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乳酸桿菌 (Lactobacillus casei シロタ株) の細胞性免疫増強作用およびインフルエンザウイルス感染防御作用に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

Title

乳酸桿菌 (Lactobacillus casei シロタ株) の細胞性免疫増強作

用およびインフルエンザウイルス感染防御作用に関する研

究( 内容の要旨 )

Author(s)

堀, 徹治

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第069号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2314

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本(副籍) 学 位 の 種 類 学 位 記.番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 堀 徹 治 (兵庫県) 博士(農学) 農博乙第69号 平成15年3月13日

学位規如第4粂第2項鼓当

乳酸梓菌(エ8C地d仇び招βdシロタ株)の細胞性 免疫増強作用およびインフルエンザウイルス感染防 御作用に関する研究 主査 信州大学 副査 信州大学 副査 静岡大学 副査 岐阜大学 副査 ヤクルト中畑耕 授 授 授 授 教 教 教 教 元儀誠敬子 明 義 久 谷野 丸掛 大 細森金 保 論 文 の 内 容 の 要 旨 インフルエンザはインフルエンザウイルスが鼻咽頭から侵入することにより

発痛する呼吸器感染症であり,発病と同時に頭碍,腰痛,関節炎,倦怠感など

の全身.症状を起こす。インフルエンザは一般に,1週間程度で治癒する予後良好

な病気であるが,免疫力の低下した高齢者では,合併革,特に肺炎を起こし重

症化する確立が高いとともに,予防接種の効果が殆ど無い場合も少なくない。

したがって,高齢者などの免疫力が低下しやすい人には,従来から,宿主の免 疫力が低下しないようにすることが重要である。 一方,・・.乳酸菌は発酵乳の製造だけではなく,多くの発酵食品や医薬品の素材

として広く利用されており,その整腸作用については古くから良く知られたと

ころである。近年,乳酸菌には整腸作用に加えて,抗腫瘍作用,感染防御作用,

コレステロール低下作用など様々な健康維持機能があることが明らかに▲されつ

つある。市販発酵飲料の製造に用いられている乳酸梓菌であるム∂eわぁ虚血〃〟β

e鮎扇シロタ株は移植癌や化学癌に対する抑制作用,リステリア窄どの細菌感染

防御作用などの生体防御作用を有することが明らかにされると■ともに,その防

御機構は宿主の細胞性免疫の増強によることが示唆されていることに基づき,

堀論文は,``ム8Cわぁad〃〟β鱒β由シロタ株は宿主の細胞性免疫を増強し,イン

フルエンザウイルス感染を抑制する''という仮説を証明しょうとした.のもので

(3)

ロン・γおよび腫瘍壊死因子・αなどのサイトカインり生産性が顕著に増加し,

ム毘βdシロタ株は粘膜の細胞性免疫を増強することを明らかにした。併せて第

1章では,ムe郎dシロタ株をマウスに経鼻投与後,インフ′㌣エンザウイルスを

上気道感染させると,ム毘β由シロタ株の経鼻投与を行わずにインフルエンザ

ウイルスを感染させた場合と比べて,鼻腔洗浄液中のインフルエンザウイルス

数が有意に少なくな云ことを示した。ぢトの場合と異なり,マウスでは一般に,

インフルエンザウイルスを上気道感染させても死には至らない。しかし,堀君

は上気道感染後に燐酸緩衝液を鼻腔痩与すると,そのマウスは死亡することを

見出し,その実験系を用いることにより,ム毘βdシロタ株の経鼻投与はインフ・ ルエンザウイルス感染マウスの生存率を有意に高めることを示した。これらの 結果に基づき,ム毘βdシロタ株甲経鼻投与は,気道の細胞性免疫を高めること により,インフルエンザウイルス感染を抑制すると考察している。 第2章では,抗アシアロGMl抗体を接種し,NE細胞の活性を低下させたマ ウスにインフルエンザウイルスを投与すると,インフルエンザの発症率が抗ア シアロGMl抗体を接種しないでインフルエンザウイルスを投与した場合より

も有意に高くなることを示し,インフルエンザウイルス感鄭こ対してNk細胞

活性が強い抑制作用を示していると考察している。

第3章で軋細胞性免疫機能・特に・NE細胞の活性が低下した老齢マウスに,

ム毘朗豆シロタ株を長鱒閉経口投与すると牌臓や肺のNX細胞活性や鼻咽頭関

連リンパ組織の細胞のインターフェロン・γや腫瘍壊死因子・αの産生能が顕著

に高くなることを明らかにした。また,インフルエンザウイルスの上気道感染

後の鼻腔インフルエンザウイルス数は,ム毘βdシロタ株非投与マウスの場合よ

りやム躇βeノシロタ株投与マウスの寿が有意に少ないごとを示した。これらの

結果に基づき・ム躇βdシ日夕株の経口投与は,宿主の全身性細胞性免疫を高め

るだけではなく,局所の細胞性免疫を高めることにより,インフルエンザウイ

ルス感染に対して抑制作用を示すと考察している。 ヒトでのインフルエンザ発症試験には末梢血リンパ球を用いなくてはならな

い。そこで最後の章である第4章では,老齢マウスへのエ、C且別ガシロタ株の経

口投与が末梢血のNE細胞活性に及ぼす影響について検討を行い,ム躇β正シ

盲夕株の経口投与は末梢血のNK細胞活性を有意に増加させるとともに,その 活性と牌臓のNE細胞活性との間には統計的に有意な正の相関性があることを 明らかにした。これらの結果に基づき,高齢者がム毘βdシロタ株そのもの, 或いはエビ郎dシロタ株を含む発酵飲料を摂取すると,末梢血のNX細胞活性 が高まり,健康が増進される可能性があると考察している。

