. 水 分 (%). 粗蛋白 (%). 組脂肪 (%). 灰 分 (%). I. 17 4 ,. 64 8 ,. 1 7 ,. 2. 18 4 ,. 55 3 ,. 2 4 ,. 17 0 ,. 3. 17 7 .. 6 72 ,. 1 9 .. 10 2 ,. 4. 6 17 ,. 20 7 .. 15 8 ,. 4 59 , 64 3 .. 2 1 ,. 5. 2 3 ,. 17 4 ,. 63 3 ,. 2 i .. 16 8 . 16 9 ,. 均. 値. (53). 18 7 ,.
(5) . VO1 ,23 , No .2. Journalof Hokka ido Un i ion (Sect iver i t s on lI C) y of Educat. March i973. 以 上 の 結 果 よ り 見 る と コ マイ の開 き 干 しは シ シ ャ モ に 比 べ て 遥 か に 水 分 が 多 く 平 均 36 8% を . , ,. 示 しており, 粗蛋 白は45 2%, 灰分は14 0% と余り差がないが, 粗脂肪は僅かに 1 2% である. コ , . . マイの棒 干しは相当に乾燥されているので 水分平均値17 4 も % と開き干しの の より遥かに少な , , く, 蛋白質は平均63 3% と多いが, 脂肪は開き干しに比較して相当多くな っている が, 2 1% と低 , . い点においては変 りがない コマイ の鮮魚が余り美味でないのは脂肪の少ないことも関与 している . ものと 思われる, 要. 約. 本道特産のシシャ モ及びコマイ の乾製品について 分析を行ない, 次の事項が明 らかになった . 1 ( ) シシャモの乾製品の成 分は, 平均値で水分16 4 8 9 9 0 3 1 4 3 % 粗蛋白 % 粗脂肪2 % 灰分 . , , , , , , %で乾製品としては脂肪及び灰 分が多い 又雌雄による差を比較すると, 体長, 体重共に雄が大き . く, 体成分では水分及び灰分が雄の方が含量大なる傾向にあり, 又粗蛋白及び粗脂肪の含量につい ては雌の方が多い. 1 工 ( ) コマイ の乾製品で開き干しに したものは, 水分が多く所謂半干 しで 平 均36 8% を 示 し, , 2%, 灰分1 4 0% とシシャモに比べて余り差異がないが, 粗脂肪は僅かに 1 粗蛋白は 45 2% である . . . 4% で開き干 しに比べて遥かに少なく, 粗蛋白は平均63 棒干 しに したものは水分17 3% を含むが, . . 1 粗脂肪は2 %で低い点では変わりがない . . 文. 献. 1 ) 松原喜代松, 落合明: 魚類学 (下) 0年, 5 14頁 , 恒星社厚生閣, 昭和4 2 1頁 ) 同上, 67 3 08頁~5 ) 岩田久敬: 食品化学, 養賢堂, 昭和27年, 5 09頁. (54).
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