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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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氏 名 孫 瑛鞠 授 与 し た 学 位 博 士 専 攻 分 野 の 名 称 文 学

学 位 授 与 番 号 博甲第6007号 学 位 授 与 の 日 付 平成31年3月25日

学 位 授 与 の 要 件 社会文化科学研究科 社会文化学専攻

(学位規則4条第1項該当)

学 位 論 文 題 目 清末中国知識人の近代国民意識の覚醒

――「任侠」救国思想から国民の注目へ――

学位論文審査委員 教授 姜 克実 准教授 渡邊 佳成

准教授 德永 誓子 名古屋大学准教授 土屋 洋

学位論文内容の要旨

本論文は、19 世紀末前後、中国知識人の、近代的ナショナリズムへの覚醒過程の解明を試みる ものであり、代表的知識人梁啓超の思想、行動を軸に、戊戌変法前後来日した留学生、亡命インテ リたちに多く見られる「任侠」救国の思想が、庚子勤王運動の挫折をきっかけに、いかに近代的ナ ショナリズムの覚醒に転換していったかの過程を明らかにし、かつその歴史的意義を指摘した論で ある。

学位論文審査結果の要旨

審査会メンバーは、日本近代史、中国近代思想史、東アジア近代史、日本史など各方面の専門 家によって構成され、以下の諸点で審査意見が一致した。

1, 論の問題意識が鮮明であり、論旨は論文の各章全体を貫き、かつ説得力のある結論を導き 出すことに成功した。

2, 論文全体の構成は合理的であり、一、問題意識、二、任侠思想の影響(黄遵憲の日本論)、 三、梁啓超の任侠思想、実践、思想転換、四、梁啓超の活動を通じて、その思想の留日学生全 体に与えた影響、五、日露戦争前後の“軍国民”論本質の解析、などの段階を経て次第に深め られ、最後に結論にいたる論法の合理性が評価できる。

3, 資料の解読、運用、批判は適切で、学術の規範に到達している。

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4, 考察の成果と結論は、その分野の学界の諸学説に意義のある問題提起となり、かつこれか らの学説の新たな展開にもインパクトをあたえていると、考えられる。

5, 論文は、6 つの既成雑誌論文をもとにまとめられたものであり、それぞれが、個別論文と して刊行された際、すでに研究者と学界、学会の評価、批判を十分に受けている。その土台の 堅実さが評価できる。

6, 問題として、研究史全体の把握にはなお不十分の面があり、自説との関係の説明には強引 な傾向がみられる。したがって、せっかく自論を成し遂げながら、研究史全体における位置づ けなどについて、まだうまく説明できない弱点が見られ、さらにアジア近代史全体における国 民論、国家論、近代ナショナリズムの位置についての視野が限られている感があり、不周到の 弱点が指摘される。

多少の欠陥、未熟の面があるものの、論の全体はまとまりの良い優れた研究であり、将来性も 大いに期待できる。結論として、本研究科の博士学位に値する価値が十分あると審査員たちの意見 が一致した。

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