以上のように,堀論文は,・ム躇β扉シロタ株がマウスでゐ実験モデルで,宿主

の細胞性免疫を増強させることにより・インフルテンザウイルス感鄭こ対して 防御作用を示すことについてまとめている。

(4)

-121-審 査 結 果 の 旨 インフルエンザは一般に,1週間程度で治癒する予後良好な病気であるが,免疫力 の低下した高齢者では,合併症,特に肺炎を起こし重症化する確立が高いとともに, 予防接種の効果が殆ど無い場合も少なくない。したがって,高齢者などの免疫力が低 下しやすい人には,従来から,宿主の免疫力が低下しないようにすることが重要であ る。

堀論文は,近年,ある嘩の乳酸菌が宿主の免疫系の調節機能を有することが明らか

にされつつあること笹鑑み,市販の発酵乳飲料の製造に用いられている乳酸梓菌の1 つであるムβeわぬd肌拶d∂βdシロタ株が宿主の細胞性免疫を増強し,インフルエン ザウイルス(IFV)感染を抑制するのではないかという仮鋭の下に行づた研究成果を まとめたものである。墟論文の研究成果の中で,特に注目される点は以下の4点で ある。 (1)`ム朗βdシロタ株をマウスに経鼻投与すると,気道縦隔リンパ節細胞のⅠし12, IFN・γおよびTNF-αの生産性が顕著に増加し,ムcaβdシロタ株は粘膜の細胞 性免疫を増強することを明らかにした。 、 (2) ム以β由シロタ株をマウスに経鼻投与後,IFVを上気道投与すると,ム摺βd シロタ株の経鼻投与なしにIFVを投与した瘍合と比べて,鼻腔洗浄液中のIFV 数が有意に少なくなることを見出した。 (3) マウスでは一般に,IFVを上気道感染させても死亡するには至らないが,上気

道感染後にPBSを鼻腔投与すると,そのマウスは死亡することを見出し,そ

の系により,ム躇βdシ占夕株の経鼻投与は正Ⅴ感染マウスの生存率を有意に

高めることを示した。 (4) NE細胞活性が低下すとインフルエンザの発症率が有意に高くなることを明ら

.かにするとともに,ム甜β由シロタ株を老齢マウスに長期間経口投与すると牌

臓,肺および血液中のNE細胞活性が有意に高くなり・,IFVの上気道感染後の 鼻腔IFV数は,ムd∂β由シ.ロタ株非投与マウスの場合よりもム以β由シロタ株 投与マウスの方が有意に少ないことを示した。 以上のように堀論文はマウスでの実験系を用いて,ム毘βdシロタ株は宿主の細胞 性免疫を向上させることによりIFV感染防御作用を示すことを明らかにした。これ までに,乳酸梓菌がIFV感染防御作用を示すことを系統的に調べた報告はなく,5 人の審査琴員は満場一致で,堀論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文(博 士)として十分に催するものと判定した。 【学位論文の基礎となる学術論文】 1,E飴ctofintranasaladmimistrationof上虐CiobaciHzLeGaSeIShirotaohinfluen2;a virusinfectionofupperre8piratorytractinnice・Clin・Diagn.Lab・Immunol., 8(3),593・597,2001. 2.Augmentationofcellularimmunityandreductionofinfluen2;aviruStiterin

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3.E鮎ctof oraladministrationof血cわbaciL[uscaseistrainShirotaon naturalkiuetactivityofbloodmononuclearcel18inagedmice∴Biosci. Biotechnol.Biochem.,67(2),inpress,2003. 【既発表学術論文】 1.E鮎ctofdietarydeoxychohcacidandchole$terOIonfecalsteroid COnCentrationanditsimpactonthecoloniccryptcenpro臆rationin azoxymethane・treAtedrats.CancerLetters,124,79-84,1998 2.Protectionagain8tinnuen2;aviruSinfectionofmicefedBi6hbactezjumbTe搾 YIT4064.Clin.Diagn.Lab.Immunol.,6(2),186・192,1999. 3・Comparisonofthewater・holdingcapacityofwheatbranproduct8preParedby Wetanddrysmashingmethod8it7T4tt・Oande飴ctonthegastrointe8tinal retentiontimeinrats元=承叩.Int.J.Ⅵtam.Nutr.Res.,70(4),178・184,2000. 4.乳酸梓菌の細胞性免疫増強作用およびインフルエンザウイルス感染予防効果の 検討,ミルクサイエンス,50(3),133・137,2001. \

参照

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